Ⅴ 行財政運営 1 行財政運営とは                                政策を進めるにあたっての土台となる取組です。行財政運営それぞれの取組の目標、現状と課題、取組の方向、指標、主な取組を掲載しています。 行財政運営 一覧 No. 取組名 頁 行政運営:現場主義の行政運営と市民サービスのさらなる向上 128 1 時代背景を踏まえた行政運営の不断の見直し 130 2 データ及びICTを活用した行政運営の推進 132 3 働き方改革と市の将来を支える職員の確保・育成 134 4 民間との連携強化による「共創」の推進 136 5 市民の視点に立った行政サービスの提供と地域との協働 138 財政運営:「施策の推進と財政の健全性の維持」の両立 142 1 計画的な市債活用による一般会計が対応する借入金残高の管理 144 2 財源の安定的な確保による財政基盤の強化 148 3 保有資産の適正管理・戦略的活用 150 4 効率的な財政運営の推進 152 5 財政運営の透明性の確保・向上 154 2 各ページの見方について 1 取組名 行財政運営の取組の名称です。 2 目標 取組を進めることによって実現を目指す状態を記載しています。 3 現状と課題 横浜を取り巻く状況と課題を示しています。 また、現状や課題を踏まえた必要性についても記載しています。 4 取組の方向 目標達成に向けた取組の方向を記載しています。 5 指標 計画期間における目指すべき状況の水準を具体的に示す項目とその数値や状態を記載しています。また、指標に関連する主な取組を所管する区・局・統括本部の名称を記載しています。 6 主な取組 1でお示しした目標を具体化する取組のうち、主なものを示しています。 直近の現状値は、現時点における最新の取組内容を記載しています。 7 主な取組の所管 取組を所管する区・局・統括本部の名称です。 行政運営 現場主義の行政運営と市民サービスのさらなる向上 ■背景 1 これまでの取組 厳しい財政状況の中、必要な施策を着実に推進するため、徹底した事務事業の見直しや外郭団体改革などに取り組みつつ、職員一人ひとりの意欲・能力を最大限に発揮できるよう職員の人材育成などに取り組み、市役所のチーム力を向上させてきました。 また、地域課題に対して迅速かつ総合的な支援ができるよう区役所の機能強化を図るとともに、民間との共創・協働(公民連携)により、様々な分野において、課題解決や地域活性化等の取組を推進してきました。 さらに、2020(平成32)年度の新市庁舎移転を契機とした「働き方改革」として、多様で柔軟な勤務形態の実現に向け、在宅型テレワークや横浜版フレックスタイム制度を試行実施するとともに、庶務・労務・経理事務の集約化を一部実施するなど、業務効率化にも取り組んできました。 親切・丁寧なおもてなしの行政サービスを実施し、特に窓口業務については、迅速かつ正確な応対を心掛けることで、市民の皆様からも高い評価をいただいています。 2 今後4年間の方向性 少子化の進展による生産年齢人口の減少や高齢人口の増加は、市の財政基盤に影響を与えるとともに、行政需要の拡大にもつながります。限られた経営資源の中で、必要な施策を推進するには、徹底した事業見直しや、事務の効率化・適正化など、不断の行政改革に取り組む必要があります。 新市庁舎への移転を「働き方」を見直す絶好の機会ととらえ、ワークスタイル改革に取り組みます。また、ICTを活用した業務の効率化や市民の利便性の向上に取り組むとともに、データを重視した政策形成等の取組を通じて市民サービスの向上を目指します。 多様化・複雑化する市民ニーズや社会的課題に対応するため、民間との共創・協働をさらに進めていきます。 「横浜市区役所事務分掌条例(平成28年2月制定)」の施行を受け、区だけでは解決が困難な課題に、区局が一層連携して取り組むとともに、社会情勢の変化や地域のニーズに応える区役所機能の強化を図ります。 新たな大都市制度「特別自治市」の実現を見据え、市民生活に直結する分野を中心に二重行政を解消し、より効率的・効果的に行政サービスを提供するため、県と協議を進めます。 ■限られた経営資源の中、必要な施策を着実に実施するため、徹底した事業見直しや内部管理業務の事務の効率化など「不断の行政改革」を行うとともに、データやICTを活用した効率的・効果的な行政運営を推進します。 ■職員が意欲と能力を最大限に発揮し、複雑・高度化する行政課題に的確に対応できるよう、積極的な働き方改革や長時間労働是正の取組を実施するとともに、多様な人材を確保・育成し市役所全体の組織力を高めます。 ■誰もが安心して住み続けられる地域社会を実現するために、民間主体や市民との共創・協働を通じて地域課題に的確に対応していくとともに、市民の視点に立った行政サービスを提供します。 行政運営1 時代背景を踏まえた行政運営の不断の見直し 事業見直しの徹底、内部管理業務の効率化、効率的・効果的な執行体制の構築、 コンプライアンスの推進、外郭団体の経営向上、行政文書の適切な保管・活用 行政運営2 データ及びICTを活用した行政運営の推進 データを重視した政策形成、オープンデータの推進、データ・ICTを活用する 人材育成、マイナンバー制度、情報システムの最適化、情報セキュリティの強化 行政運営3 働き方改革と市の将来を支える職員の確保・育成 多様で柔軟な働き方の推進、女性職員の活躍・ワークライフバランス・健康ビジョンの推進、長時間労働の是正、多様な人材の確保、人材育成、人事給与制度の見直し 行政運営4 民間との連携強化による「共創」の推進 共創推進に向けた窓口や対話の充実、新たな発想に基づく共創の取組推進、 既存の共創制度の一層の活用、共創を担う人材の育成・拡大 行政運営5 市民の視点に立った行政サービスの提供と地域との協働 協働を進める庁内の環境づくり、区役所の機能強化、市民利用施設の機能強化、 市民のニーズに応じた窓口サービスの提供、市パスポートセンターの設置 行政運営1 時代背景を踏まえた行政運営の不断の見直し ✦目標 ・事業の有効性や効率性等を検証し、不断に事務事業を見直すことで、厳しい財政状況の中でも必要な施策を着実に推進します。 ・行政ニーズや環境の変化に対応するため、経営資源を重点分野に集中させるとともに、スクラップ・アンド・ビルドの取組によって、簡素で効率的な執行体制を構築します。 ・市民・社会の要請に応える行政を推進するため、適正な業務執行を確保します。 ✦現状と課題 ・これまで本市では、厳しい財政状況を踏まえ、事業評価を踏まえた徹底した事務事業の見直しに取り組み、経費縮減と市民サービス向上に一定の成果をあげてきました(平成30年度予算編成時:見直し効果額116億円)。今後も、少子高齢化の進展や人口減少などの社会情勢の変化により、さらに行政需要が拡大することが予想される中、持続可能な行政運営に向け、不断に事務事業を見直すとともに、簡素で効率的な執行体制の構築に取り組むことが重要です。 ・外郭団体については、附属機関(横浜市外郭団体等経営向上委員会)を活用した協約マネジメントサイクル(協約策定、取組の推進、総合評価)の推進による各団体の経営向上に取り組んでいます。今後も、民間主体への移行に向けた取組などを着実に進めることが求められます。 ・「地方自治法の一部改正(平成32年4月施行)」により、本市を含む各指定都市は、適正な事務執行の確保に向けた内部統制体制の整備が求められるなど、行政への信頼に不断に応えることが求められています。 ✦取組の方向 ・限られた経営資源の中、必要な施策を推進するため、徹底した事業見直しに取り組むとともに、各部署に共通する庶務・労務・経理などの内部管理業務を集約化するなど、業務の効率化を進めます。また、外郭団体については、協約マネジメントサイクルの着実な実行により、団体の経営向上や事業の整理に取り組みます。 ・市民・社会の要請に応えるためには、市政の基盤である執行体制をしっかりと構築し、適正な業務執行を確保したうえで、施策を進める必要があります。そのため、職員のコンプライアンス意識の浸透・徹底を図るとともに、地方自治法の一部改正により求められる内部統制体制の整備をはじめ、法律上求められる事項に適切に対応するなど、安定的・継続的な行政運営の基盤を整備します。 ✦指標 指標 直近の現状値 (29年度) 目標値 (33年度末) 所管 1 内部管理業務等の集約による事務の効率化 ①庶務デスク(仮称) ②給与事務センター(仮称) 検討 ①一部実施 ②運用開始 総務局 2 内部統制体制の整備 検討 実施 総務局、 全区局 ✦主な取組 1 事業評価を踏まえた事業見直しの徹底 所管 総務局、財政局、政策局、全区局 効率的・効果的な施策の実施に向け、必要性・有効性・効率性等の視点による事業評価を踏まえ、徹底した事務事業の見直し・改善(市役所内部経費の徹底した見直し、民営化・委託化の推進、事業手法の見直しなど)に不断に取り組みます。 直近の 現状値 30年度予算編成時:事業見直し効果額116億円、事業見直し件数1,176件 2 内部管理業務等の事務の効率化 所管 総務局、全区局 新市庁舎への移転も見据え、庁内の複数の部署で行っている内部管理業務(庶務、労務、経理)等について、効率化に向けて集約するとともに、全区局への展開や外部委託化についても検討を行います。また、業務のあり方を見直し、既存システム(人事給与、財務会計、税務等の各システム)の再構築を含めて効率化の検討を行います。 直近の 現状値 29年度:集約化を一部実施、さらなる集約化に向け検討中 3 効率的・効果的な執行体制の構築 所管 総務局 本計画の重点施策を力強く推進するために必要な体制を整備するとともに、業務効率化や事業廃止など「スクラップ・アンド・ビルド」の取組により、簡素で効率的な執行体制を構築します。 直近の 現状値 29年度:人口1,000人あたり職員数(普通会計) 9.63人(指定都市平均10.75人) 4 コンプライアンスの推進 所管 総務局、財政局、全区局 適正な業務執行を確保し、市民・社会の要請に応える行政を推進するため、職員のコンプライアンス意識の浸透・徹底を図るとともに、改正地方自治法に基づき内部統制体制を整備します。 直近の 現状値 29年度:コンプライアンスに関する研修、経理事務の自己点検及びモニタリング調査の実施 5 協約マネジメントサイクルによる外郭団体の経営向上 所管 総務局、団体所管局 外郭団体のさらなる経営向上・改革推進のため、協約マネジメントサイクル※を着実に実行し、各団体の公益的使命の達成に向けた事業の実施や財務の改善・組織の改革に継続的に取り組みます。また、団体経営の方向性に基づき、民間主体への移行に向けた取組や事業の再整理・重点化等の取組を引き続き推進します。 直近の 現状値 29年度: 現協約に基づく経営向上に向けた取組の推進 37団体 ※協約マネジメントサイクル:外郭団体の一定期間における主要な経営目標を本市との「協約」として掲げ、横浜市外郭団体等経営向上委員会を 活用したPDCAサイクルの推進により、団体経営の向上につなげていく本市独自の仕組み 6 行政文書の適切な保管・活用 所管 総務局、全区局  安定的・継続的な行政運営の基盤整備として、文書の統合管理体制のより一層の適正化や歴史的公文書の移管制度について、検討を行います。 直近の 現状値 29年度:文書関連研修の実施、新市庁舎の文書管理に関する検討、市史資料室の運営 行政運営2 データ及びICTを活用した行政運営の推進 ✦目標 ・データを重視した政策形成とオープンデータの推進により、効率的・効果的な行政運営を推進します。 ・ICTを活用して効率的な行政運営を行うとともに、安定的かつ効果的な行政サービスを実現します。また、情報セキュリティの確保に努め、市民の信頼に応えていきます。 ✦現状と課題 ・これまで、平成23年2月に策定した「横浜市情報化の基本方針」に基づき、2025(平成37)年頃の目指すべき将来像として、「地球や人にやさしくアイディアあふれる情報社会」を情報化ビジョンとして掲げ、ICTを活用した、市民サービスの向上や業務効率化、横浜経済の活性化、環境負荷の低減等の社会的課題への対応に取り組んでいます。 ・近年、スマートフォンやIoTの普及等により、社会を流通するデータ量が大幅に増加しています。さらに、コンピュータ処理能力の向上やAI等の技術革新が進み、膨大なデータも効率的に分析・活用できる環境が整いつつあります。 ・本市においても、「横浜市官民データ活用推進基本条例(平成29年3月制定)」に基づき、多様化する市民ニーズにきめ細かく対応するため、様々なデータ、ICTやマイナンバー制度等を積極的に活用し、効率的・効果的な行政運営を進めることが重要です。 ・また、これまでも様々な業務に情報システムを導入し、業務の質や効率、市民サービスの向上を図ってきましたが、情報システムに関わる経費や、システム障害が業務の継続性に与える影響が拡大してきており、情報システムをより安全で効率的に運用していくことが求められています。 ✦取組の方向 ・市が保有するデータは市民等と共有し活用できる重要な資産であるとの考えに基づき、地域課題の解決や横浜経済の活性化に向けて、オープンデータについて質・量共に充実を図ります。また、職員研修等を充実させることでデータを重視した政策形成等を推進するとともに、データ等客観的な証拠に基づく政策立案に向けた調査・分析を進めます。 ・マイナンバー制度等の活用による業務の見直し、ICTの技術革新、データ活用等も踏まえた情報システムの全体最適化を図り、市民サービスの向上にもつなげていきます。 ・情報セキュリティの確保や、システムの安定運用に取り組むことで、信頼される行政運営を実現していきます。 ✦指標 指標 直近の現状値 (29年度) 目標値 (33年度末) 所管 1 オープンデータの公開データセット数 ※1 207件※2 350件 政策局 2 データ・ICTを活用する人材の育成 ①データ活用関連研修の受講者数 ②ICT活用関連研修の受講者数 ①115人 ②11,099人 ①500人 ②継続実施 政策局、 総務局 3 マイナポータルを活用した電子申請手続 未実施 実施 総務局等 4 仮想化技術等により集約したシステム数(累計) 63 90 総務局 ※1 オープンデータとして公表する際に取りまとめられたデータの単位で、1つまたは複数のファイルで構成される。 ※2 直近の現状値は、オープンデータカタログ(試行版)における公開データ数をデータセットに換算した件数。 ✦主な取組 1 データを重視した政策形成とオープンデータの推進 所管 政策局、全区局 データ等客観的な証拠に基づく政策立案に向けた調査・分析を進めます。また、本市が保有するデータの公開に関する指針※の見直しや公開作業の簡素化により、オープンデータについて質・量共に充実を図ります。 直近の 現状値 29年度:オープンデータカタログ(試行版)における公開データ数 554件 ※「横浜市オープンデータの推進に関する指針(平成26年3月策定)」 2 データ・ICTを活用する人材の育成 所管 政策局、総務局 データを重視した政策形成等を推進するため、データ活用の重要性に対する意識の醸成や統計等に関する基礎的な知識の習得に向け、横浜市立大学等と連携し、職員研修を充実させます。また、ICTを活用した業務の効率化、セキュリティの確保を進めるため、ICTの活用及び情報セキュリティに関する研修を実施します。 直近の 現状値 29年度:データ活用に関する庁内研修の実施 受講者数115人 29年度:ICT活用に関する庁内研修の実施 受講者数 11,099人 3 マイナンバー制度の安定的な運用と利活用 所管 総務局等 マイナンバー制度の根幹となる他都市等との情報連携を安定的に運用します。また、マイナンバーカードの取得を促進するため、マイナポータルやカード自体の利活用等を検討・推進し、「市民の利便性向上」と「行政事務の効率化」の実現に寄与します。 直近の 現状値 29年度:マイナポータルを利用した電子申請手続 未実施 4 情報システムの全庁的な最適化 所管 総務局等 業務の見直しやICTに関わる技術革新等を踏まえ、効率的な情報システムの整備を図ります。また、情報システムに関わる資源の有効活用が図られるよう、庁内システムの集約等を進め、全市的な視点で情報システムの最適化を進めます。 