環境 ここでは、私たちを取り巻く“環境”として、「気象」と「緑」を取り上げます。また、かねてより取組を進めている「ごみ削減・リサイクルの状況」について紹介します。 横浜の気象 ●平均気温は上昇傾向、真夏日や熱帯夜も増加 日本の年平均気温は、様々な変動を繰り返しながら上昇しており、上昇率は100 年当たりプラス1.19℃で、世界の上昇率のプラス0.73℃を上回っています。また、日最高気温が30℃以上の真夏日や日最低気温が25℃以上の熱帯夜の発生日数も増加傾向にあります。 横浜においてもこの長期的傾向は同じです(図1)。都市化の影響のある中、横浜の年平均気温は100 年当たりプラス1.8℃、真夏日は100 年当たりプラス22日、熱帯夜はプラス30日となっており、全国平均を上回る伸びとなっています。また、日最低気温が0℃未満の冬日は、100 年当たりマイナス65日で 減少傾向にあります。 ●市内の夏は、日中は北東部、夜間は東部で高温の傾向 市内41地点の2018(平成30)年7月・8月の気温測定結果によれば、真夏日の日数は市域の北東部、熱帯夜は東部の海沿いの地域が特に多く、日中及び夜間における気温の傾向の違いが見られます。また、平均気温は東部の横浜港周辺地域で高く、西部の大規模な緑地のある地域では比較的低くなっており(図2)、平均気温の最も高い地点と低い地点の差は1.8℃となっています。 少しずつ早まる、桜の開花日 横浜の桜の開花日は、平成29年は3月25日、平成30年は3月19日でした。年ごとにばらつきはありますが、開花日は少しずつ早まる傾向にあり、その割合は50年で4日程度となっています。 ●短時間強雨の増加 近年、突発的で正確な予測が困難な局地的大雨を意味する「ゲリラ豪雨」の回数が増えているように感じられますが、全国の1時間降水量50mm以上の年間発生回数の長期変化傾向を見ると、10年当たりプラス2.0回(100地点当たりに換算)と増加傾向が顕著となっています。 横浜を含む関東甲信地方においても、1時間降水量50mm以上は10年当たりプラス1.6回となっており、増加傾向が見られます(図3)。なお、1時間降水量50mm以上の雨とは、「非常に激しい雨(滝のようにゴーゴーと降り続く)」レベルとされています。 一方、横浜の年間降水量はおおむね1500 〜 2000mmで推移しており、長期変化の傾向は見られていません。 ●震度1以上の地震は、この5年間は年50回程度 横浜で観測された震度1以上の地震は、東日本大震災のあった2011(平成23)年に312 回を記録しましたが、最近は年50回程度で推移しています(図4)。 なお、2015(平成27)年度の横浜市民の危機管理アンケートの結果によれば、大地震が発生した場合に特に心配なことは、「電気・水道・ガスの供給停止」(62.0%)、「家屋・建物の倒壊」(53.5%)、「食料や飲料水などの不足」(53.2%)の順となっています。 また、毎年実施の横浜市民意識調査では、2011(平成23)年以降、市政への要望のトップは「地震などの災害対策」となっています。 横浜の緑 ●緑被率の減少は緩やかに 2014(平成26)年度調査によると、横浜市の緑被率は28.8%で、2009(平成21)年の29.8%から1.0ポイント減少しています(図5)。緑被地の内訳は、樹林地17.0%、農地6.0%、草地5.9%で、面積としては、2009(平成21)年から438haの減となっています。 区別の状況では、緑被率が40%を超えている区は、緑区(41.4%)と栄区(40.6%)の2区で、西区(11.6%)、鶴見区(13.1%)、中区(14.0%)、南区(14.4%)の4区は20%未満となっています(図6)。 なお、緑被率は、航空写真から300u以上のまとまりのある緑を目視判読し、市域面積に占める割合を算定したものですが、このほか参考値として、個人の庭などの細かな緑の状況を把握するため、画像解析等による10u以上の緑被率が集計されており、その割合は34.1%となっています。横浜の緑は、都市化が進む中で大きく減少してきましたが、緑の減少に歯止めをかける取組や、市街地における緑の創出により、減少は緩やかになっています。 ごみ削減・リサイクルの状況 横浜市では、これまでごみ削減やリサイクルなどの取組を進めており、一般廃棄物の排出量(ごみと資源の総量)は、緩やかな減少傾向が続いています。 リサイクルについては、家庭系のリサイクル率は微減傾向となっています。これは、ペーパーレスや缶・びん・ペットボトル、プラスチック製容器包装等の軽量化などが、資源化量の減少につながっていると推測されます。事業系のリサイクル率は、家庭系と比べて割合は低いものの増加傾向にあります。