横浜市中期計画2026-2029(素案) 横浜の未来- 都市像「明日をひらく都市」へ(2040年頃の横浜のありたい姿)- 都市像「明日をひらく都市」は、2040年頃の横浜のありたい姿をあらわしています。策定を進めている「横浜市中期計画2026-2029(以下、「本計画」という。)においても、「明日をひらく都市」を2040年頃の横浜のありたい姿として継承します。そして、横浜に関わる全ての皆様と、共に未来を切り拓いていくための共通の大方針として、引き続き共有、活用していきます。 共にめざす都市像 明日をひらく都市 O P E N × P I O N E E R 2 0 4 0 Y O K O H A M A 社会の変化が早く、先を見通しにくい時代になっている今こそ、 都市や暮らしの在り方をもう一度、皆さんと共有し直すことが必要です。 私たちのまち横浜は、150年以上前から先人たちが未来を切り拓いてきた、挑戦の地です。 ありたい姿を追求し、皆さんと共に力をあわせて、つくってきた今の横浜。 これから、私たちが、この困難な時代を乗り越えて、子どもたちに、 未来につないでいかなければなりません。 横浜は、全ての人の「明日をひらく都市」であり続けたい。 様々な困難を抱えていても、その人が望む道を選択し、みんなで応援する都市。 多種多様な人の才能、その人らしい可能性をひらく都市。 たくさんの人が集い、明日を感じ、語らいあえる都市。 多くの様々な企業が集まり、つながり、新しい価値を生み出しつづける都市。 自然や文化をはじめとした、豊かなまちの魅力をひらく都市。 横浜が持続可能であることはもちろん、地球における持続可能性をひらく都市。 横浜に関わる、全ての人が前を向き、希望にみちあふれた毎日を送れる、 世界のどこにもない都市を共につくりましょう。 明日に向けた一人ひとりの行動が、新しい横浜をつくっていきます。 ※「明日をひらく都市」は、変化が激しく先行きが見通しにくい不確実な社会にあって、「横浜市中期計画2022-2025(以下、「現計画」という。)」の策定を機に、法令等に留意し、4年毎に策定する中期計画の指針にするという考え方に立って策定した都市像です。横浜市は、あらゆる機会を捉えてこの指針を内外に発信・共有し、横浜に関わる多様な人・企業・団体の皆様と共に未来を切り拓いていくための共通の大きな考え方として活用してきました。 ※「明日をひらく都市」は、社会の変化に対応しながら持続可能で包摂的な都市を目指す方向性として示したもので、横浜市基本構想(2006(平成18)年策定)を踏まえて策定しています。「明日をひらく都市」を本計画でも継承していくとする考えのもと、横浜市基本構想を今後も継承していきます。 目次 Ⅰ「横浜市中期計画2026-2029」の策定 4ページ 1計画の考え方 ・「横浜市中期計画2026-2029」について ・計画期間 ・横浜に関わる全ての方々と共に未来へ 2計画の推進にあたって ・市民目線を政策の中心に ・好循環の芽を育み、未来へつなぐために- 持続可能な市政運営の推進- Ⅱ基本姿勢 12ページ ・データ経営の徹底 ・SDGs実現の視点 計画の全体像 14ページ 1戦略 2計画体系 3データ駆動型経営への本格移行(横浜市役所全体で実践する具体的取組) - 市民目線の経営サイクル(PDCA)、アウトカム指標の設定、計画と予算編成の連動など- Ⅳ政策・施策 22ページ 114の政策群と33の施策群 2明日をひらく都市プロジェクト - 「循環型都市への移行」「 観光・経済活性化」「 未来を創るまちづくり」- Ⅴ行財政運営 88ページ 1行政運営 2財政運営 Ⅵ大都市制度 118ページ Ⅶ計画の前提 126ページ Ⅷ計画の策定経過 134ページ Ⅰ「横浜市中期計画2026-2029」の策定 1計画の考え方 「横浜市中期計画2026-2029」について <計画の位置づけと策定経過> 本計画は、2040年頃の横浜のありたい姿として、都市像「明日をひらく都市」を継承し、現状の課題解決に取り組みながら、「市民生活の安心・安全」と「横浜の持続的な成長・発展」を目指す、横浜市の新たな中期計画です。 2025(令和7)年9月に公表した「基本的方向」を踏まえ市民意見募集等を経て、このたび、素案をとりまとめました。 <社会状況と「横浜市中期計画2022-2025」の成果> 少子高齢化や自然災害、気候変動、物価高騰など、私たちの生活や暮らしを取り巻く環境は大きく変化しています。 このような中で、私たちは今、市民の皆様、そして多様な事業活動を営む事業者の皆様と共に、目の前の暮らしの課題を乗り越えながら、開港以来、先人たちが築いてきた横浜の価値をしなやかに、力強く未来へとつないでいくことが求められています。 現計画では、子育て、経済、観光など、様々な分野で横浜の底力を発揮し、好循環も生まれ始めています。 <横浜の強みと協働> 基礎自治体として最大の人口を有するヨコハマ、多くの企業が集積するヨコハマ、道路や鉄道・バス等の豊富な交通網を持つヨコハマ、開港以来受け継いできた文化や歴史があるヨコハマ、みどりや海など環境豊かなヨコハマ。私たちのヨコハマには、多くの強みがあり、ポテンシャルがあります。 横浜市は、こうした横浜の強みをもっと生かし、行政はもとより、多くの方々と一緒に力を携え協力しあって、社会課題の解決や新たな魅力の創出に取り組むと共に、成長・発展を支えるまちづくりを進めていきます。 <本計画の特徴> 本計画は、現在と未来の両方の視点で都市の将来像と施策を捉え、「都市像」「戦略」「政策」「施策」の体系化や、計画で予算を固定せず、行政・財政を変革させながら最適な事業を追求するとした現計画の考え方を継承しています。 加えて、より戦略的・体系的な計画へと高め、市民の皆様の実感を評価の軸に置いて、目標に向けて柔軟に必要な取組や手段を選択し、実践していくスキームとし、市民の皆様の暮らしの意識や状態を定期的に把握しながら、その向上等を目指して、4年間で重点的に進める戦略や取組を中心に記載しています。 <市政の基調と目指す都市> 平和や人権の尊重を市政の基調に据え、本計画を4年間の重要方針とし、個別分野別計画など横浜市が進める全ての政策や施策と連動させることにより、市民の皆様やこれから横浜を共に育む仲間となる皆様が、明るく元気に自分らしく生きることができ、横浜での暮らしや活動に価値を実感できる、そして世界に誇れる都市を目指していきます。 計画期間 2026(令和8)年度から2029(令和11)年度までの4年間の計画とします。 横浜に関わる全ての方々と共に未来へ 本計画の推進にあたっては、横浜に関わる全ての方々 - 行政、市民、企業、地域団体、教育機関など - と計画の理念や戦略・政策等を共有し、それぞれの役割や強みを生かしながら、多様な主体が連携し、取組を進めていきます。 横浜市役所においては、計画の推進と達成に向けて、庁内全体で強力に取り組むと共に、プロジェクトチームの設置など、柔軟に横断的な連携体制のもとで推進します。 2 計画の推進にあたって 市民目線を政策の中心に 横浜市は、市民目線の市政を基本に、暮らしに根ざした課題への対応を進めています。 本計画の策定に先立って実施した「市民目線のニーズ探究調査」では、市民の皆様がご自身のまちを「暮らしやすい」「住み続けたい」「人におすすめしたい」と評価する一方で、将来への不安を解消する取組が重視されていることも明らかになりました。 横浜のこどもたちから寄せられた「未来の横浜」に関するアイデアには、街の美化や自然保護、安心して遊べる公園、いじめや差別のない社会など、多様で真剣な願いが込められていました。 こうした市民の皆様の声やこどもたちの思いは、横浜が「安心」と「希望」を育むまちであるための重要なポイントで、「暮らしやすさ」の上に「未来への期待」をどう築いていていくかが大事だということでもあります。 横浜市はこれからも、こどもたちをはじめ市民の皆様の声を受け止め、市民目線の市政を基本に、希望が重なりあう、魅力ある横浜の未来を創造していきます。 横浜への意識 ※1 暮らしやすいまち 85.4% 住み続けたいまち 84.9% 人におすすめしたいまち 71.1% 日々の暮らしへの意識 ※1 (項目毎に上位5つを記載) 日常生活の困りごと ・自分の老後 ・自分の病気や健康 ・景気や生活費 ・家族の病気や健康、生活上の問題 ・犯罪や防犯 これからの横浜に求めること ・医療提供体制が充実している ・こどもを安心して育てられる ・高齢者や障害のある人も暮らしやすい ・災害に強い ・犯罪が起きにくい 横浜の魅力 ・ショッピング施設が充実しており、買い物が便利 ・道路鉄道網が発達しており、買い物が便利 ・海や港が身近 ・まとまった緑地などの自然 ・国際的な雰囲気 ※1 出典:市民目線のニーズ探究調査(令和7年度) https://www.city.yokohama.lg.jp/city-info/seisaku/torikumi/shien/needs.html こどもの考える未来の横浜※2 寄せられたこどもの声(497件)の概要 【生成AIによる要約】 街の美化や自然保護、安心して遊べる公園の整備、学校給食の充実、いじめや差別のない社会づくりなど、多様で真剣な願いが綴られています。こどもたちは、身近な体験から社会課題を感じ取り、よりよい横浜を実現するためのアイデアを自分の言葉で力強く発信しています。 ※2 出典:「未来の横浜」に関するアイデア募集(令和7年度) https://www.city.yokohama.lg.jp/cityinfo/seisaku/torikumi/sonota/digitalkodomo.html 好循環の芽を育み、未来へつなぐために -持続可能な市政運営の推進- 横浜市は、2024(令和6)年の人口動態が4年ぶりの人口増となり、20代から40代の転入超過数が過去20年で最大となりました。 社会構造が縮小する時代にあって、現計画に掲げた子育て支援策の充実やあらゆる世代の生活環境づくり、にぎわいや国際的な魅力の創出など、市民・企業・団体の皆様と共に様々な施策を進めてきた中で、横浜には今、好循環も生まれ始めています。 一方、今後、将来的な市税収入の減少、社会保障経費の更なる増加、公共施設の老朽化課題など、自治体の経営環境は厳しさを増していくと見込まれます。 そこで、横浜市は、こどもたちや将来の市民に豊かな未来をつないでいくため、2022(令和4)年度に「横浜市の持続的な発展に向けた財政ビジョン(以下、「財政ビジョン」という。)」を策定すると共に、横浜市役所職員の行動指針として「行政運営の基本方針」を定め、持続可能な市政運営に力を入れています。 市民の皆様と創出してきた好循環の芽をより大きな輪へと拡げられるよう、市政運営のガバナンスとマネジメントを発揮するためのこうした中長期の行財政方針を土台に、持続可能な市政運営を進め、施策の推進と財政の健全性の維持を両立していきます。 コラム 「一人ひとりの市民が互いに人権を尊重しあい、ともに生きる社会」の実現を目指して 横浜市人権施策基本指針 人は、誰もがかけがえのない存在であり、一人ひとりが多様な個性と豊かな可能性を有しています。「人権」は、その基盤となる一人ひとりの尊厳に関わる固有の権利であり、誰もが等しく持っているものです。2030(令和12)年を達成年限として国連で採択されたSDGs(持続可能な開発目標)では、「誰一人取り残さない」ことが宣言されており、その基礎には全ての人の人権尊重があります。 多岐にわたる人権問題を解決し、誰もが自分らしく生きることができる社会を目指すことは、全ての人にとって、とても大切なことです。お互いの違いや多様性を認め合うことが、人権が尊重された社会に近づく、最初の一歩です。 横浜市では、あらゆる施策・事業について、人権尊重の視点を持って推進するための基本姿勢や、人権施策の取組の全体像を明らかにするため、「横浜市人権施策基本指針」を策定し、「一人ひとりの市民が互いに人権を尊重しあい、ともに生きる社会」の実現を目指しています。 Ⅱ 基本姿勢 データ経営の徹底 「データ経営」は、限られた経営資源の中で、本質的な行政課題を追求しながらアウトカム重視で施策の質を高めると共に、施策や事業の成果を的確に把握し、財源創出にも貢献する横浜市役所ならではの経営手法です。市税の使い方について納税者目線の徹底と市民の皆様が実感できる成果を重視しています。 2024(令和6)年度から開始した「データドリブンプロジェクト(以下、「DDP」という。)」を「DDP2.0」へバージョンアップして、『データ駆動型経営』に本格移行し、「市民目線の経営サイクル(PDCA)」のもと、市民目線で財源や人材の選択と集中を進めると共に、市役所組織・職員の生産性向上にもつなげます。 SDGs実現の視点 SDGsの17の目標は、世界の都市に共通した普遍的な課題です。 持続可能で多様性と包摂性のある社会の実現のため、環境・経済・社会の三側面の統合的取組に重点が置かれ、地方自治体も含んだ幅広い関係者の連携が重視されています。 あらゆる施策においてSDGsを意識して取り組み、環境・経済・社会的課題の統合的解決を図ることで、新たな価値やにぎわいを創出し続ける持続可能な都市を目指します。  ※ 本計画の「14の政策群」において、各政策群に関係するSDGsの目標を表示しています。 Ⅲ 計画の全体像 1 戦略 都市像「明日をひらく都市」の実現に向けた戦略 本計画では、戦略として、「市民生活の安心・安全×横浜の持続的な成長・発展」を掲げ、現状の課題解決に取り組みながら、未来につなぐ政策を推進し、「明日をひらく都市」の実現に取り組みます。 市民生活の安心・安全 あらゆる世代・多様な市民の皆様が安心・安全を基本に、自分らしくいきいきと暮らすことのできる「住みたい・住み続けたいまち」を目指します 横浜の持続的な成長・発展 世界をリードする都市として持続的に成長・発展することで未来に希望を抱くことができる「選ばれるまち」を目指します 2 計画体系 共にめざす都市像 明日をひらく都市 「財政ビジョン」を市政運営の土台とし、「行政運営の基本方針」に基づき、 横浜市役所は組織・人材の力を存分に発揮し、市民や団体、企業の皆様と共に、 <14の政策分野からなる総合的な取組>と<横浜の成長・発展に向けた横断的な取組>により、「明日をひらく都市」の実現を目指します。 戦略 市民生活の安心・安全 × 横浜の持続的な成長・発展 総合的な取組 政策の分野(14の政策群) 毎日の安心・安全 防災・減災 医療・保健 こども・子育て 教育 高齢・長寿 障害児・者 暮らし・コミュニティ 交通 にぎわい・スポーツ・文化 産業 まちづくり 環境との共生 みどり 33の施策群 政策群は、政策分野に関連する取組をまとめた施策群で構成 ・各施策群は個別分野別計画と連動 ・アウトカム指標により進捗管理 横断的な取組 テーマに関連する施策群による横断プロジェクト 横浜の成長・発展に向けた「明日をひらく都市プロジェクト」 循環型都市への移行 観光・経済活性化 未来を創るまちづくり 政策・財政・行政が連動し、持続可能な市政運営を更に推進し、施策の推進と財政の健全性の維持を両立 市役所の改革「行政運営の基本方針」 ~リ・デザイン(市民サービス革新、地域支援の進化、行政事務・組織改革)~ 市政運営の土台「横浜市の持続的な発展に向けた財政ビジョン」 ~「横浜市将来にわたる責任ある財政運営の推進に関する条例」に基づく基本方針とアクション~ <政策群・施策群一覧> 政策群1 毎日の安心・安全 施策群1 防犯、歩行者の安心・安全 施策群2 インフラ施設の安全確保 政策群2 防災・減災 施策群3 地震防災対策 施策群4 風水害対策 政策群3 医療・保健 施策群5 医療・救急・保健 政策群4 こども・子育て 施策群6 子育て支援 施策群7 保育・幼児教育 施策群8 こどもの体験機会づくりと居場所の充実 施策群9 困難な状況にあるこども・家庭への支援 政策群5 教育 施策群10 教育環境の整備(ソフト・ハード) 施策群11 安心して生活できる学びの環境づくり 施策群12 学力の向上 施策群13 教職員 政策群6 高齢・長寿 施策群14 高齢者支援 政策群7 障害児・者 施策群15 障害児・者支援 政策群8 暮らし·コミュニティ 施策群16 地域の生活環境 施策群17 学び·交流を支える地域の情報拠点 施策群18 多文化共生 施策群19 困難を抱えた人の支援 政策群9 交通 施策群20 市民の移動手段の確保 政策群10 にぎわい·スポーツ·文化 施策群21 観光·MICE 施策群22 スポーツ 施策群23 文化芸術 政策群11 産業 施策群24 経済成長 施策群25 地域産業 政策群12まちづくり 施策群26 都心部·臨海部のまちづくり 施策群27 郊外部のまちづくり 政策群13環境との共生 施策群28 カーボンニュートラル 施策群29 GREEN×EXPO 2027 施策群30 循環型社会に向けた取組 政策群14 みどり 施策群31 公園·動物園 施策群32 都市農業 施策群33 みどりの保全と創出 3 データ駆動型経営への本格移行 (横浜市役所全体で実践する具体的取組) 市民目線の経営サイクル(PDCA)、アウトカム指標の設定、計画と予算編成の連動など 「政策‐施策」の体系(政策‐施策体系図)のもと、今後4年間で重点的に進める総合的な取組と、「明日をひらく都市プロジェクト」の横断的な取組を推進し、個別分野別計画等の推進とあわせ、市民生活の向上を目指します。 上記の取組を効果的・効率的に推進するため、データ駆動型経営に本格移行し、横浜市役所全体で実践します。 具体的には、本計画をもとに進める今後4年間の重点的な取組や個別分野別計画に基づく取組など、横浜市が進める全ての施策や事業について、「市民目線の経営サイクル(PDCA)」のもと、市役所全体でガバナンスとマネジメントを発揮しながら推進します。 ~横浜市役所が実践するデータ駆動型経営~ 「市民目線の経営サイクル(PDCA)」の中で、「目指すべき状態」と「アウトカム指標」の進捗状況を適時適切に検証し、改善を図ることで、成果を発現 こうした経営サイクルの一環として、計画策定時に、政策・施策について 政策群に、市民の実感を測る政策指標 施策群に、成果発揮を目指す施策指標 を、それぞれアウトカム指標として設定します。 なお、こうした指標のほかに、人口(転入超過数、生産年齢人口、出生率)、市内就業者数、市内総生産、市内CO2排出量をはじめ、本計画での中間的な政策効果などの数値の動きも確認・留意しながら、戦略の推進に生かしていきます。 政策指標-市民の皆様の横浜市での暮らしの意識を表す指標– 指標の見方(活用方法) 「毎日の安心・安全」「防災・減災」など政策分野毎に、市民の皆様の暮らし(意識や状態)をデータで把握し、モニタリングを実践(モニタリング指標)。 行政をはじめ多様な主体と共有しながら、共に向上等を目指す。 指標は14の政策群毎に設定。データは「市民生活・needs調査」により毎年把握。 ※ 無作為抽出によるアンケート調査で客観的に把握。必要に応じて市民インタビューなどの質的調査等を活用。 ※ 2025(令和7)年度に把握したデータを起点(現状値)にモニタリング。 施策指標- 2029(令和11)年度に向けて進捗管理し、成果発揮を目指す指標- 指標の見方(活用方法) 市民の皆様の暮らしの向上等に向けて、計画期間中の進捗を把握し成果発揮を実践(計画推進指標)。 市民の皆様と計画全体の推進をわかりやすく共有できるよう、「政策-施策体系図」も活用し、最終目標の位置・状態やその実現に向けた中間的な政策効果や経路を思考・確認しながら、成果発揮を目指す。 指標は33の施策群毎に設定。データは個別分野別計画での調査や定期統計等により毎年把握。 ※ 2025(令和7)年度に把握したデータを起点(現状値)に指標管理(一部過年度データあり)。 ※このほか、行政運営、財政運営における取組については、「取組指標」を設定し、進捗を管理します。 本計画の振り返りでは、毎年度、議会へ進捗状況等を報告すると共に、計画策定から2年経過後の2028(令和10)年度には中間振り返りを、計画期間終了後の2030(令和12)年度には最終振り返りを、議会に報告します。 Ⅳ 政策・施策 1 14の政策群と33の施策群 ページの見方 1政策群番号と政策群名 政策の分野を示す14の政策群の番号とその名称 2現状と課題 横浜を取り巻く状況と課題 3目指す姿 4年後、そして、更に将来にわたって目指すべき姿 4政策指標 市民の皆様の横浜市での暮らしの意識を表す指標(モニタリング指標) 5関連する主な個別分野別計画等 政策群に関連する個別分野別計画等 6関連するSDGsの取組 取組にあたり、意識するSDGsの17の目標 7施策群番号と施策群名 各政策群に紐付く33の施策群の番号とその名称 8施策群における方向性 各施策群の方向性 9施策指標 2029(令和11)年度に向けて進捗管理し、成果発揮を目指す指標(計画推進指標)なお、【局名】は、指標の主管局 ■素案における指標の記載について 指標名に「※」がついている指標は、2025(令和7)年度時点の現状値を今後把握するもの。 原案公表までに調査等で把握し、原案では最新時点の数値に更新。 素案では、参考として一部過年度数値を記載。 ■現状値の最新時点が2024(令和6)年度以前の数値である場合、()で時点を記載。 10関連データ等 各政策群に関連するデータ、写真等 11政策群名 政策-施策体系図における該当の政策群の名称 12施策群名 政策-施策体系図における該当の施策群の名称 13政策-施策体系の考え方 「市民の皆様の暮らしの意識」を最上位の目標として、「主な活動」までを5階層で示す体系図の考え方 14各施策群の体系図 各施策群の具体的な体系図 01毎日の安心・安全 現状と課題- 横浜を取り巻く状況と課題 - 〇防犯対策の推進 ・特殊詐欺やSNSを起因とした詐欺など、犯罪手口は巧妙化し被害が拡大しています。さらに、いわゆる「闇バイト」による強盗事件の発生など、市民の不安感が高まる要因となっています。市民の不安を解消し、誰もが安心して暮らせる地域を実現するためには、一人ひとりが防犯対策の必要性を理解し、行動につなげるための普及啓発を行うことはもちろんのこと、ニーズが高い暗がりの解消など、安心感と安全性を高めるまちづくりを推進することが重要です。 ・自治会・町内会の加入率の低下、共働き世帯の増加、ライフスタイルの多様化などにより、防犯活動の担い手確保が困難です。 ・高齢化の進展やライフスタイルの多様化により、高齢者のみの世帯が増加している中、そうした世帯が安心して安全に暮らせるような防犯環境を整えていくことが重要です。 〇交通安全対策 ・歩行中の事故防止の観点から、こども・安全安心マップの作成や車両の速度抑制対策など、ソフト・ハードの両面で安全対策を進めてきました。今後も、継続した通学路におけるこどもの交通事故死亡者数ゼロを目指し、更なる対策の推進が重要です。 〇インフラ施設の安全対策 ・市民生活に身近なインフラ施設について、事故や機能低下を未然に防ぐため、維持管理、更新等を進めています。一方、高度経済成長期以降に集中的に整備された施設は近年急速に更新需要が増加しており、今後も老朽化が加速度的に進行していくことが課題です。 目指す姿- 4年後、そして、更に将来にわたって目指すべき姿 - ・防犯対策の強化が進み、地域防犯力が向上し、犯罪が発生しにくい、誰もが安心して暮らせる環境が整っています。 ・交通安全対策が進み、こどもから大人まで安心して出かけられる環境が整っています。 ・計画的かつ効果的な老朽化対策・保全更新が進み、市民生活に欠かせないインフラ施設を誰もが安心して利用できる環境が整っています。 政策指標- 市民の皆様の横浜市での暮らしの意識を表す指標 - 治安の良いまちだと思いますか 66.8% インフラ施設が安心・安全に利用できるまちだと思いますか 調査中(原案で掲載予定) 地域での防犯力を高めるための取組や、インフラ施設の安全確保に関連する主な個別分野別計画等 よこはま安全・安心プラン 横浜市公共施設等総合管理計画 施策群 施策指標 – 2029(令和11)年度に向けて進捗管理し、成果発揮を目指す指標 - を設定 1防犯、歩行者の安心・安全 方向性 先端技術の活用による暗がり解消と安心・安全を実感できる見守りに取り組むなど、市民、地域、事業者、そして行政が一丸となって、誰もが暮らしやすいまち、安心で安全なまちを実現するため、犯罪を未然に防ぐための防犯対策の取組を進めます。また、交通事故からこども等を守るため、通学路をはじめとし、歩行者が安心して通行できる空間整備など、交通安全対策の取組を進めます。 