直近の 現状値 29年度:仮想化技術等により集約したシステム数 24システム (累計63システム) 29年度:適正化の体制構築 5 情報セキュリティの強化 所管 総務局等 情報システムを対象とした情報セキュリティ内部監査を実施するとともに、監査の手順や項目の見直しを行い、是正が必要であることが判明したシステムについては改善に向けた取組のフォローアップを行います。ラグビーワールドカップ2019TM及び東京2020オリンピック・パラリンピックの成功に向け、本市の重要サービスにおけるサイバーセキュリティの確保を目的とした「リスクアセスメント」を定期的に実施します。また、情報セキュリティの確保をより確実なものとするため、リスクアセスメントの取組の知見について内部展開を図ります。 直近の 現状値 29年度:情報セキュリティ内部監査を実施した情報システム数(194システム) 29年度:リスクアセスメントを実施した件数(1件) 行政運営3 働き方改革と市の将来を支える職員の確保・育成 ✦目標 ・子育てや介護など、職員の生活の状況に合わせた柔軟な働き方を実現し、全ての職員がいきいきと働き続けることのできる環境を整備することにより、市民サービスの向上を図ります。 ・複雑・高度化する行政課題に的確に対応できるよう、多様な人材の確保・育成に取り組み、市役所全体の組織力を高めます。 ✦現状と課題 ・これまで、「人材こそが最も重要な経営資源」という理念に基づき、性別や年齢にかかわらず、職員一人ひとりがやりがいと自らの成長を実感し、意欲と能力を最大限に発揮できる組織づくりを進めてきました。 ・今後、子育てや介護など、様々な事情を抱える職員の増加が見込まれる中、行政サービスの質を維持・向上させるためには、柔軟な働き方の選択肢を増やしていくとともに、全ての職員が心身共に健康でいきいきと働ける環境を実現する必要があり、今後、新市庁舎への移転も見据え、職員の働き方を見直すことが重要です。 ・超過勤務時間は、職場マネジメントの強化によって2年連続で大幅に減少(平成28年度:対前年度▲11万時間、平成29年度:対前年度▲12万時間)していますが、職員の健康管理やワーク・ライフ・バランスの観点から、引き続き長時間労働を是正し、市役所全体で縮減に向けた取組を推進することが重要です。 ・キャリア形成支援などの取組により、女性職員の係長昇任試験の受験率は向上しています。今後、責任職に占める女性の割合をさらに増やすため、引き続き、取組を推進します。 ・複雑・高度化する行政課題に的確に対応し、市民サービスの向上を図るためには、多様な人材の確保や育成に取り組み、チーム横浜として市役所の組織力を高めていくことが重要です。 ✦取組の方向 ・職員が、子育てや介護などの生活の状況に合わせて柔軟に働き続けることができるよう、「在宅型テレワーク」や「横浜版フレックスタイム制度」などの働き方改革を進めます。 ・「横浜市職員の女性ポテンシャル発揮・ワークライフバランス推進プログラム(通称:Wプログラム)(平成28年3月策定)」を踏まえ、仕事と家庭生活の両立や女性活躍を推進します。 ・健康経営の視点を踏まえた「横浜市職員の健康ビジョン(平成28年3月策定)」に沿って、職員・責任職・職場が一体となった健康づくりの取組を推進します。 ・複雑・高度化する行政課題に的確に対応するため、「横浜市人材育成ビジョン(平成30年3月改訂)」を踏まえ、多様な人材の確保や育成を進めます。 ✦指標 指標 直近の現状値 目標値 (33年度末) 所管 1 在宅型テレワークと横浜版フレックスタイム制度の実施 試行(29年度) 実施 総務局 2 責任職(課長級以上)に占める女性の割合 16.3%(30年4月) 30% 総務局 3 職員の長時間労働の是正 ①年間720時間超の職員数 ②月間80時間超の延べ職員数 ①45人 ②634人 (29年度) ①0人 ②0人 (緊急業務除く) 総務局 ✦主な取組 1 多様で柔軟な働き方の推進 所管 総務局 在宅型テレワークや横浜版フレックスタイム制度など、「場所」や「時間」にとらわれない多様で柔軟な勤務形態の導入に向けて取組を進めます。また、Web会議システムの検討やペーパーレスな働き方を推進することで柔軟で効率的な行政運営を行います。 直近の 現状値 29年度:在宅型テレワーク・横浜版フレックスタイム制度 試行実施 2 Wプログラム・健康ビジョンの推進 所管 総務局、政策局 「Wプログラム」に基づき、誰もが働きやすく、働きがいのある組織の実現に向け、ワーク・ライフ・バランス推進及び仕事と家庭生活の両立支援の取組を進めます。また、女性職員の育成・登用に、引き続き積極的に取り組みます。 「健康ビジョン」に基づき、職員一人ひとりの健康意識の醸成と、生活習慣病予防やメンタルヘルスケアなど、心身の健康づくりに重点を置いた取組を、組織一体となって推進します。 直近の 現状値 29年度:「Wプログラム」に基づく取組の推進 29年度:「横浜市職員の健康づくり計画(からだ計画)(こころ計画)」に基づく取組の推進 3 長時間労働是正の取組 所管 総務局 責任職による職場マネジメントを強化するとともに、業務の緊急度・優先度の明確化や仕事のあり方そのものの見直しを進め、職員の健康管理やワーク・ライフ・バランス推進の観点から、職員の長時間労働是正に取り組みます。 直近の 現状値 29年度:年間720時間超の職員数 45人   月間80時間超の延べ職員数 634人  4 市の将来を支える多様な人材の確保 所管 総務局、人事委員会事務局 多くの受験者を確保するため、採用広報を強化するとともに、本市への理解を深める取組(インターンシップ、SNSを活用した広報等)を充実させます。また、これまでの採用方法を検証しながら、より効果的な採用試験の実施方法について検討を行います。 直近の 現状値 29年度:新卒・社会人・技術先行実施枠などの採用、人材確保策の実施 5 横浜市人材育成ビジョンに基づく取組の推進 所管 総務局 「横浜市人材育成ビジョン」に基づき、全ての職員が意欲と能力を十分に発揮できるよう、組織的かつ計画的に人材を育成していきます。 直近の 現状値 29年度:「横浜市人材育成ビジョン」の改訂、市の取組の方向性の策定 6 人事給与制度の見直し 所管 総務局 職員の意欲や能力をより一層引き出す人事給与制度となるよう、国の動向や本市人事委員会勧告等を踏まえつつ、引き続き見直しに取り組むとともに、職員の定年引上げや臨時・非常勤職員制度の改正に対しても検討を行い、適切に対応します。 直近の 現状値 29年度:職員の意欲や能力をより一層引き出す人事給与制度の見直し 一部実施 行政運営4 民間との連携強化による「共創」の推進 ✦目標 ・オープンイノベーションによる社会課題、地域課題の解決を図るため、市内外の企業、団体など幅広い民間主体と共に、様々な行政分野において「共創」の取組を推進します。 ✦現状と課題 ・これまで、民間との連携により効果が高まる施策・事業の推進や、行政だけでは解決が困難な課題に対応するため、民間と行政の対話を通じた公民連携により新たな価値を創造する「共創」に取り組んできました。 ・今後、生産年齢人口の減少や超高齢化の急速な進展の中で、ますます複雑・多様化する社会課題や地域課題を解決するためには、これまで以上に共創の取組を円滑に進め、質の向上を図るとともに、オープンイノベーション推進本部を通じて、重要な政策におけるオープンイノベーションを庁内横断的に進めていくことが重要です。 ・特に、近年加速度的に進展するAI、IoT等の先端技術やデータの活用においては、高い専門性やノウハウを有する民間との連携が求められています。 ・国内外の新たな発想に基づく公民連携事例を研究して実効性の高い取組を導入するとともに、既存制度についても時代に即した運用改善が必要です。 ・共創の全庁的な推進には、全ての職員が共創マインドやスキルを身に着けるよう人材育成を図る必要があります。 ✦取組の方向 ・共創の仕組みやノウハウを一層活用するとともに、柔軟につなぎ合わせ、様々な政策においてオープンイノベーションが進むよう、全庁的に取り組みます。 ・共創の取組の円滑な推進や質の向上を図るため、民間提案窓口(共創フロント)の強化や公民対話(共創ラボ等)の拡充を図るとともに、民間とのネットワークを充実強化します。 ・急速に進む技術革新や「横浜市官民データ活用推進基本条例(平成29年3月制定)」の施行などの社会状況を踏まえ、先端技術やデータを活用した連携や対話を進めます。 ・新たな発想に基づく共創の取組について、研究や検討を進め、適時導入を図ります。また、指定管理者制度やPFI等について、市内中小企業の振興を含めた地域活性化などに向けて、時代やニーズに即した柔軟な運用と改善を図るとともに、全庁的な制度の活用を進めます。 ・共創を担う人材育成を図るため、より効果的な研修の実施や情報共有を進めます。 ✦指標 指標 直近の現状値 目標値 (33年度末) 所管 1 オープンイノベーション推進本部の 先進的公民連携プロジェクト※案件数 2件(~29年度) 10件 政策局、 全区局 2 公民連携による新たな発想に基づく共創の取組 検討(29年度) 実施 政策局、 全区局 ※先進的公民連携プロジェクト:先端技術の活用や重要な政策課題の解決に資する公民連携の取組を検討・実施していくプロジェクト ✦主な取組 1 共創推進に向けた窓口の充実 所管 政策局、全区局 「共創フロント」を通じた様々な民間提案の活用により、全庁的に共創の取組を推進します。特に、本市の抱える様々な課題を事前に提示し解決のための民間提案を募る「テーマ型共創フロント」の活用を強化し、より施策や事業に直結した連携を推進します。また、時代の流れを踏まえた先端技術※やデータを積極的に活用することにより共創の取組をより効果的に進め、オープンイノベーションにつなげていきます。 直近の 現状値 29年度:フリー型共創フロントへの提案実現数311件(累計)  テーマ型共創フロントのテーマ設定数64件(累計) ※先端技術:ICTやIoT、AI、ドローン、ロボットなど、主に民間が開発・発展させている様々な最新の科学技術等のこと。 2 共創推進に向けた対話の充実 所管 政策局、全区局 共創フォーラムや共創ラボ※、リビングラボ※、サウンディング調査などの様々な民間と行政の対話の取組を一層推進するとともに、共創に取り組む民間との幅広いネットワークの充実・強化を図ります。 各区局は様々な施策・事業において民間との対話を積極的に実施し、オープンイノベーションを進めます。 直近の 現状値 29年度:共創ラボの実施 民間主体や区局等が実施するリビングラボへの支援 ※共創ラボ、リビングラボ:オープンな対話の場を通じて、多様な主体が共創し、社会・地域課題の解決に向けた事業やサービスを生み出す取組。 うちリビングラボは、特定の地域を対象に実施するもの。 3 新たな発想に基づく共創の取組推進 所管 政策局、全区局 SIB(ソーシャル・インパクト・ボンド)など、国内外で先進的に取り組まれている民間資金活用手法の研究・検討を進め効果的な取組について導入するとともに、公共空間の質の向上や持続可能な賑わい創出等のため民間との連携を進めるなど、前例にとらわれない新たな発想に基づく共創の取組を推進します。 直近の 現状値 29年度:社会的インパクト評価モデル事業の実施       公共空間活用の民間提案を募集  4 時代やニーズに即した制度の運用・改善と活用 所管 政策局、全区局 PFIや指定管理者制度、広告・ネーミングライツなどの既存の共創の制度について、時代やニーズに即した柔軟な運用及びガイドライン改正等の不断の改善を図るとともに、全庁的に一層の制度活用を進めていきます。 直近の 現状値 29年度:PFI導入事業件数13件、指定管理者制度指定済件数937件 29年度決算額:広告・ネーミングライツ収入額 約3億9,300万円       5 共創を担う人材の育成・拡大 所管 政策局、全区局 共創の推進に必要なマインドや知識・技術を養成する職員研修「共創アクションセミナー」や、より実践的な勉強会などを積極的に開催し、各区局職員の参加を促進させ、共創を担う庁内人材の育成と拡大を図ります。 直近の 現状値 29年度:共創アクションセミナー開催件数168件(累計)、研修参加人数延べ約7,340人 行政運営5 市民の視点に立った行政サービスの提供と地域との協働 ✦目標 ・誰もが安心して住み続けられる地域社会を実現するために、市民の視点に立った行政サービスを正確かつ親切・丁寧に提供します。 ・「協働による地域づくり」を進めるため、持続可能な地域コミュニティの実現に向けて、区局がより一層連携して地域との協働を推進するよう、職員のコーディネート力の強化を図ります。 ・新たな大都市制度「特別自治市」の実現を見据え、行政サービスをより効率的・効果的に提供するために、市民生活に直結する分野を中心に県から市への事務・権限の移譲を目指します。 ✦現状と課題 ・地域課題の多様化・複雑化が進む中、持続可能な地域コミュニティの実現に向け、コーディネート型行政を進め、区局一体となって地域との協働による課題解決を進める必要があります。 ・「横浜市区役所事務分掌条例(平成28年2月制定)」を踏まえ、「地域の総合行政機関」、「地域協働の総合支援拠点」等の区の役割を、より一層発揮していく必要があります。 ・公共施設について修繕・改修を含めた長寿命化や施設の再編整備を検討し、地区センターなどの市民利用施設については、多様な利用ニーズへの対応やさらなる運営効率化を図るとともに、地域のつながりづくりに積極的に取り組む等、機能強化が求められています。 ・窓口サービスの満足度は高い水準となっていますが、引き続き、一人ひとりに寄り添うサービスが求められています。 ・特別自治市の実現までの間も、二重行政の解消に向けて、市民生活に直結する分野を中心に県から市への事務・権限の移譲を進めることが重要です。 ✦取組の方向 ・市民からの協働の提案を事業化につなげられるよう、「市民協働・共創スペース」を新市庁舎に設置するとともに、庁内の連携がより一層進むよう体制づくりを進めます。 ・区役所の機能強化をより一層進めることにより、地域主体の活動、行政と地域との協働、区局の連携など様々な手法を活用した地域課題の解決に取り組んでいきます。 ・地区センター等市民利用施設の多目的化・複合化等を検討するとともに、コミュニティハウスの未整備地区への整備を進め、地域コミュニティの活性化を図ります。 ・正確かつ親切・丁寧な「おもてなしの行政サービス」のさらなる充実に取り組んでいきます。 ・県からパスポート発給事務の移譲を受け、本市がパスポートセンターを設置することで市民の皆様の利便性を高めます。引き続き、市民生活に直結する分野を中心に県から市への事務・権限の移譲に向けた協議を進めます。 ✦指標 指標 直近の現状値 (29年度) 目標値 (33年度末) 所管 1 「市民協働・共創スペース」の新市庁舎への設置 検討 設置及び運営 市民局 2 学校とコミュニティハウスの機能の複合化 検討 整備着手 (2か所) 教育委員会事務局、市民局 3 市パスポートセンターの設置 ― 平成31年秋頃 国際局 ✦主な取組 1 協働を進める庁内の環境づくり 所管 市民局、全区局 地域と連携して課題解決を進めるためのコーディネートのポイントを学ぶ研修等を実施します。また、地域課題の解決を進めるため、新市庁舎への「市民協働・共創スペース」の設置に合わせ、市民からの協働事業の提案を受け止め、コーディネートし、区局及び局間が連携する庁内の推進体制を整えます。 直近の 現状値 29年度:庁内体制の検討 2 行政サービスとコーディネート力を高める区役所の機能強化 所管 市民局、全区局 より質の高い行政サービスを提供し、地域課題を解決するコーディネート力を高めるため、区役所の業務の効率化を図るとともに、地区担当制を中心とした地域支援の取組を進めていきます。また、区役所が地域課題を的確にとらえ、解決していけるよう、「区提案反映制度」も活用しながら、区と局の連携を最大限発揮していくとともに、区の執行体制や個性ある区づくり推進費など予算に関する庁内検討を進めていきます。 直近の 現状値 28年度:「横浜市区役所事務分掌条例」施行、「区提案反映制度」の創設 3 地域コミュニティ活性化のための市民利用施設の機能強化 所管 全区、市民局 学校の建替え等を契機に、市民利用施設の再編整備を検討し、多様な利用ニーズへの対応や効率的な管理運営を進めます。