有識者の意見     (ヒアリング実施期間:平成30年2月14日〜3月16日) 素案策定にあたり、中長期的な戦略の方向性や、その実現に向けた政策等について、横浜市専門委員をはじめとする有識者18名からご意見をいただきました。 ◆全般 ・高齢化、少子化に直面する時期など、なぜ今計画を策定するのかを示すことは重要。 ・基本的方向の「計画のねらい」にある図では、戦略と戦略の相互関係を表現できていないと感じる。それぞれの戦略がリンクすることで新たなシナジーを生み出すような図にした方が良い。 ・都市政策と福祉政策など、異なる政策を横断的につなぐ統合ということが重要。 ・戦略と政策の体系を整理し、達成目標をつくり、成果や評価を公表することは重要。 ・横浜は魅力のあるまち。強みをいかすことで、人口の社会減対策につなげることができる。 ◆力強い経済成長と文化芸術創造都市の実現 ・企業誘致は重要。外資系企業がアジアのヘッドクオーターを置きたくなるくらいのアピールをしたらどうか。 ・今後のグローバル社会においては都市間連携が重要。市内企業の海外進出や国益にもつながる。特に海洋都市との連携ではシーレーンの確保にもつながる。 ・文化芸術もアーカイブ化することによりビジネスにつながる。文化芸術イベントの先にそのような取組が見えてくると良い。 ・外国人観光客の伸びが弱い。宿泊や買い物をしてもらう仕組みが必要であり、ターゲットは、アジアではないか。国内においても若い世代の横浜に対する知名度が下がっているようだ。 ・共生社会という考え方が盛り上がってきている。東京2020オリンピック・パラリンピックを機に、意識面でのバリアフリー化や多言語化などをさらに推進すべき。 ・留学生を集め、卒業後も市内で活躍してもらう仕組みが必要。 ◆花と緑にあふれる環境先進都市 ・グリーンインフラの考え方を盛り込むことは非常に良い。今後の環境問題へのアプローチとして、市民の関心を環境に適応した市民生活(ライフスタイル)へと引き戻すことが重要。これにグリーンインフラを活用すると良いのではないか。 ・上瀬谷地区の利用を進め、郊外部のみなとみらいのようなまちづくりを進めてほしい。この際、新たな人と自然環境の関わり・共存のようなものが打ち出せるよう、グリーンインフラを基盤としたこれまでにない新しいまちづくりを進められると良い。 ・大都市である横浜が生物多様性の保全の取組を進めていることが素晴らしい。これらの積み重ねが全国都市緑化よこはまフェアの成功につながっているといっても過言ではない。 ◆超高齢社会への挑戦 ・今の時点から、団塊の世代のジュニアが要介護状態になる2040年以降のイメージを持つことが重要。別居している家族もいない単身世帯が前提の社会保障を考えていく必要がある。 ・行政による型にはまった福祉ではなく、地域の人が手を差し伸べてくれることで解決する課題もある。そこに手を差し伸べられる市民を増やすことが重要である。 ・「居場所づくり」ということでは、「まち普請事業」のようなハードとソフト施策の融合は重要。 ・成年後見制度は生きている間の支援なので、亡くなった後の、単身世帯への支援の仕組みづくりを行い、死後の不安を減らす、またはなくす「死後支援」の取組が求められ始めているのではないか。 ◆人が、企業が集い躍動するまちづくり ・みなとみらい21と関内にそれぞれ整備されるアリーナやホールへの拠点駅等からのスムーズなアクセス対応が必要。オープンラボなどを擁した施設が立地してきているため、臨海部等へ立地するIT企業とも連携して地域の活性化につなげることが重要。 ・国が推進する立地適正化計画を踏まえ、良好な郊外住宅地を重視して都市づくりを進めてきた横浜市では、コンパクト化するエリアへの対応だけでなく、コンパクト化しないエリアについても、空家・空き地の活用や、郊外部の魅力や市民力をいかした施策を考える必要がある。 ・横浜近郊の鉄道路線は、沿線に大学が立地し、高齢者の移動もみられる。行政ができることには限界がある。沿線の人口減少が会社の経営とリンクする鉄道会社と連携すると良い。 ◆未来を創る多様な人づくり ・待機児童対策は、横浜の経済発展の点からも重要な取組。労働人口減少の歯止めにつながる。 ・仕事に熱中していた人ほどリタイア後の人生設計が難しい。そのようなシニアはスキルを持っており、そのスキルを活用する仕掛けづくりや多彩なメニューが必要である。 ・少子高齢化対策として、若い人たちへの住まいの問題に対応する必要がある。若者の生活を不安定にさせない取組も重要。 ・年齢・性別にかかわらず、勤労意欲があれば就職できるよう、仕事と人をマッチングできる人材の確保と仕組みの構築が必要である。それが活躍支援につながる。 ◆未来を創る強靱な都市づくり ・災害に強い都市づくりとして、エネルギーを生み出す公共施設や新たな技術によるエネルギー連携などを災害時の重要なエネルギー供給源として活用する取組が重要。 ・地震等による災害廃棄物の処理方法等の計画策定は大切。難しいことだが、是非進めてほしい。 ・ケアを必要とする人を良く把握していることや性暴力の防止・予防等につながることから、防災対策に女性の視点を入れることは重要。 ・市のインフラ更新については長期展望を持って取り組むことが重要。 ◆行政運営 ・業務改善を進めるためには、ITの知識や技術とともに、業務プロセスなどの実務を詳細に把握している人材が必要である。