指標 夜間照度(灯りの充足率)【市民局】※ 現状70% 目標100% 防犯対策を実施していると答えた市民の割合【市民局】※ 現状調査中 目標-% 防犯カメラの設置率(自治会町内会新規要望充足率)【市民局】※ 現状60% 目標100% 自治会町内会の防犯活動実施率【市民局】 現状65.7%(R2時点) 目標100% 小学校周辺の防犯カメラ機能付き防犯灯設置率【市民局】 現状0% 目標100% 通学路でのこどもの交通事故死亡者数【道路局】 現状0人 目標0人 2インフラ施設の安全確保 方向性 市民生活に欠かすことのできない、上下水道管などのインフラ施設について、計画的な保全(点検調査、修繕)や長寿命化、更新等による老朽化対策を適切に進め、将来にわたり安心して利用できる環境を構築します。 加えて、道路の地下に埋設されているインフラ施設の老朽化に伴う道路陥没など、市民生活に重大な影響を及ぼす事故が発生しないよう、路面下空洞調査や対策等を迅速に進めます。 指標 路面下空洞調査の完了率(4年間で調査が必要な延長に対する割合)【道路局】 現状0% 目標100% 小口径下水道管の状態監視に基づく老朽化対策の完了率(4年間で対策が必要な延長に対する割合)【下水道河川局】 現状0% 目標100% 送配水管の更新・耐震化の完了率(送配水管の耐震管率)【水道局】※ 現状34%(R6時点) 目標39% 中大口径下水道管の特別重点調査結果に基づく老朽化対策の完了率【下水道河川局】 現状0% 目標100% 02防災・減災 現状と課題- 横浜を取り巻く状況と課題 – 〇地震防災戦略の推進による防災・減災対策の強化 ・令和6年能登半島地震の状況等を踏まえ改定した地震防災戦略を推進し、市民の命と暮らしを守ることが重要です。 ・ 発災時の安全の確保や備蓄の確保といった「自助」と、地域防災拠点での訓練をはじめ地域の防災活動など「共助」の推進を基本に、それらを支える「公助」の取組を一体的に進めることが重要です。 ・2025(令和7)年度実施の地震被害想定調査に基づく避難所オペレーションの検討など、地震防災戦略における各取組の実効性を高めることも重要です。 ・支援物資の輸送や応援部隊の展開に必要な緊急輸送路に関わる道路・近接河川護岸等の強靱化、避難生活を支える地域防災拠点・医療施設等に接続する上下水道の耐震化等を集中して進めていくことが重要です。 〇風水害対策の推進 ・近年、気候変動の影響などにより、風水害が激甚化しており、目標整備水準を超える1時間あたり約100㎜以上の降雨による道路冠水や床上・床下浸水などのリスクが高まっています。 ・このような風水害に対して、市民の安心で安全な生活を確保するために、降雨や高潮等によるリスクをしっかりと見極めて対応していくことが重要です。 目指す姿- 4年後、そして、更に将来にわたって目指すべき姿 – ・地震防災戦略に基づき、自助・共助・公助の取組が一体的に進み、大規模地震に対して十分な備えができています。 ・風水害のリスクに対し、ハード・ソフト両面の対策が進み、市民の命と財産を守る十分な備えができています。 政策指標- 市民の皆様の横浜市での暮らしの意識を表す指標 - 災害に強いまちだと思いますか 45.6% 大規模地震被害の軽減に向けた取組、風水害被害の軽減に向けた取組に関連する主な個別分野別計画等 横浜市防災計画 横浜市地震防災戦略 下水道浸水対策プラン 施策群 施策指標 – 2029(令和11)年度に向けて進捗管理し、成果発揮を目指す指標 - を設定 3地震防災対策 方向性 発災時の安全の確保や、自宅で避難生活を送ることができるようにする「自助の取組」の支援、地域の防災活動など「共助の取組」への支援を進めると共に、要配慮者を含む誰もが安心して避難生活を送ることができるよう避難所環境を整備します。 また、大規模災害時の応援部隊(広域支援部隊)の活動調整等を行う現地司令機能や物資の受入れ機能となる広域防災拠点(旧上瀬谷通信施設地区)を新たに整備すると共に、海上からの支援の受入れ拠点の強化を図ります。これらの拠点と災害現場を結ぶ市内道路ネットワーク(緊急輸送路)の強靱化に向けた取組を推進し、緊急車両や物資輸送のルートを確保します。 指標 食料・飲料水備蓄量(地域防災拠点)【総務局】 現状避難者2食1日分 目標避難者3食3日分 重点対策地域内の初期消火器具(スタンドパイプ等)設置率【消防局】※ 現状63%(R6時点) 目標100% トイレ洋式化率(市立小中学校)【教育委員会事務局】※ 現状88%(R6時点) 目標100% 広域支援部隊の現地司令施設の整備進捗率【消防局】※ 現状27%(R6時点) 目標100% エアコン設置率(市立小中学校体育館)【教育委員会事務局】※ 現状25%(R6時点) 目標100% 緊急輸送路沿いのがけ対策の進捗率【道路局】※ 現状12%(R6時点) 目標100% 応急給水施設の整備率(地域防災拠点)【水道局】※ 現状96.3%(R6時点) 目標100% 消防団員の訓練等への参加率【消防局】 現状56.7% 目標70% 重点対策地域内の感震ブレーカー設置率【総務局】 現状31.4%(R6時点) 目標80% 自宅の災害リスクを知っていると答えた市民の割合(地震)【総務局】※ 現状調査中 目標-% 重点対策地域内の家具転倒防止器具設置率【総務局】 現状57.3%(R6時点) 目標80% 大規模地震等に備えて備蓄していると答えた市民の割合【総務局】※ 現状調査中 目標-% 大規模地震時等の避難先を知っていると答えた市民の割合【総務局】※ 現状調査中 目標-% 4風水害対策 方向性 洪水や内水氾濫を防ぐため、精緻なシミュレーションを駆使した浸水対策や河川護岸の整備を進めると共に、災害リスクに応じた崖地の安全対策や、高潮、高波等を防ぐための海岸保全施設の整備を進めます。また、多様な手段を活用した避難行動の支援や啓発活動を進め、激甚化・頻発化する風水害に対し、ハード・ソフトの両面から安全度を向上させる取組を進めます。 指標 「浸水リスクが高く早期に整備する地区」の事業着手率【下水道河川局】 現状29%(18/63地区) 目標100% 時間降雨量約60mm対応の工事着手河川数【下水道河川局】 現状1河川 目標2河川 「浸水リスクが高く早期に整備する地区」のリスク軽減に向けた雨水幹線の事業着手率【下水道河川局】 現状60%(3/5幹線) 目標100% 自宅の災害リスクを知っていると答えた市民の割合(風水害)【総務局】 現状調査中 目標-% 03医療・保健 現状と課題- 横浜を取り巻く状況と課題 - 〇医療・救急の持続可能な体制構築 ・全国の医療需要は2030(令和12)年頃をピークに減少する見込みである一方、横浜市では更なる高齢化の進展などにより2045(令和27)年頃まで入院需要が増加すると予測されています。さらに、生産年齢人口の減少に伴い、医療従事者の不足も顕在化しており、将来の医療提供体制を総合的に検討すると共に、地域全体で効率的かつ適切な医療を提供する体制の構築が重要です。 ・救急出場件数は近年高い水準で推移しており、今後も高齢化の進展等により、救急需要が増加することが想定されます。 〇がん対策 ・がんは、こどもから高齢者まで誰もがり患する可能性があり、2人に1人がり患する病気です。横浜市アンケートでは、がんが怖いと回答した方は9割以上、身近な方ががんにり患していると回答した方も8割以上に達しています。がんは早期発見・早期の治療によって、治る可能性が高くなる病気であることから、がん検診の受診者数を増やすこと、精密検査受診率の向上が重要です。 ・がん患者やその家族等に対する相談支援、情報へのアクセスを容易にすると共に、治療と生活・仕事の両立支援を推進し、がんになっても自分らしく生活できる環境づくりが重要です。 〇健康づくり ・誰もが健康で自分らしく活躍できるよう、乳幼児期から高齢期までの継続した生活習慣の改善、歯科健診等による生活習慣病の発症予防や重症化予防、喫煙・受動喫煙の減少等の健康に望ましい行動につながる環境づくりが重要です。 目指す姿- 4年後、そして、更に将来にわたって目指すべき姿 - ・限られた資源を最大限活用し、最適な医療提供体制を構築することで、こどもから高齢者まで誰もが適切な医療を受けられ、本人・家族が安心して生活することができています。 ・各種がん検診の受診者数の増加により、早期発見・早期治療を進め、がんと診断された方が、適切な医療を受け、安心して生活できる環境が実現しています。 ・増加が見込まれる救急需要に対し、安定的な救急体制が確保できています。 ・市民の生活習慣の改善や生活習慣病の発症予防、重症化予防、健康に望ましい行動を取りやすくする環境づくりを通じて、市民の皆様が健やかな生活を送ることができています。 政策指標-市民の皆様の横浜市での暮らしの意識を表す指標- 安心して適切な医療が受けられるまちだと思いますか 77.9% 医療・救急体制の充実に向けた取組、市民の健康増進に 向けた取組に関連する主な個別分野別計画等 よこはま保健医療プラン2024 第3期健康横浜21 施策群 施策指標 – 2029(令和11)年度に向けて進捗管理し、成果発揮を目指す指標 - を設定 5医療・救急・保健 方向性 救急や小児、産科医療等の政策的医療や地域中核病院の再整備等の支援、AI・デジタル技術の積極的な活用等により医療提供体制を確保すると共に、医療や介護の垣根を超えた地域ネットワークの構築、医療人材等の確保・定着に向けた支援や増加が見込まれる救急需要への対応など、地域全体で患者を支える地域完結型医療の実現に向けた取組を進めます。 また、がん検診及びがん精密検査の受診率向上など、がんの早期発見に取り組むと共に、がんと診断された方が適切な医療や相談を受けられるよう、総合的ながん対策を進めます。 さらに、市民の生活習慣の改善や生活習慣病の発症予防、重症化予防、歯科口腔保健や食環境づくりなど、健康に望ましい行動を取りやすくする環境づくりに取り組むことで、健やかな生活を支えます。 指標 入院医療の市内完結率①急性期 ②回復期【医療局】 現状①82.8%②85.7%(R5時点) 目標①84.5%②91%(R9時点) AI・デジタルの導入件数【医療局】 現状2件 目標増加2件以上 緊急度が高い傷病者に対する救急車等の現場到着平均時間【消防局】 現状6分台 目標6分台を維持 健康に気を付けていると答えた市民の割合【健康福祉局】※ 現状調査中 目標-% がん検診の受診者数【医療局】※ 現状595,159人 目標700,000人 がん精密検査の受診率【医療局】※ 現状右記参照(R6時点) 目標90%(R10時点) 【現状値】 胃83.4% 大腸59.3% 乳84.7% 肺73.4% 子宮頸 53.4% 04こども・子育て 現状と課題- 横浜を取り巻く状況と課題 - 〇保育の量的拡充から質的向上への転換 ・待機児童ゼロの継続、保留児童の低減に向けて、より効果的な取組を推進していきます。また、今と未来を生きるこどもの健やかな育ちを支えるため、質の高い保育・幼児教育の確保と充実を図ることが重要です。 ・仕事や急用、リフレッシュ等様々な場面で安心して利用できる預かりサービスを提供できるよう、利用者の状況を踏まえ、的確かつスムーズに提供できる仕組みづくりが重要です。 ・誰もが安心して子育てできるよう、病児・病後児保育や医療的ケア児への支援など、多様な保育を実現する環境の整備が重要です。 〇ゆとりの創出(時間的・精神的・経済的負担感の軽減) ・「家庭と子育てに関するコホート研究(ハマスタディ)」では、フルタイム勤務の妻の平日の家事時間は、こどもがいない家庭の1.8 時間に対し、こどもがいる家庭では2.2~2.5 時間と長く、時間的負担感が高まることがわかりました。 ・2023(令和5)年に保護者を対象に実施した調査では、未就学児保護者の92.7%が子育てに関して何らかの困りごとを抱えており、精神的・経済的負担感の軽減が課題です。 〇こどもの体験機会の充実 ・体験活動(自然・社会・文化的体験、本物に触れる機会など)を多く経験したこどもは、その後自尊感情や外向性、精神的な回復力が高くなる傾向がみられます。家庭環境等こどもの置かれた状況に関わらず、多様な体験ができることが重要であることから、公教育や、社会全体でこども・若者の体験活動をどのように支援していくのかが課題です。 〇困難な状況にあるこども・家庭への支援 ・家族の疾病や経済的な困窮、ひとり親家庭など、困難を抱えやすい養育環境の家庭では、こども・若者が様々な課題に直面することがあります。こどもに寄り添った支援が重要であり、社会全体で見守り、悩みや課題の早期発見・早期支援を実現していくことが課題です。 目指す姿- 4年後、そして、更に将来にわたって目指すべき姿 - ・全てのこどもを社会全体で支えることで、未来を創るこども一人ひとりが自分の良さや可能性を発揮し、豊かで幸せな生き方を切り拓く力、共に温かい社会を創り出していく力が育まれています。 ・こどもたちが、様々な遊びや学び、体験機会に接することで、自己肯定感を高められる環境が整っています。 ・誰もが安心して出産・子育てができ、気持ちに余裕をもってこどもに向き合うことができています 政策指標-市民の皆様の横浜市での暮らしの意識を表す指標- 子育てしやすいまちだと思いますか 57.0% こどもの成長と子育て支援に向けた取組に関連する主な個別分野別計画等 よこはまわくわくプラン (横浜市子ども・子育て支援事業計画/横浜市こども計画) 横浜市社会的養育推進計画 横浜市子どもの貧困対策に関する計画 ひとり親家庭自立支援計画 施策群 施策指標 – 2029(令和11)年度に向けて進捗管理し、成果発揮を目指す指標 - を設定 6子育て支援 方向性 全てのこども・子育て世代への切れ目のない支援を通じて、誰もが安心して出産・子育てができ、また、保護者がこどもに向き合う気持ちの余裕を持って生活することで、親子の笑顔と幸せにつながるよう、妊娠期から子育て期にわたる相談支援や一時預かり施策の充実、18歳までの小児医療費助成の無償化など、子育て世代の「ゆとり」を創り出すための視点を持ってこどもの健やかな成長を支援する取組を進めます。   指標 一時保育・乳幼児一時預かり等の利用実人数【こども青少年局】※ 現状16,665人(R6時点) 目標20,000人 小児医療費助成の対象者数【健康福祉局】※ 現状424,368人(R6時点) 目標490,110人 子育て応援アプリ「パマトコ」のアクティブユーザー数【こども青少年局】※ 現状33,581人 目標125,000人 子育て世代への住宅補助世帯数【建築局】※ 現状0世帯 目標240世帯 7保育・幼児教育 方向性 待機児童や保育の必要性が高い保留児童の解消に向けて、安定的な保育・幼児教育の場の確保に取り組むと共に、質の確保・向上を図ります。また、多様化するニーズに対応し、安心して子育てできる環境整備に向け、個別に支援が必要な児童に対する支援や保育士等の人材確保などを進め、保育・幼児教育の体制の確保に取り組みます。 指標 待機児童数【こども青少年局】※ 現状0人 目標0人 保留児童数 (育児休業延長希望を除いた数)【こども青少年局】※ 現状1,511人 目標減少1,511人以下 8こどもの体験機会づくりと居場所の充実 方向性 全てのこどもが、創造力や好奇心、自己肯定感を育むことができるよう、年齢に応じた体験機会の充実や多様なニーズに応じた居場所づくりに取り組みます。また、放課後の時間を過ごすこどもの安心・安全な居場所を確保すると共に、学校の長期休業期間中の昼食提供などを実施することで、子育て世代にゆとりを創出し、こどもと向き合う時間の充実につながるよう取り組みます。 指標 こどもの体験機会数(スポーツ・文化・農を含む)【こども青少年局】※ 現状調査中 目標-% 放課後キッズクラブ・放課後児童クラブにおける長期休業期間中の昼食提供利用者数【こども青少年局】※ 現状20,265人 目標 22,000人 9困難な状況にあるこども・家庭への支援 方向性 貧困や、児童虐待、ヤングケアラーなどの様々な困難を抱えるこども・若者及びその家庭の状況を早期に把握し、包括的かつ適切な支援へつなげるため、各学校や地域人材との連携、相談窓口の充実や地域の人材育成、広報、地域住民への普及啓発など総合的な対策を推進し、こどもやその家族を社会全体で見守り・支える環境づくりを進めます。 指標 よこはま子ども・若者相談室の利用者アンケートで、「気持ちが軽くなった」と回答した割合【こども青少年局】※ 現状64.2%(R6時点) 目標80% 若者の社会参加に向けた支援による改善者数【こども青少年局】※ 現状1,430人(R6時点) 目標7,700人(累計) 05教育 現状と課題- 横浜を取り巻く状況と課題 - 〇教育環境の充実 ・中学校における全員給食の開始に伴い、配膳指導の強化・アレルギー対応に一層取り組み、安心で安全な給食を提供します。また、体育館空調の整備やエレベーターの設置など快適で誰もが使いやすい施設環境を整備します。 ・学びの場としてオンライン・バーチャル空間の活用が進む中で、児童生徒が対面で学び合う教室などリアル空間の環境整備も課題です。 〇安心できる学びの場の必要性 ・いじめをはじめ、こどもたちが抱える課題は多様化し、それぞれが相互に絡み合い複雑化しています。課題を抱え、安心できずに生活しているこども、つらい思いを抱えて生活するこどもに気づき、対応するための総合的な仕組みづくりに取り組むことが重要です。 〇グローバル教育の充実 ・外国語を学ぶことで育まれるコミュニケーション力は、世界の人たちと出会って共に新たな価値を創っていくことの基礎であり、こどもたちが羽ばたく、地球規模の課題解決に向けて行動することが求められる「未来」を生きるために不可欠です。全ての児童生徒一人ひとりのニーズに合ったアウトプットの場を実現するために、英語を使う機会の更なる充実とAI及びバーチャル空間などの先端技術を活用した学びの機会を拡充することが重要です。 〇教員の養成・採用・育成の一体的推進、校務DXの推進 ・全国的に教員のなり手不足が継続している現状を踏まえ、横浜の教育に対する興味関心・共感、更には期待感を醸成することにより、教員志望者を増やしていくことが重要です。そのためには、早い段階からの教員志望者の養成、魅力ある教員として求められる資質・能力の向上、働き方改革の推進が課題です。 ・「子ども主体の学び」の充実を図るためには、それを支えるデジタル学習基盤の持続的運用が不可欠です。また、教職員がデジタル学習基盤を駆使できるようにすることが課題です。 目指す姿- 4年後、そして、更に将来にわたって目指すべき姿 - ・中学校全員給食を通じた食育の推進や学校施設の老朽化対策・快適性の向上など、誰もが安心して学べる環境を整えることで、より良い教育環境につながっています。 ・グローバルに活躍する児童生徒の育成に向けた、プログラムの充実・支援の仕組みが整っており、こどもたちの能力や意欲向上につながっています。 ・ICT活用指導力をはじめ、教職員自らが学び続ける姿勢で臨み、指導力が向上されることで、児童生徒の成長が図られています。 政策指標-市民の皆様の横浜市での暮らしの意識を表す指標- 教育環境が充実しているまちだと思いますか 57.4% 学校教育推進に向けた取組に関連する主な個別分野別計画等 横浜市教育振興基本計画 施策群 施策指標 – 2029(令和11)年度に向けて進捗管理し、成果発揮を目指す指標 - を設定 10教育環境の整備(ソフト・ハード) 方向性 教育DXの推進、児童生徒数の動向を踏まえた学校規模の適正化や学校施設の建替え・長寿命化を進めます。また、空調設備やエレベーターの設置・更新、トイレの洋式化、建物の断熱化、2026(令和8)年4月から開始する中学校全員給食の着実な推進等、児童生徒が適切な環境で学校生活を送ることができるよう、ソフト・ハードの両面から教育環境の整備を進めます。 指標 栄養バランスを考えて食事をしている児童生徒の割合【教育委員会事務局】※ 現状76.2%(R6時点) 目標80% エアコン設置率(市立小中学校体育館)【教育委員会事務局】※ 現状25%(R6時点) 目標100% トイレ洋式化率(市立小中学校)【教育委員会事務局】※ 現状88%(R6時点) 目標100% エレベーター設置率(市立小中学校)【教育委員会事務局】※ 現状63%(R6時点) 目標90% 11安心して生活できる学びの環境づくり 方向性 誰もが多様な価値観や変化を受け止め、不確実性の高い社会をしなやかに歩んでいけるよう、特別な支援が必要な児童生徒、不登校児童生徒、日本語指導が必要な児童生徒などが、どんなときでも安心できる柔軟で多様な学びの環境づくりを通じて、こども一人ひとりの可能性を最大限に広げます。 指標 個別の教育支援計画等に基づき、一人ひとりの教育的ニーズを踏まえた適切な指導・支援がされていると感じている保護者の割合【教育委員会事務局】 現状92.8%(R6時点) 目標95% 学校が安心できる場所だと感じている児童生徒の割合【教育委員会事務局】 現状小6:85.7%中3:84% 目標小6:87%中3:87% 12学力の向上 方向性 不確実性が高い「未来」を生きるために、こども自身が興味をもって積極的に学ぶと共に、学習活動を振り返って次の学びにつなげ、自らの学びを創っていけるよう「子ども主体の学び」を実現し、資質・能力を着実に育成します。また、全てのこどもが、世界の人たちと出会って共に新しい価値を創造し、多様性や変化を受け止めて自らの可能性を最大化していけるように、デジタル学習基盤等も活用し、算数・数学やプログラミング、探究的な学びの取組の充実を図ると共に、先端技術を取り入れた英語教育を進めます 指標 横浜市学力・学習状況調査の数値の伸びを示した児童の割合(小6)【教育委員会事務局】 現状国:63.5%算:66.1% 目標国:68%算:70% 横浜市学力・学習状況調査の数値の伸びを示した生徒の割合(中3)【教育委員会事務局】 現状国:66.2%算:69% 目標国:70%算:73% 算数の授業で学習したことを普段の生活の中で活用できている児童の割合(小6)【教育委員会事務局】 現状84.1% 目標90% 数学の授業で学習したことを、普段の生活の中で活用できている生徒の割合(中3)【教育委員会事務局】 現状59.5% 目標70% 中学卒業段階でCEFR A1相当以上の生徒の割合【教育委員会事務局】 現状65.4% 目標85% 13教職員 方向性 全てのこどもの可能性を広げる学びの実現のために、教職員の養成・採用・育成・働き方の一体的な改革の推進を通じて、学び続けられる環境づくりを進めると共に、こどもの伴走者である教職員が心身共に充実した状態で資質・能力を高め続けることで、専門性を最大限に発揮して、児童生徒の成長につながる取組を進めます。 指標 月の時間外在校等時間の平均時間【教育委員会事務局】※ 現状35時間(R6時点) 目標30時間以下に抑制 06高齢・長寿 現状と課題- 横浜を取り巻く状況と課題 - 〇少子高齢化の更なる進展 ・横浜市も将来的には、総人口が減少していく中、高齢者人口は今後も増加し、2020(令和2)年の95万人から2040(令和22)年には120万人に増加し、市内人口の約3人に1人が高齢者になると予想されています。また平均寿命は男性82.3歳、女性88.1歳と延伸しています。 ・高齢者人口の増加に伴い、要支援・要介護認定者数も2020 (令和2)年から2040(令和22)年の20年間で約1.5倍増加し、2040 (令和22)年には25.1万人となる見込みです。同様に、認知症高齢者も増加し、2040 (令和22)年には高齢者の6.7人に1人が認知症となる見込みです。 ・2040 (令和22)年には市内の約3分の1が高齢夫婦世帯または高齢単独世帯になると見込まれています。また、約9割の方が、ご自身の病気や介護、亡くなった時など、将来に備えておきたいと考えています。 ・高まる医療・介護需要に対して、少子化の進展により、介護サービスや地域を支える担い手不足が深刻化する懸念があります。 〇安心して生活できる環境づくり ・特別養護老人ホーム入所までの待機期間は7か月となっており、入所希望者の状況を踏まえ、早期に入所できる環境整備が課題です。 ・高齢者が安心して生活できるよう福祉サービスの提供体制の確保、地域づくりが重要です。 目指す姿- 4年後、そして、更に将来にわたって目指すべき姿 - ・高齢者の活躍・社会参画の機会が充実し、一人ひとりが生きがいや役割を持ち、つながり・支えあう地域づくりを進めます。 ・見守りの取組や地域での支え合いを推進し、住み慣れた地域で自らの意思で自分らしく暮らすことができています。 ・新たな担い手の参入促進、定着支援等を通じた人材確保や、DXを通じた業務改善などの働き方改革により、介護需要に対するサービスを持続的に提供することができています。 ・必要な施設・住まいの整備や、相談体制の充実を通じて、日常生活に支援や手助けが必要になっても、一人ひとりの状況に応じたサービスの選択が可能となっています。 政策指標-市民の皆様の横浜市での暮らしの意識を表す指標- 高齢者にとって暮らしやすいまちだと思いますか 47.1% 高齢者に対する支援の充実に向けた取組に関連する主な個別分野別計画等 よこはまポジティブエイジング計画 よこはま保健医療プラン2024 施策群 施策指標 – 2029(令和11)年度に向けて進捗管理し、成果発揮を目指す指標 - を設定 14高齢者支援 方向性 高齢期を迎えた人がいつまでも元気で、自分らしくいきいきと暮らし続けられるよう、地域との協働を基盤として買い物などの日常的な生活支援や、ボランティア、就労的活動などの社会参加を支えると共に、データ等を活用して早期からの予防的な支援を行うなど、健康づくり・介護予防に取り組みます。  また、医療や介護などの支援が必要になった際に、一人ひとりの状況に応じた適切な支援を提供できるよう、在宅生活を支える医療、介護、保健・福祉の連携・充実を図ると共に、必要に応じて住まいや施設等も選択できるよう、取組を推進します。さらに、今後の「いざという時」への不安を解消するための情報提供や、相談体制の整備、認知症に対する理解ある社会づくりなど、安心して暮らし続けられる仕組みづくりを進めます。 指標 介護予防・フレイル対策等につながる通いの場等に参加した人数【健康福祉局】※ 現状102,463人(R6時点) 目標増加102,463人以上 今後(老後)の暮らしについて考えたり、誰かと話したことがある人の割合【健康福祉局】 現状調査中※ 目標-% 医療専門職の個別的支援(ハイリスクアプローチ)により、状態が維持・改善した高齢者の割合【健康福祉局】※ 現状74.3% 目標増加74.3%以上 特別養護老人ホームに要介護3以上で入所した人の平均待ち月数【健康福祉局】※ 現状7か月 目標4か月 07障害児・者 現状と課題- 横浜を取り巻く状況と課題 - 〇障害児・者への支援 ・障害のある人が増加する中で、医療的ケア児・者や重症心身障害児・者など日常的な支援を必要とする人、発達障害のある人も増えています。個々のニーズは多様化しており、こうした人々の生活を支えるためには、支援に関する取組や体制の充実が重要です。 ・障害のあるこどもたちが、安心して保育所等や学校に通うことができるよう、受入れ環境の拡充や通学の支援などが重要です。 〇「働きたい」ニーズに応える ・第4期障害者プラン策定に係るアンケート調査では20歳未満の約7割、20歳から40歳代の約5割が働きたいと回答しており、多様な働き方や障害者就労に対する理解の促進に取り組むことが重要です。 〇インクルーシブ※なまちづくり ・多様性に配慮した制度の推進、公共施設や設備のバリアフリー化の推進、インクルーシブスポーツの推進、デジタル技術を活用した体験機会の拡充など、様々な分野で総合的にインクルーシブなまちづくりを進めることが重要です。 ※ 障害の有無、年齢、性別、国籍などに関わらず、多様な人々が互いを尊重し、共生する社会や取組 目指す姿- 4年後、そして、更に将来にわたって目指すべき姿 - ・障害児・者やその家族への支援を行うと共に、ソフト・ハードの両面からインクルーシブなまちづくりを進め、誰もが安心して暮らせる環境が整っています。 ・DX技術等の活用による体験機会・就労機会の拡充を通じて、自分らしさを発揮し、いきいきと生活ができています。 政策指標-市民の皆様の横浜市での暮らしの意識を表す指標- 障害児・者にとって暮らしやすいまちだと思いますか 30.9% 障害児・者に対する支援充実に向けた取組に関連する 主な個別分野別計画等 横浜市障害者プラン よこはまわくわくプラン (横浜市子ども・子育て支援事業計画/ 横浜市こども計画) 横浜市教育振興基本計画 施策群 施策指標 – 2029(令和11)年度に向けて進捗管理し、成果発揮を目指す指標 - を設定 15障害児・者支援 方向性 障害のある人が希望する場所で自分らしく安心して生活することができるよう、地域生活を支える様々な社会資源と連携しながら、社会を構成する一員としての多様な暮らしや就労を支える取組を推進します。 また、障害のあるこどもたちが将来自らの選択により自立生活を実現できるよう、個々の状況に応じた本人の主体性を獲得する力を引き出し、育てていく支援(エンパワメント)と合わせ、乳幼児期、学齢期、青年期、成人期を通じた切れ目のない支援を推進します。 指標 グループホーム利用者数【健康福祉局】※ 現状6,275人 目標 7,000人 医療的ケア児の待機児童数【こども青少年局】※ 現状0人 目標0人 福祉施設から一般就労への移行者数【健康福祉局】※ 現状1,056人(R6時点) 目標1,200人 医ケア児・者等支援者養成数(養成研修修了者数累計)【こども青少年局】※ 現状305人(R6時点) 目標540人 【障害のある人の働き方 ~一般就労と福祉的就労~】 障害のある人の働き方には、企業等で働く「一般就労」のほか、「福祉的就労」があります。福祉的就労は、福祉サービスを提供する事業所での作業等を通じて、収入を得る働き方です。 福祉事業所には様々な種別があり、作業内容は事業毎に異なります。福祉的就労を経て一般就労をする人もいれば、福祉的就労で働き続ける人もいます。 横浜市は地域生活を支える様々な社会資源と連携しながら障害のある人の多様な暮らしや就労を支える取り組みを推進していきます。 08暮らし・コミュニティ 現状と課題- 横浜を取り巻く状況と課題 - 〇地域の担い手不足への対応、地域コミュニティの活性化 ・地域に暮らす多様な人々が、地域と関わりながらそれぞれの力や個性を生かし、自分らしく健やかに暮らせる仕組みづくりが重要です。しかし、人口減少やライフスタイルの多様化等に伴い、地域のつながりが希薄化し地域活動の担い手不足や新たな担い手の発掘が課題となっています。 ・ライフスタイルの多様化や社会の利便性向上に伴い、地域コミュニティへの参加者が低下し、自治会町内会加入率も減少傾向にあります。デジタル手法の導入等を通じた自治会町内会の負担軽減を図りながら、将来に向けた地域コミュニティの活性化に取り組んでいます。 〇市民サービス・利便性の向上、安心して暮らせる生活環境・住まいの形成 ・市内には図書館をはじめとした市民の皆様が利用する様々な施設があり、利用状況・ニーズ、今後のまちづくりの方向性等を踏まえ、ハード・ソフト両面からの改善が重要です。一方で、施設の老朽化、サービスの多様化への対応、地域間の利用機会の格差などの解決すべき課題もあります。  ・共働き世帯や高齢者等の増加、働き方・ライフスタイルの変化などにより、住まいのニーズは多様化しています。 ・誰もが快適に暮らせるまちづくりに向け、市内でも特に人通りの多い駅周辺や繁華街を中心とした喫煙禁止区域に加え、2025(令和7)年4月から公園の禁煙化を実施しています。 〇多文化共生の取組 ・外国人人口が増加傾向にある中、地域コミュニティにおいてもその一員としての存在感が高まっています。 ・在住外国人の地域における活躍を促進すると共に、言語や習慣、文化の異なる住民同士が、ルールやマナー等の共通認識を持ち、地域社会で共に暮らせるよう、相互理解を深めることが重要です。 ・滞在の長期化や、家族と暮らす人が増えている中で、言語だけでなく子育てや就労などニーズが多様化、複雑化しています。 目指す姿- 4年後、そして、更に将来にわたって目指すべき姿 - ・地域で、共に支え合い、誰もが自分らしく活躍できている暮らしやすいまちが実現しています。 ・地域コミュニティが主体となって取り組む地域課題(防犯・防災や環境保全、子育て支援など)の解決に向けた活動が継続すると共に、自治会町内会など地域で活動する団体や人々、企業、学校などの多様な主体と連携する「協働による地域づくり」がより一層推進されています。 ・快適な環境の中で、誰もが一人ひとりのライフスタイルに応じた豊かな暮らしを実感しながら、安心して住み続けることができています。 政策指標-市民の皆様の横浜市での暮らしの意識を表す指標- お住まいの地域は暮らしやすいまちだと思いますか 79.0% 住環境の充実、生涯学習環境の充実、多文化共生の充実、 困難を抱えた市民の支援の充実に向けた取組に関連する 主な個別分野別計画等 地域福祉保健計画 図書館ビジョン 住生活マスタープラン 自殺対策計画 依存症対策地域支援計画 男女共同参画行動計画 施策群 施策指標 – 2029(令和11)年度に向けて進捗管理し、成果発揮を目指す指標 - を設定 16地域の生活環境 方向性 健康や環境に配慮した住まいの充実や豊かな住環境の形成と併せて、望まない受動喫煙の防止を図る取組を進めます。また、自治会町内会の負担軽減を図るため、デジタル手法等を導入し、情報共有や手続きの効率化を進めるなど、より多くの人が地域活動に参加しやすい環境を整え、多様な主体が連携し、課題解決に向けて協力する活発な地域コミュニティの形成を目指します。これらを通じて、誰もが安心して快適な地域生活を送ることができる環境づくりを進めます。 指標 居住環境に配慮した住宅ストック数【建築局】※ 現状125件(R5時点) 目標1,875件 地域で顔の見える関係ができていると答えた市民の割合【市民局】 現状82.4% 目標100% 直近1か月で受動喫煙の機会があると答えた市民の割合【健康福祉局】※ 現状調査中 目標-% 自治会町内会活動に係る補助金等のオンライン申請率【市民局】 現状0% 目標70% 17学び・交流を⽀える地域の情報拠点 方向性 市立図書館は、「知る・学ぶ・深める」ことができるのはもちろん、未来を担うこどもたちや子育て世代をはじめ、全ての市民にとって、居心地よく自由に過ごすことができる多様な人々の「つどう・憩う」場を目指します。「遊ぶ・体験する」、「まちとつながり・交流する」、地域・団体と「連携・協働」できる場として、従来の市立図書館の枠組みを再構築し、地域図書館の老朽化対策や図書取次拠点の増設、デジタル技術の導入、新たな図書館整備等により、提供するサービスの充実とアクセス性向上を目指します。 指標 本に触れる機会が増加したと答えた市民の割合【教育委員会事務局】※ 現状調査中 目標-% 図書館の来館者数【教育委員会事務局】※ 現状630万人(R6時点) 目標730万人 図書の貸出冊数【教育委員会事務局】※ 現状1,220万冊(R6時点) 目標1,320万冊 こどもの来館者数【教育委員会事務局】※ 現状調査中 目標-人 18多文化共生 方向性 言語、習慣、文化など異なる背景を持つ人々が、互いに認め合い、理解し合い、尊重しあって暮らせる地域社会づくりの推進に向けて、交流機会の創出を通じて相互理解を深める取組を進めると共に、地域活動への参加を促し、外国人が地域で活躍できる環境づくりを推進します。さらに、生活ルールや防災情報など、地域で暮らす上で必要な情報の普及啓発に取り組みます 指標 地域社会において多様な文化を理解し合うことが重要と考える市民の割合【国際局】※ 現状調査中 目標-% 19困難を抱えた人の支援 方向性 生活困窮、ひきこもりや依存症などに起因して様々な困難を抱えている人が、早期に適切な支援を受けられるよう、正しい理解の促進と制度の周知を行うと共に、地域社会の中で自分らしく安心して暮らすことができるよう、一人ひとりの暮らしに着目し、地域住民と支援機関・関係機関が協働して支えあう仕組みづくりを進めます。 指標 自立に向けた支援につながった対象者数【健康福祉局】※ 現状7,920人(R6時点) 目標増加7,920人以上 ひきこもりの新規相談件数【健康福祉局】※ 現状2,425人(R6時点) 目標 増加2,425人以上 依存症支援者向け研修の参加者数【健康福祉局】※ 現状1,267人(R6時点) 目標増加1,267人以上 自殺死亡率(人口10万人あたり)【健康福祉局】※ 現状13.2(R6時点) 目標10.8 09交通 現状と課題- 横浜を取り巻く状況と課題 - 〇市民の移動手段の確保と魅力ある移動空間の形成   ・横浜市ではバスネットワークが広く整備されていますが、人口減少やライフスタイルの変化による利用者の減少と共に、厳しい経営状況や労働環境の変化等を背景とした深刻な運転士不足により、公共交通のサービス水準を維持することが困難な状況となっています。 ・駅やバス停から離れた交通空白地が点在していることや、起伏が多い横浜市の地理的特性を踏まえると、バスやタクシーなど既存の公共交通に加え、地域に身近な新たな地域交通サービスを導入し、市域全体で充実を図ることが重要です。 ・幹線道路の慢性的な渋滞により、周辺への通過交通の流入や救急活動への影響が懸念されています。 ・鉄道や道路など交通ネットワークの整備効果を最大化するためには、周辺の土地利用も一体的に進め、沿線・沿道の活性化につなげていくことが重要です。 ・公共交通機関を補完するシェアサイクル事業では、多様な利用目的に対応するための事業展開が重要です。また、快適で出かけたくなる魅力ある空間形成への対応が重要です。 目指す姿- 4年後、そして、更に将来にわたって目指すべき姿 - ・市域全体で地域公共交通が充実していると共に、快適に移動できる自転車・歩行者空間と、  身近な移動手段が確保され、誰もがいきいきと安心して暮らせるまちを実現しています。 ・まちづくりと一体となった交通ネットワークの構築や渋滞対策が進むことで、移動の利便性が高まり、市民生活や企業活動が活性化しています。 政策指標-市民の皆様の横浜市での暮らしの意識を表す指標- 鉄道やバスなどの公共交通機関が便利なまちだと思いますか 77.6% 公共交通の維持・充実等に向けた取組に関連する主な 個別分野別計画等 横浜都市交通計画 地域公共交通計画 施策群 施策指標 – 2029(令和11)年度に向けて進捗管理し、成果発揮を目指す指標 - を設定 20市民の移動手段の確保 方向性 誰もがいきいきと安心して暮らせるまち、出かけたくなるまちの実現に向け、バスネットワークの維持や交通空白地の解消、地域公共交通への自動運転技術の導入支援など、地域交通を「守る」「増やす」「使う」取組を推進すると共に、シェアサイクルなど多様で魅力的な移動手段の充実や、居心地が良く歩きたくなる空間の整備を推進します。 また、市民生活の利便性の向上や地域経済の発展に向け、高速鉄道3号線の延伸をはじめとした交通ネットワークの強化や渋滞対策、沿線・沿道の活性化につながるまちづくりを進めます。 指標 バス運転士数充足率(2024(令和6)年度の 運転士の定員数に対する割合)【都市整備局】※ 現状94.3%(R6時点) 目標100% 市営バス・地下鉄を安心して利用できると答えた市民の割合【交通局】※ 現状調査中 目標- 交通空白地の解消(市域面積に対する交通空白地の割合)【都市整備局】 現状11% 目標半減 シェアサイクル普及率【道路局】 現状1.39% 目標2% 外出が増加した地区数【都市整備局】 現状- 目標53地区 市内の主要渋滞箇所数【道路局】 現状118箇所 目標1割減少 10にぎわい・スポーツ・文化 現状と課題- 横浜を取り巻く状況と課題 - 〇更なるにぎわいづくり ・2024(令和6)年の横浜市の観光消費額及び観光入込客数は、回遊促進等のこれまでの取組により過去最高となりましたが、平均消費額の高い宿泊客が日帰り客に比べ少ないこと、また日帰り客の平均消費額が伸びていないことが課題です。経済の活性化に向け、観光入込客数と平均消費額を増加させ、観光消費額を伸ばしていくことが重要です。 ・都心臨海部を中心とした観光資源の魅力の向上やクルーズ船の発着が多い特長を生かすことにより、市民の皆様により楽しんでいただくことはもとより、インバウンドを含め国内外の更なる誘客を促進し、宿泊の促進や滞在時間の延長を図っていくことが重要です。 ・また、郊外部においても、住民の愛着を育む地域毎のにぎわいづくりや、新たな活性化拠点の形成など、エリアの特性に応じたにぎわいを生み出していくことが重要です。 〇スポーツを「する」「みる」「ささえる」「ふれる」機会 ・横浜市民スポーツ意識調査によると、必要性を感じ、関心や意欲がありながらも「する」「みる」「ささえる」スポーツ活動に十分に取り組めていない市民が多く、スポーツに「ふれる」機会も課題です。また、共生社会の実現に向け、年齢や性別、障害の有無等に関わらず、誰もがスポーツに親しめる環境の整備が重要です。 〇文化活動環境 ・文化団体等の多くの担い手やネットワークにより文化活動が多様化すると共に、市内文化施設において地域の催しが盛んに行われていますが、より広い市民を対象として各地域で活動に取り組める環境づくりを推進していくことが重要です。次世代育成や共生社会の実現に向けて、年齢や性別、障害の有無等に関わらず、誰もが文化芸術に触れることのできる環境づくりが重要です。 目指す姿- 4年後、そして、更に将来にわたって目指すべき姿 - ・ウォーターフロントを生かしたアーバンリゾートの魅力向上により、国内外から観光客を呼び込み、消費の拡大により地域経済が活性化され、活力・魅力のあるまちとなっています。 ・年齢や性別、障害の有無、家庭環境等に関わらず、市内の各地域で隔たりなく、誰もが、スポーツや文化活動に参加できる機会や楽しめる環境が充実し、また、それらを通じて共に認め、支えあうコミュニティが実現することで、市民が生活の質の向上を実感できています。 政策指標-市民の皆様の横浜市での暮らしの意識を表す指標- 観光やスポーツ・文化により、にぎわい・活力のあるまちだと思いますか 調査中(原案で掲載予定) 観光・MICEの振興に向けた取組、スポーツの振興に向 けた取組、文化芸術の振興に向けた取組に関する個別分 野別計画等 横浜市観光・MICE戦略 横浜市スポーツ推進計画 横浜未来の文化ビジョン 施策群 施策指標 – 2029(令和11)年度に向けて進捗管理し、成果発揮を目指す指標 - を設定 21観光・МICE 方向性 世界を魅了する国際観光都市の実現に向け、戦略的な誘客プロモーションやMICE誘致、都心臨海部を中心とした、夜景を含めた水際線の魅力向上等を通じた戦略的な回遊性向上やクルーズ船の誘致などにより、宿泊の促進や滞在時間の延長を図るなど、にぎわい創出や観光・MICEを推進することで、市内経済を活性化させると共に、まちの活力・魅力を一層高めます。 指標 観光消費額【にぎわいスポーツ文化局】 現状4,564億円(R6時点) 目標5,500億円 クルーズ船寄港数【港湾局】※ 現状147回(R6時点) 目標220回 観光入込客数【にぎわいスポーツ文化局】 現状3,773万人(R6時点) 目標4,000万人 観光都市としての横浜市に誇りを感じる市民の割合【にぎわいスポーツ文化局】※ 現状調査中 目標-% 延べ宿泊者数【にぎわいスポーツ文化局】 現状980万人泊(R6時点) 目標1,100万人泊 臨海部の夜景を魅力的と思う市民の割合【にぎわいスポーツ文化局】※ 現状調査中 目標-% 22スポーツ 方向性 心豊かな市民生活の実現を図るため、スポーツを身近に感じられるまちの実現を目指し、年齢や性別、障害の有無、家庭環境等に関わらず、こどもたちをはじめとした誰もがスポーツを「する」「みる」「ささえる」ことや、それらのきっかけとなる「ふれる」機会を創出すると共に、地域に根ざしたスポーツの振興や大規模スポーツイベントの誘致開催等、市民の多様なスポーツ環境の充実に取り組みます。 指標 横浜市はスポーツの参加機会や楽しめる環境が充実していると思う市民の割合【にぎわいスポーツ文化局】※ 現状調査中 目標-% 23文化芸術 方向性 心豊かな市民生活の実現を図るため、横浜の強みを生かした横浜文化の創造を目指し、年齢や性別、障害の有無、家庭環境等に関わらず、こどもたちをはじめとした誰もが文化活動に取り組める環境の整備、市全域における身近な地域での文化を通じた地域コミュニティの形成、様々な主体との連携による創造性を生かしたまちづくり等によるにぎわいづくりを進めます。 指標 横浜市は文化の参加機会や楽しめる環境が充実していると思う市民の割合【にぎわいスポーツ文化局】※ 現状調査中 目標-% 11産業 現状と課題- 横浜を取り巻く状況と課題 - 〇地域特性を生かした企業誘致 ・官民一体となり、まちづくりと連動して地域特性を生かした産業や機能の集積を促すことが重要です。 ・みなとみらい地区の開発が概成を迎え、新たな企業立地の受け皿が不足しています。 〇スタートアップ支援 ・世界的に加速しているAI・半導体関連や、サーキュラーエコノミーに寄与するビジネスなど成長分野において、横浜市の特徴を生かしたテック系スタートアップの集積を図り、人や投資を呼び込む好循環につなげることが重要です。 〇市内企業の支援 ・世界的なインフレや円安などによる原材料価格の高騰等の経済情勢や、少子高齢化の進展による人手不足により、市内企業、特に中小・小規模事業者の経営は厳しい状況にあります。経営力・生産性の向上、循環型経営への移行等、事業環境が大きく変化する事業者に寄り添った中小企業支援を進めていくことが重要です。 〇経済活動を支える社会基盤の整備 ・日本の海の玄関口である横浜港では、船舶の世界的な大型化の潮流や貨物需要の増加等に対応するため、ふ頭の整備・再編による港湾機能の強化を進めています。 ・横浜港や主要道路のIC周辺等において、立地特性を生かした経済活動の基盤づくりを推進していくことや、港湾と共に海洋産業の振興を図っていくことが重要です。 目指す姿- 4年後、そして、更に将来にわたって目指すべき姿 - ・戦略的な企業誘致により、市内への産業や機能の集積が進み、成長分野をはじめとして新たな雇用の創出や事業機会の拡大など、市内経済の持続的発展につながっています。 ・スタートアップの創出・成長・立地により、雇用者数の増加や市内企業との協業が進み、市内経済の活性化につながっています。 ・中小・小規模事業者の経営基盤が強化されることで、事業継続や雇用維持が実現され、横浜経済の成長や活性化につながっています。 ・グローバルサプライチェーンを支える国際基幹航路を維持・拡大し、横浜港の国際競争力の強化を推進すると共に、企業・物流拠点の立地促進を図り地域の新たな活性化の拠点が形成されています。 政策指標-市民の皆様の横浜市での暮らしの意識を表す指標- 経済的な活力があるまちだと思いますか 50.4% 商業及び工業の振興・中小企業等の支援、横浜港の物流の活性化に向けた取組を推進 施策群 施策指標 – 2029(令和11)年度に向けて進捗管理し、成果発揮を目指す指標 - を設定 24経済成長 方向性 研究開発拠点や高度な専門知識を持つ研究者が集積している横浜市の特徴を最大限に生かし、サーキュラーエコノミーやAI・半導体関連など、今後世界的に更に需要が高まる将来の成長産業において、企業の集積を促進します。加えて、革新的な技術を有するスタートアップの創出・成長・立地を進めます。こうした取組により、国内外から人や投資を呼び込み、地域経済と産業の発展を加速させる好循環を生み出します。 指標 市内新規投資件数(サーキュラーエコノミー・AI関連)【経済局】 現状4件 目標24件 市内スタートアップ雇用者数【経済局】※ 現状調査中 目標一社 25地域産業 方向性 横浜経済の持続的な成長に向け、中小企業の経営力・生産性の向上や循環型経営への転換支援、商店街・中央卸売市場等の魅力・ブランド強化、大水深・高規格コンテナターミナル等国内最高レベルの横浜港の物流機能を生かした国際競争力の強化や基幹物流拠点の整備による市内物流網の充実など、横浜の地域産業の特徴を踏まえた取組を進め、地域経済の活性化につなげます。 指標 中小企業雇用者数【経済局】※ 現状調査中 目標一人 商店街など身近に買い物や飲食できる場所があると感じる市民の割合【経済局】※ 現状調査中 目標-% 支援施策により経営の改善・安定につながった中小企業数【経済局】※ 現状調査中 目標一社 超大型コンテナ船着岸数【港湾局】※ 現状245隻/年(R6時点) 目標294隻/年 12まちづくり 現状と課題- 横浜を取り巻く状況と課題 - 〇都心部・臨海部のまちづくり ・開港以来、都心部は横浜の核として、都市の成長をけん引してきました。また、水際線をはじめとする地区の特性を生かした観光資源は大きな財産であり、市民の皆様をはじめ、国内外の多くの人々を惹きつけ、にぎわいを創出しています。 ・今後も横浜が新しい活力を生み続ける都市として持続的に成長・発展していくためには、更なる魅力向上や業務・商業機能の集積、産業機能の高度化を進めていくことが重要です。 〇郊外部のまちづくり ・郊外部はこれまで、地域の特色や資源を生かしながら、鉄道駅周辺における拠点整備や持続的な郊外住宅地の形成に向けた取組を進めてきました。 ・GREEN×EXPO 2027開催後の上瀬谷地区に整備する防災・公園、農業振興、観光・にぎわい、物流などの機能を集約した新たな拠点は、周辺のまちづくりと連動させ、郊外部全体の活性化につなげていくことが重要です。 目指す姿- 4年後、そして、更に将来にわたって目指すべき姿 - ・都心部・臨海部では、世界に誇る水際線をはじめとする魅力が更に磨き上げられると共に、 適正な土地利用誘導を通じて、都心臨海部や新横浜都心における業務・商業機能の集積や、 京浜臨海部における産業機能の高度化が進み、より多くの人や企業を惹きつけるまちが形成されています。 ・郊外部では、鉄道駅周辺や住宅地等において、これまで以上に土地のポテンシャルが引き出され、地域の特色や資源を生かした魅力的なまちづくりが進められています。また、上瀬谷地区においては、GREEN×EXPO 2027開催後のまちづくりが進められています。 政策指標-市民の皆様の横浜市での暮らしの意識を表す指標- 魅力的なまちだと思いますか 69.4% 都心部・臨海部の魅力向上に向けた取組、郊外部の魅力 向上に向けた取組に関連する主な個別分野別計画等 都市計画マスタープラン 都心臨海部再生マスタープラン 京浜臨海部再編整備マスタープラン 施策群 施策指標 – 2029(令和11)年度に向けて進捗管理し、成果発揮を目指す指標 - を設定 26都心部・臨海部のまちづくり 方向性 横浜駅周辺地区、みなとみらい地区、関内・関外地区等の都心臨海部や新横浜都心において、世界を魅了する水際線の形成をはじめとする地区の特性や歴史に合わせた魅力的な都市空間の形成・活用や回遊性の向上、業務・商業機能の集積を進めます。また京浜臨海部において、産業機能の高度化に向けた取組を進めます。 さらに、優れた立地と広大な開発空間を生かし、新しい時代の象徴となる山下ふ頭の再開発を進めます。 これらにより、多くの人や企業を惹きつけ、横浜の成長エンジンとなる都心部・臨海部のまちづくりを推進していきます。 指標 都心臨海部・新横浜都心での来街者滞在時間数【都市整備局】※ 現状7.1時間(R6時点) 目標7.8時間 みなとみらい地区の事業所数【都市整備局】※ 現状2,020社(R6時点) 目標2,050社 水際線の来街者数【都市整備局】※ 現状975万人(R6時点) 目標1,100万人 京浜臨海部における産業系の大規模建設投資件数【都市整備局】※ 現状16件R3~6累計 目標20件4年間累計 みなとみらい地区の就業者数【都市整備局】※ 現状14.8万人(R6時点) 目標15.3万人 27郊外部のまちづくり 方向性 横浜市人口の約3分の2が居住する郊外部において、地域の特色や歴史などの資源を生かし、誰もがいきいきと暮らせる住まいづくり・まちづくりを進め、魅力向上や活性化を図っていきます。上瀬谷地区については、豊かな自然環境を生かし、農業振興と都市的土地利用による郊外部の新たな活性化拠点を形成し、郊外部全体の発展に寄与するまちづくりを進めます。 これらにより、鉄道駅の周辺や緑豊かな住宅地など、地域の特色に応じて、子育て世代をはじめ様々な世代の市内への流入や定住を促進すると共に、地域における雇用の創出など、郊外部の活力あるまちづくりを推進していきます。 指標 郊外部主要駅における来街者数の対前年変動率【都市整備局】※ 現状-0.3% 目標増加0%以上 13環境との共生 現状と課題- 横浜を取り巻く状況と課題 - 〇カーボンニュートラルの推進 ・2030(令和12)年度の温室効果ガス2013(平成25)年度比50%減、2050(令和32)年のカーボンニュートラル達成に向けた取組が進み、2023(令和5)年度の市域の温室効果ガス排出量(速報値)は、1,615万t-CO2で、2013 (平成25)年度比25%減と減少傾向にあります。 ・目標の達成に向けて、市民・事業者の皆様の行動変容、脱炭素イノベーション、市役所の率先行動の更なる推進が重要です。 〇GREEN×EXPO 2027を契機とした環共コンセプトの発信 ・長年にわたり基地として使用されてきた上瀬谷地区の平和利用の象徴として、GREEN×EXPO2027(2027年国際園芸博覧会)を開催します。 ・GREEN×EXPO 2027の開催を契機に、新たなグリーン社会のあり方が広く市民に浸透し、会期終了後の具体的な環境行動につなげていくことが重要です。 〇横浜らしいサーキュラーエコノミー(循環経済)の構築・推進 ・限られた資源を最大限有効に活用し経済的な発展にもつなげるサーキュラーエコノミーに関する機運が国内外で高まっています。 ・横浜市の特性である「大規模」「多様性」「市民意識」を生かした施策を進め、国内外における循環型社会への転換を加速していくことが重要です。 目指す姿- 4年後、そして、更に将来にわたって目指すべき姿 - ・様々な脱炭素関連施策の展開により、市民・企業の環境意識の高まりを通じて脱炭素の取組が推進され、ハーフカーボンの達成が確実なものとなっています。 ・GREEN×EXPO 2027の取組を通じて、ネイチャーベースドソリューションやサーキュラーエコノミーの考え方が浸透し、市民や事業者の皆様の行動変容につながるなど、新たなグリーン社会の実現に向けた具体的な環境行動が広がっています。 ・横浜らしいサーキュラーエコノミー施策が展開された結果、環境への影響を考慮して行動する市民が増えていると共に、市内産業の発展・育成につながっています。また、アジアを代表するグリーンシティとして、世界の環境政策、都市政策を先導しています。 政策指標-市民の皆様の横浜市での暮らしの意識を表す指標- 以前より環境に配慮した行動をするようになったと思いますか 71.6% カーボンニュートラルの推進に向けた取組、循環型社会に向けた取組に関連する主な個別分野別計画等 横浜市環境管理計画 横浜市地球温暖化対策実行計画 ヨコハマ プラ5.3計画 施策群 施策指標 – 2029(令和11)年度に向けて進捗管理し、成果発揮を目指す指標 - を設定 28カーボンニュートラル 方向性 地球温暖化が深刻化する中、持続可能な社会を実現していくため、温室効果ガスの2030(令和12)年度50%削減(2013(平成25)年度比)や、その先の2050(令和32)年のカーボンニュートラルに向け、市民や企業の皆様など、様々な主体と連携しながら、「市民の行動変容」「事業者の行動変容」「脱炭素イノベーション」「市役所の率先行動」の4本柱の取組を推進します。 指標 脱炭素の取組進捗率(環境クレジット制度への参加)【脱炭素・GREEN×EXPO推進局】※ 現状調査中 目標-% 脱炭素の取組進捗率(市役所)【脱炭素・GREEN×EXPO推進局】 現状41%(R6時点) 目標74% みなとみらい地区の再エネ導入率【脱炭素・GREEN×EXPO推進局】 現状40%(R6時点) 目標65% 29 GREEN×EXPO 2027 方向性 「市民の皆様と作り上げる環境との共生」をテーマとしたGREEN×EXPO 2027の開催を通じ、市民の皆様をはじめ、国内外の多くの方々と気候変動や生物多様性の損失等の地球規模の課題を共有し、解決につなげる行動を起こします。更に、新たなグリーン社会の実現に向け、一人ひとりの具体的な環境行動を自然と共にある横浜の都市づくりにつなげていきます。 指標 環境にやさしい行動に取り組んでいると答えた市民の割合【脱炭素・GREEN×EXPO推進局】※ 現状調査中 目標-% シェアリングエコノミーに参加していると答えた市民の割合【脱炭素・GREEN×EXPO推進局】※ 現状調査中 目標-% 環境活動に取り組んでいる団体数【脱炭素・GREEN×EXPO推進局】 現状4,068団体 目標4,100団体 30循環型社会に向けた取組 方向性 市民の皆様の消費活動や企業の経済活動における意識や行動の変容による、再資源化の促進、積極的なシェアリングサービスの利用、更には、公共建築物における率先的な取組や空家対策、循環型まちづくりを通じて、横浜らしい循環型都市への移行を推進します。また、循環型社会への移行が国際的な潮流となっていく中、これらの取組を広く世界へ発信し、国際プレゼンスの向上につなげていきます。 指標 循環型サプライチェーンの創出数【経済局】※ 現状- 目標-件 サーキュラーエコノミーに関する事業への参加人数【脱炭素・GREEN×EXPO推進局】※ 現状調査中 目標-万人 企業マッチング等による投入資源削減量【資源循環局】 現状- 目標8,000t 資源化等による食品廃棄物削減量【みどり環境局】 現状- 目標870t 公共建築物のサーキュラー設計数【建築局】 現状- 目標90件 14みどり 現状と課題- 横浜を取り巻く状況と課題 - 〇公園・動物園の魅力向上 ・都市公園の数や面積は周辺自治体と比べて非常に多く、身近な公園以外にも多様な公園があります。また、基礎自治体で唯一、3つの動物園を有しています。 ・こどもの多様な体験の場として、公園のリニューアルや、3つの動物園それぞれの個性を生かした魅力向上が重要です。 〇市民が実感できる都市農業 ・横浜市は大都市でありながら、農業産出額県内第1位となるなど活発な都市農業が行われています。 ・収穫体験や地産地消の取組など、市民の皆様が農にふれる機会の創出を通じて、横浜の暮らしの魅力を発信すると共に、農を生かした資源循環の取組を進めていくことも重要です。 〇身近なみどりの保全と創出 ・横浜市は大都市でありながら、郊外部を中心に大規模で魅力的なみどり空間を有しています。一方で、都心部においてはみどりの効果や魅力を市民が実感しづらい現状があります。民有地も含めた緑化を推進し、都市環境の改善や景観の向上につなげることが重要です。 ・シンボル的なみどりの創出を通じて、まちの魅力向上や都市のにぎわいにつなげることも重要です。 目指す姿- 4年後、そして、更に将来にわたって目指すべき姿 - ・「公園のまちヨコハマ」の推進や動物園のリニューアルによる魅力向上を進めることで、こどもを中心に多様な体験の場が創出されると共に、都市ブランド力の向上につながっています。 ・身近に農を実感できる機会が増えることにより、市民の皆様の豊かで潤いのある暮らしが実現しています。また、循環肥料の市内農地での活用など、都市と農地が近接している横浜市の特徴を生かした取組が進められています。 ・大気や水、土壌などの生活環境の保全に加え、樹林地や河川、海などの自然環境が保全されると共に、市街地でのみどりの創出が進み、市民の皆様が水辺やみどりを身近に感じられています。 政策指標-市民の皆様の横浜市での暮らしの意識を表す指標- 身近な自然環境が充実しているまちだと思いますか 68.8% みどりや公園・動物園の魅力向上、都市農業や農体験に関する個別分野別計画等 横浜市環境管理計画 横浜市水と緑の基本計画 横浜都市農業推進プラン 横浜みどりアップ計画 施策群 施策指標 – 2029(令和11)年度に向けて進捗管理し、成果発揮を目指す指標 - を設定 31公園・動物園 方向性 市民の皆様にとって身近な公園で誰もが安心・安全・快適に過ごせるよう、「やさしい公園づくり」や柔軟な運営による公園の一層の活用を進めると共に、こどもの体験活動の機会を創出します。また、都市の中で自然や生き物に触れる場である動物園を3つ持つ都市として、それぞれの園の特性を伸ばし、体験価値を高めます。 指標 公園等でのこどもの体験機会の創出数【みどり環境局】 現状34箇所 目標80箇所 市民の動物園に関する満足度【みどり環境局】※ 現状調査中 目標-% 32都市農業 方向性 都市と農地が近接している横浜市の特徴を生かし、市民の皆様が市内産農畜産物の消費や収穫体験等を通じて、横浜の暮らしの多様性を実感できる機会を創出すると共に、豊かな農のブランディングにより、都市の魅力向上へとつなげます。併せて、市内産農畜産物が安定して供給されるよう、その基盤となる営農環境を整備・支援します。 指標 農に親しむ機会があると答えた市民の割合【みどり環境局】※ 現状調査中 目標-% 市内産農畜産物直売所利用者数【みどり環境局】 現状1,520千人 目標1,540千人 33みどりの保全と創出 方向性 みどりが持つ多面的な機能を最大限発揮することにより、良好な都市環境を生み出すため、郊外部に残された樹林地の保全を進めると共に、都心臨海部においては、再整備する大通り公園をはじめとした、市民や来街者が魅力を実感できる新たなみどり空間を創出すると共に、回遊性を向上することで、まちの魅力を更に高めます。 指標 よこはまのみどりを魅力的と感じる市民の割合【みどり環境局】※ 現状調査中 目標-% 森に親しむ機会の創出数【みどり環境局】 現状115回/年 目標125回/年 都心臨海部の新たな魅力あるみどり空間の創出数【みどり環境局】】 現状0箇所 目標3箇所 樹林地の保全面積【みどり環境局】 現状1132.1ha 目標36ha/年 「横浜市中期計画2026-2029」における政策体系 都市像 「明日をひらく都市」OPEN×PIONEER 2040 YOKOHAM 戦略 市民生活の安心・安全 × 横浜の持続的な成長・発展 政策の分野(14の政策群) 毎日の安心・安全 防災・減災 医療・保健 こども・子育て 教育 高齢・長寿 障害児・者 暮らし・コミュニティ 交通 にぎわい・スポーツ・文化 産業 まちづくり 環境との共生 みどり 施策(33の施策群) 防犯、歩行者の安心・安全 インフラ施設の安全確保★ 地震防災対策★ 風水害対策★ 医療・救急・保健 子育て支援 保育・幼児教育 こどもの体験機会づくりと居場所の充実 困難な状況にあるこども・家庭への支援 教育環境の整備(ソフト・ハード) 安心して生活できる学びの環境づくり 学力の向上 教職員 高齢者支援 障害児・者支援 地域の生活環境 学び・交流を支える地域の情報拠点 多文化共生 困難を抱えた人の支援 市民の移動手段の確保 観光・MICE★ スポーツ 文化芸術 経済成長★ 地域産業 都心部・臨海部のまちづくり★ 郊外部のまちづくり★ カーボンニュートラル GREEN×EXPO 2027 循環型社会に向けた取組★ 公園・動物園 都市農業 みどりの保全と創出 明日をひらく都市プロジェクト 各政策群を進める様々な取組(個別分野別計画の推進等) 市政の基調・計画推進に向けた土台 平和・人権の推進 基本姿勢 (データ経営の徹底、 SDGs実現の視点) 行財政運営 ※ 横浜のポテンシャルや魅力をより高め、横浜の更なる持続的な成長・発展につながる3つのテーマを「明日をひらく都市プロジェクト」として、関連する施策群(★)の取組を連動させながら、施策横断的に進めていきます。 2明日をひらく都市プロジェクト 横浜の持続的な成長・発展に向けて 「政策 - 施策」の体系のもと、個別分野別計画等の推進も含め、政策群に位置づける今後4年間で重点的に進める総合的な取組を市民目線で推進することはもちろん、先人たちが築き、維持・継承してきた都市基盤や経済環境、みどり・農・海等豊かな自然環境など、横浜のポテンシャルや魅力をより高め、横浜の更なる持続的な成長・発展につながるテーマについて、「明日をひらく都市プロジェクト」として、3つのテーマで施策横断的に取り組みます。 「明日をひらく都市プロジェクト」は、本計画期間である4年後の目指す姿はもちろんのこと、2040(令和22)年の横浜の姿も目標に掲げ、民間活力を積極的に誘引しつつ、国等との連携も強化しながら、戦略的に取り組んでいきます。 3つのテーマ 1循環型都市への移行 ~生産・消費・再資源化のあらゆるステージで循環型都市を目指す「YOKOHAMA CIRCULAR LINK」~ 2観光・経済活性化 ~にぎわいが経済を育み、世界とつながる横浜へ~ 3未来を創るまちづくり ~日々の暮らしを豊かにし、都市の経済を成長させ、活力あふれる横浜へ ~ 「循環型都市」「観光・経済」「まちづくり」は、それぞれ密接に連携した政策分野であることから、一部の具体的取組は、複数のプロジェクトに重複して記載しています。様々な政策効果を発揮させつつ、3つのプロジェクトを相互に関連づけながら、効果的・横断的に推進していきます。 プロジェクト間で横断する取組の例 ●住宅分野のサーキュラー  (リノベーションによる既存ストックの流通・活用) ●サーキュラー関連産業の誘致・集積 ●「動脈産業」(製品の製造等)と「静脈産業」(再資源化等) の連携強化 ●産業+まちづくり(新横浜・京浜臨海部) ●観光+まちづくり(都心臨海部、上瀬谷地区の観光・賑わい地区 01循環型都市への移行 環境・経済の両面から持続可能な都市を実現するため、サーキュラーエコノミー(循環経済)の取組を進めます。サーキュラーエコノミーは、資源やエネルギーの循環利用により環境負荷を減らし、カーボンニュートラルの実現にも貢献します。また、新たなサービスや技術を生み出し、経済の活性化にもつながります。 横浜ならではの都市の特性を生かした「横浜らしいサーキュラーエコノミー」の取組を推進し、持続可能な循環型都市を目指すと共に、この取組をGREEN×EXPO 2027等を通じて世界に発信します。 現状及び将来見通し サーキュラーエコノミー(循環経済)とは サーキュラーエコノミーは、従来の「資源採取→生産→消費→廃棄」という直線的な経済(リニアエコノミー)に対して、シェアや修理、リサイクルなどの取組を通じて資源を循環させ、新たな資源やエネルギーの投入を減少させていく経済モデルです。 気候変動や天然資源の枯渇、環境の汚染など、地球の持続可能性が世界的な問題となっています。かけがえのない地球環境を守るためにも、欧州をはじめ世界的な潮流となっているサーキュラーエコノミーの取組を、進めていくことが重要です。 2029(令和11)年の横浜の姿(循環型都市) ◆取組全体 「経済成長」と「ごみ排出量削減」の両立 (デカップリング)の推進 ◆個別取組(施策群の指標:抜粋) ・資源化等による食品廃棄物削減量 【現状】 -→ 870t ・企業マッチング等による投入資源削減量 【現状】 -→ 8,000t ・公共建築物のサーキュラー設計数 【現状】 -→ 90件 ・循環型サプライチェーンの創出数※ 【現状】 -→ - ・サーキュラーエコノミーに関する事業への参加人数※ 【現状】 調査中→ - ※ 原案では、最新時点の数値に更新 2040(令和22)年の横浜の姿(循環型都市) [経済]の視点 サーキュラーエコノミーが横浜の新たな成長産業となっています。 [グローバル]の視点 可視化されたサーキュラリティ指標のもと、地球環境と調和した持続可能な都市として、国内外のモデルとなっています。 [市民]の視点 「次世代も横浜に住んで欲しい」と感じる市民が増加しています。 方向性 循環型都市移行の必要性 環 境  ・ 廃棄物の更なる削減 ・ 気候変動への対応加速 経 済 ・ 地域経済の成長・発展 (成長分野育成、市内産業活性化) ・ 国際的な認知向上・投資促進 横浜の強み・特性 大規模  “日本最大”の消費地 最大の基礎自治体 循環型都市への移行による社会的インパクト大 多様性 都市環境の縮図 住宅地、港、農など多彩な環境 地域環境に応じた多様なアプローチを試行可能 市民意識 ハマッコの市民力 活発な活動と行政との連携実績 市民・企業・行政一体の取組を展開可能 「横浜らしい」循環型都市へ 活発な都市農業を生かした「食・農」、建物棟数など豊富なストックを生かした「建築・住宅」を中心に、「資源調達」「企業への成長インセンティブ」を通じて、生産・流通過程でも循環型への移行を進めます。 また、「消費・行動変容」につながる身近な取組を展開すると共に、「DX」を推進し、取組効果の可視化や改善につなげます。 さらに、これらの取組を広く世界へ発信し、国際プレゼンスの向上につなげます。 明日をひらく都市プロジェクト「循環型都市への移行」~生産・消費・再資 「たべる」サーキュラー 横浜の「農」を生かした食の循環 ・家庭から出る食品廃棄物を堆肥化し、地域などで活用します。 ・農作業から出る葉や茎などの残渣の活用や、小売店・飲食店など事業活動から出る食品廃棄物のリサイクルを推進します。 ・下水処理で取り出した「再生リン」入り肥料の活用を進めます 「つくる」サーキュラー 社会情勢変化を経済成長のきっかけにつなげる ・サーキュラー産業の誘致・集積・エンパワーなど、循環型ビジネスへの重点的なインセンティブの創出を行います。 ・市内企業がサーキュラーエコノミーに対応した経営へ向かうための支援など、「つくる」分野における循環経済の取組をサポートします。 「とりくむ」サーキュラー 身近な取組から未来を変えていく ・航空燃料(SAF)に活用するための家庭系廃食油の回収や、不要な衣類を回収し再び繊維として活用する「服to服」など、生活に身近なチャレンジしやすい取組を展開します。 ・市庁舎での率先的な取組や、大規模イベント等を通じた来街者も参加できる取組、こどもや地域によるサーキュラー活動の発信などを通じ、幅広い層に対し、循環型のライフスタイルを促進します。 源化のあらゆるステージで循環型都市を目指す「YOKOHAMA CIRCULAR LINK」~ 「つなぐ」サーキュラー 動静脈連携により、再生資源の更なる活用を目指す ・製品の製造などを行う「動脈産業」と、再資源化などを行う「静脈産業」との動静脈連携により、家庭や事業者から発生する廃棄物の質の高いリサイクルと活用を進めます。 ・「横浜市資源循環推進プラットフォーム」等を通じて、動脈産業と静脈産業のビジネスマッチングや技術開発などを支援します。 「くらす」サーキュラー 資源の宝庫である「建物」のサーキュラー化 ・公共建築では、既存施設の活用、再利用しやすい設計、廃材の有効活用によって廃棄物を減らす「サーキュラー建築」のモデルを横浜から発信します。 ・日本一のストック量を誇る住宅分野では、リノベーションによる既存ストックの 流通・活用を進めます。 「みえる」サーキュラー 物質循環の流れを「見える化」 ・みなとみらい地区において、エリア単位で物質循環の流れを可視化する手法を開発・発信します。 ・可視化されたデータを活用して、地域の資源循環率の向上に寄与する施策を進め、他地区への展開につながる事例を創出していきます。 サーキュラーエコノミーが国際的な潮流となっていく中、これらの取組を広く世界へ発信し、アジアを代表する循環型都市へ 02観光・経済活性化 サーキュラーエコノミーやAI・半導体等、最先端技術の進展などの世界潮流を見据えると共に、世界に誇れる水際線や三溪園をはじめとした、観光都市・横浜を代表する資源を生かして、横浜市の観光・経済における強み・ポテンシャルを最大化すると共に、未来に向けた産業創出に取り組み、経済の持続的な成長・発展につなげます。 さらに、積極的に海外活力の取り込み、横浜ブランドの海外への発信を進め、国内外から人や企業が集まる、グローバル都市横浜を目指します。 現状及び将来見通し 観光都市に向けて ・海や港などの開放的な環境に加え、商業施設や「楽しみながら学べる」集客施設の集積、また公民が一体となったイベント戦略等により、観光消費額、観光入込客数は2024(令和6)年に過去最高を達成しました。 ・今後は、平均立寄り箇所数の更なる増加や、延べ宿泊者数のインバウンド割合の上昇に向けて、回遊の促進や、商業・宿泊施設等の受入れ環境の充実、また情報発信の強化が重要です。 ・更に、観光政策を「来訪者数の増加」で終わらせず、都市としての価値の向上や、市内経済の成長につなげていくことが重要です。 産業の持続的な成長 ・企業集積を支えてきたみなとみらい地区は98.6%まで開発が進み、今後は市内各エリアでの企業誘致が重要です。特に既存の産業用地は高度経済成長期のインフラや法令規制により柔軟な土地利用転換が難しく、まちづくりと一体となった産業集積や魅力的な就業環境の形成が課題です。 ・生成AIの急速な普及や循環型社会移行への要請など、市内経済を取り巻く情勢変化は激しく、個別企業だけでの対応は困難です。横浜市が世界の潮流を捉え、国の成長戦略とも連動させながら、マッチングや投資インセンティブを通じて企業の変革を後押しし、横浜ならではのイノベーション創出を促進することが重要です。 グローバル都市横浜 ・横浜の魅力として「国際的な雰囲気がある」と考える市民の割合は24%(2024(令和6)年)。 