仕事 生産年齢人口(15~64歳)の減少に伴い、横浜市の労働力人口は2005(平成17)年をピークに減少していましたが、女性の労働力人口の増加に伴い、2020(令和2)年に増加に転じました(図1)。また、2020(令和2)年の労働力率(15歳以上人口に占める労働力人口の割合)は64.1%で、1985(昭和60)年以降最高となっています。非正規雇用や共働き世帯の増加など、働く環境にも変化が見られています。 ●「医療、福祉」が約2万7千人増加する一方、「製造業」は約2万2千人の減少 市民の仕事を産業別に見ると、最も多いのが「卸売業、小売業」で15.5%、次いで「医療、福祉」(12.2%)、「製造業」(11.3%)となっています。また、2015(平成27)年~2020(令和2)年の5年間で「医療、福祉」が約2万7千人増加、「製造業」は約2万2千人減少し、順位が入れ替わりました(図2)。 ●働く市民の6割は市内で従業 市民が働いている場所は、自宅を含む居住区内が33.6%で最も多く、市内の他区(28.2%)を含め約6割が市内で仕事をしています。一方、東京都区部に通勤しているのは23.8%です。区別にみると、自分の居住区内の割合が高いのは中区(45.9%)、金沢区(41.9%)で、市内他区の割合が高いのは南区(41.5%)、磯子区(41.1%)です。市北部に位置する青葉区、鶴見区、港北区では、市外に通勤している割合が高い反面、市内他区の割合が低くなっています。 性別では、男性は居住区内の割合が26.6%、市外への通勤者が44.9%であるのに対し、女性は居住区内が40.0%、市外通勤者は29.6%と逆転しています。 ●雇用者の3人に1人が非正規雇用 働いている市民の85%以上が会社などに雇用されている人で、そのうち約34%がパートやアルバイトなどの非正規雇用となっています。非正規雇用の割合を性・年齢別に見てみると、男性は全体で17.7%、35~59歳までは10%以下であるのに対し、60歳を超えると急激に非正規雇用が増え、ピークの75~79歳では73.8%となっています。女性は全体で52.5%、25歳以上は年齢が上がるごとに増加し、ほぼ全ての年齢層で男性を上回り、70~74歳の84.9%が最も高くなっています。 ●働く女性の増加、「専業主婦」の世帯が2割程度に減少 労働力の約6割を占める男性の労働力人口が減少している一方で、女性は実数、率ともに増加傾向にあります。さらに、女性の労働力率を年齢別にみると、全年齢層で労働力率が上昇していますが、特に、結婚や出産、育児などの時期と重なることの多い20代後半から30代前半での上昇が大きく、30~34歳では1985(昭和60)年の約35%から2020(令和2)年には約78%になっています(図3)。 横浜市は、かつては夫が働き妻は就労していない〝専業主婦〟の世帯の割合が高く、1995(平成7)年には49.5%とほぼ半数を占めていました(全国は39.7%)。現在ではその割合は23.5%までに大きく減少し、全国(20.7%)と同水準となっています(図4)。共働き世帯の割合は43.5%で過去に比べ増加していますが、それでも全国(47.1%)よりは低くなっています。一方、夫婦のいずれも働いていない世帯は2割弱で、1995(平成7)年と比べて大きく増加しています。 ●育児をしながら仕事をしている人や、育児休業等の制度利用者は大きく増加 令和4年就業構造基本調査によると、未就学の子の育児をしている人のうち普段仕事をしている人の割合は83.7%で、全国(85.2%)よりも低くなっていますが、平成29年調査(74.6%)と比べると約9ポイント増加しています。特に女性では、56.0%から69.7%へと大きく増加しました。 育児休業や短時間勤務、子の看護休暇等の制度を過去1年に利用した人は、平成29年調査と比べると、男性は7.8%から22.8%と15ポイント増加しています。女性は31.6%から46.0%と14.4ポイント増加し、およそ半数の人が制度を利用しています。また、全体では32.9%で、全国(28.8%)よりも4.1ポイント高くなっています。 ●介護をしている人の60.7%が仕事もしている 一方、介護をしている人のうち仕事をしている人は60.7%(全国58.0%)、介護休業等の制度を過去1年に利用した人は14.7%(全国10.3%)で、男性18.0%(同10.6%)、女性11.9%(同10.0%)と、特に男性の取得率が全国と比べて高くなっています。 ●テレワークやフレックスタイムなどの柔軟な働き方に関する制度の整備が進む 令和5年度男女共同参画に関する事業所調査によると、市内事業所においてフレックスタイムが24.1%の事業所で導入され、テレワークなどの在宅で仕事ができる制度を導入しているのは31.1%でした。 新型コロナウイルス感染症拡大に伴うテレワーク制度見直し実施については、「制度の拡充や利用の推奨を行った」は34.4%、「制度を新たに導入した」は47.3%、「制度見直しは行わなかった」は18.3%となっています。テレワークやフレックスタイム制度を保有する事業所のうち、50.9%がテレワークを、70.5%がフレックスを今後も推進すると回答しています。 ●離職理由の1位は「労働条件」 令和4年就業構造基本調査によれば、過去1年間に前職を離職した理由で最も多いのは、「労働条件が悪かったため」(13.6%)で、全国(13.2%)よりも高くなっています。「出産・育児のため」(2.0%)は全国(2.7%)よりも低くなっており、性・年齢別では、女性25~34歳で6.0%で全国(11.4%)よりも低く、同35~44歳では10.8%で全国(8.5%)よりも高くなっています。 ●通勤・通学時間は全国最長で、平均よりも約20分長い 神奈川県のデータになりますが、1日の時間の配分を行動の内容別に調べた令和3年社会生活基本調査(総務省)を見ると、通勤・通学にかかる平均時間は97分で全国最長となっており、全国平均の76分と比べると21分長く、性別でみても男女ともに全国最長で、男性は104分(全国平均82分)、女性は86分(全国平均69分)となっています。