政策11 持続可能な資源循環ときれいなまちの推進 ✦政策の目標・方向性 ・持続可能な循環型社会の構築に向け、「ヨコハマ3R夢プラン(平成23年1月策定)」のもと、市民・企業等との協働による取組を進め、3R行動を推進します。 ・ごみや資源物の収集運搬・処理処分において、高齢者等へのごみ出し支援など、安全・安心ときめ細かな市民サービスを提供します。 ・将来にわたって安定的なごみ処理を継続していくため、焼却工場等のインフラの充実・強化に取り組みます。 ・清潔できれいなまちの推進のため、市民や企業等と連携して取り組みます。 ✦現状と課題 ・市民や事業者等による3Rの取組などにより、ごみと資源の総量は平成21年度比で▲5.3%(29年度)と、減少傾向を維持しており、市民意識調査においても「ごみの分別収集、リサイクル」は高い満足度を得ています。 ・超高齢社会の進展や多様化するニーズへの対応として、ごみ出しが困難な方々への支援、ごみ焼却工場の受入れ24時間化を進めるなど、きめ細かなサービスを着実に実現しています。 ・分煙環境整備や地域と連携した美化活動の推進など、まちの美化を進めてきており、引き続き、市民が暮らしやすく、来街者を「おもてなし」できるきれいなまちの推進が期待されています。 ・ごみや資源物の収集運搬・処理処分を将来にわたり支えるため、焼却工場の適切な維持管理、長寿命化工事の実施、最終処分場の延命化を図るとともに、削減による将来のごみ量やライフサイクルコストを踏まえた新たな焼却工場の整備を進める必要があります。 ・施設等の整備では、廃棄物処理に伴い排出される温室効果ガス削減のため、創エネや省エネの視点で取り組むことが重要です。 ・PCBを使用している変圧器や安定器等は法令※により処分期限が定められており、適正かつ計画的な処理を進めなければなりません。 ※ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法 花薫るきれいな街ほどがや事業(保土ケ谷区)  保土ケ谷区では、平成10年に「ほどがや花憲章」を制定し、ごみ分別や、まちの美化の一層の推進に取り組んでいます。  特に、保育園・小学校でのごみの分別教室や、店頭でのごみの減量に関する啓発、横浜国立大学との協働による分別啓発キャンペーンなどを行い、清潔できれいなまちを次世代に残していくための事業を進めています。 ✦指標 指標 直近の現状値 目標値 (33年度末) 所管 1 ごみと資源の総量 120.8万トン/年 (29年度) 117.3万トン/年 (29年度比▲3%) 資源循環局 2 高濃度PCB(ポリ塩化ビフェニル)処理への対応が完了した割合 *対象:約69,000件 8%(約5,700件) (29年度) 100% 資源循環局 ✦主な施策(事業) 1 ごみ収集等のサービス向上と安全・安心の確保 所管 資源循環局、区 高齢者・障害者等の安心につながるふれあい収集の実施や外国人のごみ出し支援、粗大ごみ申込みの見直し、事業者向け手続の簡素化など、市民サービス向上を図ります。 想定 事業量 高齢者等のごみ出し支援 市民ニーズに着実に対応 【直近の現状値】29年度:市民ニーズに着実に対応 計画上の 見込額 59億円 2 【新規】新たな焼却工場整備の推進 所管 資源循環局 将来にわたり安定的にごみを処理するため、規模、機能、周辺環境への影響などの検討を行い、新たな工場の整備計画を策定します。また、市民への情報提供や意見交換などを進めます。 想定 事業量 新たな工場の整備計画の策定(33年度) 【直近の現状値】29年度:工場整備調査委託 計画上の 見込額 5億円 3 市民協働・公民連携による3Rの推進 所管 資源循環局、区 家庭から出される資源物のリサイクルを推進するとともに、新たな分別の実証実験を行います。 