経済 横浜市の市内総生産(名目)は、14兆7630億円(2022(令和4)年度)で、県内総生産(35兆1594億円)の約4割、国内総生産(566兆4897億円)の2.6%にあたる経済規模となっています。この市内経済の状況を産業の面と、労働、家計・消費の面から概観します。 ●産業構造と景況 ■事業所数は全国4位、従業者数は全国3位 市内の民間事業所数は11万6479事業所で、全国の市区町村中、東京都区部、大阪市、名古屋市に次ぐ第4位の規模となっています。また、民間事業所の従業者数は約153万人で、東京都区部、大阪市に次ぐ第3位です。産業別では、「卸売業、小売業」が市内事業所の21.5%、従業者の19.4%を占めており、全国同様に最も多い産業となっています(図1)。 2016(平成28)年と2021(令和3)年調査(経済センサス)を比較すると、「医療、福祉」「学術研究、専門・技術サービス業」は事業所、従業者数ともに大きく増加しています。そのほか、「建設業」「不動産業、物品賃貸業」「教育、学習支援業」では事業所数、従業者数ともに増加、「卸売業、小売業」では事業所数は減少する一方、従業者数は増加しています。また、「宿泊業、飲食サービス業」は事業所数、従業者数ともに大きく減少しています。そのほか、「製造業」、「運輸業、郵便業」「生活関連サービス業、娯楽業」(クリーニングや旅行、娯楽施設など)、などでは事業所数、従業者数とも減少しており、産業により差が見られます(図2)。 ■横浜港のコンテナ取扱個数は国内第2位 横浜港の総貨物量(2023(令和5)年)は約1億97万トンで、海外との輸出・輸入量は約7143万トン、国内港湾との間の移出・移入は約2954万トンでした。輸入・輸出は前年から5.8%減となり、総取扱貨物量も4.9%の減少となりました。主な貨物の品種は、輸出は「完成自動車」(37.8%)が最も多く、次いで「自動車部品」(14.2%)、輸入では「LNG(液化天然ガス)」(14.4%)が最も多く、「原油」(11.6%)がこれに続いています。国別では、中国が輸出(14.2%)・輸入(21.3%)ともに最も多くなっています。また、国内の主要な5つの港湾の中でコンテナ取扱個数が最も多いのは東京港で、横浜港は第2位となっています。 ●景況判断はマイナスが続くも、雇用環境には改善傾向がみられる 市内の景況について、市内企業等が自社の業況を「良い」と回答した割合から「悪い」と回答した割合を引いた指数(BSI)の過去12年間の推移をみてみると、自社業況判断(全規模)は2013(平成25)年から2018(平成30)年までは上昇傾向にありましたが、2020(令和2)年の新型コロナウイルス感染症による最初の緊急事態宣言下で実施した4-6月期調査では、マイナス64まで急落し、過去最大級の落ち込みとなりました。会社規模別では、中小企業はほとんどの期間マイナスで推移している一方、大企業ではプラスとなった四半期もありました。長期的に見れば、いずれも2020(令和2)年に大きく落ち込んだ以降はほぼマイナスではありますが、改善傾向が見られます(図3)。 横浜市の有効求人倍率は、1999年代~2002年には仕事を探している人1人に対して求人が1件に満たない状況で、全国と比べても低くなっていましたが、その後全国を上回る勢いで上昇し、リーマンショック後に一時期減少したものの、2010(平成22)年に増加に転じた以降は上昇が続き、2018(平成30)年には1.48となりました。その後は新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、2021(令和3)年には1を切りましたが、その後回復しています(図4)。 ●働く場としての横浜 ■通勤や通学による市外への流出が多い 横浜市に住んでいる人(夜間人口)と、通勤や通学によって流入・流出した人を差し引いた人口(昼間人口)との比率(昼夜間人口比率)は2020(令和2)年には91.1と100を下回っており、通勤・通学で市外に流出している人数が、市外から横浜市に通勤・通学している人数を上回っている状況にあります。横浜市内で働いている人の居住地を見ると、70.5%は市内居住者で、市外居住者は最も多い川崎市でも4.9%、東京都区部が3.8%です。 東京都区部や大阪市などでは昼夜間人口比率が130を超えています。横浜市は前回と比べ0.6ポイント上昇するなど、近年は上昇傾向にあります。 区別に見ると、西区(210.4)、中区(168.7)では100を超えており、これらの地域は市内でも仕事などで人が集まってくる地域だと言えます。 ■外国人市民の労働力は市全体の1.95% 外国人市民の増加に伴い、外国人の就業者数も増えています。2020(令和2)年には横浜市の労働力人口のうち外国人が1.95%を占め(全国:1.94%)、2015(平成27)年から約7千人増加し、3万4千人を超えています。このうち、収入を伴う仕事を少しでもした就業者は3万2405人で、国籍別に見ると中国は2015(平成27)年に比べ約3千人増加し1万2673人で最も多く、市内の外国人就業者の39.1%を占めています(図5)。 次に多かった韓国、朝鮮は約200人減少し4727人でした。また性別に見ると、男性は「製造業」(16.1%)「情報通信業」(15.3%)「建設業」(15.2%)の順で、女性は「卸売業・ 小売業」(17.8%)「製造業」(16.0%)「宿泊業、飲食サービス業」(15.4%)となっています。 ●市民の家計と消費 ■可処分所得に占める消費支出割合は減少傾向 過去10年間の世帯の家計の状況を見ると、税金などを除いた可処分所得は、2015(平成27)年には、1世帯当たり年平均で月40万円ほどでしたが、近年増加傾向にあり、2024(令和6)年には約56万円まで増加しています。消費支出の可処分所得に占める割合は、2024(令和6)年は61.5%で、2017(平成29)年から減少し続けている一方、平均貯蓄率は、2024(令和6)年は35.4%で、2015(平成27)年から増加傾向にあります(図6)。 ■インターネットなど通信販売で衣料品等を購入する人が増加 令和5年度商店街実態調査・消費者購買行動意識調査(横浜市経済局)によると、住まいの近くに商店街が「ある」と答えた割合は約39%。「ない」と答えた割合は約56%で、平成30年度以降の5年間で「ない」と答えた割合が5.5ポイント上昇しており、商店街で買い物できる環境が減少していると考えられます。また、品目別に購入先を見ると、生鮮食料品はスーパー、医薬品・化粧品はドラッグストア、家電製品は大型量販店・総合スーパーが多く、衣料品や書籍・文具では、インターネットなど通信販売で購入する人が約2割となっています。