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第30回 横浜市公立大学法人評価委員会会議録

最終更新日 2020年3月5日

第30回横浜市公立大学法人評価委員会会議録

【日時】平成22年5月17日(月曜日)14時00分~16時00分
【会議室】開港記念会館6号会議室
【出席者】川村委員長、岸委員、山上委員、桐野委員、蟻川委員
【欠席者】なし
【開催形態】公開(傍聴者0名)

【議題】

  1. 第29回横浜市公立大学法人評価委員会会議録(案)について
  2. 公立大学法人横浜市立大学第2期中期目標(H23~28)中間案について
  3. その他

【配布資料】
資料1.第29回横浜市公立大学法人評価委員会会議録(案)(PDF:313KB)
資料2.公立大学法人横浜市立大学第2期中期目標(H23~28)中間案概要(PDF:338KB)
資料3.第2期中期目標中間案を受けた公立大学法人横浜市立大学での検討状況について(概要)(PDF:164KB)
資料4.公立大学法人横浜市立大学第2期中期目標(H23~28)中間案および公立大学法人横浜市立大学での検討状況(PDF:295KB)

議題1:第29回横浜市公立大学法人評価委員会会議録(案)について

  • 事務局より、【資料1】について説明し、承認を得た。

議題2:公立大学法人横浜市立大学第2期中期目標(H23~28)中間案について

  • 事務局より、資料2「公立大学法人横浜市立大学第2期中期目標(H23~28)中間案概要」を説明し、資料4「公立大学法人横浜市立大学第2期中期目標(H23~28)中間案および公立大学法人横浜市立大学での検討状況」を紹介。
    法人より、資料3「第2期中期目標中間案を受けた公立大学法人横浜市立大学での検討状況について(概要)」を説明。
    【山上委員】資料2の概要のまとめ方について、「第1期の実績・成果」の項目には主だったものをあげたのだと思うが、どのような基準でこの6つの項目をあげたのか。大学院の再編成なども、重要な大学改革の成果だと思う。実績はこれからだが、大きな意義があることだったと思う。また、法人運営に関わることが少ないと思う。例えば、広報などは大変充実してきたと思うのだが、項目として入っていない。平成17年からの5年間が経過する中で、実績・成果がこれだけの項目というのは気の毒ではないのか。全てあげればキリがない話だが、どのような基準と考え方でまとめられたのか教えてほしい。
    また、「市の政策と関わる取組」についても、他にも色々あったと思う。基準をきちんとしていただき、納得できる形でまとめてもらわないといけない。それらを踏まえて第2期に入っていくべきであり、その整理の仕方が中途半端だという印象を受けた。
    次に、「第2期中期目標のコンセプト」について、第1期に掲げた目標を発展させていくというのは当然のことであり、第1期で起こった課題への対応もそのとおりである。さらに加えて、第1期に目標を立てたが、残ってしまった事項への対応も必要だと思う。それを明確にするために、継続して行う項目、達成し得なかった重要な課題、期間中に起きた課題への対応の3本柱にするべきではないか。例えば、国際化への対応などは、この委員会でもよく話題にのぼった事項である。第1期では達成し得なかった重要な課題について、第2期にはしっかりやっていく、というコンセプトが必要ではないか。また、期間中に起きた問題への対応も重要なテーマである。その中で、大学認証評価結果で指摘されたことの中にも、第2期で取り組んで行かなくてはいけないものがあると思う。大学認証評価結果について、しっかりと第2期に入れ込む必要があるのではないか。
    次に、「第2期中期目標のポイント」が色々書いてあるが、前回の委員会で、蟻川委員がご指摘されたように、私立大学の場合、大学を運営していくにあたって、いかに人気のある、より多くの受験生が呼び込める大学になるかということが重要な戦略課題になっていると思う。今までは、「横浜市」というブランドもあり、ある程度学生を呼び込めたかもしれないが、今後の第2期中期目標期間は、その点が重要なテーマになってくると考える。大学の魅力づくりを行っていく必要があるだろう。横浜市というブランドは人気が高いが、今後少子化によって競争が激しくなり、特に首都圏は激戦区である。油断していると学生が思うように集まらない、質が落ちるという事態がおこる。学生の質が落ちれば、大学がいくらがんばっても、社会に対する貢献度は上手くいかなくなってくるだろう。これは大学の重要なテーマではないかと思う。蟻川委員のご指摘を伺い、その気持ちを強くした。第2期の6年間も人口減少は続いていく。大学としてももう少し重きを置かないといけないのではないか。