また、地域コミュニティを活性化させるため、人材の育成、確保など市民利用施設の機能強化を図ります。 直近の 現状値 29年度:先進的な取組を実施している施設の事例把握 4 市民のニーズに応じた窓口サービスの提供 所管 市民局、全区 窓口サービス向上の取組を引き続き実施し、正確で親切・丁寧な、市民にとって分かりやすい窓口サービスを提供します。また、コンビニ交付の普及を図るとともに、マイナンバー制度の情報連携による証明発行数の動向等を踏まえ、証明発行拠点の見直しなど窓口サービスのあり方について検討します。 直近の 現状値 29年度:窓口サービス満足度調査など、窓口サービス向上の取組の実施 5 市パスポートセンターの設置 所管 国際局 市民の利便性向上のため、県から市へのパスポート発給事務の移譲を進め、合わせてセンター南駅構内及び産業貿易センターに市のパスポートセンターを設置します。 直近の 現状値 ― コラム 新市庁舎整備について 1 建物概要 (1)建設地:横浜市中区本町6丁目50番地の10 (2)建物規模:地下2階 地上32階(高さ 約155m) (3)フロア構成 ~高層・中層・低層の3層構成 ○高層部(行政機能)9~31階 ○中層部(議会機能)3~8階 ○低層部(アトリウム、商業施設等)1~3階 (4)供用開始:平成32年6月(予定) 2 主な建物性能 (1)BCP(Business Continuity Planning = 事業継続計画)対策 免震装置と制振装置を合わせたハイブリット免震構造の採用、主要な設備機器を津波による浸水の 恐れのない高さ(4階)への設置、非常用電源と飲料水等の確保(7日間分)等により、災害時にも市庁舎機能を維持し、業務を継続できます。 (2)環境への配慮 ~低炭素型の市庁舎~ 高い断熱性を有する外壁の採用や高層部での外気導入による空調熱負担の削減に加え、空調・照明などにおける高効率機器の採用や自然通風・太陽光発電など自然エネルギーを最大限利用することにより、最高ランクの省エネルギー性能と快適性を両立させます。 3 まちの賑わいや活力の創出 (1)アトリウム(屋根付き広場) アトリウムは、誰もが気軽に集い、親しみ、憩えるよう、 多様なイベントや市民活動の場として活用され、賑わいを 創出する新しい魅力スポットとなります。 (2)商業施設 低層部(1、2階)には、「まちの賑わいや活力の創出」や「来訪者等の利便性の向上」等を目的として、飲食店を中心に約3,000㎡の商業施設を整備します。 (3)市民協働・共創スペース 市民協働・共創スペースは、多様な主体と行政が手を携えて、横浜市全域にわたる地域課題の解決や魅力ある地域づくりを促進するための新たな拠点となります。課題や施策に関する相談・提案に対し、対話と創造の「場」を提供し、解決に向けコーディネートを行います(p.119参照)。 【参考】新市庁舎整備を契機とする業務効率化と働き方の見直し(行政運営1・3より一部再掲) 新市庁舎では、新しい働き方の実現に向け、オープンフロア・ユニバーサルレイアウトの導入や ICT環境を整備し、ペーパーレスの推進など業務の効率化に取り組みます。 (1) 内部事務の集約化、ペーパーレスの推進 現在、庁内の複数の部署で行っている内部管理業務(庶務、労務、経理)等について、効率化に 向けて集約化を進めます。また、各会議室へのディスプレイ設置や無線LANの整備、ファイルサ ーバの統合などにより、ペーパーレスで働く環境を整備し、紙資料の準備や管理の手間を軽減する など業務の効率化を図ります。 (2) 多様で柔軟な働き方の推進 在宅型テレワークや横浜版フレックスタイム制度など、「場所」や「時間」にとらわれない多様で柔軟な勤務形態の導入に向けて取組を進めます。 財政運営 「施策の推進と財政の健全性の維持」の両立 ■背景 1 これまでの取組 前計画期間においても、歳入の中心を占める市税収入は、かつてのような伸びを確保することが難しく、徹底した事務事業の見直しや様々な財源確保などにより、財政見通しで見込まれる収支不足額を毎年度の予算編成で確実に解消しながら、子育て、福祉・医療、教育、市内中小企業支援、防災・減災対策、観光・MICE、道路・港湾といった基盤整備などの施策を進めてきました。こうした市民生活や市内経済を支える取組を着実に進めていくためには、財政の健全性を維持し、持続可能な財政運営を推進していかなければなりません。 本市では、他都市に先駆けて市債の発行抑制に取り組み、また、借入金残高についても、一般会計の市債残高だけでなく、特別会計・企業会計の市債残高や外郭団体の借入金のうち一般会計が負担する債務も含めて「一般会計が対応する借入金残高」と位置付け、縮減してきました。一般会計の市債については、「横浜方式のプライマリーバランス」の考え方に基づき、計画的な活用に取り組んできました。 【表1 一般会計が対応する借入金残高の推移】 【表2 主な指定都市の健全化判断比率の状況(28年度決算)】 【表3 未収債権額(滞納額)※の推移】 ※一時的かつ特殊な原因により発生しているものを除く滞納額 2 今後4年間の方向性 今後、横浜でも人口減少に転じ、高齢化率も上昇するなどの社会環境により、財政構造の硬直化など財政運営において一層厳しさが増すと見込まれ、施策・事業は一層の「選択と集中」が必要です。また、これまで蓄積してきた都市インフラや公共建築物といった公共施設の老朽化の進行に対し、保全・更新をより本格的に進めることで、次世代にしっかりと引き継いでいくことも、これからの財政運営での重要な課題です。 さらに、財政状況の厳しさなどについて市民との共有や官民データ活用推進の趣旨を踏まえた財政データの積極的な提供を進めるとともに、施策・事業評価などによるPDCAのもとで、より効率的・効果的な施策・事業の推進に努める必要があります。 こうした中で、市民や市場から信頼される横浜市であり続けるために、「横浜市将来にわたる責任ある財政運営の推進に関する条例(平成26年6月制定)」の理念である「施策の推進」と「財政の健全性の維持」の両立に向けて、財政目標を設定し、その目標達成のための取組を確実に進めていきます。 ■「施策の推進」と「財政の健全性の維持」の両立を図り、多様化・複雑化する課題に的確に対応していく持続可能な財政運営を進めます。 財政運営1 計画的な市債活用による一般会計が対応する借入金残高の管理 ●横浜の成長・発展に向けた投資や公共施設の保全・更新への本格的な対応に、計画的に市債が活用されています。 ●将来世代に過度な負担が先送りされないよう、一般会計が対応する借入金残高が適切に管理されています。 財政運営2 財源の安定的な確保による財政基盤の強化 ●市税収入は税務行政の適正な推進と納税者の利便性向上により、安定的な確保が図られています。 ●全庁的な債権管理のさらなる適正化の推進により、未収債権の収納率の向上や、未収債権額(滞納額)の縮減が図られています。 財政運営3 保有資産の適正管理・戦略的活用 ●本市で保有する土地・建物について、適正な管理のもと、用途廃止施設の適切な後利用に取り組むとともに、利活用が可能と考える資産については、公共公益的な利用をはじめ、財源確保に向けた売却等が積極的に進められています。 ●市立小中学校や市営住宅等の建替えなどの機会をとらえた多目的化や複合化等の公共建築物の再編整備や、市民利用施設の効率的な運営や受益者負担の適正化など、時代に即した施設の配置・運営が進んでいます。 財政運営4 効率的な財政運営の推進 ●厳しい財政状況の中にあっても計画の着実な推進に向け、職員一人ひとりがコスト意識を持ち、経費の縮減や財源確保が徹底されています。 ●多様な公民連携や民間資金活用の手法を積極的に検討・導入することにより、市内経済の活性化と行政の効率性の両面から、施策・事業の成果が着実にあげられています。 財政運営5 財政運営の透明性の確保・向上 ●中期的な財政見通しや長期的な財政見通しを作成・公表することにより、中・長期的な視点を持った財政運営が進められています。 ●予算・決算や、統一的な基準に基づく財務書類等の財政情報が発信され、財政運営の透明性が向上しています。 