ここから本文です。

第46回 横浜市公立大学法人評価委員会会議録

最終更新日 2020年3月6日

第46回 横浜市公立大学法人評価委員会会議録

【日時】平成24年7月30日(月曜日)14時~16時
【会議室】第一総業ビル4階会議室
【出席者】川村委員長、蟻川委員、岸委員、桐野委員、山上委員
【開催形態】公開(傍聴者0名)
【議題】
1 第44回及び第45回横浜市公立大学法人評価委員会会議録(案)について
2 平成23年度公立大学法人横浜市立大学の年度計画における業務の実績評価について
3 その他

【配布資料】
資料1.第44回横浜市公立大学法人評価委員会会議録(案)(PDF:99KB)
資料2.第45回横浜市公立大学法人評価委員会会議録(案)(PDF:211KB)
資料3.平成23年度公立大学法人横浜市立大学の年度計画に対する各委員評価一覧(PDF:212KB)
資料4.各委員評価のまとめに向けた総合調整項目(PDF:56KB)
資料5.目的積立金の今後の活用について(PDF:113KB)

報告

  • 【川村委員長】議事の始めに、法人から発言を求められている。
  • 法人から、「横浜国立大学と共同での大学院設置申請に関する新聞記事について」概要を説明した。
  • 【川村委員長】報告があったが、なにか意見はあるか。
  • 【桐野委員】リーディング大学院は、グローバルCOEに続くプロジェクトだが、どちらかというとCOEが、研究を主体とするものであったのに対し、グローバルリーダーの養成を主体とするもので、全国の国公私立の大学から募集をしており、毎年20~30のグループが認められる。主に教育体制をつくるということで、去年から始まり、今年が2年目であり、もう1年実施する。それぞれ20大学ずつ認められるはずである。かなり厳しい競争であり、一つの大学で実施するところもあれば、連合型で実施するところもある。ただし、大学院を学制のような形で作るのではなく、将来的には持続性のある教育体制を作ることだと思う。去年もある所がこういう形になり、申請が良くて通ったが、通った後に取り消しとなった。互いに損をしてしまうので、実施するつもりがあるのであれば、抗議するより早く協議し、申請を共同で出すような形にした方がいいのではないか。8月から審査やヒアリングも始まるので、全くヒアリングされない可能性もある。書類審査で落ちる可能性があるので、あまり良い形ではないと思う。書類準備の時間が短いために、こういったトラブルが起きやすい。本当は1年位かけて構想を練って提出しなければならないレベルの問題だと思う。個々の大学ではそれ位時間を掛けていると思うが、担当の教員が1ヶ月くらいで作り提出したものではないか。
  • 【法人】国大とはこれまでグローバルCOEを一緒に実施してきた経緯があり、本学医学部の教員と国大の教員と4月まで詰めていた。しかし、最終的に、結局、国大が出した申請書のプログラムの内容に連携が入っていないが、申請書の3頁以降の説明には市大との連携が書かれているものであった。
  • 【桐野委員】国大としては、医学部のあるところは必須ではないかと思う。
  • 【法人】国大の出した内容を見ると、市大の教員は1人しか入っていない。残りの30名程度は国大(23名)と他の連携先(6名)の体制であるが、中身を見ると、市大との連携のウエイトがかなりある内容となっている。国大が中心の体制であるため、国大のほうでは、本学に伝えなくても国大や連携先で実施するというように、路線を変えたのではないかと考える。
  • 【桐野委員】次年度にして、市大から申請を出した方が良いのではないか。
  • 【法人】本学は、昨年度もオンリーワン型は出しており、鶴見と医学部を融合したもので、今年も生命医科学分野のものをオンリーワン型で申請している。昨年もヒアリングまでは通ったという状況である。
  • 【桐野委員】事情はよく理解できる。
  • 【川村委員長】その申請書の内容は、確認しているのか。
  • 【法人】5月末が文科省への提出期限となっているが、再三の請求にも拘らず、内容が分かったのは、新聞報道の直前である。
  • 【川村委員長】そこには共同大学院設置と書いてあるのか。
  • 【法人】書いてある。
  • 【桐野委員】その申請がそのまま出れば、医学部側での比重が重いのに、この計画はどうなっているのかと指摘されるのではないか。
  • 【川村委員長】申請書自体は取り下げになっているわけではないのか。
  • 【法人】国大は取り下げないとしている。当初は、訂正を求める抗議文を国大に出したが、その後、本学の理事長、学長と国大の学長らと協議し、その際、国大の学長からまだ採択されるかどうか分からない段階であるため、採択された場合に開かれるヒアリングの場で訂正することでどうかという提案があった。
  • 【川村委員長】採択されればその計画書に従い共同大学院を作ることについて、市大としても同意しているのか。
  • 【法人】考えていない。申請書類審査の前に訂正があることを伝え、詳しい内容はヒアリングの際に正確に説明することと国大のホームページに載せるという話があった。
  • 【川村委員長】他になければ、本件についてはとりあえず以上でとどめたい。それでは、予定していた議事に入る。
  • 事務局より配布資料の確認