また、市政運営上、行政の実務能力が高い人を基盤としつつも、コミュニケーション能力に長けた人や、アイデアを生み出す人などの取り込みが重要である。 ・政策を進めるうえではデータで表しきれない部分に配慮することが重要。データ分析の限界を認識することも大切である。 ・超過勤務を減らすため、特に間接部門の業務を減らし、仕事の総量を抑える必要がある。 ・管理職の人事考課において自分のチームの生産性評価の項目のウエイトを大きくし、人事評価の仕組みから変革を促すことが重要である。 ◆財政運営 ・地方公共団体は、借入金は減らすだけではなく、計画的に市債を活用するという考え方が必要。長期的に使用するものには、中長期的な視点に基づく借入や残高管理を行うことが大切。 ・政令市間で比較すると、実質公債費比率も将来負担比率も高いのは事実だが、社会保障経費だけではなく、32年度を目指し、投資的経費にも力を入れなければいけない状況であり、中長期的な視点によるバランスのとれた財政運営が必要。 ・固定資産台帳の整備・公表により、国も推奨している公共施設の総合管理への結びつけや、民間等によるPPP/PFIの提案への活用などの取組につなげていくことが重要。 <ご意見をいただいた有識者>      [※は横浜市専門委員、肩書きは当時・五十音順] 岩崎  学  氏(横浜市立大学国際総合科学群・教授/データサイエンス推進センター・センター長) 江原 由美子 氏(横浜国立大学大学院都市イノベーション研究院教授) 鴨志田 晃  氏(横浜市立大学学術院人文社会科学系列教授) 小西 砂千夫 氏(関西学院大学大学院経済学研究科・人間福祉学部 教授) 小林 重敬  氏(横浜国立大学名誉教授/(一財)森記念財団理事長)※ 佐土原 聡  氏(横浜国立大学大学院都市イノベーション研究院長・都市科学部長・教授)※ 島 正之  氏(内閣官房総合海洋政策本部参与)※ 高橋  進  氏((株)日本総合研究所理事長)※ 西山 昭彦  氏(一橋大学特任教授)※ 原田 正樹  氏(日本福祉大学学長補佐) 平田 竹男  氏(早稲田大学大学院スポーツ科学研究科教授/内閣官房参与)※ 広井 良典  氏(京都大学こころの未来研究センター教授)※ 別所 哲也  氏(俳優/「ショートショートフィルムフェスティバル&アジア」代表)※ 宮本 みち子 氏(放送大学副学長)※ 望月 正光  氏(関東学院大学経済学部教授) 森地  茂  氏(政策研究大学院大学政策研究センター所長) 若杉 隆平  氏(新潟県立大学理事長兼学長/京都大学名誉教授/横浜国立大学名誉教授)※ 涌井 雅之  氏(東京都市大学特別教授) 「横浜市中期4か年計画2018〜2021」の策定スケジュール 平成30年1月 「新たな中期計画の基本的方向」 策定にあたっての考え方や骨子をお示ししました。 ・市民アンケート(2月8日〜28日)  → 4,697人から回答 ・市民意見募集(1月30日〜3月23日)  → 74人・団体から意見提出 ・有識者ヒアリング(2月14日〜3月16日)  → p.162、163参照 ※ 市民アンケート、市民意見募集でいただいたご意見 については、下記ページに掲載しています。 http://www.city.yokohama.lg.jp/seisaku/seisaku/chuki2018-/ 今回平成30年5月 素案の策定 具体的な目標や取組内容をお示しします。 素案に対するパブリックコメントの実施等 平成30年9月頃 原案の策定 素案に対するご意見を反映します。 「横浜市中期4か年計画2018〜2021」は、横浜市議会基本条例第13条第2号に基づき、原案を基に市会に議案を提出する予定です。 中期4か年計画(素案)についてご意見をお寄せください。 あなたのご意見をお聞かせください! 〜パブリックコメントを実施します〜 5月14日(月)から6月22日(金)まで ●策定期間中の情報はホームページをご参照ください! http://www.city.yokohama.lg.jp/seisaku/seisaku/chuki2018-/ ●いずれかの方法でご意見をお寄せください。 郵   送下記のハガキをご利用ください。 F A X 045-663-4613 電子メール ss-chuki2018@city.yokohama.jp 直接ご持参  ●様式は特に定めていませんが、@住所A氏名B本件に関する意見の3点は、必ずご記入ください。 ●パブリックコメントとは?  市の計画などの案が具体化した段階で広く公表し、市民の皆さま から意見や提案を求め、それらを 考慮して意思決定を行うものです。 <注意> ※1 いただいたご意見の結果は、横浜市の考え方を整理したうえで、後日公表いたします。 ※2 ご意見を正確に把握する必要があるため、電話によるご意見はお受けできません。また、ご提出いただいたご意見への個別の回答は行いません。あらかじめご了承ください。 ※3 ご意見の提出に伴い取得した住所氏名等の 個人情報は、「横浜市個人情報の保護に関する条例」の規定に従い適正に管理し、ご意見の内容に不明な点があった場合等の連絡・確認の目的に限って利用します。 平成30年5月  編集・発行 横浜市政策局政策課 〒231-0017  横浜市中区港町1丁目1番地 電話:045(671)2010 FAX:045(663)4613