50~64歳 (1)前提 50~64歳の人は、横浜市の人口の2割程度を占めています。仕事や子育てを終えた人、又は終了に近づく人が多くなりますが、親の介護に関わる人が増えてくる世代でもあります。 2022(令和4)年の横浜市高齢者実態調査によれば、40~64歳の結果となりますが、「何歳まで働き続けたいか」という問いへの回答は、「働き続けられるうちはいつまでも」と答えた人が最も多く29.3%であり、次いで「65歳まで」が20.8%となっています。また、現在家族の介護をしている人の割合は9.6%であり、「現在は介護をしていないが、今後可能性が高い」人の割合は60.3%、現在介護をしている人のうち、働いている人は74.6%となっています。 一方、現在地域活動に参加している人の割合は28.0%であり、そのうち自治会町内会活動・行事に参加している人が最も多くなっています。また、今後参加してみたい地域活動として、「地域貢献となるボランティア」と回答した人は30.6%となっています。 (2)市民目線のニーズ探究調査 2025(令和7)年度に実施した市民目線のニーズ探究調査によれば、50~64歳の市民の9割近くが横浜に住み続けたいと回答しています。 隣近所との付き合い方については、「顔も良く知らない」が約13%と全体平均よりも低く、また、「道で会えば挨拶くらいする(約58%)」が平均を上回るなど、この世代と地域コミュニティとの距離感を推し量ることができる結果となりました。 50~64歳の横浜市民は、横浜に住み続けたい理由として「買い物や医療などの生活環境が整っている(約63%)」「普段の生活を楽しく過ごせる(約36%)」「街ににぎわいや活気がある(約26%)」を上位に挙げています。第二の人生を見据え、横浜の社会的なインフラにも魅力を感じているともいえるでしょう。 (3)横浜で暮らす50~64歳の「豊かな選択肢」 30代後半~40代と比べて、仕事や育児の時間が減り、社会的な活動や自己実現に向けた活動を行う人、行いたい人が多くなる世代です。 自己実現に向けた活動としては、リカレント教育の場として、各区にある市民活動センターにおいて多様な学びの場が設けられるとともに、近郊を含め30の大学があり、各大学で開催される市民向け公開講座に参加すれば、新しい分野での学びなおしへのハードルも低くなります。 また、自治会町内会や地区社会福祉協議会などの地域活動の担い手となり、これまでの豊富な経験を生かして、地域課題や社会課題の解決に貢献することもできます。そのほか、市民農園を借りた家庭菜園、公園愛護会活動への参加、ボランティア活動を通じた高齢者や子育ての支援、豊富な国際経験を生かした外国人支援など、横浜で暮らす50~64歳には豊かな選択肢が多く準備されています。 (4)50歳~64歳を支える横浜市の事業・取組 まず、自己実現のための地域活動の場として、自治会町内会活動があります。自治会町内会の加入率はライフスタイルの変化等の影響により全国的に下がっているところですが、横浜市は都市部としては自治会町内会の加入率が高く、地域のお祭りや運動会などのイベントのほか、防災・防犯を意識した活動、公園や緑道、河川などの清掃活動等、日々の暮らしを支えるたくさんの活動が、自治会町内会により担われています。 横浜市でも、仕事をしながら自治会町内会活動に参加することの多い50~64歳の市民層を念頭に、自治会町内会活動の活性化や業務の効率化を図るため、自治会町内会同士の交流や協力を促すための支援、新たな担い手の発掘・育成に向けた取組などを進めています。 自治会町内会運営の負担軽減のため、電子回覧板の導入、自治会費やイベント時の金銭授受のキャッシュレス化などを紹介する冊子の作成のほか、公民連携で民間事業者の協力も得ながら、自治会町内会のDXを支援しています。自治会による補助金申請等のオンライン化や効率化を実現する自治会町内会ポータルの構築にも取り組み、令和8年度からの運用開始を予定しています。 また、横浜をより良くしたい市民の方々や、行政が交流する市民協働推進センターでは、スキルアップのためのセミナー開催や協働のための相談・提案への対応など、社会課題解決に取り組む方々を支援しています。