議題1:第44回及び第45回横浜市公立大学法人評価委員会会議録(案)について

  • 事務局から、資料1「第44回横浜市公立大学法人評価委員会会議録(案)」及び資料2「第45回横浜市公立大学法人評価委員会会議録(案)」について説明し、承認を得た。

議題2:平成23年度公立大学法人横浜市立大学の年度計画における業務の実績評価について

  • 事務局から、資料3「平成23年度公立大学法人横浜市立大学の年度計画に対する各委員評価一覧」、資料4「各委員評価のまとめに向けた総合調整項目」、次回委員会までの日程について説明した。
  • 【川村委員長】資料4にある通り全体が12項目あるわけだが、大きく分けて項目1が教育研究、2が附属病院、3が法人の経営、4の自己点検等となっているが、まず項目1の教育研究について議論いただきたい。この部分は全体としては、各委員B評価で一致している。内訳として、1-2研究の推進に関する取組もオールB評価、1-3教育研究の実施体制に関する取組もオールB評価だが、1-1の教育に関する取組について、意見が若干分かれている。なにか意見はあるか。
  • 【山上委員】基本的なことで、法人に確認をしたいのだが、自己評価はどういう手続きで決めているのか。
  • 【法人】まず各所属でABC評価をし、その後事務局がバランスを見て、案を作成する。その後、経営方針会議、教学と事務の管理職員で構成される合同調整会議で議論し調整をした後、最終的に経営審議会、教育研究審議会で承認を得て、横浜市へ提出する。
  • 【山上委員】自己評価の結果を見ると項目によっては、自己評価が、やや甘いと思う項目と厳しいと思う項目があり、評価のバランスが異なるように感じたため質問した。
  • 【川村委員長】なにか他に意見はあるか。
  • 【山上委員】教育に関する取組について、私はB評価とした。法人の自己評価はA評価であり、他の委員もA評価が多い。迷ったが、あえて議論をするという意味合いを含め、B評価とした。A評価とB評価の中間くらいであると考えた。法人の自己評価で、A評価となった細かい項目が8項目あるが、その中で特に学部教育に関するものが5項目ある。ひとつは共通教養であり、英語教育もA評価としている。いずれの項目もA評価といえばA評価かも知れないが、計画の中で、もともと考えられていたもので、計画通り順調に実施できたとすれば、A評価ではなくてB評価であると考える。当初計画に織り込んだものを超えて実施された内容とは読み取れなかった。英語教育は、確かに色々と力を入れているが、留学生の学力の質と英語レベル向上については、数字のマジックのようなところがあり、ハードルを上げ志願者数が減ったのであるから、分母が小さくなった結果として、レベルの高い留学生の比率が上がるというのは当然のことである。比率のみで、改善されたと評価するのは、甘いのではないか。絶対数はそれほど増えていないという説明をうかがった。様々な取組を実施したが、A評価とするには、少し甘いのではないか。大きなA評価の中の項目として、国家試験の高合格率維持のための施策実施(国家試験の高合格率維持のためのクリニカルクラークシップの充実)があり、医師の国家試験改善、看護師合格率100%の実績で、A評価となっている。しかし、看護師の100%合格は、連続しているものであるため、高いレベルを維持している点で、A評価とする気持ちは理解できるが、計画を超えて実績を出した内容であるのかという点に疑問を感じる。医師の国家試験については、合格率が下がっていたものが元に戻ったということである。22年度に合格率が下がり、この委員会でも問題になった。従来の合格率レベルに徐々に低下傾向が見られたが、改善され、前年度のレベルに戻ったという点で、努力としては認めるが、計画の通りに実施したものである。かつてはさらに高い合格率を維持していた時期もあった。A評価とした項目の内容ひとつひとつを見れば、努力をして結果がついてきたことに関して心情的には理解はできるが、過去とのバランスで考えると計画を上回って実施したA評価とするには、この分野については少し甘いのではないか。