    【桐野委員】横浜市大が発展していくためには、国際総合科学部の競争力をつけていかなくてはならない。少子化で、競争状態になった場合、のんびりかまえていては人気が落ちてしまう。地域貢献と国際化、教養教育に重きをおいた幅広い高等教育を行うというのは大学として大切なことなので、確信をもって進めていってほしい。特徴のある大学として競争力を持っていければと思う。
    また、現在110億円強の運営交付金を交付しているが、市としては、この額は高いのか安いのか、重要な問題だと思う。東京大学医学部は、医学部全体で90億プラスαくらいの運営交付金が交付されている。医学部だけであり、市大のように二つも病院を持っていない状況で、この額である。そういう意味では、現在よりさらに切り詰めるのはやめた方がいいと思う。本当に適正な効率化を図った上での大学の支出がどの程度で、切り詰めた方が良いのか、効率化の余地があるのか、もっとサポートするべきなのか、どうしたらこれから地域貢献・国際化というスローガンに合致する方向にいけるのか、検討してほしい。根拠があって削減しているのか、よく議論いただきたい。大学は一定以上の資源の削減をすると、それに見合っただけの機能の低下が起こる。よく考えてほしい。
    【蟻川委員】特に横浜市が国際化を重点に置いていることは知っている。市大だけでなく、大学全体が国際化を求められている。その中で、市大の取組として、ダブルディグリーなどが書いてある。以前の委員会で海外留学が増えているのかどうか聞いた際に、留学に耐えうるスコアがとれないので、なかなか学生が留学できないという話を伺った。TOEFL500点で底上げはしているが、特に秀でた学生の養成はしなくていいのだろうか。能力のある人を伸ばす、海外へ学生が行くことができるような取組をしたらどうか。500点を越えた学生で特別クラスを作ったり、海外留学を目指す学生のための語学教室を開くなどして、海外留学のための体制を作り、そこをベースに学内試験の合格率を高めていってはどうか。また、試験の点数だけでなく、経済的な問題もある。経済的な援助など、留学するための条件を整えてもらわないと、制度だけ作っても、留学できるものではない。第2期においては、留学を推進する支援制度を作ったほうが良い。ダブルディグリーの制度ができても、留学する人がいなければ意味がない。まずは送り出す、それを支援することが必要ではないかと思う。協定大学の仕組みなどはかなりできているとは思うが、多くの学生を送り出すような支援が必要である。
    【岸委員】法人組織の運営についてだが、先日の大学認証評価では、施設整備・管理運営について両方とも概ね満たしていると書いてあったが、問題がないわけではなく、どちらかといえば問題があると思う。公立大学法人は、純然たる営利でも、純然たる公でもないという難しさがある。
    例えば資料3の、「市民が安心できる医療、高度で先進的な医療を提供するための医療機器や施設設備の整備」とあるが、これは市との調整が必要になる。設備投資をどうしていくのか。また、収入については、運営交付金を今後どのようにしていくのか。ここをかなり具体化し、将来を見据えたものにする必要がある。次に、人件費について、職種によって相当違うと思うので、分析が必要であり、その結果を目標と計画の中に上手くあてはめていく必要がある。繰り返しになるが、医療機器や施設設備の整備および「横浜市と連携した八景キャンパス再整備事業の推進」については、市の財政とも絡んでくる。目標は目標で、いつまでにどれくらいで、どのようなものを作るのか、具体化してから計画を作る必要がある。着地点が見えないといけないが、なかなか見えない。
    【事務局】山上委員からの質問について、資料1の成果・実績の項目をどのような観点から選んだかというと、大学調整課の内部で議論をした結果、大きな取組としてこの6つをあげた。この他にも実績はある。大学院については、法人化した際に3研究科になり、さらに研究科が変わったばかりであり、再編してからまだ間もないこともあり、取り組んではいるが、それを成果として項目にあげるのは早いと判断したため、今回は項目に入れていない。運営については、運営交付金削減、市職員の削減などの実績がある中で、1期期間中にガバナンス・コンプライアンスの問題が出てきてしまったため、このような取り上げ方をした。今回の意見をふまえて議論したい。
