15~24歳 (1)前提 市内の高校に通う学生は約17万人、また、横浜で暮らす大学生や20代の市民は約50万人。横浜市内で暮らす学生はもちろん、学びのために横浜に通う大学生、専門学校に通う学生も多い都市です。 中期計画の中で若者世代にフォーカスした政策としては地域コミュニティの新たな担い手として、政策9の「地域コミュニティの活性化」、政策10の「地域の支えあいの推進」、政策11の「多文化共生の推進」などの政策への参加が期待されています。特に、多文化共生の推進は、国際交流や国際協力に対する興味関心が高い大学生、20代のニーズにも合致する分野です。 (2)15~24歳の意識 国民の余暇意識や余暇活動への参加実態を調査した「レジャー白書2024」によれば、20代男性の潜在需要(希望はあるがまだ実現していない需要)では、海外旅行や登山、動画制作とともに上位10種目にボランティア活動がランクインしています。 同じく「大学生の意識調査結果(全国学生1万人アンケート~ボランティアに関する意識調査2023~)」によれば、ボランティア活動に興味関心のある学生は62.2%いる一方で、実際にボランティア活動に参加した経験のある大学生は、24.7%となりました。レジャー白書の結果と同様に、ボランティア活動への潜在層の多さがデータ上も浮かび上がってきます。過去1年間に参加したボランティア活動の分野については、「子供を対象とした活動」、「スポーツ・文化・学術に関係した活動」、「まちづくりのための活動」の3分野が上位に位置づけられました。横浜市が注力している子育て支援の文脈で、大学生が役割を果たせる可能性があるかもしれません。 (3)市民目線のニーズ探究調査 2025(令和7)年度に実施した市民目線のニーズ探究調査によれば、15~24歳の市民が答えた横浜に住み続けたい理由のうち、「通勤・通学に便利(約66%)」、「街ににぎわいや活気がある(約25%)」の項目はいずれも全体平均値を上回る結果となりました。 横浜の魅力に関する質問に対しては、「経済的に活力があり、働く場に恵まれている(約18%)」、「文化・スポーツ・娯楽施設が充実している(約17%)」「海や港が身近にある(約39%)」が全体平均値を上回るなど、横浜の経済面や文化、スポーツ施設に魅力を感じている傾向が表れました。 (4)横浜で暮らす15~24歳の「豊かな選択肢」 横浜で暮らすこの世代には、横浜ならではの豊かな暮らし・生活が用意されています。住まいの交通アクセスの良さ、趣味や特技に応える多彩な文化施設やイベント、地域ボランティア、就職先の多様性など、豊かな選択肢に溢れています。例えば、音楽イベントに行きたいとき、電車で数駅の距離、バスで数十分の距離にライブ会場や区民文化センターがあり、クラシックからロックまで、様々な音楽イベントを楽しむことができます。 参加できるボランティア活動の選択肢も豊かです。公園愛護会や市民活動団体、地区社会福祉協議会では、土日や祝日に限定したスポットボランティアの募集情報、国際交流ラウンジが主催する国際交流イベントでは学生ボランティアの募集、自治会町内会では大学生ボランティアと連携した夏祭りなど、市内の各所に豊富な選択肢が用意されています。 (5)15~24歳を支える横浜市の事業・取組 市民協働推進委員会による答申(2023(令和5)年3月)では、今後の市民協働のあり方について、①地域情報の一元化・一覧化、②しなやかな組織運営、③つなぐ力の強化の3つの提案がなされています。多世代が参加する地域運営、担い手不足に関する意見に加え、「中高生・大学生や現役世代など、新たに活動に参加したいと思った市民を実践に結びつけるためには、中間支援組織の人材育成機能やつなぐ力(コーディネート力)を充実させる必要がある」という趣旨の意見もいただいています。 横浜市では、この世代の地域活動への参加、まちづくりへの関わりを、新しい政策や施策を通じて支援しています。例えば、旺盛なボランティア活動への参加意欲に応えられるよう、情報発信や提供の面でのデジタル化に取り組んでいます。若者世代の手元にあるスマートフォンやタブレット端末でも、自治会町内会やNPO法人などの市民活動団体のイベント情報、ボランティア情報が手軽に入手できるよう、横浜地域活動・ボランティア情報サイト「よこむすび」を構築し、運用を開始しました(市民活動情報のデジタル化事業)。 