2附属2病院(附属病院及び附属市民総合医療センター)に関する目標を達成するための取組の中で、意見が分かれている項目があるが、法人が自己評価をB評価としているものを私は、A評価としている。1-1教育に関する取組とのバランスを考えると、当然こちらもA評価と評価できる程度の成果を上げていると考えられる。教育分野は、学部の再編成、大学院との教育の一貫性など色々な課題が絡み、なかなか体制が整わなかった。ようやく第1期で問題点が整理され、第2期に入り具体的に動き出したという点で、全体的にモチベーションが上がってきている中で自己評価の面でも上ぶれの傾向があると思う。医療分野は逆に、前から相当力を入れて実績をあげてきた。少し遅れていた教育への取組が軌道に乗り、改善されてきたことは確かだが、バランスを考えると医療の方がA評価であると相対的なものを含め、私は評価を変えた。
  • 【川村委員長】教育への取組については、判断に迷う部分が多い。
  • 【山上委員】第1期と異なり、第2期の計画は、個別具体的な項目であるため、業務の内容がどこまでいったのか、委員会では時間の制約もあり十分に理解しきれていない。第1期は戦略的課題についてであり、その課題が実施されているか、遅れているか等、非常に分かりやすかった。ところが、第2期に入ると項目が施策レベルについての評価であるため、評価する際に十分理解しきれていない部分があるのではないかと思う。議論をするという意味も含め、違う評価をした。どうしてもB評価であると考えている訳ではない。他の委員の意見を聞いた上で、もう一度考えたい。
  • 【岸委員】教育に関する取組について、私もB評価とした。山上委員と私とで同じような考え方があったと思う。根本的に言えば、計画を着実に実行したのがB評価である。そういう意味ではA評価はいくつかあるが、全体的としては、計画を着実に実行したと考え、B評価とした。個別に計画以上に実施した項目もあり、専門家である委員の多数がA評価とするのであれば、自己評価もA評価であるため、山上委員が発言されたように私も信念をもってB評価というわけではない。考え方の根本はあくまで、計画を立て、その計画を着実に実行したかどうかではないか。あとは全体としての判断に委ねたいと思う。
  • 【川村委員長】前回の委員会で、法人に自己評価のA評価についての理由を聞いた。資料を見たところ、通常に実施していればB評価であるから、A評価というのはそれを上回ったということなので、その根拠を伺ったということである。今回大きく取り上げるべき点は、国際総合科学部の再編の取り扱いであろう。コースの再編に非常に苦労されたため、A評価としたということであったと思う。ただ、実際の再編は24年度から動くため、23年度の評価として決めることは難しい。23年度はあくまで準備段階という位置付けであり、24年度から具体化するわけであるから、このコースの再編への努力をどう評価するのか。教育に関する取組について、今までの遅れを取り返せたという山上委員の指摘はその通りだと思う。それをどう評価に繋げるのかが問題である。そういう意味ではB評価もあり得るかもしれないが、形式的に言えば、我々は法人の自己評価をもとに評価をするという立場であるため、それを覆すだけの大きな明白なエビデンスがあれば可能だが、基本的には法人の自己評価に従うことが適当であろうかと思っている。法人自身が非常によくやったと自己評価しているのであれば、それに従って総合的にはA評価ということかと思う。また具体的な項目として、英語教育でもPEセンターの充実等、非常によく実施されていると思うので、この部分の全体評価としてはA評価であると判断した。研究の推進に関する取組と教育研究の実施体制に関する取組はB評価であるため、総合的に、大項目1大学の教育の研究等の質の向上に関する目標を達成するための取組はB評価であると法人も判断しており、私もその通りだと考える。