    「第2期中期目標のコンセプト」について、ご指摘のとおり、「第1期で達成できなかった課題」という項目がなかった。改めて検討したい。大学認証評価で指摘された部分についても併せて検討する。
    大学として多くの受験生を取り込むという件については、その点についての視点が欠けていたかと思う。具体的にポリシーに則った教育の推進や、共通教養科目の充実、奨学金制度などの取組をすることによって、魅力はアップすると思うが、その切り口は項目として設定していなかったので、検討していきたい。
    次に、桐野委員の提案だが、国際総合科学部について、国際競争力をつけ、特徴ある取組をする必要がある。医学部でもあるが、地域貢献・国際化は国際総合科学部や大学院の担う役割は非常に大きなものがあるので、現在の取組をより一層進めていきたいと思う。
    運営交付金については、まだ第2期6年間の検討が始まったばかりということで、これから6年間の医療機器・施設整備計画を市大から出していただき、どのように運営交付金で負担していくのか考えていく必要がある。市は現在危機的な財政状況にあるため、その計画を元に、必要な運営交付金を検討していかなければならないと思っている。
    蟻川委員の国際化の話だが、海外留学への取組について、国際総合科学部での上級英語科目の充実などを進めているが、それ以外の学力的な支援の話も聞いている。そのような取組を支援していきたいと思う。
    岸委員から施設整備・人件費についての話があったが、人件費についても職種による分析を行う必要がある。人員配置計画とも大きく関係すると思うので、6年間でどうしていくのか、これから実質的な議論を進めていきたい。運営交付金については、市の予算の中で6~9月にかけて交付金の額について調整していきたいと思っている。
    【法人】法人化した際、これから社会に巣立つ学生に必要であると考えて、国際総合科学部では共通教養と7つのコースとしてスタートし、中身をこの5年間で整備してきたが、この間、学生も社会状況も変わってきたので、新たにコースを再編しなければいけない。例えば、新しい分野として次世代に合った融合的な領域をコースとして、学部教育に取り入れていくことを第2期中期計画で考えている。これからの若者が必要となる知識を教えていく中身にしたい。国際総合科学部は動きやすい組織になっているので、その辺の自由度を生かしながら進んでいきたいと思う。
    国際化については、広範囲な内容を含んでおり、留学しやすい環境作りは本当に重要であるが、予算もかかるし課題が多い。国際化をいくつかの観点、例えば、大学の教育レベルの国際標準化、学生交流など人的交流、多文化共生など国際都市の問題を教育研究に取り入れる国際化、などに分類し実施していく必要があると考える。その中で、外部資金を利用した地域貢献・国際化を進めており、今年度は、JICAを通じてアフガニスタンの小麦を品種改良し、アフガニスタンの食糧問題に取り組むなど、研究が進められている。そういうことを少しずつ積み重ねていくことで、国際化・地域貢献を図っていこうと考えている。
    【法人】国立大学の法人化そのものについても色々議論されている。自主財源の確保について、本学も取り組んでいるところであるが、国立大学と違い、公立大学では、資金の借り入れができないなどの色々な制約がある。自主的な運営が、国立大学ではかなり行われているが、本学でも一定の成果が出ている。この辺に関しては今後大きな議論が出てくるところだと思う。医学部は多面的な部分を持っているので、色々な分野の研究の特性を生かしていきたい。
    【川村委員長】資料3について、用語の問題だが、「第2期中期目標のコンセプト」の中の「持続可能な大学づくり」という言葉はあまり使わない言葉ではないかと思う。分かりやすく説明したつもりと思うが、誤解を招くのではないか。
    資料4で見る限り、中期計画・目標は全体的には非常によく整理されている。1期と見比べてもだいぶ整理されていて良いのではないか。ポイントを良くまとめられている気がする。いくつかお伺いしたいのだが、資料4のP1で、「YCUミッション」というものが書いてあるが、これはいつできたのか。また、P1の下「(1)教育の質の保証」の2.で、教員の質の向上を含め、教育課程の不断の見直し改善も質の向上の重要課題と思うのだが、どうか。また、ここで学費の話がでてくるのは唐突ではないか。P2では、国際総合科学部について、大学院の再編が先行されていたが、大学院が平成20年度からスタートし、学部が平成24年度の予定である。コースの再編は社会ニーズもあるので、不断に見直しをしなければならないのも分かるが、再編のタイムラグと順番が気になっている。