就職や就労定着を希望する障害のある方には、市内9カ所の障害者就労支援センターや横浜市障害者就業・生活支援センター、公共職業安定所等において支援も行っています。 また、2026(令和8)年6月から小児医療費助成にかかる医療費無償化の対象を18歳年度末まで拡大し、安心して医療機関を受診できる環境を整えます。 (6)若者がまちづくりに参加しやすい土壌づくり 横浜には、3000を超える自治会町内会、1400以上のNPO法人(2025(令和7)年12月末日時点)、2400以上の公園愛護会など、若者が活躍できる地域コミュニティのフィールドが豊富にあります。青少年の地域活動への参加を支援し、居場所を提供する青少年の地域活動拠点も市内で7か所運営されています。 若者の活動分野としてニーズの高い子育て分野では、地域子育て支援拠点やプレイパークなどの施設がボランティア募集を定期的に行っているほか、NPO法人でもボランティアを募り、学生ボランティアの受入れに積極的です。 学生と地域とをつなぐNPO法人では、子育て支援や障害者支援、商店街活性化、外国人支援など、学生ボランティアの受入れに積極的な法人と学生とをマッチングするプログラムを10年以上続け、多くの学生を地域コミュニティに送り出してきました。 都筑区では、都筑多文化・青少年交流プラザ(つづきMYプラザ)、都筑区青少年指導員連絡協議会が協働し、学生が夏休みに参加できるボランティア体験を提供。毎年、300人近くの学生が実際にボランティア活動に参加することで、多世代交流の経験や学びを得て、成長する場になっています。同様の取組が、都筑区だけでなく他の区や他の地域にも広がることに期待が寄せられています。 デジタル技術を活用し、若者世代が地域情報を手に入れやすい環境を整えること、両者をつなぐ力(コーディネート力)を中間支援組織が備えることなど、横浜の若者がまちづくりに参加しやすい土壌を豊かにすることが求められています。 六大事業の礎と横浜のブランド力 横浜は、シングル男性世帯や夫婦+子ども世帯(共働き)からの評価を集め、「SUUMO住みたい街ランキング2026首都圏版」(株式会社リクルート)にて9年連続1位を獲得しました。 2025(令和7)年の街の住みここちランキング(大東建託株式会社)の首都圏版では、都筑区から6つの駅、青葉区から1つの駅がTOP100にランクインし、高い評価を得ています。センター北駅が9位、センター南駅が16位、中川駅が32位など、港北ニュータウンが高位にランクインしています。市営地下鉄グリーンラインの北山田駅は、2019(令和元)年の同調査で広尾駅、市ヶ谷駅に次ぐ3位にランクインしたことがあり、大きな注目を集めました。 港北ニュータウン事業は、1965(昭和40)年の飛鳥田市政下で打ち出された六大事業の一つであり、住宅供給の視点に加えた乱開発防止や都市農業の確立、住民参加など、千里ニュータウンや多摩ニュータウンなどの他のニュータウンとは異なった基本理念を持つ事業でした。戦後横浜の都市の骨格を創り上げた六大事業が礎となり、良質な住環境を生み出し、横浜のブランド力を高め続けています。 学生が自治会役員として活躍 13棟のマンション群、1,230世帯、3,300人の市民で構成されるBrillia City横浜磯子自治会(2026(令和8)年1月時点)。自治会役員の担い手不足や高齢化に苦労している自治会が多いなか、この自治会では中学生や高校生、大学生といった若者世代6人が自治会役員を務め、全国的な注目を集めています。 学生が担当する自治会活動は、夏祭りやラジオ体操、マンション敷地内の防犯パトロールなど。いずれの取組においても学生が表舞台に立って活躍しており、そのイキイキとした姿が、同世代やこどもたちの自治会活動への関心を高めています。また、自分たちの登下校時の経験を踏まえたあんしんカラーベルトの提案、幼稚園児や保育園児が参加できるイベントの企画開催など、若者世代の感覚が自治会活動の活性化につながっています。 地域コミュニティへの学生参加の動きは、Brillia City横浜磯子自治会以外にも、大学生の消防団への入団、高齢者向けのスマホ教室の講師、大規模団地でのイベント出店など、様々な形で市内各所に広がっています。