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「女性ヤング・リーダーシップ・プログラム」に参加しました!

最終更新日 2019年4月3日

イスラエル政府の招へいプログラム「女性ヤング・リーダーシップ・プログラム」に、横浜市戸塚区に拠点を置くNPO法人こまちぷらすで代表を務める森 祐美子さんが、横浜市の推薦により参加しました。
森さんから体験記を寄稿していただきましたので、ご紹介します。

  • ヤング・リーダーシップ・プログラム

イスラエル政府が、日本の各専門分野(経済、教育、政治等)で活躍する若手リーダーを約1週間イスラエルに招へいするプロジェクト。昨年9月には企業、経済機関、大学関係者、市職員の7名からなる横浜代表団を、同プログラムでイスラエルに派遣。今回は女性代表団の一員として参加。

平成29年2月に日本国内の女性起業家及びJETROの方々計9名の方とともに、イスラエルへ1週間弱訪問する機会をいただきました。起業のみならず、家庭と仕事のバランスをとりながら、女性が社会でどう生き、活躍をしていくことができるのかという問いを携え、イスラエル外務省、キブツ(イスラエルの農業共同体の一形態)、国会議事堂、女性思想家、ホロコースト(第二次世界大戦中のユダヤ人虐殺)経験者の方、ESHEET(コミュニティカフェ的な場)、JETRO現地事務所などを訪問し、各現場で意見を交換しました。イスラエルの共働き率は高く(※)、また、出生率は3.1と先進工業国平均の1.7を大幅に超えていました。その背景には宗教的な背景(旧約聖書における「産めよ、増やせよ」の考え方や、多産家族のユダヤ教の超正統派の出生数も影響している)等があるにせよ、共働き率も高い国にも関わらず社会として「子どもはみんなで育てるもの」という意識が根付いているということを感じました。労働時間の短さ(育児中の女性は16時に帰る等の話も聞きました)、ベビーシッターの充実、家族親族が頻繁に集まる(週1回や月1回集まる家族も多い)文化も育てやすさに影響していることを感じました。街中を歩いていても、ありとあらゆるところで遊具や公園があったのも印象的でした。

イスラエル外務省・キブツ・国会
写真左:イスラエル外務省 写真中央:キブツ 写真右:国会議事堂

イスラエルは起業国家でもあり、起業率は人口1,844人につき起業1社と世界第1位、そしてAppleやIntelなど多くの企業が開発拠点を置く国でもあります。イスラエルの国会を訪れた際の議員の方との意見交換の中で、LGBTの男性議員が「イスラエルは多くの人が「マイノリティ」であるということ。それ故にマイノリティは比較的受け入れやすいのではないか。」という発言をしていました。80以上の国の移民が集まってできた多様性に富んだ国ですが、多様でありながらも協働し、新たなものを生み出すことができる背景は何かと聞くと、「協働せざるをえない環境」(イスラエルでいえば、徴兵制度や常に危機に直面している危機感があるということ)が大きく影響しているという答えを複数人から聞きました。その「協働の機会」を、日本において軍隊ではないかたちでどのようにつくっていくことができるか、を考えさせられました。また、3度失敗すれば4度目に成功するかもしれないという「やり直しがきく文化」、起業などに挑戦して失敗した経験こそが評価される風土があるということも現地で聞きました。就職においてもそういう失敗経験が評価されるそうです。教育や家庭、社会全体でそのような考え方を醸成していくことは難しくとも、是非とも日本でもそういう「評価軸」は広げていきたいと思いました。

コミュニティカフェ・ホロコーストを体験した方
写真左:ESHEET(コミュニティカフェ的な場) 写真右:ホロコースト体験者の方との面会

一方で、セキュラー(非宗教的、もしくは比較的宗教には寛容なユダヤ人)な方々や、アラブ系の方々、超正統派ユダヤの方々など、文化的にも価値観も大きく異なる方々が同じ国で暮らし、難しい衝突もあるということも実感しました。貧困率の改善1つとっても文化・宗教の壁が大きくあり、制度1つで解決できない難しさも多分に感じました。課題をただ困難と捉えず、「問題こそがチャンス」と捉える前向きさとオープンな議論が奨励されることが、山積する課題による停滞ではなく発展を促進させていると感じたため、日本においても横浜から、そのような考え方を広げていきたいと思います。

イスラエル・女性ヤングリーダーシッププログラム3
写真左:嘆きの壁 写真右:2000年前の床暖房跡

帰国後の3月末には、イスラエルで出会った現地の案内人の方が、今度は日本に20人のイスラエルの方々を連れてきてくれました。我々が経営するこまちカフェに立ち寄ってくれ、日本のお母さんたちとの意見交換もできました。「「日本人は時間に厳しくコミュニケーションが上手でなく、クリエイティブではなく、柔軟性に欠ける」というステレオタイプがあったが、まったく違った」という感想をお話されながら帰っていかれました。

NPO法人こまちぷらす代表 森 祐美子

※イスラエルの中でもセキュラー(非宗教的)なユダヤ教女性は8割が共働き。アラブ系や超正統派ユダヤ教の女性の就労率は低いため、国全体としては共働き率が低いとデータ上では見える。

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電話:045-671-2078

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ファクス:045-664-7145

メールアドレス:ki-global@city.yokohama.jp

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