「市民が世界に誇れる都市」を目指す上で、都市の魅力を更に高め、発信していくことが重要です。 ・国際会議等の場で発信してきたグリーン分野の取組について国際機関等から評価が高まる中、国際的なリーダーシップを一層発揮してプレゼンス向上を図る好機です。 ・人口減少社会においては、海外活力の取り込みも重要です。企業・人材等から選ばれるため、グローバルネットワークの拡大や効果的な海外プロモーションが課題です。 方向性 観光の発展は、横浜市の経済成長に資する取組であり、また国内に加えて海外からの誘客が重要な要素です。さらに、サーキュラーエコノミーなどを通じた環境共生と経済成長の両立への挑戦は、グローバルな都市課題の解決につながり、横浜の国際的リーダーシップを発揮する取組です。 このように、「観光発展」「経済成長」「グローバル都市の推進」は一体的に取り組むことが重要であり、3つの取組の連動を通じて、都市の魅力・活力と国際プレゼンスの向上を図ります。 観光発展 ・世界に誇れる更なるにぎわい形成の舞台となる水際線や三溪園など、観光資源の磨き上げと、インバウンドを狙った誘客の仕掛け ・イベント主催者や観光事業者等と連携した夜まで楽しめ、朝から楽しめる観光まちづくりと、宿泊施設の立地促進 ・都心部と郊外部のにぎわい拠点の相乗効果 経済成長 ・都市の国際プレゼンスや企業の競争力を高める、サーキュラーエコノミーやAI・半導体などの成長産業を創出・育成 ・多様な働き方や企業活動を支える次世代の産業拠点を形成するまちづくり グローバル都市の推進 ・国際的リーダーシップの発揮等を通したグローバル都市ブランディング ・国際的影響力のある機関・企業等、海外活力の取り込み ・異文化コミュニケーション力の育成等、グローバル人材の育成 [観光発展]+[経済成長]+[グローバル都市の推進] 3つの取組を連動して進め、市民が世界に誇れる都市へ 2029(令和11)年の横浜の姿(観光・経済) ◆取組全体 ・水際線や三溪園をはじめとした横浜の魅力ある都市資産を生かした更なる観光の発展や、世界潮流や国の成長戦略も踏まえたサーキュラーエコノミーやAI・半導体分野などの産業の育成が進んでいます。 ・そうした都市の魅力が国際的にも認知されると共に、若者をはじめとした横浜市民が、  世界をより身近に感じ、世界とつながり、「市民が世界に誇れる都市」となっています ◆個別取組(施策群の指標:抜粋) ・観光消費額 【現状】4,564億円→ 5,500億円 ・観光入込客数 【現状】3,773万人→ 4,000万人 ・延べ宿泊者数 【現状】980万人泊→ 1,100万人泊 ・新規産業投資件数(サーキュラーエコノミー・AI関連) 【現状】4件→ 24件 2040(令和22)年の横浜の姿(観光・経済) [観光]の視点 都心部でも郊外部でも、多くの市民や国内外の来街者を惹きつける拠点を形成し、更なるにぎわいが生まれています。 (観光消費額7,000億円) ※2024(令和6)年約4,564億円 [経済]の視点 サーキュラーエコノミーやAI・半導体関連産業が横浜の新たな成長産業の一つとなり、人口減少時代においても市域全体が経済成長を続けています。 (市内総生産額の向上) ※ 2022(令和4)年度推計約14.8兆円 [グローバル]の視点 世界目線の政策を実行するグローバル都市としての世界的認知を獲得しています。 明日をひらく都市プロジェクト「観光・経済活性化」~にぎわいが経済を 観光発展 ~更なるにぎわいの形成から、横浜経済の成長へ~ GREEN×EXPO 2027の開催を契機として、国内外における観光都市としてのプレゼンス向上のため、都心部の魅力の磨き上げや受入れ環境の整備を進めると共に、戦略的なプロモーションにより、市内や国内に加え、インバウンドを含めた誘客につなげます。また、郊外部の新たな観光・集客拠点の形成を見据え、両エリアの相乗効果を図る施策により、更なるにぎわいを形成し、市内経済の活性化につなげていきます。 経済成長 ~持続可能な地域経済の発展~ 世界共通の課題解決に資するサービス等の提供を通じて、更なる経済の成長を目指す国の成長戦略と共に、これからの世界潮流を見据えた産業育成を進め、横浜市の持続的な経済成長につなげていきます。 育み、世界とつながる横浜へ~ グローバル都市の推進に向けた戦略※ ~市民が世界に誇れる都市へ~ グローバル化や少子高齢化が進展する中、国際平和に貢献しながら都市の持続可能性を高めるため、あらゆる政策を世界目線で捉え直し、横浜のブランド力や活力の向上につなげます。アジアでの循環型都市を先導するなど、国際的なリーダーシップを発揮することで、国際プレゼンスの向上、グローバル人材の育成、海外活力の取り込みなど好循環を生み出し、シビックプライドの醸成につなげていきます。 ※ この戦略を、「横浜市国際戦略(令和3年2月改定)」を継ぐものとして位置づけます。 グローバル都市ブランディング 海外への戦略的プロモーション 国際的な評価の獲得・グローバルリーダーシップの発揮 国際プレゼンスの向上 これまで取り組んできた国際協力、都市間連携やグリーン分野の施策に加え、横浜の持つあらゆる強みを戦略的に海外へプロモーションし、国際的な評価の獲得につなげます。 さらに、国際会議等を通じてアジアの循環型都市を先導するなど、グローバル都市としてのリーダーシップを発揮すると共に世界目線の政策を実行し、国際プレゼンスの向上を目指します。 海外活力の取り込み 国際的な機関や企業、教育研究機関等の誘致・パートナーシップ 横浜の活力を高めるため、国際的に影響力のある機関やグローバル企業、教育研究機関の誘致や新たなパートナーシップ締結を目指すと共に、市内企業の競争力の強化、インバウンド誘客や外国人材等の受け入れ環境整備等を進めます。 グローバル人材育成 異文化コミュニケーション力の育成 世界をめざす若者の応援 全てのこどもが、多様な他者と英語でコミュニケーションをとる可能性を広げると共に、横浜市のネットワークを生かした交流等を通して、グローバル社会で活躍できる人材を育みます。さらに、留学など世界を目指す若者を応援します。 世界での認知度が高まり選ばれる都市になる 横浜市の活力が高まり、都市の持続可能性が高まる 世界をより身近に感じ世界とつながる 市民一人ひとりのライフステージにおける選択肢や可能性が広がる 03未来を創るまちづくり 人口減少社会においても持続的に成長・発展する都市を目指して、未来を創るまちづくりを進めます。 従来の都心部だけでなく郊外部にも活性化の拠点を創り、これまで以上に郊外部のまちづくりに力を入れていきます。併せて、人や企業を呼び込み、都市活力の維持向上につなげる全市的な土地利用規制の見直しや、成長の土台となる市民の安心・安全な暮らしを守る基盤づくりを進めます。 現状及び将来見通し 都市構造の変化~都心部から郊外部へ~ ・急激な都市化により、1960年代には、公害や交通渋滞などの都市課題が深刻化しました。 ・1965年から六大事業を実施し、都心部をコアとする都市の骨格が形成されました。 ・横浜市の人口の約3分の2、約250万人が居住する郊外部の持続的な成長・発展が重要です。 人口減少社会の到来~2070(令和52)年には308万人まで減少~ ・高度経済成長期は年10万人のペースで人口が急増しました。 ・市域の4分の1を市街化調整区域に指定し、無秩序な都市開発を抑制しました。また市街化区域でも、横浜市独自のルールで土地利用をコントロールしました。 ・今後、人口減少社会が本格的に到来する中、時代に対応した土地利用制度の見直しが課題です。 インフラ施設の老朽化・自然災害の激甚化~安全な基盤の維持~ ・人口急増に対応するため、高度経済成長期にインフラを集中的に整備しました。 ・近年は全国的にインフラの老朽化に起因する事故が増加しており、横浜市も、今後一斉に耐用年数を迎える中、計画的・効率的な保全更新が課題です。 ・地震・風水害等の大災害にも耐える強靱性が重要です。 方向性 これまでのまちづくり インフラ 市街地の拡大に伴うインフラ施設の整備 拠点 都心部をコアとする都市の骨格を形成 土地利用 人口急増に対応し、無秩序な都市開発を抑制 既存インフラの老朽化・人口減少局面への移行 これからの未来を創るまちづくり インフラ 適正な管理により、安心して暮らせる都市基盤づくり ・計画的な保全・更新等により、市民生活に重大な影響を及ぼす事故を発生させない 拠点 新たな拠点を郊外部の活性化につなげる「ダブルコア」のまちづくり ・横浜市での今世紀最大規模の都市開発である上瀬谷地区のまちづくり(248ha)を、郊外部全体の活性化に連鎖 ・2つのコア(拠点)の形成により、都市の多様性・強靱性を向上 土地利用 人や企業を呼び込み、都市活力の維持向上につなげる規制見直し 2029(令和11)年の横浜の姿(まちづくり) ◆取組全体 インフラの適正な維持管理や、地域毎の特色を生かした魅力的なまちづくりを進めると共に、水際線の整備や土地利用規制の見直し、GREEN×EXPO 2027 開催後のまちづくり等、都市の持続的な成長・発展につながる取組が進められています。 ◆個別取組(施策群の指標:抜粋) ・中大口径下水道管の特別重点調査結果に基づく老朽化対策の完了率 【現状】0%→ 100% ・水際線の来街者数 【現状】975万人→ 1,100万人 ・郊外部主要駅における来街者数の対前年変動率 【現状】-0.3%→ 0%以上 2040(令和22)年の横浜の姿(まちづくり) [インフラ]の視点 平時も発災時にも、安心・安全な都市基盤が維持されています。 [拠点]の視点 2つの拠点が形成されることで、都市の多様性・強靱性が高まり、横浜の価値と魅力が高まっています。 [土地利用]の視点 規制見直しによる、地域に応じた人口や就業者・にぎわいの増加や税収増等により、都市の成長・発展へとつながっています。 明日をひらく都市プロジェクト「未来を創るまちづくり」~日々の暮らしを豊かにし、都市の経済を成長させ、活力あふれる横浜へ~ 安心して暮らせるまちづくり まちの基礎であるインフラ施設(上下水道・道路等) を、着実に維持管理します。 将来の大規模災害にも備え、市民の安心・安全な暮らしを守ります。 「ダブルコア」のまちづくり(郊外部のコア) 環境と共生したこれからのまちづくり 郊外部まちづくりのアップデート 「ダブルコア」のまちづくり(都心部のコア) 公共による基盤整備や規制見直しをトリガーに、より広域な民間まちづくりへ連鎖 規制見直しを通じた機能誘導 土地利用規制を時代の変化や社会ニーズに合わせて全市的に見直します。 地域毎の特性に応じた、人や企業を惹きつけ活力ある魅力的な市街地を形成します。 地震・火災 災害時の緊急車両と物資輸送のルート「緊急輸送路」の強靱化 橋りょう耐震化 歩道橋耐震化 環状2号線無電柱化 沿道がけ対策 隣接河川護岸耐震化 大雨・台風 データを活用した事前防災による浸水対策 コラム GREEN×EXPO 2027(2027年国際園芸博覧会) GREEN×EXPO 2027は、瀬谷区・旭区の旧上瀬谷通信施設を舞台に開かれる、世界の花・緑や、環境にやさしい未来をつくる最新技術が集う国際的な博覧会です。気候変動という地球規模の課題の解決に向けて、「環境と共生する未来のグリーン社会」のあり方を、横浜市から世界に向けて発信します。 開催概要 名称:2027年国際園芸博覧会 正式略称:GREEN×EXPO 2027 (グリーンエクスポニーゼロニーナナ) 開催者:GREEN×EXPO協会 (公益社団法人2027年国際園芸博覧会協会) 開催場所:旧上瀬谷通信施設(瀬谷区・旭区) 開催期間:2027年3月19 日(金) ~ 9月26日(日)(192日間) テーマ:幸せを創る明日の風景 ~Scenery of the Future for Happiness~ 博覧会区域:約100ha(会場区域80ha) クラス:A1(最上位)クラス(AIPH承認+BIE認定) 参加者数:1,500万人(有料来場者数: 1,000万人以上) GREEN×EXPO 2027に向けた横浜市の取組 横浜市出展やボランティア、市民参加プログラム、こどもたちを対象とした教育プログラム、催事など、市民や企業の皆様にご参加いただけるよう取組を進めます。 【横浜市出展】 地球にやさしい暮らしや身近な環境との関わりを体感していただくために、横浜市出展としての2つの拠点を設置します。 「建物空間を活用した発信拠点」では、未来に向けて挑戦する市民や企業の皆様と共に、環境と共生する社会の実現に向けた具体的なアクションをつくり出していきます。 「フィールドを活用した活動拠点」では、公園愛護会などの横浜の環境活動団体の皆様が活動・活躍する場として、来場される皆様に感動を届けると共に、環境活動への興味や関心につなげていきます。 【サステナブルな社会を共につくる取組 STYLE100】 横浜市で地球にやさしい暮らしを実践する皆様の取組(STYLE)を発信し、サステナブルな社会の実現に向けたムーブメントを加速させます。GREEN×EXPO 2027までに100のSTYLEの発信のほか、オール横浜で地球にやさしいSTYLEをつくり広げていくパートナープログラム「STYLE PARTNERS」を通じて、 EXPO会場内外、横浜のまち全体でEXPO体験をつくり、次世代へつなげていきます。 GREEN×EXPO 2027の理念や取組の継承 GREEN×EXPO 2027での様々な体験を通じ、新たなグリーン社会に向けた行動変容や自発性、地域とのつながり、そして豊かな暮らしを市民の皆様と共につくっていきます。また、会場の跡地では、平時は「環境との共生」の拠点、災害時には広域防災拠点となる公園の整備を進めるなど、郊外部の新たな活性化拠点に向けて、EXPOの理念や取組を継承しながら、上瀬谷地区のまちづくりを進めていきます。 コラム 市内米軍施設の返還促進と跡地利用の推進 横浜市は、第二次世界大戦後、市の中心部や港湾施設など広範囲に接収され、その面積は最大で1,200ヘクタールに及びました。この接収により、都市の再建と復興は大きく遅れ、横浜市の歩みは長い間制約を受けることとなりました。それ以来、横浜市は、市民・市会・行政が一体となり、市政の最重要課題である「市内米軍施設の早期全面返還」に向けて、粘り強く取り組んできました。その取組の積み重ねにより、着実に施設返還を実現し、今日では市内の米軍施設は4施設、150ヘクタールにまで縮小しました。 引き続き、残された課題の解決と跡地の有効活用による都市の更なる発展に向け、着実に取組を進めていきます。 施設返還の促進 2004(平成16)年10月、日米両政府間で6施設の返還方針が合意され、これまでに小柴貯油施設、富岡倉庫地区、深谷通信所、上瀬谷通信施設の4施設が返還されました。残る根岸住宅地区、池子住宅地区及び海軍補助施設(横浜市域)の飛び地をはじめ、返還方針が示されていない鶴見貯油施設や瑞穂ふ頭/横浜ノース・ドックについても、国への働きかけを続け、早期返還に向けた取組を粘り強く進めます。 なお、根岸住宅地区は早期引渡しに向け、2019(令和元)年11月に共同使用が合意され、2020(令和2)年6月から防衛省による原状回復作業が進められています。 跡地利用の推進 返還跡地は、横浜市内に残された貴重な資源であることから、立地特性等を生かし、地域の活性化や広域的課題の解決に向けた土地利用検討を進めています。 米軍施設・区域の存在により戦後長きにわたり基地の影響を受けてきた民間土地所有者や周辺地域の皆様をはじめ多くの方々から幅広く意見を伺いながら策定した「跡地利用基本計画」に基づき、早期の利活用を目指します。 特に根岸住宅地区については、国有地と民有地が混在する現状を解消し、民間土地所有者等が早期に土地を活用できるよう、市施行による土地区画整理事業を前提に検討を進めます。さらに、医療や健康をテーマとしたまちづくりを目指すと共に、質の高い住宅地の形成や生活利便施設の充実、根岸森林公園の拡充などを図り、様々な人が交流し、にぎわいのあるまちづくりを実現し、都心臨海部の更なる魅力向上に貢献します。 ※ 旧小柴貯油施設:令和3年7月に「小柴自然公園」として一部開園。引き続き全面開園に向けて事業推進中。 ※ 旧上瀬谷通信施設:郊外部の魅力的なまちづくりを進めるため、土地区画整理事業を進めています。 Ⅴ 行財政運営 行財政運営 政策分野の総合的な取組や横断的な取組を進めるにあたって、これらを支える土台となる取組です。政策推進・行政運営・財政運営を密接に連動させることで、持続可能な市政運営を更に強化します。  「施策の推進と財政の健全性の維持」を両立させることを目指し、限られた経営資源を最大限に活用しながら、将来にわたって安定した行政サービスを提供できる体制・仕組みを構築し、市民の皆様の信頼に応える持続可能な市政運営を実現します。 <行財政運営 一覧> 1 行政運営 01便利で安心な市民サービス 02行政運営の最適化 DX推進 横浜市が推進するDXの事例と4年後の姿(ビジョン) 2財政運営 01市民ニーズに柔軟かつ的確に応え続けるための持続可能な財政運営の推進 02将来世代に先送りしない適正な債務管理と投資管理 03将来を見据えたファシリティマネジメント(資産の総合的なマネジメント)の推進 04誰もがわかりやすく共感できる財政広報の展開・情報発信 ページの見方 1取組番号と名称 行財政運営の取組番号とその名称 2現状と課題 横浜を取り巻く状況と課題 3目指す姿 4年後、そして、更に将来にわたって目指すべき姿 4主な取組 具体的な取組 5主な取組における方向性 主な取組の方向性 6主な取組の指標 取組の進捗状況を確認する指標 1行政運営 行政運営 これまでの取組 ・2022(令和4)年度に策定した「行政運営の基本方針」に基づき、横浜市役所を「創造・転換」=「イノベーション」していくための取組を、様々な角度から推進してきました。 ・横浜市の財政状況や複雑な行政課題に直面している状況を踏まえ、組織の見直し等による効率的・効果的な執行体制を構築してきました。また、チームイノベーションを推進するため、職員の能力・役割発揮の最大化に取り組みました。 ・行政手続のオンライン化や庁内のデジタル活用を進め、市民満足度の向上や業務効率化につなげてきました。 ・併せて、多様な主体が連携するためのオープンイノベーションなど、協働・共創の取組を進めました。 今後の方向性 ・少子高齢化社会の進展や、生成AI等の最新技術の発展など、社会の状況が大きく変化する中で、横浜市では一層、イノベーションを加速していく必要があります。 ・デジタル技術の活用をはじめとした便利で安心な市民サービスの向上、BPRによる業務効率化等で目指す行政運営の最適化を両輪として、行政運営を進めていきます。 便利で安心な市民サービス デジタル技術を活用した行政サービスの利便性向上《取組1(1)(2)》 デジタル技術を活用したサービスの導入、区役所窓口の改善等により、市民負担の軽減を進めます。 また、誰もがわかりやすく、より手軽に市政情報にアクセスできる環境づくりを進めます。 地域課題の解決《取組1(3)》 地域とのつながりを大切にし、協働を進めながら、地域支援・個別支援に取り組みます。 また、区役所が主体となり、地域特性を踏まえ、地域へアプローチしていくことで課題への対応力を向上します。 公民連携《取組1(4)》 質の高い公共サービスの提供、地域活性化に向け、様々な民間事業者等と行政の対話による共創の取組を進め、公民連携により複雑化・多様化する社会課題の解決を図ります。 行政運営の最適化 業務効率化 《取組2》 組織体制 《取組3(1)》 人材育成《取組3(2)》 歳出改革 《取組4》 より効率的な行政運営を目指し、デジタル化の進展など取り巻く環境の変化も踏まえ、内部事務や組織体制の見直し、戦略的な人材育成、「施策の推進と財政の健全性の維持」の両立に向けた取組を進めていきます。 DXの推進※ 市民サービス、行政事務の両分野で、デジタル技術を積極的に活用していきます。 新たな価値・サービスの創出に向け、横浜ならではのDXを創り上げることで、デジタルの恩恵を全ての市民、地域に行き渡らせ、魅力あふれる都市づくりを目指します。 このほか、行政運営の基盤となる職員の意識改革やコンプライアンスの推進など、様々な運営事項においても、持続可能な行政運営の実現を支える基盤を強化するため、積極的に取り組んでいきます。 ※ 本計画は、総務省が策定した「自治体DX推進計画」に対応しています。また、 DXの推進に係る101~102ページが、横浜市官民データ活用推進基本条例第3条に基づく「横浜市官民データ活用推進計画」を兼ねるものとして位置づけます。 【参考】行政運営の基本方針 策定(2022(令和4)年度)から10年程度を見据え、横浜市役所と職員が「どのような考え方で、何に重点をおき、どういった姿勢で行政運営に取り組むか」を明確にし、これまでの横浜市役所を「創造・転換」=「イノベーション」していくための市役所内部の大方針として、「行政運営の基本方針」を策定しました。 「横浜市中期計画(行政運営)」は、「行政運営の基本方針」で示した方向性を踏まえた具体的な4年間の目標、指標、主な取組を示しています。 横浜市役所と市職員が目指すこれからの行政運営 Ⅰ 基礎自治体として、ゆるぎない理念を実践する信頼ある行政運営 Ⅱ 持続可能な市政運営に向け、「3つの市政方針※1」を重視した責任ある行政運営 ※1 財政ビジョン、中期計画、行政運営の基本方針(10ページ参照) 視点①職員の意識改革 視点②DX・データ活用 視点③公民連携 行政運営の基本方針 重点1 組織の最適化と職員の能力・役割発揮の最大化 目指す姿 Ⅰ 持続可能な市政運営に向けた「3つの市政方針」の下、市政を担う組織・人材が、「市民目線」「スピード感」「全体最適」を重視し、行政サービスを提供しています。 Ⅱ 「人事異動・育成・研修・評価」「組織再編」等をより効果的・効率的に機能させることで、職員の意欲向上や能力・専門性発揮の最大化を図り、適正な業務遂行能力や個々の課題解決力を高め、チームイノベーション※2が向上しています。 ※2 チームのメンバーがそれぞれの能力やスキルを発揮することで、チームシナジー(相乗効果)を生み、新たな価値や大きな成果を上げること。 重点2 行政サービスの最適化 ~事業手法の創造・転換~ 目指す姿 Ⅰ 時代の変化に対応する業務の最適化やデータに基づく財政運営・政策展開の推進等により、限られた経営資源の中でも必要な行政サービスを持続的に提供し、市民満足度が向上しています。 Ⅱ 歳出改革を段階的に進めながら必要な施策を計画的に進めつつ、戦略的・総合的な政策・事業展開等による税源涵養・税収確保に取り組み、臨時財源に依存しない安定的な予算構造を確立しています。 重点3 住民自治の充実※3と協働・共創による地域の更なる活性化 目指す姿 Ⅰ 市の規模と能力に見合う権限と財源を持つことで、より充実した行政サービスが提供できるよう、「特別市※4」制度の実現に向けて取り組みます。 「特別市」の実現を見据え、住民自治を充実し、地域のニーズを市政・区行政に反映することで、市民満足度が向上しています。 Ⅱ 地域で活動する団体・企業など多様な主体と連携し、それぞれが持つ強みを生かしながら、地域における様々な分野で協働・共創を推進します。 こうした推進を通じて、地域社会における多様な主体の活動が活性化すると共に、更なる参画が促進されることで、市民生活の質を向上させ、地域経済が豊かになっています。 ※3 重点3における住民自治の充実は、「横浜特別市大綱」における「区における住民自治の強化」(住民代表機能、住民参画と協働の充実)を指す。 ※4 「特別自治市」の通称として、「特別市」を使用。 01便利で安心な市民サービス 現状と課題 〇窓口サービス ・市役所における上位100手続のオンライン化が進展した一方で、結婚や引越しなどのライフイベントについては、現状、複数の手続をそれぞれの窓口で行う必要があります。オンラインで手続可能なものと、区役所に行く必要がある手続が混在しており、オンラインだけでは手続が完結しない状況です。 ・手続のために区役所を訪れた市民の皆様が、複数の窓口を回り、同じ内容を何度も記入する必要があるなど、手続に要する時間が長く、来庁者の負担につながっています。 〇AI活用 ・急速に進化するAI技術は、行政においても市民サービスの向上や業務の効率化に大きな可能性を秘めています。 ・AIは定型的な作業の自動化にとどまらず、複雑な判断支援や市民対応の質的向上、更には市民の皆様の声の分析による施策立案の基盤的支援など、多岐にわたる分野での活用が期待されています。 