  • 【蟻川委員】取組が計画通りに実行できるかどうかというのは、内容、項目によって比較的速やかに実行できるような取組もあれば、そうではないものもある。教育に関する取組については、計画をしても実行するまでに、非常に時間がかかるということを私も経験している。少しでも進んだのであるならば評価しなければ、次の一歩に繋がらないと考える。遅れていたものが、一歩進むということは、そこにかなりのエネルギーが費やされているということであるから、一歩でも進めば高評価をしないといけない。さらに教育の効果を結果で言うのはなかなか難しいことであって、短期間にすぐ結果が出るわけではない。長い目で見ていかなければならず、成果まではすぐに見ることはできない。取組に関する評価であるため、それが一歩進んだのであれば、A評価としても良いのではないか。
  • 【桐野委員】どの大学も潤沢な、あり余るリソースで運営しているわけではない。そのリソースを生かして学校レベルの教育、大学レベルの研究、病院の収益も生んでいくという大変なことを要求されている。大学院の今回の取り組みについては、確かに成果というものは、おそらく10年位経たないと個別には評価はできにくいとは思うが、こういう形で思い切って再編をして進んでいくというのは十分評価できると考える。古い大学でもこういう取組ができれば大変結構だが、大変難しいことである。理系、医系融合の生命医科学を作るという試みを是非成功させてもらいたいと期待しているため、私はA評価とした。
  • 【川村委員長】1-1教育に関する取組については全体としてA評価としたい。1-2研究の推進に関する取組、1-3教育研究の実施体制に関する取組については、評価としては一致しておりB評価、全体としての1大学の教育研究等の質の向上に関する目標を達成するための取組についてはB評価とする。他に意見はあるか。続いて、2附属2病院に関する目標を達成するための取組についてだが、全体として3つの項目に分かれている。2-1医療分野・医療提供等に関する取組ではA評価が2名、B評価が3名、2-3医療安全管理体制・病院運営等に関する取組はC評価が1名、B評価が4名となっている。意見はあるか。
  • 【蟻川委員】私はB評価とした。病院は、全体的には良くやっていると思うが、不祥事で全体的に足を引っ張る中、昨年の東日本大震災時での協力等、積極的に取り組んだことを評価したい。良い部分は評価すべきだと考える。
  • 【山上委員】医療の分野について、医療機能全体の拡充のために血液浄化センター、救急病床の整備、看護師確保のために個室を改修する等、様々なことを実施した。中心的な病院としての附属病院とセンター病院の役割をうまく分担させながら、積極的な医療機能の拡充と医療体制の整備をしたと評価できる。各委員が、先進医療についてかなり高い評価をしていることを含め、先ほどの1-1教育に関する取組の項目が、A評価であるならば、2医療分野の項目の方がさらに努力をしたという感じを受けたので、B評価ではなくA評価とした。
  • 【桐野委員】山上委員の意見を否定するつもりは全くない。両病院とも非常によくやっていると評価できると思う。どこの大学病院も非常に厳しい状況で、市大の附属両病院で実施している内容は、ほとんど全ての病院が実施していることであり、内容は決して悪くない。同業であるため、少し厳しく評価したのかと思う。A評価としても良い内容だと思うが、A評価とB評価の境目のポイントが分からなかった。自ら立てた計画において、それを上回る進捗を見せた項目がかなりあるということが、A評価の条件であると考える。従来、私はこの項目についてA評価としてきたことが多かったが、今回は、非常に良くやっているが、予定通りの実績を着実に実施したということでB評価とした。委員の多数がA評価とするのであれば、私は反対しない。