財政運営1 計画的な市債活用による一般会計が対応する借入金残高の管理 ✦目標 ・横浜の成長・発展に向けた投資や公共施設の保全・更新への本格的な対応に、計画的に市債が活用されています。 ・将来世代に過度な負担が先送りされないよう、一般会計が対応する借入金残高が適切に管理されています。 ✦現状と課題 ・本市はこれまで、「地方公共団体の財政の健全化に関する法律」に基づく健全化判断比率の遵守や、計画的な市債活用と一般会計が対応する借入金残高の縮減、社会経済情勢の変化等により一般会計での負担が必要となった事業※への適切な対応などに取り組んできました。 ※料金収入や土地の売却収入等により収支を賄う性質の事業であるものの、社会経済情勢の変化等により、当初想定していた需要 の伸びや売却収入などが見込めず、事業資金の回収が困難と判断し、市税等により負担を行うことを決めたもの。(南本牧埋立 事業、(一財)横浜市道路建設事業団、(公財)横浜市建築助成公社) ・ラグビーワールドカップ2019TMや東京2020オリンピック・パラリンピックといった世界規模のビッグイベントを契機とした横浜の成長・発展に向けた社会資本整備や、次の世代へつなげていくための既存公共施設の保全・更新等に着実に取り組むため、中長期的な視点を持って、より計画的に市債を活用していくことが求められます。 ・これからも、「計画的な市債活用と一般会計が対応する借入金残高の管理」と「着実な公共投資の推進」の視点から計画的に市債を活用することなどにより、「施策の推進」と「財政の健全性の維持」を両立していく必要があります。 ✦取組の方向 ・「施策の推進」と「財政の健全性の維持」を両立するために、計画的な市債活用を図りながら、将来世代に過度な負担を先送りしないよう、一般会計が対応する借入金残高を管理していきます。 ✦指標 指標 直近の現状値 目標値 (33年度末) 所管 計画的な市債発行を通じた借入金残高の適切な管理 1 横浜方式のプライマリーバランス 60億円の黒字 (29年度現計) 「4か年(30~33年度)通期」での均衡確保 財政局 2 一般会計が対応する借入金残高 3兆1,549億円 (29年度末) 29年度末残高の水準以下 財政局 ✦主な取組 1 中長期的な視点からの計画的な市債活用と残高管理 所管 財政局 ■一般会計の市債活用額は、計画期間中(30~33年度)の公債費元金の範囲で計画的に活用し、横浜方式のプライマリーバランスについて、「4か年(30~33年度)通期」での均衡を確保します。 「30年度から33年度の通期で均衡」が確保される水準  30~33年度の公債費元金見込額(3セク債分除く):5,900億円程度 横浜方式のプライマリーバランス(PB)は32年度完成を目指し進めてきた事業進捗に応じ、計画期間の前半・ 後半で変動※1 4年間全体のPBの合計       30・31年度のPB      32・33年度のPB 均衡を確保      =       赤 字              黒 字 ▲250億円程度/年     +250億円程度/年 30・31年度の市債活用額   32・33年度の市債活用額 (1,700億円程度/年)※2    (1,250億円程度/年)※2 ※1 32年度完成を目指し進めている事業(計数は30年度予算時の31年度事業費見込額) 新市庁舎整備(本体工事及び中層部内装工事、設備工事部分):約400億円  横浜環状北西線整備(首都高速道路(株)への出資金部分):約15億円 南本牧ふ頭MC-4整備(国直轄負担金):約18億円 ※2  計画期間中の各年度の市債活用額は、社会経済情勢等の変化を踏まえ、各年度の予算編成の中で整理します。 ■一般会計が対応する借入金残高は、計画的な市債発行を通じて、33年度末に、29年度末残高以下にするよう適切に管理します。 (参考)33年度末一般会計市債残高:約2兆6,200億円 33年度末一般会計市債残高は、29年度末残高(2兆5,303億円)に比べ増加する見込みですが、これは過年度に発行した満期一括償還債の実償還額の影響によるものです。本計画期間では、横浜方式のプライマリーバランスの均衡確保の範囲内で市債活用することから、実質的な残高は増加しません。 直近の現状値 市債発行額:1,716億円(30年度当初予算) 横浜方式のプライマリーバランス:▲252億円(30年度当初予算) 財政運営2 財源の安定的な確保による財政基盤の強化 ✦目標 ・市税収入は税務行政の適正な推進と納税者の利便性向上により、安定的な確保が図られています。 ・全庁的な債権管理のさらなる適正化の推進により、未収債権の収納率の向上や、未収債権額(滞納額)の縮減が図られています。 ✦現状と課題 ・市税は公平かつ適正な賦課徴収に努めていますが、今後、行政手続の簡素化に向けた取組やマイナンバー制度導入による情報セキュリティの厳格化など、税を取り巻く環境の変化にも確実に対応していく必要があります。 ・未収債権については、全庁的に縮減を図ってきましたが、さらに、現状の取組を検証・改善しながら確実に回収を進めるとともに、債権の発生から回収まで一連の債権管理の徹底を図る必要があります。 【図:未収債権額全体(一般会計・特別会計)の推移】 【図:未収債権額圧縮率(対前年度比)】 * 強制徴収公債権とは、市税や国民健康保険料など、強制的に徴収する権限が付与されている債権をいいます。 * 未収債権額は、一時的かつ特殊な原因により発生している「産廃最終処分場行政代執行費」「東京電力ホールディングス株式会社賠償請求金」を除いています。 ○ 産廃最終処分場行政代執行費 国の同意を得て財政支援を受ける特別措置法の事業であり、本市としては、原因者への責任追及及び滞納処分を徹底するなど、厳正に対処しています。 ○ 東京電力ホールディングス株式会社賠償 請求金 放射線対策費用の全額について賠償請求を行い、東京電力側の支払の判断が全て示された段階で、「原子力損害賠償紛争解決センター」にあっせん(和解の仲介)の申立てを行っています。 ✦取組の方向 ・市税は賦課から徴収まで一貫して公平かつ適正な事務を進めることができるよう区局一体となって取り組むとともに、税務のさらなる電子化など、納税者の利便性を高めることにより、市税収入の安定的な確保を図ります。 ・全庁的な債権については、「横浜市の債権の管理等に関する規則(平成30年3月改正)」に基づき、債権の発生から回収まで、自律的かつ継続的に適正な債権管理を行うことができるよう仕組みづくり等を進めます。 ✦指標 指標 直近の現状値 (29年度) 目標値 (33年度末) 所管 1 未収債権額全体 (一般会計・特別会計) 261億円 220億円 財政局 2 収納率※ (現年度分と滞納繰越分の合計値) 国民健康保険料 86.2% 91.3% 健康福祉局 市税 99.2% 99.3% 財政局 介護保険料 97.0% 98.1% 健康福祉局 保育料 97.6% 98.2% こども青少年局 後期高齢者医療保険料 98.8% 98.9% 健康福祉局 ※強制徴収公債権のうち主なもの ✦主な取組 1 税務行政の公平かつ適正な推進 所管 財政局、区 公平かつ適正な賦課徴収を行うとともに、税務情報を適正に管理します。また、口座振替など便利で確実な納付手段の活用など、納付機会の拡大(多様化)などにより滞納発生の未然防止を図るとともに、現年課税分を中心とした早期未納対策を進めます。 直近の 現状値 29年度:口座振替納税(ペイジー口座振替受付サービス)、ペイジー収納、 コンビニエンス・ストア収納 2 税務のさらなる電子化 所管 財政局 全国的な地方税の電子化が進められる中で、eLTAX(地方税ポータルシステム)による電子申告の利用率を高めるとともに、共通電子納税システムを導入するなどにより、納税者の利便性向上につながるよう、税務のさらなる電子化を進めます。 直近の 現状値 29年度:eLTAX電子申告利用率 法人市民税67.6%、固定資産税(償却資産)42.7%、 個人市民税(特別徴収)48.0%、事業所税19.7% 3 全庁的な債権管理の適正化の推進 所管 財政局、全区局 「横浜市の債権の管理等に関する規則」に基づき、未収債権発生前からの備えを徹底し、未然防止に努めるとともに、早期未納対策を充実させ、未収債権の早期解決を図ります。