〇地域支援のあり方 ・人口減少やライフスタイルの多様化に伴い、地域のつながりが希薄化する中、地域活動の担い手不足や新たな担い手の発掘が課題です。また、高齢・障害・子育て・貧困など、複合的な福祉保健課題、制度の狭間の課題を抱えた人が増えていくことが考えられます。 〇公民連携の推進 ・複雑化する地域・社会課題の解決や、多様化する市民ニーズに応えていくためには、行政だけではなく、それぞれ固有のノウハウやリソースを持つNPO、企業など、様々な主体と連携し、「協働・共創」を更に進めていく必要があります。 目指す姿 ・ 区役所に行かずに、いつでもどこでも手続ができる状況が実現しています。 また、手続のために区役所を訪れた場合でも、窓口のワンストップ化が進み、短時間で手続を終えられる窓口が実現しています。 ・AI等のデジタル技術の活用により、誰もが必要な情報にアクセスできる環境が整うなど、行政サービスが便利に利用できることで、市民生活の質の向上が図られています。 ・区役所の機能強化や、デジタル技術の活用等を推進すると共に、地域特性に応じた地域支援の充実を図ることにより、地域の活動が活性化しています。 ・公民連携が進み、市民満足度の向上や社会課題の解決が図られると同時に、事業手法の創造・転換につながっています。 取組 1(1) 「行かない」「待たない」「書かない」「回らない」窓口の実現 方向性 区役所で行うライフイベント関連手続のオンライン化や、デジタル技術を活用したサービスの導入、証明発行窓口の統合、窓口のワンストップ化などを行い、市民の皆様の利便性を向上すると共に、効率的な窓口サービスを実現します。 指標 行政手続のオンライン利用率【デジタル統括本部】 現状59% 目標70% 引越し手続に伴う申請書記入枚数【市民局】 現状7枚 目標0枚 コンビニ等での住民票発行利用率【市民局】(コンビニ交付対象外のものを除く) 現状58% 目標76% 引越し手続の所要時間の縮減【市民局】 現状- 目標30%減 1(2) AI活用による市民サービス向上 方向性 生成AI等を活用し、市民の皆様が必要な情報を素早く取得できる環境を構築します。 また、様々な年代、国籍の方など、あらゆる方が市政情報を活用していただけるよう、多言語・ユニバーサルデザインへの対応を進めます。 併せて、市民の皆様の声をAI分析により幅広く市政に反映し、市民目線の政策立案を推進します。 指標 AIサービスの利用者数【総務局・デジタル統括本部】 現状約1,060万人 目標1,450万人以上 市民意見の傾向分析にAIツールを活用した割合【総務局・デジタル統括本部】 現状- 目標100% 1(3) 地域課題の解決に向けた取組強化 方向性 区役所の支援体制の強化による相談・支援の充実を図ると共に、分野横断的な「地域サポートチーム」を新たに設置し、地域主体の課題解決を支援します。 また、地域課題の解決に向け、多様な主体との連携・コーディネートを図ります。 指標 地域サポートチームが伴走し課題解決に取り組む地区数【市民局】 現状- 目標全255地区 市民協働事業数【市民局】 現状278件/年 目標1,120件(4か年) 1(4) 公民連携で実現する社会課題解決 方向性 共創フロントの推進に向け、庁内における民間との連携ニーズの掘り起こしとマッチングの強化を図ると共に、新たなPPP事業の創出に取り組むなど、公民共創の取組を推進します。 横浜版地域循環型経済ビジョン(サーキュラーエコノミーplus)の推進に向け、GREEN×EXPO 2027を大きなステップとして、地域や民間事業者等が連携し、社会課題の解決を図る新たなソリューションを創発するオープンイノベーションを進めます。 指標 共創フロントの実現率【政策経営局】 現状31.3% 目標40% 横浜版地域循環型経済ビジョン(サーキュラーエコノミーplus)の活動エリアの拡大【政策経営局】 現状一部地域で推進 目標市域全体で推進 02 行政運営の最適化 現状と課題 〇業務効率化 ・少子高齢化の進展、社会情勢の変化が激しい中にあっても、限られた経営資源を有効に活用し、地域の課題解決や複合化する福祉保健課題への対応など、市民の皆様の暮らしを将来にわたり支えることができる区役所であり続けるために、デジタル技術等を活用した区役所内部事務の更なる効率化が課題です。 ・また、業務効率化、自動化等について、職員が自らすぐに取り組める環境を整えることも重要です。 〇効率的な組織体制の構築と戦略的な人材育成 ・厳しい財政状況の下で、市民ニーズの多様化に対応するため柔軟な組織再編と執行体制の見直しに取り組んでおり、今後も社会情勢や人口構造の変化を踏まえた持続可能な組織体制を構築することが必要です。 ・生産年齢人口の大幅な減少が見込まれる2040(令和22)年を見据え、社会情勢・市民生活等の変化に対応するため、必要な知識・スキルを保有する人材の戦略的な配置及び育成が課題です。 〇歳出改革 ・今後、更なる生産年齢人口の減少や高齢化が進み、将来的な市税収入の減少や社会保障経費の増加等が見込まれることに加え、新たな行政課題に対応するための施策の推進も求められます。持続可能な市政運営の実現のため、「財政ビジョン」における収支差解消フレームに基づき、更なる財源創出に取り組み、2030(令和12)年度までに減債基金の臨時的な活用からの脱却を実現する必要があります。 目指す姿 ・行政手続オンライン化やデジタル技術を活用した窓口サービスの充実等に合わせて、区役所内部事務についても、業務プロセスの簡素化・集約化、AI活用をはじめとしたDX等によるBPRを推進することで業務効率化が図られており、職員が地域の課題解決や複合化する福祉保健課題への対応などに注力できる環境が整えられています。 ・全体最適の視点で事業の見直しを行い、市民サービスの質を維持・向上させながら、効率的で持続可能な組織体制を構築すると共に、適材・適所の職員配置や知識・スキル向上に向けた人材育成などにより、組織力が高まっています。 ・AIなどの先端技術も活用し、行政サービスや業務を自らデザインできるデジタル人材を計画的に育成・確保し、課題解決に向けて主体的に動けるための環境が整えられています。 ・歳出改革の取組を全ての区局統括本部が主体的・自律的に実践することにより、2029(令和11)年度に実施する2030(令和12)年度予算案の編成において、減債基金の臨時的な活用からの脱却を実現しています。 取組 2業務の効率化と生産性向上 方向性 BPR等による業務見直しを踏まえ、AIをはじめとしたデジタル技術の活用等によるシステム化など、業務効率化を更に進めます。ノンコア業務からコア業務※により注力できる環境づくりを進め、一層質の高い行政サービスを提供すると共に、これまで以上に職員がいきいきと働けるよう、区役所業務や区役所業務と関連する局業務のBPRを推進します。 市役所業務全体についても、デジタル化による定型業務やルーティンワークの見直しを進め、業務効率化と組織の生産性向上を図ります。 ※ コア業務:専門性が高いなど職員による対応が必要な業務 指標 業務時間削減量【総務局】 現状- 目標100万時間以上 3(1) 効率的な組織体制の構築 方向性 限られた人材で最大の効果を発揮するために、DX・公民連携、全体最適の視点により、全事業の見直しを実施し、市民サービスの質を維持・向上させながら、 総人件費の抑制を図ると共に、効率的な組織体制を構築します。 指標 職員配置(人口1,000人あたり職員数)【総務局】 現状5.73人(21,507人)(2025(令和7)年4月現在、普通会計職員数、教職員を除く) 目標 現状値以下に抑制 総人件費の抑制【総務局】 現状1,808億円(2025(令和7)年度一般会計当初予算ベース、ただし、教職員・非常勤職員及び退職手当を除く) 目標 現状値以下に抑制(人事委員会勧告等の影響分を除く) 3(2) 戦略的な人材育成 方向性 各職員のスキル情報や研修歴等を活用し、人事異動と研修を連動させることで、今後求められる知識・スキルを有する職員を計画的に育成します。 特に、データやAIの利活用など、DXの推進に必要な知識・スキルを向上させることで、業務の質とスピードを高め、組織全体の生産性向上につなげます。 指標 成長実感比率【総務局】 現状63.6% 目標70% 4歳出改革の推進 方向性 2029(令和11)年度に実施する2030(令和12)年度予算案の編成において、減債基金の臨時的な活用からの脱却を実現するため、「創造・転換」を理念とする歳出改革を進める仕組みの実践を通じて、各区局統括本部が、主体的・自律的に歳出改革に取り組みます。データを活用した「選択と集中」による施策・事業の新陳代謝を全庁的に進めると共に、戦略的・総合的な財源充実策の展開、組織体制の最適化、市役所内部の更なる業務改革、計画的な投資管理、受益と負担の更なる適正化、ファシリティマネジメントの推進など、あらゆる手法を総動員して、財源創出を図ります。また、AIを活用し、事務事業の各種データを分析することで、更なる財源創出の検討材料とし、新たな歳出改革の取組も検討します。さらに、意識イノベーションの取組をアップデートするなど、更なる歳出改革の推進に向けて、職員の意識改革・行動変容を図ります。 指標 減債基金の臨時的な活用からの脱却に向けた歳出改革の推進【総務局、政策経営局、財政局】 現状2025(令和7)年度活用額:130億円(2022(令和4)~2025(令和7)年度活用額:650億円) 目標2029(令和11)年度に実施する2030(令和12)年度予算案の編成において減債基金の臨時的活用の脱却を実現( 2026(令和8)~2029(令和11)年度活用上限額:300億円) 「創造・転換」による財源創出額【総務局・政策経営局・財政局】 現状186億円( 2022(令和4)~2025(令和7)年度)合計額) 目標240億円以上( 2026(令和8)~2029(令和11)年度の合計額) ※ 令和11年度実施する令和12年度予算案の編成までの合計額 300億円 コラム 持続可能な区役所の実現に向けて ~市民サービスの向上と効率的な行政運営 区役所のリ・デザイン~ 取組の方向性 区役所を取り巻く状況の変化を踏まえ、引き続き、区役所が地域に寄り添い、多様化・複雑化する市民ニーズ・地域課題、複合化する福祉保健課題に対応するため、次の3つの方向性により取組を進めていきます。 地域課題・福祉保健課題への対応力向上 区主体の取組展開や地域支援を強化し、地域課題への対応力を向上させます。 また、複合的な福祉保健課題への相談・支援の取組を強化します。 窓口サービスの利便性向上 デジタル技術を活用した「行かない」 「待たない」 「書かない」「回らない」窓口により、市民の皆様の利便性を向上させます。 区役所業務の効率化 デジタル化の進展など取り巻く環境の変化も踏まえ、効率化の効果が見込める業務等を中心に内部事務の簡素化・集約化・DX等によるBPRを推進します。 主な取組 1地域特性を踏まえた区主体の取組展開 地域特性やデータに基づいて、市民ニーズや地域課題を把握し、様々な市の施策にも紐づけながら、市民の皆様と共に解決する仕組みを構築します。 2地域主体の課題解決の支援の強化 分野横断的な「地域サポートチーム」の設置や社会参加のきっかけづくりから活動の担い手育成までの切れ目のない支援を通じて、課題解決に向けた多様な主体との連携・コーディネートを図ります。 3福祉保健課題に対する相談・支援の取組強化 複合的な福祉保健課題等への対応を強化するほか、ICTを活用した相談しやすい環境の整備や地域の支援者等からの相談を受ける窓口機能を強化し、セーフティネットを充実させます。 4窓口サービスのオムニチャネル化 「行かない」 ライフイベントに関連する手続のオンライン化を拡充し、市民一人ひとりが対面とオンラインを自由に選択できる窓口サービスを実現します。 5受付番号発券のオンライン化 「待たない」 事前WEB発券や自動呼出通知により、自分の順番が近くなってから来庁できる待ち時間の少ない窓口サービスを実現します。 6窓口のワンストップ化 「書かない」「回らない」 ライフイベントに関連する手続や証明発行の窓口をそれぞれワンストップ化すると共に、デジタル技術を活用して「書かない」窓口を実現します。 ※ライフイベント…出生、婚姻、離婚、死亡、引越し、就職、退職 7 区役所業務のBPR AIをはじめとするデジタル技術の活用等により、内部事務の簡素化・集約化・DX等を推進します。併せて、職員の意欲向上や、能力・役割・専門性発揮の最大化、専門知識・技術の継承に取り組みます。 横浜市が推進するDXの事例と4年後の姿(ビジョン) あなたの手の中に市役所が|デジタルで時間を生み、もっと市民の皆様の近くに 4年後には、市役所のイメージが大きく変わります。 ライフイベントの手続はオンラインで完結し、証明書はコンビニで取得が当たり前に。引越しなどの窓口サービスも再設計され、「行かない・待たない・書かない・回らない」が実現。AIの活用が全庁で進み、市民サービスの質向上と業務の効率化が加速。生まれた時間は、相談など“人”によるサービスの充実に生かされ、職員がより市民の皆様に寄り添えるように。市役所も職員も、あなたの人生に寄り添うパートナーへと進化しています。 市民目線のサービス変革 ・ライフイベント手続のオンライン化 ・窓口のワンストップ化 ・AI手続案内導入 業務のリ・デザイン ・AIとのコラボレーションで業務効率化 ・AIエージェントによる定型業務代替 ・内部事務のDX デジタルと暮らす 時間を創る 役所に行かない 書類を書かない 窓口で待たない 手続に迷わない 意思決定・判断の迅速化 ナレッジの蓄積による 業務継続性の向上 判断以外はAI活用 手続時間の半減 ・基本的な手続がすべてスマホで完結 ・自由に使える時間が増える ・行政を意識することなく利便性を実感 価値ある時間の創出 ・業務効率化により、市民対応の時間が充実 ・ニーズに合うきめ細かな対応で安心感や満足度が向上 DXを推進する体制・基盤 “X”(=変革)人材の育成 ・AIなど先端技術の活用による業務改革を主導できる人材の育成 ・専門知識を生かし、技術導入や運用をマネジメント 情報システム基盤 ・クラウド活用の拡大など、変化するICT環境に対応 ・業務効率化と行政コストの最適化を両立 DXの推進に向けた7つの工程表 自治体DX推進計画等、国の方針も踏まえ、以下のマイルストーンを設定すると共に、「横浜市官民データ活用推進計画」に基づく施策として位置づけ、推進します。 市民目線のサービス変革 ❶ オンライン手続の利用拡大 出産や引越しなど、ライフイベント関連手続のオンライン対応を完了します(法令等により制限のあるものを除く)。併せて、マイナンバーカード利活用の拡大や、市民一人ひとりの状況に合わせた案内にも取り組みます。 R8 R9 R10 ・ライフイベント手続のオンライン化推進 ・各種証明書のコンビニ取得促進 ・マイナンバーカード更新時期をとらえた利活用促進 ・手続のUI/UX改善 R11・ライフイベント手続100%対応 指標★行政手続のオンライン利用率(目標値:70%以上) ❷ 待たない・書かない・回らない窓口の実現 受付番号の事前取得で、待ち時間を短縮します。申請書への手書き記入を大幅に削減する仕組みを導入します。複数手続をまとめるワンストップ申請で、市民サービスの向上を図ります。 R8・証明発行窓口の統合を一部区で実施 R9・ワンストップ窓口を一部区で導入 R10・上記2つの窓口を全区に展開完了 R11・AIによる案内の導入など、窓口サービスを更に進化 指標 ★引越し手続に伴う申請書記入枚数(目標値:0枚) ★引越し手続の所要時間の縮減(目標値:30%縮減)  業務のリ・デザイン ❸ AIイノベーションの推進 市民サービスの質の向上と業務効率化の取組をAIで加速させると共に、AI分析により市民目線の政策立案を支えます。 R8・活用試行・検証、一部実装 R9・活用事例の横展開、情報発信 R10・市民サービスでの実装拡大 R11 ・各活用の高度化 ・新技術への継続的な対応 指標★AIサービスの利用者数(目標値:1,450万人以上)市民意見の傾向分析にAIツールを活用した割合(目標値:100%) ❹ DXによる内部事務のリ・デザインで時間創出 先端技術(生成AI×クラウド技術など)を活用し、DXを軸にすべての業務の変革を加速します。これにより従来の常識を超えた規模で内部事務の効率化を図り、市民の皆様に寄り添う時間を生み出します。 R8・AI・RPA、クラウドサービス等の活用推進 R9 R10 ・業務基盤(次期YCAN)の設計、環境構築 R11 ・先端技術を活用できる業務基盤の全庁展開 ・新しい働き方の実現 指標★DXで生み出す時間(目標値:100万時間超) DXを推進する体制・基盤 ❺ DXを推進する組織体制の整備 DX推進人材が職場の取組を牽引する体制を強化します。また、業務で今後求められる知識・スキルを有する職員を計画的に育成し、データやAIなどの利活用を見据えた持続可能な推進体制を構築します。 R8 ・DX推進研修及びデータ利活用研修の充実(~R11) ・デジタル人材確保・育成基本方針の改定・公開 R9 R10 ・研修参加者の継続的なスキル習熟 ・習熟したスキルの知見共有及び業務における活用 R11・DX推進人材による業務改善への参画・主導 指標★DX推進人材が在籍する課等の割合 (目標値:90%以上) ❻ 庁内システム基盤の構築 標準化対象全20業務のうち移行済みの9業務に続き、残る11業務の標準化への対応を進めながら、市民サービスを途切れさせずに、安定的なICT基盤を構築します。 R8・国民健康保険システム標準化対応 R9 R10 R11 ・残り10システム標準化対応推進 ・その他標準化対象外業務への対応 指標★R12までに20業務について標準化対応完了=クラウド活用率(目標値:100%) ❼ デジタル官民共創体制の強化 民間企業との共創を促進するプラットフォーム「YOKOHAMA Hack!」を、更に柔軟かつ迅速な対応が可能な仕組みへと進化させ、多様な行政課題の解決につなげます。 また、AIでの活用を見据えたオープンデータ化を推進します。 R8 R9 R10 R11 【YOKOHAMA Hack!】 ・企業向け情報発信等による会員数の拡大 ・企業等との新たな対話の場を検討・設置 ・企業との対話の場を活性化 ・様々な分野でマッチングを創出 【行政データの民間での活用】 ・オープンデータポータルサイトにおける公開ダッシュボードの拡充 ・行政機関等匿名加工情報の提供 指標 ★行政からの課題提示数 倍増  ★企業等からの提案・連携数 倍増 ★質の高い(機械可読な)オープンデータ率(目標値:100%) 市民サービスを磨き上げ、効率的で持続可能な行政を目指して~横浜市が推進するAIイノベーション~ VISION 従来からの職員の経験や洞察を大切にしながら、AIの可能性を正しく方向付け、活用することで、市民サービスの更なる向上と業務効率化に加え、市政運営を高度化していきます。 また、子育て・教育、医療や福祉等の領域で市民生活の質を高めることや、企業のAI活用を支え、経済成長の好循環を生み出すことにチャレンジしていきます。 今後も続くAIの加速度的な性能向上を的確にとらえ、積極的かつ適切な活用を進めると共に、市民、企業、大学など、多様な主体の皆様との連携・共創の視点を大切にしながら、横浜から世界に向けて力強く発信していきます。 計画期間を通じ、AI活用の取組を加速化・高度化していきます   R7 始動 『土台づくりの年』 ・活用の考え方整理 ・一部試行 R8 実装加速期 『チャレンジの年』 ・活用試行・検証 ・一部実装 R9 拡張期 『スケールアップの年』 ・活用事例の横展開や情報発信 R10 定着期 『市民サービス定着の年』 ・市民サービスでの実装拡大 R11 高度化期 『進化の年』 ・各活用の高度化 ・新技術への継続的な対応 市民サービスの向上 問合せ・相談対応の品質向上(AIチャット等) 市民向け情報発信の充実 子育て・教育、医療・福祉、民間分野等でのAI活用 各分野・民間DX(AI)導入促進 市民目線の政策立案を支えるAI分析 ブロードリスニングの実装 組織のAI力向上 人材育成・基盤整備 業務の効率化と生産性向上 内部事務への生成AI活用 2 財政運営 市民の皆様や社会のニーズに的確に応え、かつ持続可能な市政運営の実現に向けた財政運営 減債基金の臨時的活用からの脱却 <計画期間中の長期財政推計を踏まえた対応> <減債基金の臨時的活用額の推移> これまでの取組 横浜市では、2014(平成26)年6月施行の「横浜市将来にわたる責任ある財政運営の推進に関する条例(以下「財政責任条例」という。)」に基づき、中長期的な視点に立った財政運営を進めるため、基本計画(中期計画)毎に、財政目標(第4条)と目標達成に向けた取組(第5条)を、市民・議会の皆様と共有しながら取り組んできました。 (令和2)年9月に長期財政推計を初めて公表し、生産年齢人口の減少などによる将来的な市税収入の減少や高齢化の進展などに伴う社会保障経費の増加が将来財政に与える影響を明らかにすると共に、2022(令和4)年6月には中長期の財政方針となる「財政ビジョン」を策定しました。 これらの条例等を踏まえ、「施策の推進と財政の健全性の維持」の両立に向け、現計画では、「一般会計が対応する借入金残高の適切な管理」を進めたほか、「創造・転換」を理念とする歳出改革を通じて、「減債基金の取崩による財源対策からの脱却」を計画的に進めてきました。 今後4年間の取組 横浜市を取り巻く社会経済情勢がかつてないスピードで変化する中、市民の皆様の新たなニーズにも柔軟かつ的確に応えつつ、多様化・複雑化する課題等に対し、常に中長期的な財政運営の展望を持ちながら、持続可能な財政運営を推進する必要があります。 そのため、より効果的・効率的な財政運営を目指し、前例にとらわれることなく施策の質の向上や事業の新陳代謝を積極的に進めるなど、「創造・転換」を理念とする歳出改革に取り組むことで、2029(令和11)年度に実施する2030(令和12)年度予算案の編成で減債基金の臨時的活用から脱却を実現します。 ◆ 本計画における財政運営の柱及び財政目標 財政運営1 市民ニーズに柔軟かつ的確に応え続けるための持続可能な財政運営の推進 財政目標 ・減債基金の臨時的な活用からの脱却に向けた歳出改革の推進: 2029(令和11)年度に実施する2030(令和12)年度予算案の編成において減債基金の   臨時的活用の脱却を実現(2026(令和8)年度~2029(令和11)年度活用上限額:300億円) ・市税収納率:99.5% ・未収債権額:180億円 財政運営2 将来世代に先送りしない適正な債務管理と投資管理 財政目標 ・一般会計が対応する借入金残高:2兆9,400億円以下 財政運営3 将来を見据えたファシリティマネジメント(資産の総合的なマネジメント)の推進 財政目標 ・未利用等土地の適正化:15haを適正化(4か年) ・3つの原則による公共施設に係る歳出削減・歳入確保の取組:120件(4か年) 財政運営4 誰もがわかりやすく共感できる財政広報の展開・情報発信 財政目標 ・わかりやすい財政情報の見える化 ・アウトリーチ型の財政広報の実施:市民の皆様にわかりやすく、適時適切に公表・発信 ※上記、財政運営1から4に掲げた「財政目標」は財政責任条例第4条に基づく目標であり、次頁以降に記載する「取組」は条例第5条に基づく取組です。 01 市民ニーズに柔軟かつ的確に応え続けるための持続可能な財政運営の推進 現状と課題 長期財政推計における将来収支差の解消に向け、総合的なアプローチによる効果的・効率的な政策展開・事業執行を図りながら、予算構造を体系化・スリム化し、臨時財源に依存しない財政運営を進め、「施策の推進と財政の健全性の維持」の真の両立に取り組む必要があります。また、時代の変化を捉えた新たなニーズに適切に対応するほか、将来を見据えた税財源基盤の強化を図るため、都市の持続的な成長・発展に向けた税源涵養の検討など、より戦略的・総合的な財源充実策の展開を図る必要があります。 こうした状況などを踏まえ、 2022(令和4)年度以降、「3つの市政方針※1」に基づく歳出改革における“仕組み”の段階的な構築を進めつつ、その実践に取り組むと共に、「財政ビジョン」における収支差解消フレーム※2に基づき、減債基金の臨時的な活用における段階的な縮減に取り組んでいます。 ※1 10ページ参照  ※2 収支差解消フレームの具体的な工程は、116ページ参照 減債基金の臨時的な活用については、現計画において段階的な縮減に取り組みつつ、計画策定時に想定した活用額に対し、歳出改革の取組・進捗状況等を踏まえ「650億円」に収めるなど、活用総額の圧縮にも取り組みました。 