  • 【岸委員】2-1医療分野・医療提供等に関する取組について、自己評価はB評価であり、桐野委員が発言した面から見てもこれは、資料だけで色々と判断したが、着実にBはBでも上の方であると解釈した。2-3医療安全管理体制・病院運営などに関する取組については、私だけC評価とした。私の考えとしては、安全管理体制の次としての病院の運営についてである。病院の運営に関して、今年度も非常によく運営したと考える。赤字決算に至った理由も理解でき、気にする必要は無いと思うが、決算後、1から2ヶ月を経過するまで、それが反映されなかったというのが問題である。病院の運営というのは全体の経営であるため、病院運営に関する取組としてはかなり重要な問題である。赤字決算に続いて、人件費比率についても結果だけで評価するべきではないかもしれないが、50.7%から附属病院においては53%に上がった。医薬材料比率についてもかなり上がった。全て結果ではあるが、原因があって結果が出るため、病院の運営を評価するならば、B評価はB評価でもかなり問題のある内容だと考え、個別にはC評価とした。他の委員の評価は全部B評価であり、管理体制も実行しているが、私の思いとしてはC評価とした。
  • 【川村委員長】岸委員の指摘された赤字決算については私も非常に心配している。ただ、それだけで病院運営の項目をC評価とするのが妥当であるかどうか。原因があって結果が赤字となったが、原因の方は、そう無茶なことをした訳ではない。むしろ医療機能の充実という意味でなされたため、病院運営等についてはB評価としたい。ただこの問題については評価に当たってのコメントとして、きちんと言及するようにしたい。計画に対する実施という意味では、赤字決算や人件費比率の問題は、非常に残念なことである。総括的文章に加筆することを前提としてB評価とした。2-1医療分野・医療提供等に関する取組については各委員それぞれの意見がある。桐野委員の専門家としての判断は貴重と思う。私もこれまで数年間見てきて、よく努力していると評価できると思うが、法人自身がB評価としているものを覆してまで、A評価とするエビデンスがないと考えたため、B評価とした。よく実施している取組もあるが、この分野全体としてA評価とするまでには至らなかったと思う。法人の判断通りB評価とすることでいかがか。
  • 【山上委員】岸委員が、C評価としたこの項目だが、病院運営の内容として、なぜ赤字になったかというのが、非常に重要だと考える。これは病院運営がうまくいかなかったために赤字が起きた(経常収益が減った)ということではない。逆に経常収益は増えているにも関わらず、医療設備、人員等の整備、拡充といった将来への先行投資が収益に繋がらなかったために、費用の負担の方が先に出た。運営費交付金についても、収益の中で出来るのではないかということで、減額されている。将来に向けた一時的な前向きな赤字であると私は考える。従って、今年度の決算はプラスになるのではないか。看護師を70名一挙に増員している。研修期間等、戦力化されるまでに時間がかかる。あわせて病院の医療設備の手直し等、様々なタイミングが今年度に集約されてしまったと考え、将来へ向けた赤字であると前向きに評価した。費用が先行し増えたのに、経常収益が思うように増えなかったため、人件費比率が増えてしまった。悪い内容ではない。一時的にこの時期に重なった結果であり、病院運営全体が、構造的に体質が悪いわけではないと内容を考え、B評価とした。私は2-1についてA評価としたが、委員長の指摘のとおり、B評価といえばB評価かもしれないという思いはある。他の病院も実施していることといえばそうかもしれないが、集中的に色々な設備に手をつけ、医療の機能拡充を図ろうとしている。受け入れ体制をできるだけ早く充実させようとピッチを上げて実施しているのではないかと考えるが、計画の範囲内の話なのか。どの程度具体的に計画以上に進んだのかどうか。個別の中身についてどこまで進んだのか、十分な説明を求めたい。計画に基づくものなのか、計画を超えているのか、設備の拡充、医師看護師の増員等人員配備の体制について補足の説明を求める。A評価であるのかB評価であるのかが、そこで変わると思う。自己評価でB評価ということはほぼ計画通りということではないか。病院側はどう捉えているのか。