さらに、身近な地域における市民活動を支援する各区市民活動支援センターでは、地域人材ボランティアの登録・活動先のコーディネートや地域づくり人材の養成講座、地域のつながりづくり支援など、各区の特色ある取組を行っています。 このほか、市民の健康づくりと安心確保に向けた取組として、健康みちづくり推進事業等の健康づくりの場を創出するほか、従業員等の健康保持・増進の取組が、将来的に企業の収益性等を高める投資であると捉え、従業員の健康づくりを経営的な視点から考え、戦略的に実践する「健康経営」に取り組む事業所を、横浜健康経営認証事業所として認証しています。 (5)中期計画の位置づけ・振り返り 中期計画では、政策9「地域コミュニティの活性化」において、地域活動団体の課題感や悩みに丁寧に寄り添うコーディネート型行政を推進すること、人材の発掘・育成により地域活動が活性化することを目標に掲げています。 2024(令和6)年9月に行った同計画の中間振り返りでは、各種地域人材育成講座の受講者数の増加や、市民協働推進センター及び各区市民活動支援センターの相談件数の増加など、施策が着実に推進されている様子が伺えました。2025(令和7)年9月の第3期振り返りでは受講者数は引き続き増加したものの、相談件数は中間振り返りの数値を下回りました。中間振り返りにおける有識者からの意見では、「横浜市は都市部でありながら自治会加入率が高いことが特徴。一方で、価値観やライフスタイルの変化に伴い、加入率は減少していく傾向にあるものでもある。このように社会が変化している背景を踏まえ、地域において自治会町内会が中心ではあるが、地域=自治会町内会ではないということを認識することが必要。地域に自治会町内会以外の団体ができ、加入率は下がっているが、孤立問題は解決しているなど状況の変化を踏まえた施策の検討が重要。」との指摘がありました。 このほか、政策20「中小・小規模事業者の経営基盤強化」では、生産年齢人口が減少する中、中小・小規模事業者の事業活動を支えるためには、シニアなどの人材の活躍が求められている旨が課題として掲げられています。 また、政策7「市民の健康づくりと安心確保」では、健康寿命の延伸に向け、乳幼児期から高齢期まで継続して健康づくりに取り組むための環境や健康を支える体制を整備することが掲げられています。 (6)開かれた地域社会で誰もが担い手となれるまち 今後も高齢者の割合が上昇していくことを踏まえると、若いうちから健康づくりに取り組み、健康寿命を延ばすことによって、いつまでも活発な社会活動が行えるようになることが期待されます。 また、地域活動の担い手が不足していく中で、仕事や家事で忙しい世代であっても、幅広い層が自治会町内会等の活動に参加できるような環境づくりが求められています。例えばデジタルツールの導入は、参加者の負担を軽減し、時間や場所にとらわれない活動の実現に寄与する取組です。 横浜には、活動の門戸を開き、誰でも気軽に参加しやすいイベントや過ごしやすい居場所など、多くの方々や団体が地域社会を持続可能とするような活動を行っています。このように、開かれた地域社会で誰もが担い手となれるまちを実現していくために、引き続き取り組んでいきます。 外国人と日本人の接点 コミュニティカフェ 緑区には1534人のインド人が住んでおり(2025(令和7)年12月時点)、その中でも霧が丘地区は、インド系インターナショナルスクールの開設をきっかけにインド人が多く居住するようになりました。外国人と日本人との接点、多世代・多文化交流を深めるための新拠点として整備されたのが「ぷらっとkiricafe」です。この施設整備を支援したのは、横浜市の事業「ヨコハマ市民まち普請事業」。 同エリアで活動している子育て世代、シニア世代、国際交流グループの3つのグループが合流し、一つの法人「霧が丘ぷらっとほーむ」を立ち上げました。現在同法人が運営するぷらっとkiricafeでは、インド人が調理するスパイス料理の提供や、こどもたちの学習支援、外国人(大人・こども)向けの日本語教室、インド人の先生によるこども向けの英語教室など、インド人コミュニティと日本人コミュニティの接点が日々紡がれています。