ふるさと納税による税収への影響額は年々拡大し、看過できない水準にあるため、特例控除額に定額の上限を設けるなど、制度本来の趣旨に沿った見直しがなされるよう粘り強く国に要望を行うと共に、財源確保の観点から、実質的な税収影響額との差の縮減を目指し、ふるさと納税の寄附受入れを引き続き推進する必要があります。併せて、地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)による寄附等の外部資金を積極的に確保していく必要があります。 また、市税に係る手続のDX等を更に進めることで納税者の利便性の向上を図るなど、着実に税収を確保していく必要があります。未収債権については、債権毎の性質の違いを踏まえながら、適切な改善策を実施し、債権管理の更なる適正化と効率化に取り組む必要があります。 目指す姿 持続可能な市政運営の確立に向け、職員一人ひとりがコスト意識を強く持ち、施策推進を図りつつも「創造・転換」を理念とする歳出改革を更に進め、 2029(令和11)年度に実施する2030(令和12)年度予算案の編成において、減債基金の臨時的活用からの脱却を実現します。 戦略的なまちづくりの推進や、税データ等を活用した施策展開による税源涵養など、全庁的に税収増に向けた取組が推進され、将来の財政基盤の強化につなげられています。 市税収入は、DXによる納税者の利便性向上と効率的で適正な税務行政の推進により、安定的な確保が図られていると共に、未収債権の管理は、早期未納対策の推進や未収債権管理システムの活用等により、全庁的な債権管理の更なる適正化と効率化が図られています。 取組 1 減債基金の臨時的な活用からの脱却に向けた歳出改革の推進(施策・事務事業の最適化、財源確保等の徹底) 方向性 (1)施策・事務事業の最適化 予算編成においては、「成果志向・将来志向・公平性」の3つの原則に沿ったガバナンスを徹底すると共に、DDPによる施策の質の向上や、より効果的な事業への転換を図るなど、施策・事業の「選択と集中」による新陳代謝を進めます。また、外部の視点を取り入れた100大事業を含む事業評価の中で、コスト構造や事業の効率性を分析し、予算の最適化に取り組みます。こうした「創造・転換」を理念とする歳出改革を進めることで、減債基金の臨時的な活用からの脱却と、予算編成における収支差の解消を目指します。 (2)財源確保等の徹底 国庫補助事業等の積極活用、保有資産の売却・貸付等の有効活用など、様々な角度から財源の多様化・充実による財源確保に取り組みます。また、社会全体の変化やニーズを捉えつつ、市民の皆様の利便性向上をはじめとする施策・サービス等の最適化と併せて、受益と負担の適正化に向けた検討を進めます。 指標 減債基金の臨時的な活用からの脱却に向けた歳出改革の推進【財政局、政策経営局、総務局】 現状2025(令和7)年度活用額:130億円(2022(令和4)~2025(令和7) 年度活用額:650億円) 目標2029(令和11)年度に実施する2030(令和12)年度予算案の編成において減債基金の臨時的活用の脱却を実現 ( 2026(令和8)~2029(令和11)年度活用上限額:300億円) 予算編成における収支差の解消【財政局、政策経営局、総務局】 現状2025(令和7)年度予算編成において、▲440億円の収支不足額を解消 目標各年度の予算編成において、長期財政推計による収支差を解消 2 将来を見据えた税源涵養の取組等の推進(税財源基盤の強化、ふるさと納税の推進等) 方向性 都市の持続的な成長・発展に向けた戦略的なまちづくりの推進や税データ等を活用した施策展開による税源涵養、課税自主権の活用検討など、全市的な戦略のもとで税財源基盤の強化に取り組みます。 ふるさと納税を通じ多くの方から横浜市を応援していただけるよう、引き続き横浜らしい返礼品の充実やプロモーション、寄附金活用事業の見える化に取り組みます。併せて、事業推進にあたって地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)の積極的な活用や、事業の性質に応じたその他の多様な財源確保に取り組みます。 指標 税財源基盤の強化【政策経営局】 現状「土地利用誘導戦略」の策定:策定検討 目標税収効果を踏まえた策定及び規制緩和等の実施 横浜市へのふるさと納税(個人版)の受入れ【政策経営局】 現状35.0億円( 2025(令和7)年度) 目標60億円以上( 2029(令和11)年度)※1 ※1 現行税制下を前提としたもの 地方創生応援税制※2(企業版ふるさと納税)の活用【政策経営局】 ※2 制度は令和9年度まで 現状5.2億円※3( 2024(令和6)年度~2025(令和7)年度) 目標25億円※3(計画期間累計) ※3 GREEN×EXPO推進事業(協会負担金分)での活用額を除く 3 公平公正な税務行政の推進と市税収入等の確保 方向性 税務手続のデジタル化を進め、納税者サービスの更なる向上を図ると共に、多様な納付手段の広報や滞納発生の未然防止と現年課税分に重点を置いた収納対策により市税収入の安定的な確保を図ります。 全庁的な債権管理の取組として、滞納発生の未然防止を徹底し、弁護士への徴収委任も含めた早期未納対策を推進すると共に、未収債権管理システムの更なる活用により、債権管理の適正化と効率化を図ります。 指標 市税収納率【財政局】 現状99.3%( 2024(令和6)年度決算) 目標99.5% 未収債権額【財政局、関係局、全区】 現状190億円( 2024(令和6)年度決算) 目標180億円 02 将来世代に先送りしない適正な債務管理と投資管理 現状と課題 横浜市の債務管理は、将来世代に過度な負担を先送りしないよう、人口減少に対応し、市民一人当たりの負担に着目しながら、中長期の時間軸で借入金残高全体を管理していく必要があるとの認識のもと、「財政ビジョン」における中長期のベンチマークとして、「一般会計が対応する借入金 市民一人当たり残高」を掲げました。 この中長期のベンチマークは、持続可能な財政運営の実現に向けて、「債務管理長期フレーム」という仕組みのもと、債務管理のPDCAサイクルを中期計画毎に回すことにより、長期的な目標を捉え、中期で目指す「一般会計が対応する借入金残高」の水準と計画期間中の「市債活用額の水準」を決定し、借入金残高を適切に管理するものです。 現計画では、一般会計の市債活用額を「4か年合計で5,300億円程度」と掲げましたが、臨時財政対策債の発行額減などの影響により、4,530億円程度となる見込みです。 今後の債務管理と投資管理においては、現下の物価高に対応しつつインフラの老朽化等に適切に対応するなど、市民生活の安心・安全や横浜の持続的な成長・発展に貢献していく必要があります。この中で、現計画で未活用となった一般会計の市債発行枠について、中長期のベンチマークも踏まえつつ今後の建設地方債への活用など、計画的・戦略的な活用も進めていきます。 また、市債の活用にあたっては、近年の急激な金利上昇という状況下で、金融状況や市場環境により適した発行手法を検討し、安定的かつ円滑な発行を行うと共に調達コストの低減を目指していくことが必要です。 特別会計※1及び企業会計については、投資的活動がある会計を対象に、現下の社会経済情勢の変化等を踏まえ、10年間の収支見通しを含む経営戦略※2(経営計画・会計運営計画)の更新を行うと共に、中長期を見据えた経営基盤の強化や財政上のマネジメントの向上、計画的かつ効率的な事業運営に取り組む必要があります。 ※1 特別会計:港湾整備事業費、中央卸売市場費、中央と畜場費、市街地開発事業費、自動車駐車場事業費、新墓園事業費、風力発電事業費 ※2 経営戦略:公営企業が将来にわたって安定的に事業を継続していくための中長期的な経営の基本計画 目指す姿 ・「財政ビジョン」における「債務管理長期フレーム」に基づき、将来の市民負担を抑制しつつ、計画的・戦略的な市債活用により、市民生活の安心・安全や横浜の持続的な成長・発展に必要な公共投資を効果的に行いながら、一般会計が対応する借入金残高が適切に管理されています。 取組 1 計画的・戦略的な市債活用と残高管理 方向性 今後の4年間においては、横浜市地震防災戦略や中期計画で掲げる施策の推進のほか、現下の物価高やインフラの老朽化等に対応するなど、必要な公共投資を進めていかなければなりません。こうした中においても、将来世代に過度な負担を先送りしないよう、中長期のベンチマークを念頭に、臨時財政対策債の状況や現計画での市債の活用状況を踏まえながら、元金の確実な償還を通じて、借入金残高を適切に管理していきます。 <計画期間中の市債活用額及び一般会計が対応する借入金残高の推移見込み> 一般会計市債活用額 (参考)H30~R3 4か年計 6,472億円 R4~R7 4か年計 4,530億円程度(5,300億円程度(現計画策定時の見込み)) R8~R11 4か年計 5,300億円程度 建設地方債 (参考)H30~R3 4か年計 4,426億円 R4~R7 4か年計 3,990億円程度 R8~R11 4か年計 5,000億円程度 臨時財政対策債 (参考)H30~R3 4か年計 2,045億円 R4~R7 4か年計 540億円程度 R8~R11 4か年計 300億円程度 一般会計が対応する借入金残高 (参考)R3末残高 4か年計 3兆1,312億円 R6末残高 4か年計 2兆9,492億円 R11末残高 4か年計 2兆9,400億円 指標 一般会計が対応する借入金残高【財政局】 現状2兆9,492億円( 2024(令和6)年度決算) 目標2兆9,400億円以下 2 計画的・戦略的な投資管理の推進 方向性 市民生活の安心・安全や横浜の持続的な成長・発展に向けた取組の推進と投資事業の最適化を図る観点から、データを活用した市全体の投資水準の検討・調整を行い、計画的・戦略的な投資管理を行います。 事業の計画段階で、市民ニーズや投資による事業効果、一般財源負担、市債の活用額・償還財源等について明らかにすると共に、事業期間中や事業完了後といった時機を捉え検証を行います。 指標 投資管理の推進 【財政局、全局】 現状予算編成の中で投資事業の議論を実施 目標投資事業(施設等整備費)の総額管理 3 市場から信頼される市債の安定的かつ円滑な発行 方向性 近年の急激な金利上昇、日銀の金融政策の変更や米国をはじめとする諸外国の政策等に伴い市場環境が大きく変化している中でも、調達コストを意識した上で、安定的かつ円滑な市債発行を実現していく必要があります。そのため、投資家のCSR活動と横浜市の課題解決を結び付けた市債の発行など、新たな発行手法の検討・実施を目指します。 指標 市債発行手法の多様化【財政局、全局】 現状発行手法の多様化(ESG債の発行) 目標新たな発行手法の検討と実施 4 特別会計・企業会計の更なる健全化の推進 方向性 特別会計及び企業会計のうち投資的活動がある会計について、横浜市の重要な都市基盤・インフラの維持に向け、経営戦略(経営計画・会計運営計画)に基づき、引き続き、経営基盤の強化や財務上のマネジメント向上、計画的かつ効率的な事業運営に取り組みます。また、「社会経済情勢の変化等により一般会計での負担が必要となった事業」として、「南本牧埋立事業」について、これまでの対応を踏まえつつ、2032(令和14)年度の会計廃止に向け、計画的に対応していきます。 指標 経営計画、会計運営計画の適切な更新 【脱炭素・GREEN×EXPO推進局、財政局、経済局、健康福祉局、医療局病院経営本部、下水道河川局、都市整備局、道路局、港湾局、水道局、交通局】 現状経営計画・会計運営計画における収支見通しの長期化(10年以上) 目標計画の更新 社会経済情勢の変化等により一般会計での負担が必要となった事業への対応【財政局、港湾局】 現状計画的に縮減 目標計画的に縮減 03将来を見据えたファシリティマネジメント(資産の総合的なマネジメント)の推進 現状と課題 ・市場性の高い土地は利活用が進む一方、未利用・暫定利用でポテンシャルを発揮しきれていない土地(未利用等土地)が2024(令和6)年度末時点で約87ヘクタールあります。将来を見据え、地域の魅力向上や財源への寄与等、様々な可能性を持つ重要な資源として資産を有効活用し、適正化することが必要です。 ・公共施設の老朽化に伴い、保全更新の需要は大幅に増大する見通しとなっている中、施設が提供する機能・サービスの持続的な維持・向上が求められています。そのためには、保全更新を着実に進めながら、施設の規模・数量、質、保全更新コスト等を将来の人口や財政に見合った水準へと適正化していくことが重要です。そこで、公共施設の適正化に向けた個別施設計画※の改定を行っています( 2025(令和7)年度に完了見込み) 。今後は、長寿命化を基本とした保全更新を進めると共に、個別施設計画も踏まえ、具体的な取組を進めていくことが必要です。 ※ 国・地方公共団体等が策定した「インフラ長寿命化行動計画」や「公共施設等総合管理計画」に基づき、長寿命化など個別施設毎の具体的な対応方針を定めたもの。 ・ファシリティマネジメントの推進においては、安定した市民サービスの提供や横浜市の財政負担の軽減につなげることはもとより、PPPの推進等、より民間の活力を生かしていくことが重要です。 ・公共施設の維持には、物価高やDX等の社会経済情勢の変動に適時・適切に対応しながら、品質を確保した保全・更新を計画的に実施していかなければなりません。また、公共工事の担い手である建設業は人手不足が課題となっており、公共工事の持続には建設業の休日確保など、労働環境の改善を進めていくことも重要です。 目指す姿 ・横浜市が保有する土地・建物等を経営資源として総合的に捉え、 保有の在り方・維持管理・利活用の最適化を図る「ファシリティマネジメント」の取組が全庁的に進んでいます。 ・資産の利活用にあたっては、市民の皆様から負託された貴重な財産として、その価値が最大限発揮されるよう、資産の特性に応じて役割・位置づけを明確にした上で、市民の皆様の理解を得ながら、価値が最大化されるような利活用(売却・貸付を含む)が進んでいます。 市民生活を支える公共施設の機能やサービスの持続的な維持・向上に向けた公共施設の適正化にあたっては、少子高齢化の進展等によるニーズの変化を捉え、3つの原則※を踏まえると共に、施設の整備、維持管理・運営では、民間のノウハウ・資金を活用するPPPの視点を取り入れながら最適な手法を選択して推進されています。 ※ 「財政ビジョン」で位置づけた、公共施設の適正化を具体化するための基本原則(保全・運営の最適化、施設規模の効率化、施設財源の創出) インフラ整備の担い手や、地域の守り手である建設業について、休日確保など労働環境の改善が図られると共に、物価高やDX等の社会経済情勢の変動に適時・適切に対応しながら、公共工事が安定的・効率的に実施されています。 取組 1資産の適正化の推進 方向性 適正管理を徹底し、データ活用や人材育成に取り組み、社会経済情勢の変化等で暫定利用となっている土地や、廃校等の用途廃止施設等について、積極的に適正化を進めます。 適正化までに期間等を要する資産は、検討を着実に進めつつ、一時貸付等による歳入確保・管理費等の歳出削減など持続可能な財政運営を意識した取組を進めます。 指標 未利用等土地の適正化【財政局、関係局、全区】 現状適正化計画の策定・進捗管理 目標15haを適正化(4か年) 2公共施設の適正化の推進 方向性 施設類型(学校施設、市営住宅、市民利用施設)毎に、「財政ビジョン」に掲げた規模効率化の目標達成に向け、具体的な方針を策定し、再編整備を推進します。併せて、市民利用施設については、人口動態やライフスタイルの変化、デジタル化等の時代の要請や市民の皆様のニーズを踏まえた機能のアップデートを目指し、施設の将来像を検討します。また、「保全・運営の最適化」「施設規模の効率化」「施設財源の創出」の原則に基づき、 PPPの活用などを含む最適な手法により公共施設マネジメントに取り組むことで、各施設のサービスの持続的な維持・向上を図ります。 指標 施設再配置等方針の策定及び施設の再編整備の実施【財政局、関係局、全区】 現状個別施設計画の改定 目標施設類型毎に実施 3つの原則による公共施設に係る歳出削減・歳入確保の取組【財政局、関係局、全区】 現状24.3件/年(2022(令和4)年度~2024(令和6)年度の平均) 目標120件(4か年) 3公共工事における建設業の働き方改革の推進、適正な発注による品質確保 方向性 公共工事における、施工時期の更なる平準化に向け、繁忙期(1~3月)の工事量を削減することで年間の工事量を安定させ、労働環境の改善である休日確保など働き方改革の推進につなげていくと共に、生産性向上にも取り組みます。また、物価高やDX等の社会経済情勢の変動に適時・適切に対応しながら公共工事を安定的・効率的に実施すると共に、価格と施工技術や体制等を一体評価する「総合評価落札方式」により信頼性の高い工事を実現し、インフラ維持管理の負担軽減など公共工事の品質確保を図ります。 指標 平準化率(繁忙期のピークカット)【財政局、関係区局】 現状1.09 目標1.00 工事発注(単独随意契約を除く)における総合評価落札方式の適用率【財政局、関係区局】 現状7.6% 目標10%確保(2029(令和11)年度末) 04誰もがわかりやすく共感できる財政広報の展開・情報発信 現状と課題 ・社会経済情勢の変化が大きい中、持続可能な財政運営を続けていくためには、市民・議会・行政の3者がこれまで以上に財政の現状と未来を共有し、「施策の推進と財政の健全性の維持」の両立に向けた取組を推進していくことが求められます。 ・これまでも、市民の皆様にわかりやすく財政情報を発信してきましたが、現役世代はもとより、こどもたちなど将来の市民の皆様に豊かな横浜の未来をつないでいくためにも、生活に密接に関わる財政への関心を高めていただき、持続可能な市政運営の実現に向けた財政運営に対して、「共感」が生み出されるような効果的な広報の展開が必要です。 ・地方自治体の財政運営の前提となる国の地方税財政制度は、大都市の特性や基礎自治体の実態を十分に反映したものになっているとは言えません。他の指定都市等とも連携して客観的なデータ等をより活用しながら、戦略的な国要望に粘り強く取り組んでいくことが求められます。 目指す姿 ・様々な世代やニーズに応じ、時代感覚に沿ったアウトリーチ型の財政広報等を通じて、人口減少や社会経済情勢の周辺状況を踏まえた財政運営上の課題や方向性が、市民の皆様と共有されています。また、持続的な財政の実現に向けた取組などに「共感」が生まれるなど、横浜市の将来について共に考え、共に行動する関係にもつながっています。 ・国の地方税財政制度の充実に向けて、社会経済情勢の変化や市民の皆様の要請を十分に踏まえたうえで、大都市の行政現場の実態や客観的なデータに基づき、横浜市や指定都市における課題をわかりやすく発信し、国に対して適時適切な課題提起や提案・要望を行っています。 取組 1世代やニーズに応じた、わかりやすく利活用しやすい財政広報の展開 方向性 中長期的な財政情報をはじめ、透明性を確保しつつ、わかりやすく利活用しやすい情報発信に取り組みます。また、次世代を含む多くの市民の皆様に情報をお届けし、財政運営に共感いただくため、世代やニーズに応じた広報に取り組むと共に、デジタル媒体の活用や財政出前講座といった双方向型の広報など、アウトリーチ型の財政広報を展開します。さらに、市職員が時代の変化を捉え、新たなニーズに適切に対応しながら「創造・転換」による事務事業を実施できるよう、研修などを通じて財政運営への理解促進に取り組みます。 指標 わかりやすい財政情報の見える化、アウトリーチ型の財政広報の実施【財政局、全区局】 現状アウトリーチ型の財政広報認知件数:14万回/年( 2024(令和6)年度実績) 目標200万回(4か年) 現状中期財政見通し:中期計画策定時、毎年度の予算編成開始時 長期財政推計 : 2022(令和4)年8月更新 財政広報コンテンツの公表・発信 目標市民の皆様にわかりやすく、適時適切に公表・発信 2地方税財政制度の充実に向けた課題提起 方向性 横浜市及び国全体を取り巻く社会経済情勢は大きく変化しており、この変化を踏まえ、機動的かつ効果的な要望を発信する必要性が更に高まっています。そのため、社会経済情勢のトレンドを捉え、喫緊の課題解決に向けて機動的・積極的に提案・要望を行うと共に、国の制度における構造的な課題に対しては、引き続き粘り強く働きかけを行っていきます。 指標 国への提案・要望【財政局】 現状横浜市「国の制度及び予算に関する提案・要望」 指定都市「大都市財政の実態に即応する財源の拡充についての要望」 指定都市「国の施策及び予算に関する提案」 目標横浜市の将来を見据えた機動的な提案・要望を実施 歳出改革の取組 1 地方自治体の財政を取り巻く現状等 現在の社会経済情勢は、足下の景気が緩やかな回復局面にあるものの、賃金の伸びは物価上昇に追いつかず、物価高による影響が継続している状況となっています。さらに、高齢化の進展や近年の国制度改正等により社会保障経費が増加している一方、歳入の根幹である市税収入は歳出の伸びを補うほどには増加していない状況にあります。加えて、市民の皆様の安心・安全を守るため、横浜市地震防災戦略やインフラの老朽化等への対応など、必要な公共投資にも対応していく必要があります。このような厳しい自治体の経営環境においても、持続可能な財政運営を進め、「施策の推進と財政の健全性の維持」の両立に、しっかりと取り組んでいく必要があります。 2 歳出改革の必要性 ~現行税財政制度をもとにした長期財政推計を踏まえて~ こうした状況にしっかりと対応していくためには、計画期間中、年間300~340億円程度を目途とした歳出改革が必要となります。計画で掲げた施策の推進に着実に取り組みながら、各年度における収支差を解消すると共に、2029(令和11)年度に実施する2030(令和12)年度予算案の編成における減債基金の臨時的活用からの脱却に向け、「創造・転換」による歳出改革の取組を進めていきます。 3 計画期間中の歳出改革の推進 これまで、「財政ビジョン」に掲げた、2030(令和12) 年度までに減債基金の臨時的活用からの脱却、予算編成における収支差の解消の達成に向け、歳出改革の仕組みの段階的な構築と実践を進めてきました。 今後は、これらの仕組みを深化させながら、全ての施策・事業を対象に、データに基づき課題・効果の検証を行い、施策の質と効果を高めながら「創造・転換」を理念とする歳出改革を進めます。 また、区局統括本部長をはじめとする責任職のリーダーシップのもと、職員一人ひとりが厳しい財政状況を自分事として認識した上で、全区局統括本部において、従来の施策・事業の枠にとらわれず、主体的・自律的な財源創出の取組が定着するよう、更なる職員の意識改革・行動変容を図ります。 Ⅵ 大都市制度 「特別市」の早期法制化の実現に向けて 横浜市では、急速に進むと予測される人口減少・超高齢社会など、多くの課題に対応し、市民の皆様の暮らしをしっかりと支え、また、経済を活性化させて大都市としての力を最大限に発揮し、日本全体の発展にも貢献していくために、新たな大都市制度「特別市」の早期法制化の実現に向けて取り組んでいます。 「特別市」は、横浜市を分割して新たな自治体をつくるのではなく、市域内のことが市で完結する、横浜市の一体性を生かした効率的・効果的な制度です。 大都市横浜が抱える主な課題 市と県の二重行政 市と県の間で、事務・権限が分かれていることにより、窓口が分散し、子育て支援、福祉・保健・ 衛生、まちづくりなど様々な分野で非効率な二重行政が生じています。 不十分な税制上の措置 政令指定都市である横浜市は市の事務に加え、県に代わって保健所や土木事務所など多くの事務を担っています。しかし、仕事量に見合う税源が十分に措置されていません。 人口減少社会の到来・超高齢化の進行 少子高齢化は大都市部でより急激に進行します。進行に伴い、社会保障経費が大幅に増加することも見込まれます。 公共施設の老朽化対策    高度経済成長期に集中して整備した公共施設の保全・更新需要への対応が必要となっています。 こうした政令指定都市制度特有の課題を抜本的に解決し、厳しい社会経済情勢においても、将来にわたってより良い行政サービスを市民の皆様に提供していくためには、政令指定都市制度に代わる新たな大都市制度「特別市」の実現が必要です。 