  • 【法人】医療設備については、計画の範囲内である。看護師については、23年度大量に増やした部分に関しては、前年に7対1看護を割れたことを受け、その割れを翌年度に繰り越さないために、計画よりも増やして採用した。そういう意味では、看護師の大量採用は、計画になかったものである。手術の待機患者のために手術の件数を増やす必要があり、手術室の看護師を増員した。病棟では7対1看護の問題に対応するためである。どの病院でも看護師が不足している。今後4対1看護も検討の俎上にのぼる中で、看護師確保のために、夜勤手当を、周辺医療機関と同等程度以上にしたほか、看護師の福利厚生として、看護師寮の改修、また卒後教育についても力をいれている。
  • 【桐野委員】看護師の7対1は大病院では基本中の基本である。看護師を増員すれば、そのまま利益に結びつくという意味では、山上委員の指摘の通り、収益と連動している。7対1を外れるというのは大学病院では考えられないことであるので、是非確保してほしい。次年度の4月以降、3年間位は新卒看護師の奪い合いになる。これについては、是非しっかり取り組んでいただきたい。市大の附属病院について、見える化が進んでいないのではないか。各診療科毎に手術件数等、業績が分かるようにするということである。色々な事情で件数が上下すると思うが、まずは見えるようにすることが大切である。やられた方がいいと思う。決して難しいことではない。このことについて、各診療科からの反対があるのか。
  • 【法人】ネックの一つはコストの方である。収益の部分については、問題はない。コストの部分について光熱費等を含め共通の部分があるため、それをどう配分するのかが課題である。そのあたりを意見調整をしている状況であり、どこまで厳密にできるかどうかはあるが、徐々に改良していければよいとは考えている。
  • 【川村委員長】各委員色々意見があり、2-1医療分野・医療提供等に関する取組についてA評価という意見もあるが、基本的に法人の自己評価をもとに判断することとし、微妙なところだが、B評価としてはどうか。2-1医療分野・医療提供等に関する取組についてはB評価。2-2医療人材の育成等に関する取組についてもB評価で各委員一致。2-3医療安全管理体制・病院運営等に関する取組についても総括的な意見に赤字決算等に関するコメントを入れるということで、B評価としたい。大項目である2附属2病院に関する目標を達成するための取組についてもB評価とする。続いて、3法人経営に関する目標を達成するための取組、4自己点検及び評価、認証及び当該状況に係る情報の提供に関する目標を達成するための取組について、意見等あるか。前回の委員会で、委員から3-2-(3)経営の効率化に関する取組について、赤字決算となったことでC評価ではないかという意見があったが、中期計画、年度計画に決算に関する項目がない。その意味でこの部分の「経営の効率化に関する取組」というタイトルが適当かということはあるが、計画の実施状況という観点からすれば、赤字決算をもってこの項目はC評価とすることはいかがなものかと考える。法人運営全体に対する注意喚起という意味で、総括的な意見を述べるなかでこのことにふれることとしたい。赤字決算自体は、財務諸表の承認に関するものでもあり、その点は別途8月に審議いただく。ここでは、全体の総括的な所見の中で、結果として赤字決算、人件費比率、医薬材料費の問題があったことを指摘することし、経営の効率化に関する取組の部分では特に触れないでおくこととしたい。他になにかあるか。3-1業務運営の改善に関する取組については、法人の自己評価と同じく、各委員の評価は、C評価で一致している。法人の評価と各委員のC評価の根拠は若干違うように思われるが、いずれにせよC評価としたい。特段意見がなければ、3法人の経営に関する目標を達成するための取組はB評価、3-1業務運営の改善に関する取組はC評価、3-2財務内容の改善はB評価、4自己点検及び評価、認証及び当該状況に係る情報の提供に関する目標を達成するための取組はB評価とすることとしたい。
