新型コロナウイルス感染症 2019(令和元)年12月に確認された新型コロナウイルス感染症は、日本全国に影響を及ぼしました。横浜市では、2020(令和2)年2月に横浜港に入港したクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」で集団感染が発生し、同2月に市内で一人目の陽性者が確認されるなど、早期から対応が求められました。 本市では、感染状況等に応じて、新型コロナウイルス感染症に係る組織体制を確立し、市民への情報発信や医療提供体制の確保、感染症対策の徹底、市民や事業者への支援など、市を挙げた取組を進めてきました。 1 市内の感染状況 政府による緊急事態宣言及びまん延防止等重点措置は、2020(令和2)年4月7日から2022(令和4)年3月21日までの間に計5回、延べ346日間にわたり適用されました。その間、横浜市においても外出自粛、飲食店等の営業制限、イベント開催の制限などが要請されました。 日常生活では、「3つの密」(換気の悪い密閉空間、多数が集まる密集場所、間近で会話や発声をする密接場面)の回避を中心に、ソーシャルディスタンスの確保、マスクの着用、手洗いの励行など、新しい生活様式の実践が求められました。 飲食店等においては、休業や営業時間の短縮、酒類提供の制限、アクリル板の設置、人数制限など、感染防止対策の徹底が求められました。 また、都道府県をまたぐ移動の自粛や、特定の国・地域に滞在していた外国人に対する入国制限等の措置が講じられたことにより、本市への観光客数も大きく減少しました。 横浜市は大都市圏の中では、人口10万人当たりの陽性者数・死亡者数ともに比較的少ない傾向にありました(図5)が、各区の福祉保健センターには日々発生届が届き、学校や福祉施設でのクラスター発生の報告も連日寄せられました。 2 ワクチン接種 新型コロナウイルスワクチン接種の迅速で円滑な実施のため、オール横浜でのワクチン接種推進体制を構築し、市内医療関係団体とも協議や情報共有を行いました。 また、ワクチン接種コールセンターの開設やワクチン配送管理センターの設置、個別通知の発送、集団接種や個別接種会場の開設運営、ワクチン接種にかかる広報などを展開し、広く、市民にワクチンが行き届くよう、取組を進めました。 3 感染症対策 2020(令和2)年2月以降の新型コロナウイルス感染症患者の増加に対応するため、横浜市新型コロナウイルス感染症コールセンターを開設し、感染予防策や有症時の受診方法などの相談に対応しました。 感染の拡大に伴い、マスクやアルコール等の医療資器材の確保が困難となったことから、安定的な物資調達ルートの確保、配布に関する考え方の整理、購入のための予算計上など、対応を進めました。並行して、抗原検査キットの確保と配布、自宅療養者の見守り支援事業、陽性者への健康観察、パルスオキシメーターの配付などを行ったほか、学校や社会福祉施設等でのクラスター発生時には調査・指導などを行い、市内18区の福祉保健センターを中心とした対応を進めました。 4 学校での対応 2020(令和2)年2月28日、文部科学省より、全ての学校において、春季休業までの間、臨時休業を要請する方針が示されました。横浜市では同日、全ての市立学校に対して、一斉臨時休業とする通知を発出し、同年3月3日から13日までを臨時休業期間としました。 その後、複数回にわたる臨時休業期間の延長を経て、同年6月1日より、分散登校や時差通学等により、段階的に学校教育活動を再開することとなりました。学校においては、「3つの密(密閉・密集・密接)」を避け、「手洗いなどの手指衛生」など基本的な感染対策を継続する「新しい生活様式」を導入しながら、教育活動を行いました。 2023(令和5)年5月8日に「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成10年法律第114号)」上の5類感染症に位置付けられたことに伴い、従来の感染症対策を一律に講じるのではなく、感染状況が落ち着いている平時においては、換気や手洗いといった日常的な対応の継続を基本とすることや、その上で、感染流行時には、一時的に場面に応じた対策を講じることが考えられることを示しました。 5 事業者向け支援策 新型コロナウイルス感染症の影響を受けた事業者に対して、様々な支援を実施しました。主な支援策は次のとおりです。 ・制度融資による資金繰り支援(30996件) ・事業者・商店街への一時金(15292件) ・設備投資・テレワーク導入・販路開拓支援への助成(16934件) ・小規模事業者コロナ禍特別相談支援事業(933件) ・特別経営相談窓口(21015件) ・商店街プレミアム付商品券発行支援事業(3114件) ・商店街集客力促進事業(4990件) ・文化芸術活動支援金(2247件) ・安全・安心な横浜MICE開催支援助成金(579件) 6 自治会町内会やNPO向けの支援 コロナ禍では、地域の人と人とのつながりや、人と人とが直接顔を合わせる場面が減った一方で、リモートワークや副業の浸透などの市民の働き方・暮らし方を大きく変え、また、一人で過ごす時間やインターネットを利用する時間も相対的に増えました。このような市民意識の変化は、市民活動や地域活動のあり方にも大きな影響を与え、デジタルツールを活用した新しい活動スタイルへの転換を促しました。 自治会町内会ではオンライン会議やWi–Fi設置等の準備、活動のデジタル化、SNSやウェブサイトの活用など、ICTツール活用へのニーズが高まり、これを受けた講座が実施されました。 NPO法人や任意団体に対しては、市内の公益活動を応援する「市民公益活動緊急支援助成金」が予算化(令和2年度)され、255件、約7280万円が交付されました。オンライン上で実施する認知症カフェや、子育て支援団体が行う仲間づくりや相談等のオンライン化など、コロナ禍における活動の展開を支援する事業に活用されました。 2024(令和6)年度に実施された「自治会町内会デジタル活用・活動拠点(会館等)に関するアンケート」では、デジタルツールの活用状況(単位町内会の集計結果)のうち「現在取り組んでいるもの」の回答が、LINEなどを用いた連絡・情報発信(約51%)のほか、会議資料のデータ共有(約27%)、紙資料のPDF保存(約27%)などとなっています。