新たな大都市制度「特別市」が課題を解決 二重行政の解消による行政サービスの向上 市と県の二重行政が解消され、市域内の事務や行政サービスを特別市が一元的に担うことで、より効率的・効果的な行政サービスを提供します。 積極的な政策展開による経済の活性化 成長分野への投資など積極的な政策展開により、 市域内の経済・産業活動を活性化させます。その影響を周辺地域や国全体に広げていきます。 横浜市の対応 ①機運醸成の取組 特別市制度の必要性や制度の骨子、国や県が示す課題に対する横浜市の考え方等を「横浜特別市大綱」としてまとめ、公表しています。 特別市制度を選択できるようにするために、まずは国における法制化が必要です。市民の皆様と一体となって機運を醸成していくことが、法制化の実現への大きな推進力になります。広報紙やSNSなど、あらゆる媒体を活用したPRのほか、市民の皆様に直接ご説明するシンポジウムや意見交換を行う説明会等を開催し、市民の皆様の理解促進に取り組んでいます。 ②他の政令指定都市との連携強化 特別市の法制化の実現に向けては、全国に20ある政令指定都市とも連携して取り組んでいます。 政令指定都市の市長で構成する指定都市市長会では、特別市の創設を含む多様な大都市制度の必要性をまとめた提言を公表したほか、特別市を法制化するための法律案を作成し国へ提案しています。 また、神奈川県内の政令指定都市である川崎市・相模原市とも現行制度の課題を共有しており、特別市の法制化に向けて、3市の市長と正副議長による懇談会を開催し、国や政党に要請を行うなど、連携して取組を推進しています。 今後に向けて 引き続き、特別市制度の必要性について市民の皆様に広報し、実現に向けた機運を醸成していきます。併せて、法制化に向けて、国での議論が進むよう、他の政令指定都市とも連携・協調しながら、国や関係機関等への提案・要望を行います。 なお、現行制度の下においても、県との二重行政の弊害が解消され、市民サービスの向上につながる事務については、権限と財源の移譲について県と協議を進め、実質的に特別市に近づけていきます。 横浜市が目指す「特別市」制度 市のサービス 国以外の仕事は全て横浜市が担います 県が市域で実施している事務と基礎自治体として市が担っている事務を統合するため、行政の無駄がなくなり、市民のニーズに沿った、きめ細かな行政サービスが迅速に提供できます。 市の税金 横浜市の役割・仕事量に見合った公平な税制にします 市域での国以外の仕事は全て特別市が行うため、財政中立の観点から、役割・仕事量に見合った新たな税財政制度とします。 近隣市町村 県や近隣市町村と協力して行政運営を行います 生活圏・経済圏など影響が強く及ぶ周辺地域も含めた都市圏全体を考えて行政を運営していくことで、引き続き、圏域の中枢都市としての役割を果たします。 区 区役所機能・住民自治を強化します 市内に東京の特別区のような新たな自治体をつくるのではなく、区役所機能・住民自治を強化する行政区とします。横浜の強みである都市の一体性を生かして、効率的・効果的な行政運営を行います。 特別市の実現により期待できる効果 特別市が実現すると子育て支援や安全対策、まちづくりなど、市民の皆様の暮らしに関わる様々な分野で、二重行政の無駄がなくなり、より効率的・効果的に行政サービスを提供することができます。 積極的な政策展開による経済の活性化 二重行政の解消による行政サービスの向上 子育て支援 保育園、認定こども園、幼稚園において、市と県に分かれている業務を市にまとめることで、子育て家庭の要望に寄り添いながら、総合的な支援ができます。 医療政策 県の権限となっている医療計画の策定などを市で行うことが可能となり、地域の医療需要を的確に反映させた医療提供体制をより迅速かつ円滑に、構築することができるようになります。 崖地の安全対策 県の権限となっている急傾斜地(崖地)の対策業務を市で行うことが可能となり、避難体制の整備や助成金制度等を含む総合的な崖地対策により、市民の安心・安全につながる災害に強いまちづくりを進めることができます。 都市計画 県の権限となっている都市計画事業の認可を市で行うことが可能となり、地域の実情に応じた事業効果の早期発現や事業期間の短縮につなげることができます。 就業支援・雇用対策 市と県に分かれている就業支援・雇用対策に係る事業を市にまとめることで、総合的かつ一元的に実施できるようになり、就労支援メニューなどを充実させ、よりきめ細かな支援ができます。 コラム 18区の取組事例 区役所においても、中期計画の政策・施策に連動して、地域特性を踏まえた様々な事業・取組を実施しています。 ※各区の事業・取組は例示であり、この他にも様々な事業・取組を実施しています。 鶴見 環境行動・脱炭素化の取組推進 鶴見と沖縄とのつながりを生かし、沖縄美ら海水族館と連携した「つるみ・ちゅらうみ企画」を毎年度実施しています。専門家による授業や体験型コンテンツを通じて、楽しみながら海洋環境保護や脱炭素を学べるイベントです。 また、脱炭素に向けたアクションを宣言する「TSURUMI GO GREEN宣言」など、区民の行動変容に向けた取組を進めています。 神奈川 小中学校での出前教室を通じた地域福祉保健活動支援 地域福祉保健活動の重要性を伝え、こどもたちの声を計画に取り入れると共に、地域活動への参画を進めるため、小中学校での出前教室を行っています。ポイ捨ての多いエリアにポスターを掲示する美化活動に取り組んだクラスや、地域ケアプラザ職員から高齢者支援を学び、モルックなどの健康支援活動に取り組んだクラス等、出前教室をきっかけに地域活動の活性化につながっています。 西 横浜駅とその周辺の美化・環境向上 国内外から多くの来街者を迎えるGREEN×EXPO 2027を契機に、横浜の玄関口である横浜駅とその周辺で、清掃活動、スマートごみ箱設置事業者への支援、ポイ捨て抑制の路面標示の設置などを通じた美化・環境向上を推進します。併せて、地域と事業者及び行政の協働で行っている「きれいなまちづくり検討会」への活動支援を実施し、公民連携によるきれいなまちづくりを推進します。 中 多文化共生推進の取組 開港のまち中区は、外国人住民が多く、区の人口の1割強を占めています。 こうした背景を踏まえ、「第3期中区多文化共生推進アクションプラン(令和8年度~12年度)」のもと、多文化共生施策を推進します。区役所と「なか国際交流ラウンジ」が緊密に連携し、地域連携コーディネーターが地域に出向き、外国人住民の生活支援や地域とのつながりづくりに取り組むほか、区内の事業者・団体と連携した地域の魅力づくりを実施します。 南 地域の力で支える介護予防 南区独自の介護予防ボランティア 「かいご予防サポーター」は、2025(令和7)年に活動20周年を迎え、地域で「脳トレウォーキング教室」や「フレイル予防出前講座」を行うなど、地域主体の様々な取組のリーダーとして、介護予防の大切さを伝えています。 かいご予防サポーターや地域ケアプラザと連携しながら、地域の皆様が健康寿命を延ばし、いつまでも自分らしく暮らせるよう、介護予防に取り組んでいます。 港南 災害に強いまちづくり事業 2024(令和6)年度に発足した「こうなん災害時協働隊」は、企業の事業特性や保有する資格・技術を生かし、災害時に地域を支援する港南区独自の制度です。この協働隊が地域防災拠点運営訓練へ参加して地域との連携を深め、災害時の安心につなげています。 「自助・共助」の推進を図りながら、地域・企業・行政が連携し、協働による地域づくりをより一層推進しています。 保土ケ谷 輝けシニア!事業 住み慣れたまちで暮らし続けることができる保土ケ谷区を目指し、高齢者が可能な限り地域で自立した生活を行うために、健康づくり・介護予防の普及や住民主体の地域の活動である「きらり☆シニア塾」を支援するほか、認知症支援のシンボルである「ほどがやオレンジロバ」の活用やサポーター養成講座等を実施し、認知症への理解・対応・見守りにつながる普及啓発を進めていきます。 旭 障害者の社会参加と障害理解の促進イベント「あっぱれフェスタ」 障害者とアーティストが協働し創作した舞台を通じて、多様性と対話の力を伝える「あっぱれフェスタ」を開催しています。日常の枠を超えた交流から生まれる表現は、互いの違いを尊重し合うことで生まれる新しい可能性を示しています。また、同時開催されるマルシェでは、各施設による製品が並び、来場者との新たな出会いを生み出します。多様性を受け入れ、ゆるやかなつながりを育む場として、障害者の社会参加と障害理解を広げます。 磯子 区民の健康づくり応援事業 生活習慣病予防等を通じた健康寿命の延伸を目指し、働き・子育て世代をはじめとした区民の健康づくりを応援しています。各地域や区内立地企業が主催するイベント等に出向き、保健活動推進員や食生活等改善推進員と連携して、食生活や歯の健康、運動、禁煙、がん検診、特定健診などについて、健康チェックや各種相談等を行っています。誰もが気軽に参加できる健康づくりの機会を広げるため、地域の方々と共に取り組んでいきます。 金沢 LINKAI横浜金沢推進事業 金沢区臨海部にある市内最大級の産業団地「LINKAI横浜金沢」には、多様な企業が集まっています。区内の大学生による企業取材記事や産学官連携イベント「Aozora Factory」を通じて、地域産業やものづくりの魅力を発信しています。さらに、ハローワークと協力した就職フェアで企業と求職者のマッチングを促進。こうした取組により、地域産業の活性化と人材確保を同時に進めています。 港北 保護者もこどもも安心できる子育てしたいまち 多くのこどもたちが暮らし、子育て世代の転入も盛んな港北区では、慣れない土地で初めての子育てをする方も少なくありません。こうした状況を踏まえ、地域の皆様と協働し、両親教室や赤ちゃん会、保育所や放課後の居場所に関する情報提供、支援が必要な児童・家庭のサポートなど、妊娠期から学齢期まで切れ目のない支援をしています。こうした取組により、子育て世代をつなぎ、保護者もこどもも安心できる子育てしたいまちづくりを進めます。 緑 みどりの魅力あふれるまちづくり GREEN×EXPO 2027の開催とその先を見据え、持続可能な社会への関心を育むこども向けイベントの開催、公園愛護会等への積極的な支援、地域住民及び区内の小学生~大学生による清掃活動などを通して、花や緑、環境を大切にする意識の向上や行動変容につながる取組を進めます。 地域への愛着や郷土愛を育むと共に、あらゆる世代がまちづくりに参加し、「住みたい、住み続けたい」と思える緑区を目指します。 青葉 子育て支援 区内11エリアの「地区別子育て支援ネットワーク連絡会」では、出生数の推移や子育てに関するニーズ調査などのデータを活用し、エリアの課題、支援策の検討を行っています。人口増加が見込まれるエリアの町内会館で地域子育て支援拠点による「出張ひろば」を開催したり、美しが丘公園こどもログハウスで「子育て支援者事業」を実施したりしています。また、公的施設が少ない地域には「親と子のつどいの広場」を設置するなど、地域に応じた支援につなげています。 都筑 都筑スタイル~自治会町内会応援事業~ 自治会町内会の担い手不足の解消や、持続可能な運営の足掛かりとするため、組織運営の見直しや地域活動団体との連携による「新しい運営スタイル」の創出と意識啓発を進めています。ニーズに合わせたアドバイザー派遣や、地域活動団体との交流会により、課題解決やマッチングの機会を提供し、連携事例も生まれています。これらの取組を通じ、自治会町内会活動がもっと楽しく、クリエイティブになるよう支援しています。 戸塚 とつか音楽の街づくり事業 区民に音楽を気軽に楽しんでもらう機会を提供するため、毎月「とつか音楽の日」を設け、地域ボランティアを中心とした「区民広間コンサート」や、商店街を中心とした実行委員会による「とつかストリートライブ」を戸塚駅周辺で開催しています。 こども向けの音楽をメインとした回を設けるなど、より幅広い世代に音楽の魅力を感じてもらえるよう進めていきます。 栄 花と森と川のまち推進事業 地域で活動している団体と連携し、花・緑・農・川のある豊かな生活環境を守り育てていくと共に、広く区民に発信することで、区民一人ひとりの関心を高め、魅力あふれるまちづくりを進めます。 花壇の整備や、デジタルマップを活用した森といたち川が一体となった魅力の発信、小学校でキッチンカーレシピを考案する地産地消の推進などの取組を進めます。  泉 泉わくわく応援隊 「泉わくわく応援隊」は、小中学生の頃から地域活動に興味・関心をもって参加してもらえるよう、こどもと地域・活動団体をつなぐボランティア制度です。お手伝いとしてこどもたちが地域の方と一緒に活動することで、地域活動の活性化や多世代の交流につながっています。泉区社会福祉協議会と連携し、区内の様々な団体の活動で「泉わくわく応援隊」の活用が広がっており、継続的に参加するこどもたちも少しずつ増えています。 瀬谷 GREEN×EXPO 2027開催を契機とした脱炭素・環境行動の推進 区民一人ひとりが取り組める脱炭素・環境行動の提案と啓発を通じて、GREEN×EXPO 2027開催後の行動変容とレガシー形成につなげていきます。 こどもから大人までが楽しめる体験型イベントを開催すると共に、環境に関するこどもの意見を聴く機会も設けるなど、環境について主体的に考える多様な機会を、目的に応じて効果的かつ多角的に展開していきます。 Ⅶ 計画の前提 将来的な人口減少・少子高齢化 横浜市の2024(令和6)年中の人口動態は4年ぶりの人口増となり、全体の社会増減が過去20年で最大のプラス(前年比18,802人増)になると共に、20代から40代の社会増も、過去20年で最大のプラス(前年比16,526人増)となりました。 一方で、我が国最大の人口を抱える基礎自治体である横浜市も、今後、避けることができない人口減少局面を迎えることが推計されています。全国と比べて減少カーブは緩やかであるものの、2070(令和52)年には、約308万人まで減少する見通しとなっています。 2025(令和7)年1月1日時点の推計人口が前年同月比で増加に転じたため、この変化を反映すべく改めて簡易な推計を行いました。 その結果、人口減少傾向に変化はないものの、2070(令和52)年時点の推計人口は前回の推計では、約301万人でしたが、今回の推計では、約308万人となり、約6万6千人多くなる見込みです。 高齢者単独世帯の増加、要支援・要介護率の上昇 高齢化の進展とあいまって「高齢夫婦世帯」及び「高齢単独世帯」が増加しており、「高齢単独世帯」は、今後、増加していくことが見込まれます。また、要支援・要介護認定を受けている認定者数は、今後も増加していく見込みです。 高齢者だけではなく、こどもから現役世代まで、広く安心を支えていく全世代型社会の仕組みづくりが重要です。 未婚割合の上昇 50歳時の未婚割合は上昇しています。 また、合計特殊出生率(一人の女性が一生に平均して産むこどもの人数)は、2015(平成27)年から減少傾向が続いています。 出産や子育てが個人の選択であることを前提としながら、希望する人が安心してこどもを生み育てることができる環境づくりを進めると共に、全てのこどもの健やかな育ちを支える必要があります。 経済状況 市内GDP、国内GDP共に、エネルギー・原材料価格の高騰などの影響を受けつつも、新型コロナウイルス感染症の影響からの回復基調が見られます。 変化の激しい時代において、持続的に成長・発展する横浜経済を目指していくためには、引き続き、横浜市の経済を支える市内企業の支援・活性化などにしっかりと取り組んでいく必要があります。 気候変動と災害の激甚化 市内の平均気温は年々上昇しており、2025(令和7)年7、8月の平均気温は、過去最高を記録した昨年並みに上昇し、猛烈な暑さに見舞われました。地球規模での気候変動を生活の中で実感することが増え、猛暑や豪雨などが日常的なリスクとなっています。 激甚化・高頻度化する風水害やいつ起きてもおかしくない大地震への対策を迅速に進めていく必要があります。 横浜市の財政状況 歳入面では、市税収入が、企業収益の増などにより2024(令和6)年度決算では3年連続の増収、過去最高の8,937億円となりましたが、今後、日本全体の生産年齢人口が減少していく中で、横浜市の市税収入の約5割を占める個人市民税も徐々に減収していくことが見込まれています。一方、歳出面では、長引く物価高の影響に加え、社会保障経費の増や、公共施設の老朽化による維持コストの増などが見込まれており、歳入と歳出の収支差は拡大していくことが見込まれています。 横浜市では、2022(令和4)年度に「財政ビジョン」を策定し、減債基金をはじめとする臨時財源を活用した「持続性に欠けた危機的な状況」から脱出するため、中長期的な視点に立った「創造・転換」による歳出改革に取り組んできました。引き続き、市民ニーズを捉えた施策を推進しながら、持続可能な財政運営に向けた取組を一層強化していくことが必要です。 個別分野別計画等の策定・推進 明日をひらく都市の実現に向け、現計画の間、様々な取組を進めてきました。 2022(令和4)年6月 横浜市の持続的な発展に向けた財政ビジョン策定 第3期横浜市スポーツ推進計画策定 2022(令和4)年7月 よこはま安全・安心プラン改定 2022(令和4)年12月 横浜市中期計画2022-2025策定 2023(令和5)年1月 行政運営の基本方針策定 横浜市地球温暖化対策実行計画改定 2023(令和5)年2月 第4期横浜市教育振興基本計画策定 2023(令和5)年12月 横浜市観光・MICE戦略策定 2024(令和6)年1月 ヨコハマ プラ5.3(ごみ)計画策定 2024(令和6)年2月 横浜みどりアップ計画[2024-2028]策定 2024(令和6)年3月 第5期横浜市地域福祉保健計画策定 よこはまポジティブエイジング計画策定 よこはま保健医療プラン2024策定 第2期横浜市自殺対策計画策定 第3期健康横浜21策定 横浜市図書館ビジョン策定 2024(令和6)年4月 第4期横浜市障害者プラン改定版策定 2025(令和7)年3月 こども、みんなが主役!よこはまわくわくプラン策定 横浜市地震防災戦略改定 横浜市下水道浸水対策プラン策定 2025(令和7)年5月 横浜市都市計画マスタープラン(全市プラン)改定 2025(令和7)年9月 新たな中期計画の基本的方向公表 共にめざす都市像 明日をひらく都市 横浜市基本構想(2006(平成18)年策定) 市民力と創造力により新しい「横浜らしさ」を生み出す都市 横浜は、平和や人権の尊重を基調として、世界との窓口として歴史的に果たしてきた役割を常に認識しながら、知恵と活力を最大限に発揮し、市民が生き生きと暮らせる魅力あふれる都市であり続けます。 また、年齢や性別、障害の有無や国籍にとらわれることなく、多様な個性を尊重し、市民自らが多様な力を地域社会で発揮します。市民の意識と行動が、これからの横浜を形づくります。新しい「横浜らしさ」を生み出し世界に発信することで、横浜は常に新たな魅力と活力を創造し続けます。 都市像を支える5つの柱 1世界の知が集まる交流拠点都市 2新たな活躍の場を開拓する活力創造都市 3多様な働き方や暮らしができる生活快適都市 4市民の知恵がつくる環境行動都市 5いつまでも安心して暮らせる安全安心都市 個別分野別計画の例:横浜市都市計画マスタープラン 未来をひらく 次世代に誇れる都市づくり 目標年次 2040年を目標年次とします。 どのように実現していくのか 人口減少や超高齢社会の一層の進展、気候変動に伴う災害リスクの増大など、横浜をとりまく環境は大きく変化しています。 横浜が、人や企業を呼び込み、活力あふれる都市であり続けるためには、様々な変化に伴う課題を先取りして、その解決に向け、一歩踏み込んだ行動が求められます。 そのため、新しい技術や制度の実験的活用、これまでのまちづくりのルールの見直しなどにも積極的に挑戦し、これまでにない都市の魅力づくりを進めていきます。 横浜らしい進取の気質を生かして、地球環境やケア、新しいモビリティなど複雑化・多様化する社会課題の解決に先駆的に取り組んでいきます。 地域のことをよく知る市民の方々、都市づくりに意欲的な企業、行政など、それぞれが得意分野を持ち寄り、結集して、新たな価値を生み出す取組を進めていきます。 2027年には、「グリーンシティ」を世界に発信する国際イベントであるGREEN×EXPO 2027が横浜で開催されます。これを横浜の都市づくりの転換点と捉え、市全域でのGXの実装へとつなげます。 Ⅷ 計画の策定経過 素案策定までの経過 R6.6 市民生活・needs調査① R6.8 横浜市中期計画2022-2025 中間振り返り(市民インタビュー) R6.11 若者世代意識調査 R6.11 パマトコ利用者調査 R6.12 市民生活・needs調査② R7.3 市民目線のニーズ探究調査【中間報告】 R7.6 こどもワークショップ「横浜の未来のまち」  R7.6 デジタルを活用したこどもの意見募集「未来の横浜についてのアイデア募集」 R7.7 市民生活・needs調査③ R7.9 新たな中期計画の基本的方向公表 R7.9~R7.10 市民意見募集等 R7.11 有識者ヒアリング 「新たな中期計画の基本的方向」に関する意見聴取について 1 市民意見募集(アンケート形式) (1)実施期間 2025(令和7)年9月22日(月)から10月21日(火)まで (2)意見募集方法 電子申請システム、電子メール、郵送、FAX (3)意見総数 620人・団体 ア 共にめざす都市像「明日をひらく都市」 : 373件 イ 戦略「市民生活の安心・安全×横浜の持続的な成長・発展」 : 481件 2 市民意見募集(インタビュー形式) (1)対象者 民間モニターを活用し、居住エリア、年齢、性別等の属性を考慮し、 偏りが生じないように抽出した市民65人 (2)実施日 2025(令和7)年9月27日(土)、9月28日(日) (3)意見総数 377件 3 こども意見募集 (1)実施期間 2025(令和7)年9月22日(月)から10月21日(火)まで (2)意見募集方法 電子申請システム (3)意見総数 247件 4 有識者ヒアリング (1)実施期間 2025(令和7)年11月10日(月)から11月17日(月)まで (2)意見聴取方法 「新たな中期計画の基本的方向」を提示した上で個別ヒアリングを実施 (3)対象者 産官学金労言デジ等の各分野の専門家9人 有識者一覧 ※ 敬称略、肩書きは当時 佐土原 聡 横浜国立大学 名誉教授 広井 良典 京都大学 名誉教授 川本 守彦 横浜商工会議所 副会頭 小野寺 拓 日本銀行 横浜支店長 千田 美佐 株式会社横浜銀行 地域戦略統括部長 秋山 純一 日本労働組合総連合会神奈川県連合会 横浜地域連合 議長 伊藤 薫 株式会社テレビ神奈川 常勤監査役 南雲 岳彦 一般社団法人スマートシティ・インスティテュート 代表理事 髙橋 晶子 EY新日本有限責任監査法人 シニアマネージャー 公認会計士 策定スケジュール 2025(令和7)年9月10日 「新たな中期計画の基本的方向」公表 市民意見募集の実施等 【周知の取組】 ・広報よこはま10月号 ・SNS(横浜市公式X・LINE) ・パマトコ、すぐーるによる配信 等 今回 2025(令和7)年12月3日 素案の公表 素案に対するパブリックコメントの実施等 【周知の取組】 ・広報よこはま1月号 ・SNS(横浜市公式X・LINE) ・パマトコ、すぐーるによる配信 ・市庁舎・区庁舎サイネージ 等 2026(令和8)年5月頃 原案の策定 策定した原案は議案として提出する予定です。 パブリックコメントについて 「横浜市中期計画2026-2029(素案)」について、皆様のご意見・ご提案を募集します。 いただいたご意見等を踏まえて、原案を策定していきます。 募集期間 2026(令和8)年1月5日(月)から2月27日(金)まで 電子申請システム、電子メール、郵送またはFAXでご意見等をお寄せください。 ・ご意見の内容は、本市の考え方と共に、個人情報を除き、後日横浜市公式ウェブページで公表します。なお、第三者の利益を害する恐れのあるものなど内容により公表しない場合があります。 ・ご意見を正確に把握するため、お電話やご来庁でのご意見の受付や個別の回答はいたしません。 ・ご意見の提出に伴い取得したメールアドレス、FAX番号等の個人情報は「個人情報の保護に関する法律」等に基づき適正に管理し、本案に対する意見募集に関する業務にのみ使用します。 令和7年12月 横浜市政策経営局経営戦略課 〒231-0005 横浜市中区本町6-50-10 電話 045-671-2010 FAX 045-663-4613