  • 【山上委員】経営の効率化の中心的なテーマとして、人件費が挙げられると思う。人件費について努力しているのが分かるが、人件費の76%が教員の人件費で占められている。教員の評価制度と待遇(人件費)が実際にどのように連動しているのか。難しいテーマであるが、評価制度導入時に、いずれは評価を待遇に反映させるとしていたと記憶している。どうなっているのか。
  • 【法人】評価を反映するようになって、現在3年目である。教員に対して毎年、教育、研究、地域貢献の各項目で評価している。毎年年度の始めに、1次評価者が面談し、自己評価を行う。その後、1次評価者、2次評価者が項目別に評価し、3割位を1番上のS評価とし、その中で、昨年度から1号俸、2号俸上げるという形である。この制度では、若い時からの積算となってしまうため、もう少し平均化するために、ボーナスのような一時金という形にしていた。さらに3割の上の3分の1をSSと評価している。任期制についても、博士取得者は5年、他3年として任期期間を通しての評価を積算し、次の任期を更新する際に審査している。自己評価、一次評価者、二次評価者の間にはいろいろな考え方があって比較的評価は難しかったのだが、今は評価者も慣れ、評価制度は順調に運用している。ただし、教育の項目についての評価が難しいため、現在検討している。教員が教育に向き合っていくようにしていきたい。研究業績というところでは自主的に取り組むが、教育にも積極的に関わるようこれから評価の項目を検討していきたい。
  • 【山上委員】市大は、教員の新陳代謝がよくないのではと聞いたことがあるが。高齢あるいは低評価の教員が退職し、新しい優秀な教員をどんどん入れて組織の活性化を図るということが必要であるが、高齢化が進んでいるのではないか。
  • 【法人】本学では最近はかなり変わってきている。国立大学の方が、動きがないと思う。若い教員層で動きがあるかもしれないが、本学の場合、改革があり、意見の相違によって合う教員とそうでない教員が居たが、7年が経過し教員もどんどん変わっている。新任の教員はその辺を理解してきている。
  • 【山上委員】評価制度が機能しているということか。
  • 【法人】そうである。反発のあったところに評価等の制度が浸透してきている。学生への教育が重要という認識で、教員の意識が少しずつ変わってきている。
  • 【川村委員長】その場合の教員の業績について、アカデミックポートフォリオという形で、研究だけでなく、教育、大学運営、地域貢献等の業績全体をファイルし評価するのが、現在の動きである。S評価、A評価の基準はどうなっているのか。教員の業績一覧は、公表されているのか。
  • 【法人】研究業績の発表はしている。大学院の教員については、研究科報に2年に1度、全員研究実績を出している。研究と教育がどう関わっているか、自己評価の良い指針となっている。評価についてオープンにできる部分とできない部分とがある。教員により、自己評価を公開するかどうか判断できるようになっている。
  • 【川村委員長】研究科報に出る教育の業績というのは、持ちコマ数で表現しているのか。
  • 【法人】現在のところ、定量的な話になりがちである。これを質的なものにどう変えていくのかが課題である。今は、評価項目がそこまで入り込んでいないため、そこを検討している。
  • 【川村委員長】評価の基準を明らかにするとともに、その前提として業績自体が明確にファイルされていないといけない。
  • 【法人】定量的に学生の合格率等指標は出すことができるが、質的なところをどう評価していくかが課題である。学生の授業アンケートによる評価についても1つの項目となる。
  • 【川村委員長】そういった取組についても客観的に評価すべき。
  • 【法人】そこは1次評価者が評価する。だいたい1名の1次評価者が10名から20名を評価している。
  • 【川村委員長】本日の意見、コメントを事務局が評価結果案としてまとめ、各委員へ送付する。次回の委員会で、案について議論する。