また、研修の実施等により、債権管理のノウハウの定着を図ります。 直近の 現状値 29年度:電話納付案内センターによる納付案内、私債権等の弁護士への徴収委任、 債権管理研修、「横浜市の債権の管理等に関する規則」(改正)※ ※適正な債権管理の徹底を図るため、本市の債権全般(公債権・私債権)の管理について統一した基準や手法を規定しました。 ~地方税の電子化~ 経済社会のICT化等が進展する中、税務手続においても、ICTの活用を推進し、全ての納税者が簡便・正確に申告等を行うことができる利便性の高い納税環境を整備することが重要となっています。 地方税においては、eLTAX(地方税ポータルシステム)により電子申告の仕組みが導入され、利用率が年々向上しているとともに、複数の地方公共団体への納税を一度の手続で可能とする、全国共通の電子納税システムの整備(31年10月稼働予定)など、電子化への取組が進められています。 財政運営3 保有資産の適正管理・戦略的活用 ✦目標 ・本市で保有する土地・建物について、適正な管理のもと、用途廃止施設の適切な後利用に取り組むとともに、利活用が可能と考える資産については、公共公益的な利用をはじめ、財源確保に向けた売却等が積極的に進められています。 ・市立小中学校や市営住宅等の建替えなどの機会をとらえた多目的化や複合化等の公共建築物の再編整備や、市民利用施設の効率的な運営や受益者負担の適正化など、時代に即した施設の配置・運営が進んでいます。 ✦現状と課題 ・保有資産の現状把握を継続し、利活用が可能と考える資産については、公共公益的な利用をはじめ、民間事業者のノウハウを活用しながら、まちづくりや地域課題の解決につながる売却等を積極的に進めることが引き続き必要です。また、これまで整備してきた固定資産台帳等の資産情報の公表をより進めていくことが求められています。 ・今後、老朽化した施設が一斉に建替えの時期を迎え、人口減少社会が到来する中においても、必要な市民サービスを持続的に提供していくには、今のうちから保全や建替えに伴う財政負担の軽減や平準化、施設の最適な配置、運営の見直し等に取り組む必要があります。 【図:「横浜市公共建築物マネジメントの考え方」に沿った保全・再編整備等の取組のイメージ】 ・市民利用施設を効率的に運営していくために、施設運営コストや利用者数の状況などを点検・検証し、継続的な運営改善の取組等を行うことが必要です。 ✦取組の方向 ・資産の利活用においては、まちづくりの観点や個々の資産の特性、地域の意向等を踏まえ、関係区局が連携しながら取組を進めるとともに、固定資産台帳等から得られる資産情報をわかりやすく公表していきます。また、公有財産分野における全庁的な人材育成を推進します。 ・長寿命化を基本とした保全・更新の着実な取組に加え、市立小中学校や市営住宅等の建替えなどの機会をとらえた施設の多目的化や複合化等の再編整備による地域における施設配置の最適化、一層の施設運営の効率化、使用料等の適正化を図ることなどにより、必要なサービスを持続的に提供していきます。 ✦指標 指標 直近の現状値 目標値 (33年度末) 所管 1 資産の利活用の推進 (事業提案型公募※等による利活用) 利活用が可能と 考える資産の面積 13.0ha(29年度) 利活用が決定した 資産の面積 10.0ha以上 財政局等 2 公共建築物のマネジメントの推進 「横浜市公共建築物の再編整備の方針」の 策定(29年度) マネジメントの推進 財政局等 ※周辺地域等の意向や当該資産の望ましい利用用途等も想定したうえで民間事業者から資産活用の提案を受ける公募手法 ✦主な取組 1 資産の利活用の推進 所管 財政局、各所管局、区 用途廃止施設等の適切な後利用に取り組むほか、利活用が可能と考える資産については、特に地域の窓口である区役所との連携に留意しながら、公共公益的な利用や財源確保に向けた売却・貸付け等に取り組みます。また、地域課題の解決につながることを目指した公募売却等については、効果検証の取組を継続します。さらに、固定資産台帳等の資産情報について、利活用のためのツールとなるよう、公表していきます。 直近の 現状値 28年度:固定資産台帳の整備 29年度:公共公益的な利用や売却・貸付け等の活用が可能と考える資産の面積 13.0ha 2 公有財産分野における人材育成、財産管理の適正化 所管 財政局、全区局 適正な財産管理やより効果的な資産活用のための全庁的な人材育成に取り組みます。また、区局による財産の点検や改善などの取組を継続して進めていきます。 直近の 現状値 28年度:「公有財産分野における人材育成ビジョン」の策定 29年度:財産管理の自主点検の実施 3 公共建築物のマネジメントの推進 ~施設の多目的化や複合化等の将来を見据えた取組~ 所管 財政局、各所管局、区  将来にわたり必要な市民サービスを持続的に提供していくため、「横浜市公共建築物マネジメントの考え方」に沿った取組を着実に進めます。特に、「横浜市公共建築物の再編整備の方針」や「横浜市立小・中学校施設の建替えに関する基本方針」などに基づき、市立小中学校や市営住宅等の建替えなどの機会をとらえた公共建築物の多目的化・複合化等の再編整備に取り組みます。 直近の 現状値 29年度:「横浜市公共建築物の再編整備の方針」の策定 29年度:「横浜市立小・中学校施設の建替えに関する基本方針」の策定 4 市民利用施設の効率的な運営と受益者負担の適正化 所管 財政局、政策局、 各所管局、区     市民利用施設を効率的かつ効果的に運営するために、施設の稼働率やコストと負担の状況等を公表し、継続的に運営改善(PDCA)に取り組みます。また、「市民利用施設等の利用者負担の考え方」などに基づき、コスト縮減の成果や利用者数の推移など施設の運営状況を点検・検証しながら、使用料等の改定について検討を行います。 直近の 現状値 29年度:市民利用施設の負担割合等の公表(56種別) 財政運営4 効率的な財政運営の推進 ✦目標 ・厳しい財政状況の中にあっても計画の着実な推進に向け、職員一人ひとりがコスト意識を持ち、経費の縮減や財源確保が徹底されています。 ・多様な公民連携や民間資金活用の手法を積極的に検討・導入することにより、市内経済の活性化と行政の効率性の両面から、施策・事業の成果が着実にあげられています。 ✦現状と課題 ・これまで、厳しい財政状況の中にあっても、行政内部経費を中心に徹底的な事務事業の見直しや、財源確保を徹底することで、中期的な財政見通しで見込まれる収支不足額を毎年度の予算編成で確実に解消し、前計画で掲げた取組や喫緊の課題に対応し、市民生活の向上と横浜経済の活性化に取り組んできました。 ・今後、人口減少に転じ、高齢化率も上昇するなどの社会環境により、市税収入の増加を上回る社会保障経費※の増加が見込まれ、財政構造の硬直化など財政運営において一層厳しさが増すことが見込まれます。このような中で、施策・事業の一層の「選択と集中」、経費縮減・財源確保の取組を着実に進めるほか、市内中小企業の育成に取り組みつつ、従来の発想にとらわれず、公民連携や新たな事業手法の検討・導入を一層進めることも必要です。 ※扶助費、義務的な繰出金(国民健康保険事業費会計、介護保険事業費会計、後期高齢者医療事業費会計) 30年度 31年度 32年度 33年度 市税収入の見込み 8,110億円 8,340億円 8,370億円 8,370億円 30年度 31年度 32年度 33年度 社会保障経費の見通し 5,810億円 6,090億円 6,310億円 6,520億円 ✦取組の方向 ・事務事業の見直しや効率化に不断に取り組み、行政コストのさらなる縮減を図るなど、経費の縮減・財源確保に取り組みます。 ・PFI等をはじめ多様な公民連携手法や民間資金活用を積極的に検討し、適切に選択・導入することにより、施策・事業を着実かつより効率的・効果的に推進します。 ✦指標 指標 直近の現状値 目標値 (33年度末) 所管 1 経費の縮減・財源の確保 ▲420億円の 収支不足額を解消し、 30年度予算を編成 財政見通しの収支不足額※を解消し、計画を推進 財政局、政策局、総務局、 全区局 2 新たな発想に基づく多様な公民連携手法・民間資金活用の 検討・導入 (一部再掲:行政運営4) 検討(29年度) 導入 政策局、 全区局 ※本計画期間中の見通し(H31:▲500億円、H32:▲370億円、H33:▲410億円) ✦主な取組 1 不断の行財政改革等による経費縮減・財源確保等の徹底 (一部再掲:行政運営1・財政運営3) 所管 総務局、財政局、政策局、全区局 行政内部経費や補助金等をはじめ徹底した事務事業見直しや、民営化・委託化の推進、外郭団体への財政支援の見直し、国庫補助事業の積極活用、保有資産の有効活用等による財源確保、受益者負担の適正化など、あらゆる角度から経費のさらなる縮減や市費負担の抑制、財源確保に取り組みます。 直近の 現状値 30年度:▲420億円の収支不足額を解消し、30年度予算を編成 (事業見直し効果額116億円、事業見直し件数1,176件 ほか) 2 多様な公民連携手法・民間資金活用の検討・導入 (一部再掲:行政運営4) 所管 政策局、全区局 限られた財源の中でも計画に掲げた施策・事業を着実かつより効率的・効果的に進められるよう、PFI等多様な公民連携手法や民間資金活用を将来的な財政負担を明らかにしながら、積極的に検討・導入します。 直近の 現状値 29年度末時点:PFI導入事業件数 13件、 指定管理者制度指定済件数 937件 社会的インパクト評価モデル事業の実施、公共空間活用の民間提案を募集29年度決算額:広告・ネーミングライツ収入額 約3億9,300万円 3 現場主義とトップマネジメントの視点に基づいた予算編成の実施 所管 財政局、全区局 現場主義の視点から、各区局において現場のニーズをしっかりとらえるとともに、行政資源に限りがある中、組織全体でよりデータを重視した政策形成を検討・推進し、事業計画の立案等にいかします。また、こうした取組と連動しながら、トップマネジメントの視点からの市全体の総合調整機能をさらに高めることにより、政策のアクセントとバランス、施策・事業の緊急度・優先度に基づいた予算編成を実施し、厳しい財政状況の中でも収支不足額を解消し、計画を推進する予算を編成します。 直近の 現状値 30年度:▲420億円の収支不足額を解消し、30年度予算を編成 ~「横浜市将来にわたる責任ある財政運営の推進に関する条例」とは~ 平成26年6月に「横浜市将来にわたる責任ある財政運営の推進に関する条例」が制定されました。 本条例は、市長と議会の両者が、基本原則や責務を共有しながら、将来にわたる責任ある財政運営の推進に資することを目的としています。 具体的には、市長が財政目標を設定し、その達成に向けた取組を明らかにするとともに、その進捗状況を議会へ報告することによって、必要な施策の推進と財政の健全性の維持との両立に向けて、取り組んでいきます。 本計画においても、本条例の趣旨を踏まえ、財政運営に関する目標とその達成に向けた取組をお示しするとともに、「地方公共団体の財政の健全化に関する法律」に基づく健全化判断比率の推計を掲載しています。こうした取組を通じて将来を生きる市民のためにも持続可能な財政運営をすすめ、将来世代が存分に活躍できる社会を築いていきます。 財政運営5 財政運営の透明性の確保・向上 ✦目標 ・中期的な財政見通しや長期的な財政見通しを作成・公表することにより、中・長期的な視点を持った財政運営が進められています。 ・予算・決算や、統一的な基準に基づく財務書類等の財政情報が発信され、財政運営の透明性が向上しています。 ✦現状と課題 ・市民生活の安全・安心の確保や市内経済の活性化を図り、将来への投資を進めていくためには、中・長期的な視点を持って、健全な財政運営を進めるとともに、財政状況を議会や市民と広く共有していく必要があります。また、厳しい財政状況の中で、「施策の推進と財政の健全性の維持」の両立を推進していくには、市役所内部においても、これまで以上に財政見通しや財政状況を共有していかなければなりません。 ・専門的で難解なイメージを持たれてしまいがちな財政情報について、これまでも、広報冊子やWebサイトなど様々な媒体を活用し、わかりやすく発信してきましたが、引き続き、わかりやすさを重視した広報に取り組む必要があります。 ・統一的な基準に基づく財務書類の作成による地方公会計の取組も進められる中、類似団体間比較などを通じて、本市の財政状況を確認・分析するとともに、その内容を公表・共有していくことも必要です。 ・官民データ活用推進の趣旨を踏まえ、予算・決算などの財政情報については、利活用しやすい形式での提供を着実に進める必要があります。 【図:投資家向け地方債IR活動件数】 【図:大学での出前財政講座の件数】 ✦取組の方向 ・国の地方税財政制度の状況や、市税等の歳入の見込み、扶助費をはじめとした歳出の見込み、今後の人口動態などを把握しながら、中・長期的な財政見通しを作成します。 ・市民から信頼される財政運営を進めていくため、わかりやすく、利活用しやすい財政情報の「見える化」に積極的に取り組み、財政運営の透明性の向上を図ります。 ✦指標 指標 直近の現状値 目標値 (33年度末) 所管 1 財政見通しの公表 ①中期的な財政見通し ②長期的な財政見通し ①実施 (中期計画策定時、毎年度の予算編成開始時・予算案公表時) ②実施 (中期計画策定時) ①実施 (中期計画策定時、毎年度の予算編成開始時・予算案公表時) ②実施 (中期計画策定時) 財政局 2 わかりやすい財政情報の提供 ①投資家向け地方債IR 活動件数 ②大学等での出前財政講座 などの広報活動件数 ①35件 (26~29年度平均) ②4件 (26~29年度平均) ①35件以上/年 ②8件以上/年 財政局 ✦主な取組 1 財政見通しの公表 所管 財政局 予算編成開始時や予算案公表時、中期計画策定時に、市税等の歳入や扶助費等の歳出の見込み等の中期的な財政見通しを公表します。中期計画策定時や人口推計の見直し時等、財政運営や施策推進の節目では、市税収入などの長期的な試算も公表します。また、財政見通しや財政状況については、全区局長や、予算・決算などの実務を担う各区局の経理担当課長と共有する場を設けるとともに、全職員に対して庁内LANを通じた発信等に取り組みます。 直近の 現状値 中期的な財政見通し及び長期的な財政見通しの公表 2 わかりやすく、利活用しやすい財政情報の「見える化」の推進 所管 財政局 ■わかりやすい財政情報の提供 市民向けの財政広報冊子「ハマの台所事情」や、予算・決算などの公表資料については、図やグラフ、写真の 活用などにより、わかりやすさを重視した広報に取り組みます。また、Webサイトでは、各種公表資料の提供と合わせて、財政状況資料集※を活用した財政分析など掲載情報の充実を図ります。こうした財政情報を活用して、市内大学での出前講座実施などアウトリーチ型の広報活動を推進します。 横浜市債における市場での適正な評価や、安定的かつ多様な投資家層の構築を図るため、健全な財政運営の取組や財務書類の情報等を横浜市債IR資料としてまとめ、横浜市債IR活動を実施します。 ■地方公会計の推進 現行の現金主義会計による決算書類を補完するものとして、統一的な基準に基づく財務書類の作成・公表を29年度決算から毎年度9月に実施するとともに、経年比較や主な指定都市間比較などの財政分析に取り組みます。また、市政に対する市民の理解促進にもつながるよう、市民生活に身近な事業などを中心に、事業別行政コスト計算書の作成・公表を実施します。 ■利活用しやすい財政情報の提供   予算・決算に関する財政情報は、オープンデータ推進の視点から、二次利用が可能なデータ形式で提供します。 直近の 現状値 ・「ハマの台所事情」の発行(30年5月) ・投資家向け地方債IR活動(29年10月、30年4月) ・統一的な基準に基づく財務書類の公表(29年9月、12月) ・事業別行政コスト計算書の公表(29年12月) ※普通会計の歳入・歳出決算額や各種財政指標、一人当たり行政コストやストックに関する情報に加え、決算額や各種財政指標等についての各地方公共団体による経年比較や類似団体間比較などの分析を、総務省が都道府県・市町村ごとにまとめ、公表しているもの