35~49歳 (1)前提 横浜に暮らす現役世代のうち、特に30代後半から40代は、育児や仕事をしている人の割合が最も高く、時間に余裕がない、忙しさを感じながら生活している人の多い世代です。「令和3年社会生活基本調査」によると、「仕事・学業・家事・育児・介護」等に費やす時間は、30~40代にかけて最も多くなっています。また、この世代は育児に追われる世代でもあり、こどもの成長に応じて、保護者会からPTA、自治会町内会へと、居住コミュニティとの接点や関わり方も常に変化していく傾向にあります。 中期計画の中では、地域コミュニティの新たな担い手として、政策9の「地域コミュニティの活性化」、政策10の「地域の支え合いの推進」、政策11の「多文化共生の推進」などの政策指標への参加が期待されています。 (2)35~49歳の意識 国民の余暇意識及び余暇活動への参加実態を調査した「レジャー白書2024」において、余暇と仕事のどちらを重視するかを尋ねた問いでは「仕事よりも余暇の中に生きがいを求める」と回答した人が、34.1%を占めています。2009年は18.6%であり、仕事よりも余暇を大切にしたい人が増えていると考えられます。 余暇の時間を充実させたいと思っている30代、40代の現在の余暇時間の過ごし方を示す参加率によれば、国内観光旅行や動画鑑賞、外食のほかに、読書(仕事、勉強などを除く娯楽としての)が当該世代の男女、いずれにもランクインしています(特に40代女性では2位)。 余暇活動参加率と希望率の差、いわゆる余暇活動潜在需要について、30代、40代の男女それぞれの調査結果は次のとおりです。 男性について、潜在種目の上位には、海外旅行や国内観光旅行、登山が位置するなか、30代では、動物園・植物園・水族館・博物館(10.8%)が4位になりました。40代では、動物園・植物園・水族館・博物館が3位(10.7%)、スポーツ観戦が7位の9.1%となりました。 女性について、30代では動物園・植物園・水族館・博物館が8位(12.4%)になりました。40代では、動物園・植物園・水族館・博物館が5位(15.1%)、音楽会・コンサートが10位(11.2%)となりました。 (3)市民目線のニーズ探究調査 2025(令和7)年度に実施した市民目線のニーズ探究調査によれば、この世代の約8割が、横浜に住み続けたいと思っています。 その理由は「通勤・通学の便利さ(約52%)」、「子育ての環境が整っている(約13%)」となっています。また、横浜に魅力を感じる点は、「ショッピング施設が充実しており買い物が便利(約61%)」、「道路鉄道網が充実しており買い物が便利(約43%)」、「海や港が身近にある(約40%)」が全体平均を上回る結果となっています。 (4)35~49歳を支える横浜市の事業・取組 横浜で暮らす現役世代の暮らしを支える政策は、時間的なゆとりや運動・スポーツ、自然とのふれあい、就職・転職、国際交流、更には地域貢献・コミュニティ参加など多種多彩です。 忙しい現役世代に時間的なゆとりを創り出すために、横浜市では様々な手続きや情報発信にデジタル技術を積極的に採用しています。住民票の写しや印鑑登録証明書などの各種証明書は、コンビニ交付サービスを利用することができます。区役所に来所することなく、自宅近くや通勤途中でも、手軽に証明書を取ることができ、多くの市民に活用されています。 また、横浜市における地域のニーズや課題等を把握し、施策の参考にするため、デジタルプラットフォームを開設し、市民を対象とした意見募集を行っています。これにより時間に制約がある方でも、都合の良い時にどこからでも意見を述べられる環境を整えています。 運動不足を解消したい方には、各区にスポーツセンターがあります。本格的なトレーニングマシンからヨガ等の教室まで、現役世代の様々なニーズに応えています。 そのほか、各区ではマラソン大会が開催され、多くの市民に人気のイベントになっています。とりわけ、毎年冬に開催されている旭区駅伝競走大会(旭ズーラシア駅伝)には約300名の30代~40代の方が参加しており、多くのランナーで賑わうスポーツイベントになっています。 自然とのふれあい、特に30代、40代からの潜在需要の高い動物園へのニーズに対しては、よこはまの3つの動物園。横浜には、よこはま動物園ズーラシア、野毛山動物園、金沢動物園があり、ゾウやライオン、オカピなどの動物展示が充実しています。