    また、2Pの下の「3.大学院教育に関する取組」について、中期目標では「研究領域を超えた領域横断的研究分野の開拓とその推進」とあるが、ここは「研究」ではなく「教育」ではないかというところが気になっている。
    P3の「1.-2 研究の推進に関する取組」については、1期と大分雰囲気が変わっている。1期においては、戦略的な研究推進の視点が強調され、例えば産学連携などが研究推進の視点として書いてあった。その次に、研究の重点分野について、ライフサイエンスなどのいくつかの分野が明記されていた。今回は、研究の部分で、外部資金獲得や地域への還元が盛り込まれているが、法人全体としての重点的な推進分野、また基本的な視点はどうするのか。かなりその辺が変わってきているのでなないか。
    P3の国際化について、別紙で整理されているが、国際化というのは社会が大学に求めている国際化ということと、そのための大学自身の国際化をどう進めるかの二つあると思う。「国際化に関する取組」とは、社会的に求められている大学の機能としての国際化を指していると思う。目標には「多文化共生に関する取組の推進」と書いてあり、大学に対して地域社会の国際化についてもっと積極的に取組んでほしいという要望が強く出ている。しかし、それが計画の中で、国際化の具体的な取組として書かれていない。国際化の取組はその意味するところが広いので、重点を決めなければいけない。目標と齟齬が出てくるのではないか心配である。
    医療の分野について、「県内唯一の公立大学附属病院として、県域・市域での要となる位置づけのもと」とある。市域というのはイコール市なのだろうか。また、県域といった場合、県内の他の大学病院についてどのように意識されているのか。県内の地域医療機関の一つなのか、高度な医療機関同士として連携を行っていきたいのか。県域という言葉が出てきたので気になった。
    P5の「ガバナンス及びコンプライアンスの強化など運営の改善に関する取組」について、目標では出てこないが、計画で「研究院のあり方」という言葉が出てくる。ガバナンスの中の「研究院」ということであると思うが、第1期の計画における研究院の位置づけは、教育重視のためにカリキュラムを充実させるための教員の全学出動態勢だと書かれていた。今回、カリキュラムの充実の中に研究院という言葉は出てこないで、ガバナンスの項目に書かれている。ガバナンスとしての研究院というのは調整機関のようなものだと思うのだが、これが研究院という言葉で馴染むものなのか。全学の教員の人材活用組織というなら分かるのだが、全学の教職員の力を発揮する組織というのは、大学の本来の組織そのものであると言える。大学本来の組織と研究院は、どのように役割分担されるのか。名称もよくわからないし、構想自体も分からない。1期と違うものを目指すのは結構だが、2期の研究院は、1期から何がどう違うのか。ガバナンスの方に研究院が出てくると分かりづらい。
    P5の、「2.人材育成・人事制度に関する目標」について、「公益的組織として、法的・社会的要請を満たすよう努める。」とは、大変抽象的な目標で、計画の中でどこで受けているのか分からない。また、設立団体として法人に何をお願いしたいのかわからないので教えていただきたい。また、「持続可能な大学のあり方について検討し、推進する。」の内容も抽象的である。これは計画の「他大学との連携についても検討する」に該当するのか。
    P6について、「運営交付金に関する目標」は、もう少し前向きに書いてもいいのではないか。「事業の進捗管理」について、計画を見ると「第三者評価を実施し」とあるが、第三者評価を毎年度実施するのか。この辺はどのようになるのか。
    【法人】コース再編の時期が大学院改革の後になった理由としては、当初、国際総合科学部は欧米型のリベラルアーツを志向し、大学院教育と独立した考え方だった。そこで、大学院では専門性がより重要であるという視点から大学院改革を行った。しかし、現在では、日本の大学・大学院教育は連続した教育と成っており(文科省)、それに合わせて学部教育を修正していく必要が出てきた。ただし、教養教育を重視した国際総合科学部にどの程度専門性を打ち込むかということが難しいところではあるが、これからの社会や学生の変化に対応できるよう、大学院教育と学部教育を繋げるような教育システムを構築するという流れになった。
