Y 大都市制度 新たな大都市制度「特別自治市」の実現に向けて 本市では、急速に進むと予測される人口減少・超高齢社会など、多くの課題に対応し、市民の暮らしをしっかりと支え、また、経済を活性化させて大都市としての力を最大限に発揮していくために、新たな大都市制度「特別自治市」の早期実現に向けて取り組んでいます。 「特別自治市」は、横浜市を分割して新たな自治体をつくるのではなく、市域内のことが市で完結する、横浜市の一体性をいかした効率的・効果的な制度です。 大都市横浜が抱える課題 ○市と県の二重行政 市と県の間で、事務・権限が分かれていることにより、窓口が分散し、子育て支援、まちづくりなど様々な分野で非効率な二重行政が発生しています。 ○不十分な税制上の措置 指定都市である本市は市の事務に加え、県の事務の一部も担っています。しかし、仕事量に見合う税源が措置されず、不足額は市が負担しています。 ○人口減少社会・超高齢社会の到来 ○公共施設の老朽化対策 ○東京一極集中 など こうした厳しい社会経済情勢や指定都市制度特有の課題を解決するため、本市は「基礎自治体」でありながらも「大都市」として、日本をけん引していく必要があります。 そのためには、指定都市制度に代わる新たな大都市制度「特別自治市」の実現が必要です。 新たな大都市制度「特別自治市」が課題を解決 二重行政の解消による 行政サービスの向上 市と県の二重行政が解消され、市域内の事務や行政サービスを特別自治市が一元的に担うことで、より効率的・効果的な行政サービスを提供します。 積極的な政策展開による 経済の活性化 成長分野への投資など積極的な政策展開により、市域内の経済・産業活動を活性化させます。その影響を周辺地域や国全体に広げていきます。 「特別自治市」実現を着実に進めていきます 〜現在の状況と今後の取組〜 ◇ 国の動向 平成25年6月に取りまとめられた第30次地方制度調査会答申において、新たな大都市制度「特別自治市」の意義が明確に認められました。当面の対応として、都道府県から指定都市への事務と税財源の移譲を可能な限り進めていくという方向性が示されました。 また、指定都市制度の見直し等に関し、地方自治法が一部改正されました(平成28年4月施行)。 ◇ 県との協議 現行の指定都市制度のもとでも、県から本市への事務権限の移譲により二重行政を解消するため、子育て支援、福祉・保健・衛生、土木など、市民生活に直結する分野を中心に、「横浜市神奈川県調整会議」などを活用し、県と協議を行っています。 <近年の権限移譲> 市立小中学校などの学級編制基準や教職員数を決める権限が本市に移譲されました(平成29年4月)。権限と税財源が一体的に移譲された初めての事例で、児童生徒や各学校の状況に応じた教員配置を行えるようになり、教育の質が向上します。 この他、都市計画区域マスタープランの策定権限や認定こども園に関する権限などが本市に移譲されました。 【図:特別自治市の実現まで】 【図:特別自治市の実現後】 ◇ 「特別自治市」実現に向けた今後の取組 このように、特別自治市の実現に向けた取組が着実に進んでいます。しかし、制度が実現するためには地方自治法などの改正が必要です。今後も、国の動向も踏まえ、他の指定都市とも力を合わせて、国や関係機関等への提案・要望、協議を進めていきます。また、区のあり方など第30次地方制度調査会答申で示された課題について検討を進めます。二重行政の解消に向けては、横浜市神奈川県調整会議も活用し、引き続き、県と協議を行い、実質的に特別自治市に近づけていきます。さらに、市民へ制度の内容を分かりやすくお伝えし、ご意見を伺いながら、特別自治市の実現に向けて取り組みます。 【図:「特別自治市」実現までの流れ】 本市が目指す「特別自治市」制度 「横浜特別自治市大綱」(平成25年3月策定)では、本市が目指す「特別自治市」制度の内容をとりまとめています 市の サービス 国以外の仕事はすべて横浜市が担います ●県が市域で実施している事務と基礎自治体として市が担っている事務を統合するため、行政の無駄がなくなり、市民のニーズに沿った、きめ細かな行政サービスが迅速に提供できます。 市の 税金 横浜市の役割・仕事量に見合った公平な税制にします ●市域での国以外の仕事はすべて特別自治市が行うため、市域内の地方税すべてを特別自治市の税金とします。 近接 市町村 県や近接市町村と協力して行政運営を行います ●生活圏・経済圏など影響が強く及ぶ周辺地域も含めた都市圏全体を考えて行政を運営していくことで、引き続き、圏域の中枢都市としての役割を果たします。 区 区役所機能・住民自治を強化します ●市内に東京の特別区のような新たな自治体をつくるのではなく、区役所機能・住民自治を強化する行政区とします。横浜の強みである都市の一体性をいかして、効率的・効果的な行政運営を行います。