日常生活における活動 本白書では、仕事や家事、育児、介護・看護、地域活動など、人や社会に何らかの関わりを持ちながら行っている暮らしの中の活動を活躍≠ニ捉え、市民がどのような活動を行い、どのように感じているのかを把握するため日常生活の中での活動に関する調査(以下「活動調査」という。)を実施しました。第3章では、この調査の結果を中心に、市民が日常生活においてどのような活躍≠し、どのように感じているのかについて見ていきます。 ●過半数がしている「家事」「仕事」「趣味」 活動調査では、ふだん行っている様々な活動のうち6つの活躍を取り上げ、それらの内容と頻度、満足度、今後の希望などについて尋ね、同時に、生活全般への満足度や仕事や人とのつながりなどに関する価値観、やりがいなどについて調査しました。 【6つの活動】 ・仕事(収入を得ることを目的とするもので、パートやアルバイトを含む) ・家事(自分のみのために掃除、洗濯などを行う場合を含む) ・子の育児又は孫の世話 ・家族の介護・看護 ・地域活動・ボランティア活動などの社会的な活動 ・趣味 6つのうち、活動をしている人の割合(活動者率)が最も多いのは「家事」で8割を超えています。次いで「仕事」が約66%、「趣味」は約64%となっており、過半数の市民がこの3つのいずれかを行っていることになります。また、「子の育児又は孫の世話」は約30%、「地域活動・ボランティア活動などの社会的な活動」が約21%、「家族の介護・看護」は約11%でした。これらの6つの活動のいずれも行っていない人も1.5%いました。 ●多くの人が複数の活動をしている 「家事」も「仕事」もしている人がいるように、行っている複数の活動の組合せは多岐にわたります。活動調査の結果を見ると、最も多い組合せは「家事」「仕事」「趣味」の3つの活動をしている人で全体の約17%を占めています。そのほか、「家事」+「趣味」、「仕事」+「家事」や、「育児」や「地域活動等」を併せて行っている人もあり、全体の3分の2の人が図2に示す上位10位までの活動パターンに分類されます。 男女別に見ると、「家事」+「仕事」+「趣味」と3つの活動をしている人の割合が男性18.1%、女性16.3%と最も多くなっていますが、男性は「仕事」+「趣味」(10.0%)、「仕事」+「家事」+「子の育児」+「趣味」(8.7%)という組合せの人が多くなっています。「仕事」のみで他の活動はしていないという人は、全体では4.2%ですが、男性では7.3%であり、「仕事」と「趣味」が活動の中心になっている様子がうかがえます。女性は「家事」+「趣味」(8.8%)、「仕事」+「家事」(8.8%)が多く、また、「家事」のみの人も5.9%となっており、「家事」の活動に関して、性別による違いが見られます。 ●ライフステージとともに変化する活動 年齢の変化に伴って、ライフステージのどのような期間にどのような活動が行われているのかを、性・年齢別に見てみると、次のような違いが見られました。 男性 ・20代後半から50代後半までは「仕事」をしている人の割合が9割を超える・「育児」をしている割合が30代前半で急増し、40 代後半まで40〜50%で推移している ・60代後半以上の年齢層で「趣味」の活動者率が最も高い また、「地域活動等」の活動者率は、「介護」と似通った変化の動きが見られます。「育児」の変化とは異なることから、「育児」と比べ「介護」が男性の「地域活動」への参加のきっかけになっているのかもしれません。 女性 ・30代以降は、「家事」をする人の割合が「仕事」よりも多く、100%近い状態が続く ・20代前半から40代前半にかけて「育児」をしている人の割合が急増し、40代前半では70%を超える ・20代〜40代前半に「育児」、50代後半に「介護」、そして60代後半に「孫の世話」と、家族の世話に関する3つの活動のピークが見られる 女性の「地域活動等」の活動者率は、「育児」が増加する時期に増加して40代前半で一度ピークを迎え、その後50代前半までいったん減少したのち、「介護」や「孫の世話」の活動率の増加する時期に再び増加傾向が見られます。 また、これらの活動のいずれも行っていない人の8割以上は60代後半以上の高齢者でした。