    研究院に関しては、言葉の問題もあるのだが、第1期中期計画では、教員全体をストックして、教育に人材を派遣するという形にしようとしていた。しかし、研究面だけの問題を扱う機関になってしまったので、第2期は、当初の思想に合った組織にしたいと考えている。名前も「学術院」にして、学長をトップとし、人材をどのように配置するか学術院の調整会議で決めていく。その中で、ある部分は研究のユニットを作って研究を進め、また、学部での教育を進めるためには教員を派遣する。どうしてこうなったかというと、文科省の設置基準で、学部・コースに専任教員を配置するという基準があったためであり、教員はコースに所属するという意識が強かった。それを変えられなかったのだが、それを全部元に戻して、組織として運営していきたい。難しいことなので、今年度で準備し、来年度から本格的な本来の目的にあったものにしたい。
    【法人】第1期の研究院は執行が難しく、上手くいかなかったという経緯がある。教育と研究は非常に結びついているので、学部横断的な教育を行うには、各教員の専門・研究分野を一元的に把握する必要がある。従来は、二つの学部は相互で交差する場面がなかったが、それをもっと交流し、本当の意味で学生に教育・研究をする体制を作らなければいけないという問題意識があった。第2期では徹底して、教育面だけでなく研究面でも、繋がっていかなければならない。川村委員長が言った大学そのものという性質のように、今までは構成員が一元的に集約される仕組みがなかった。それを徹底していきたい。
    附属病院に関しては、神奈川県内唯一の公立の附属病院であり、他の3つの私大附属病院とはかなり位置づけが違っている。例えば、本学出身者は県内・市内の病院に勤務することが多いが、他大学の出身者は出身地での開業志向の比率が高いというように、活躍の場が違う。医療は極めて公のものであり、県・市内の現実問題として、救急医療の問題や、人材不足の問題がある。そのような市内県内における公的な機能を担っていく必要がある。
    【川村委員長】多文化共生はそのまま地域貢献でもある。例えば、外国籍の市民への医療サービスを充実していくことも、地域における多文化共生に繋がってくるのではないか。そのことが、国際化に関する取組の中にも地域貢献の中にも計画には入っていない。山上委員が言っているように、あらゆる意味での国際化にすべて対応するわけにはいかない。多文化共生は国際化や地域貢献への取組の一つの選択肢ではあると思うが、目標に書いてあるのに、計画に入ってないというのは、第2期の評価に響いてくるのではないか。設立団体が目標に示している国際化の意味も良くわからないところはある。「市内・学内における多文化共生に関する取組を推進し、国際的な視野をもって活躍できる人材を育成する。」とあるが、取組の推進と人材育成は別物ではないのか。それが一つの言葉で繋がっているからわかりにくい。多文化共生は大きなテーマであり、どこまで取組むのかは、大学の持つマンパワーとの関係もあると思う。
    研究院というのは、全学の教員のマンパワーを有効に配置し、単にカリキュラムの充実だけではなく、例えば今の地域貢献についても、教員を適切に活用するなど、色々なやり方があると思う。それをやるのが学長を初めとしたリーダーシップであり、教育審議会であり、あえていえば大学という組織そのものではないか。それとは別に研究院を作るというのもわかりにくい。
    【法人】研究院については、教育組織の人材最適配置としての面と、戦略的研究を推進する戦略母体としての面がある。研究院は、実際は、教育よりも研究分野の運営組織として位置づけられてきた。これは大いに反省することであり、研究院とは何かを再検討した際に、本学においてはリソースマネジメントをする機能が研究院であり、人・物・金というリソースを最適配分するのが研究院であるという結論に達した。そもそも、理事長・学長のリーダーシップのもとでマネジメントの配分を調整してきたが、改めて研究院の中に調整会議を設けて行うことにした。我が校ではそのような整理をさせていただいて、例えば領域横断的にユニットを作って実際に研究を行うなど、そういうことを21年度に試してみて、22年度から本格始動を試したいと思っている。
