世帯 ●増加する世帯数、縮小する世帯規模 横浜市の世帯数は2019(平成31)年1月時点で約169万世帯となっています。1955(昭和30)年には約26万世帯でしたが、約30年後の1984(昭和59)年には100万世帯を突破し、2006(平成18)年には150万世帯を上回り、現在も増加が続いています。1世帯当たりの人員は2.21人で、1955(昭和30)年の4.36人と比較してほぼ半減となりました(図1)。全国においても、世帯数が増加するとともに、1世帯当たりの人員は減少傾向にありますが、全国に比べて世帯数の増加率が高いことと世帯人員が少ないことが特徴と言えます。 なお、平成27年国勢調査を基に2017(平成29)年に行った世帯数の推計では、2030年までは増加傾向が続くことが見込まれています。 ●増加が続く単独世帯 単独世帯(1人世帯)は約59 万世帯で、この10年で15万世帯以上増加しています。 世帯人員数別の世帯数の割合を見ても、2人世帯はほぼ横ばいで27.6%、3人以上の世帯は36.4%で減少傾向にあるのに対し、単独世帯は35.9%で増加傾向となっています(図2)。このうち高齢者の単独世帯は17万世帯で、単独世帯の総数の約3割を占めています。高齢者の単独世帯は2055年まで増加傾向が続くことが見込まれ、2055年には約29万4千世帯で総世帯数の約2割を占めると推計されています。 ●家族類型別では「夫婦と子供から成る世帯」が減少 横浜市の世帯の状況を家族類型別(世帯員の構成により区分したもの)の割合に見ると、平成27年国勢調査によれば、2010(平成22)年時点で約4割を占めて最も多かった「夫婦と子供から成る世帯」が3割程度に減少し、これに代わって単独世帯が3割半ばを超えて最も多い類型となりました。なお、「夫婦のみの世帯」の割合はほぼ横ばい傾向、「夫婦と子供から成る世帯」及び「男親と子供もしくは女親と子供から成る世帯」の割合は減少が続いています(図3)。 2050年には「夫婦と子供から成る世帯」の割合が「夫婦のみの世帯」の割合をも下回ると推計されており、家族類型の構成は大きく変化していくことが見込まれています。 ●結婚や出産に関する変化 ◎婚姻件数、婚姻率の減少 過去20年間の状況を見ると、離婚件数はほぼ横ばいとなっている一方で、婚姻件数は減少傾向にあります。婚姻率は1998(平成10)年には全国より1.2ポイント高い7.5%でしたが、その後大きく減少し、2017(平成29)年には全国とほぼ同水準の5.0%となっています(図4)。 婚姻件数のうち初婚の割合を見ると、2017(平成29)年では、1万9千件の婚姻のうち初婚は約1万4千件で、婚姻件数のうち約75%が初婚となっています。 また、生涯未婚率を見ると、2015(平成27)年時点で男性が24.2%、女性が14.0%でそれぞれ上昇を続けており、生涯独身でいる人が増加していると考えられます(図5)。 ◎出生数の減少と晩産化の進行 2018(平成30)年中の出生数は約2万8千人となっています。1980年代から30年以上は3万人台でしたが、緩やかな減少傾向が続き、2016(平成28)年以降は3万人を下回っています。 また、2017(平成29)年の合計特殊出生率は1.32となっています。、全国は1.43で、これまでも全国と比べて低い数値で推移しています。2005(平成17)年に1.16で最低を記録した後は上昇傾向にありましたが、2015(平成27)年からはやや低下しています(図6)。 母親の年齢別の出生数では、最も出生数が多いのは、1990年代までは20代後半でしたが、2000(平成12)年以降は30代前半となっており、最近は40代前半のほうが20代前半よりも出生数が多くなっています。 単独世帯の増加や夫婦と子供から成る世帯の減少は、結婚や離婚、出産に関する意識や状況の変化などが影響していると考えられます。 ●地域別に見た世帯の状況 平成27年国勢調査によれば、最も世帯数が多い区は港北区で約16万3千世帯、最も少ない区は瀬谷区で約5万世帯となっています。2010(平成22)年と比較すると全ての区で増加しており、特に港北区、鶴見区で増加数が多くなっています。増加率で見ると、最も高い区は都筑区で7.2%、最も低い区は金沢区で0.1%となっており、区ごとに状況は様々となっています(図7)。方面別で見ると、北部で増加率が高く、南部で低い傾向にあります(図8)。 また、1世帯当たりの人員では、最も多い区は都筑区で2.59人、最も少ない区は西区で1.88人となっています。2人を下回っているのは西区のほか、中区(1.95人)、神奈川区(1.98人)で、この3区を含む都心臨海部では少なく、市の西部や郊外部で1世帯当たりの人員が多くなっています(図9)。 高齢者の単独世帯数が全世帯数に占める割合については、最も高い区は南区で13.7%、次いで磯子区(13.2%)、中区(12.6%)となっており、市の北部では低い傾向にあります(図10) ●世帯数が減少している地域が拡大 区単位よりも細かいメッシュ別(市域を250m四方に分割したもの)に世帯数の増減数を見ると、世帯数が減少している地域が拡大する一方で、増加している地域は局所的になっています。 図11のとおり、2005(平成17)年から2010(平成22)年までの間は、一部鉄道沿線から離れた場所に世帯数が減少している地域がありますが、増加している地域が多く確認できます。一方、2010(平成22)年から2015(平成27)年までの間は、2005(平成17)年から2010(平成22)年と比較して減少している地域が目立ってきています。