議題3:その他

  • 法人から、資料5「目的積立金の今後の活用について」説明した。
  • 【岸委員】積立金の活用策について、退職給付費用等とあるが、等にはなにかあるのかはない。
  • 【法人】例えば、法人全体として赤字となった場合に目的積立金の方から補填するという意味があるため、等という表現になっている。
  • 【岸委員】退職給付は数理差異であるから、概算的に数字がある程度出るはずである。分かりにくいので、等はとるべき。施設の改修と先端医療についてもある程度の整備を予定しており、個別に実施する際には経営審議会へ諮ることになっているが、目的積立金をただ貯めるだけではなく、具体的な活用策についても示してもらいたい。できればもう少し具体化すべきであると考える。
  • 【川村委員長】できるだけ具体的な表現が良いと考える。
  • 【桐野委員】退職給付金で、独立行政法人になる前に該当するものは、市から支給されるのか。法人化以降は、自己引当をしているのか。市に在籍していた該当職員がいる場合は今後も毎年計算し、市から支給されるのか。
  • 【法人】法人化後は、固有職員について引当を行っている。市に在籍していた固有職員については、市での勤続期間と法人での勤続期間の割合に応じて計算し、比率に応じ本学に該当する部分については、本学が負担する。
  • 【川村委員長】予定していた議題は以上である。
  • 【山上委員】前回の委員会での説明のあった人材派遣会社社員不祥事については、派遣会社からの弁償費で埋められたということだと思うが、大学側での職員の管理責任はどう問われているのか。
  • 【法人】まだ結論は出ていない。市派遣職員の懲戒権は横浜市にあるが、本学の意見を付することはできるので、大学独自でどう対応すべきなのか、検討中である。
  • 【山上委員】管理のあり方というのはガバナンスに関わる基本的な考え方である。こうした事態にどのような考えで取り組むのか確認したい。
  • 【法人】最終的には理事長の判断となるが判断に当たっては、本学の懲戒審査委員会に諮り意見を聴く方法もある。なるべく早く対応したい。
  • 【川村委員長】結論が出たら、委員会で報告を願いたい。本日予定していた議題は以上だが、他になければ、今後の日程の説明に移りたい。
  • 事務局より、今後の日程を確認。
  • 【蟻川委員】評価をしっかりと実施しているにも関わらず、色々な不祥事があり残念である。学生が、自分の学んでいる大学に誇りを持って学び卒業してもらいたい。各々の評価も大事だが、大学も総力を挙げて、学生に誇りを持てるような大学になるよう努めてもらいたい。
  • 【川村委員長】特に意見がなければ、以上をもって第46回横浜市公立大学法人評価委員会を終了する。

PDF形式のファイルを開くには、別途PDFリーダーが必要な場合があります。
お持ちでない方は、Adobe社から無償でダウンロードできます。
Get Adobe Acrobat Reader DCAdobe Acrobat Reader DCのダウンロードへ

このページへのお問合せ

政策局大学調整課

電話:045-671-4273

電話:045-671-4273

ファクス:045-664-9055

メールアドレス:ss-daigaku@city.yokohama.jp

前のページに戻る

ページID:416-956-781

  • LINE
  • Twitter
  • Facebook
  • Instagram
  • YouTube
  • SmartNews