    【法人】ご指摘の教育研究審議会がある中で、研究院を設ける必要があるかという問題は学内でも当然議論していた。実際は、教員は従来のやり方とのバランスをどのように取ったらいいか、戸惑っているところがある。考えの上では、学部横断的なものが構想としてあったが、なかなか上手くいかない。一つの希望としては学術研究組織を作って、新しい考え方で取り組んでいきたい。既存の部分は、壊して作るのはやりにくい部分があるので、残したまま徐々に移行していきたい。
    【事務局】ご指摘にあった、目標の表現が抽象的な部分については、言葉を整理してきたい。
    【事務局】国際化の件だが、この委員会でも第2期6年間での市大の取組が、どのような考え方で進んでいくのか、何を想定で進んでいくのかという話があった。本日の時点での取組ということで、参考資料をつけているが、これはあくまで中期計画の中間案の記述をまとめたものであり、中間案の文字だけを見ても具体性に欠ける部分があると思う。まだ法人の方でも整理中だと聞いているので、次回の委員会には改めて国際化の市大としての考え方と具体的な取組について話をしたいと思う。文言が抽象的で分かりづらい部分があったが、「公益的組織として、法的・社会的要請を満たすよう努める。」ということの一例としては、障害者の法定雇用率を満たしていないなど、違法ではないが公的組織として守るべきではないかというところがいくつかあり、それを達成してほしいという意味で書いたが、分かりづらい表現になってしまったので、検討してもらうこととしたい。また、「持続可能な」という表現についても、時代の変化に合わせて常に変わっていってほしいという意味で書いている。また、「第3者評価」というのは、新たに評価を追加するものではなく、昨年度の大学認証評価を踏まえてという意味で書いたつもりであった。表現について検討していきたい。
    【蟻川委員】国際化のことなのだが、「市内・学内における多文化共生に関する取組を推進し」と書いてあるが、異文化の交流は、大学内の留学生と交流をする機会を作れば、それだけでも交流の意識が高まるわけであり、そのような手っ取り早いところから具体化していくのが第1歩であると思う。このように書かれていると、具体的な取組が見えてこない部分がある。
    2Pの「2.学部教育に関する取組」について、「世界共通言語の英語を駆使して多角的に物事を考える力を養う幅広い教養教育の実施」という文があるが、良く意味がわからない。「国際的な視野に立って、多角的に物事を考える力を養う」なら分かるのだが、「英語を駆使して物事を考える」というのはどうなのか。「国際的な視野」という言葉は他でも出てくるので、表現はかぶらないようにしてほしいが、「英語を使って物事を考える」という表現は変えた方が良いのではないか。
    【山上委員】市の政策への対応について、市側の対応というのが非常に重要になってくるのではないか。行政が大学をきちんと位置づけているのか。市のシンクタンクのように位置づけているのか。そのようには今までなっていなかったように思うが、これから市の政策に関わっていくのならば、市が大学と共通の認識に立たないといけないと思う。所管の都市経営局はもちろん、その方向を理解していると思うが、政策を立案する港湾局など他の多くの局についても、市大をシンクタンクとして生かそうとしているのか。どこまで浸透されているのか。
    【事務局】今までは個人のつながりで交流があったが、現在は局を通したつながりに変わってきている。インナーハーバー構想もそうであり、細かいところでの地域貢献では、金沢八景駅前の開発は、区と都市整備局と行っている。市大の知的資源の活用ということで行ってきている。大学調整課でもそのような取組を進めている。
    【山上委員】大学が市の政策に積極的に関わりたいとしても、市側に共通の認識がないと、大学が活きてこない。特に、政策立案に参加しないと、ノウハウが蓄積されていかない。
    【法人】市の政策に市大が関わってこれなかった場面もあった。大学としても、本学の教員の人材のリストを作って売り込みを始めているところである。
    【事務局】大学調整課の設立の意義として、市大を始めとした大学の連携を政策に生かしていくという役目がある。今後も、今まで以上に取組を進めていきたいと思う。

議題3:その他

  • 特になし

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総務局大学調整部大学調整課

電話:045-671-4273

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