さらに種の保存など、世界基準で野生動物を守る役割を果たしています。また、農とのふれあいの場や機会の増加のため、野菜の収穫などを気軽に体験できる収穫体験農園や、自由に栽培・収穫ができる認定市民菜園など、さまざまな市民ニーズに合わせた農園の開設の支援や整備を進めています。 多くの方が余暇時間に行っている読書活動。横浜には、1区に1館ずつ図書館が整備されており、商業施設との連携による図書取次サービスも充実させているところです。更には、居心地向上を目指したリノベーションや再整備など地域図書館の老朽化対策、図書取次拠点の増設、デジタル技術の導入、新たな図書館整備等についても検討を進めています。 国際交流や地域貢献活動、コミュニティ参加など、テーマ性を持った活動への参加意向のある方には、国際交流ラウンジや各区市民活動支援センターで活動団体の紹介を受けることができます。 (5)ジモト(地元)の選択肢をより豊かに 横浜は株式会社リクルートが発表している「SUUMO住みたい街ランキング2026首都圏版」にて9年連続1位を獲得しました。年代別では男性40代や20代、女性40代からの得票を伸ばし、ライフステージ別ではシングル男性世帯や夫婦+子ども世帯(共働き)から得票を伸ばしています。横浜の街の魅力項目については、「魅力的な働く場や企業がある」「魅力的な文化・娯楽施設が充実している(映画館、劇場、美術館、博物館など)」「魅力的な大規模商業施設がある」が上位項目に連なりました。 横浜は、豊かな自然環境や旺盛な地域コミュニティ活動のほか、生活圏から程よい距離感にある観光施設や娯楽施設、スポーツ施設等の各種施設、グローバル企業やものづくり企業等の様々な就労先など、豊かな選択肢に溢れています。市内で家庭菜園やイチゴ収穫体験が楽しめる、同世代の子育て世代と一緒に地域活動に参加できる、得意な語学力を活かして国際交流できる、そんな時間の過ごし方を選ぶこともできます。 余暇だけでなく、就労やボランティア活動など、ジモト(地元)横浜の選択肢をより豊かに、そんな都市づくりが求められています。 全国初のチョコレート工房 障害のある人たちが働く障害福祉サービス事業所。多くの事業所では、パンやクッキーなどを製造・販売していますが、横浜には、全国で初めてチョコレートの製造販売を始めた事業所があります。 フランス語のチョコレートを意味するショコラのラボラトリー(工房)と健常者・障害者・プロフェッショナルとのコラボレーションという意味を掛け合わせた「ショコラボ」。販売先は多岐にわたっており、有名百貨店、有名ホテルなど、これまで障害福祉サービス事業所が販売してこなかった販路を積極的に開拓し、障害者が活躍できる場を広げ続けています。2019(令和元)年には、「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞を受賞した実績があります。 就労継続支援B型事業所としてスタートしたショコラボでは、40名ほどの障害者手帳を持つ方々が働いており、スキルを身につけた方の中には、ホテルのスイーツ部門や食品メーカー、病院などの職場で社員として就労するようになった方もいます。 現役世代が多く参加する、おやじの会 横浜市立の小学校や中学校には、こどもたちの保護者、特に父親が中心となり組織された「おやじの会」があり、地域社会や地元との距離が開きやすい現役世代が地域活動に参加するための入口になっています。 都筑区の北部、川崎市との境にあるすみれが丘地区では、一旦終了しかけた盆踊り・夏祭りをおやじの会(同地区では、すみれが丘小学校おやじクラブ)が主導して『すみれ夏祭り』として復活させた事例があります。同地区のおやじの会は、「自分のこどもたちにこの地域(横浜)に住んで良かったと思ってもらいたい」、そんな思いを大切にしながら、参加の強制はしない、打合せは家族に迷惑をかけない時間(土曜日の早朝)など、忙しい現役世代に配慮した工夫も凝らし、18年続く息の長い地域活動になりました。 横浜市でも、横浜市立学校のおやじの会のウェブサイトやSNSを市のウェブページで紹介しているほか、おやじの会が開催しているこどもたちを対象にした伝統遊びや文化、スポーツ体験等に関する取組、語学やITの学習機会の提供に関することなどを支援する補助事業(おやじの会親子ふれあい事業)も実施し、現役世代の地域活動への参加を後押ししています。