また、事業者から出される廃棄物のリサイクルの向上を図るほか、IoTを始めとした新たな技術の積極的な導入や普及支援などを進めます。 想定 事業量 家庭系の資源化量 100万トン(4か年) 【直近の現状値】29年度:27.2万トン/年 計画上の 見込額 183億円 4 資源循環を支える施設等の充実 所管 資源循環局 資源循環を支える処理施設等の安定稼働を確保するため、鶴見工場の長寿命化工事や市内唯一の一般廃棄物最終処分場の50年使用に向けた延命化対策等を実施します。 また、施設における温暖化対策として、照明のLED化や高効率設備の導入等を進めます。 想定 事業量 ①鶴見工場長寿命化工事の実施 75%完了 ②焼却灰資源化量 73,000トン(4か年) 【直近の現状値】29年度:①鶴見工場長寿命化計画の策定 ②1,000トン/年 計画上の 見込額 254億円 5 有害廃棄物等の適正処理の推進 所管 資源循環局 PCB(ポリ塩化ビフェニル)など有害物質を含む廃棄物などについて、広く情報提供のうえ、計画的かつ適正に処理・処分を行います。また、埋立てを終了した最終処分場について、適切な管理運営や支障除去等を行います。 想定 事業量 公共施設の高濃度PCB廃棄物の処理 19,500台(4か年) 【直近の現状値】29年度:5,300台/年 計画上の 見込額 46億円 6 まちの美化の推進 所管 資源循環局、区 きれいなまちの推進のため、市民の主体的な取組の支援等を推進します。特に、横浜駅周辺、中華街など重点的に美化を推進するエリアは、地域と連携し、美化活動・分煙環境整備・公衆トイレ改修等をまちづくりとして進めます。 想定 事業量 ①駅周辺の喫煙所の整備・管理運営箇所 19か所(累計) ②公衆トイレの再整備箇所 22か所(4か年) 【直近の現状値】29年度:①16か所(累計) ②1か所/年 計画上の 見込額 22億円 政策12 環境にやさしいライフスタイルの実践と定着 ✦政策の目標・方向性 ・市民・企業等との連携により、環境行動や環境プロモーションを展開し、環境にやさしいライフスタイルの実践・定着を図っていきます。 ・食品ロス削減を着実に進めるため、様々な団体と連携したイベントの開催や広報等を通じて、食を大切にし、食品ロスを出さないライフスタイルの定着を図ります。 ・緑を保全・創出する取組、アユが遡上する川づくり、豊かな海づくりなど、多様な生き物を育む場をつくります。また、生物多様性等への理解を深めるなど、これらの場を活用した環境教育・学習、環境行動の実践を進めます。 ✦現状と課題 ・自然共生や循環型社会などに対する高い意識を持った市民や企業とともに、生物多様性の保全、地球温暖化対策、3R行動等の環境行動に横断的に取り組み、環境にやさしいライフスタイルの実践を進めています。 ・地域、学校、職場での環境教育・学習機会の充実を図ってきたことにより、市民の環境に関する関心や機運がさらに高まっています。今後も大規模なイベントの開催機会等をとらえた環境プロモーションの積極的な展開を図るなど、より一層の環境行動の実践につなげる取組を推進することが重要です。 ・SDGs(持続可能な開発目標)など、国際的にも食品ロスが課題となっており、廃棄物、食の安全保障、産業、経済、飢餓、貧困など様々な切り口からのアプローチで食品ロス削減の取組を加速させていく必要があります。 ・生物多様性や景観形成に配慮した多自然型の河川などの多様な生き物を育む場の保全・創出を進めるとともに、体験学習や環境保全活動等の環境行動の実践の場として、さらなる活用を進めていく必要があります。 みんなの想いでつながり広がるエコ活動(戸塚区)  区内の企業や学校、団体が協働して、地域のこどもたちと一緒に川の清掃活動やアユが遡上する川づくり、ハグロトンボ等の生物調査を行うなど、地域に根差した様々な取組が活発に行われています。  また、区のエコ講座を受講した方々が設立した「とつかエココーディネーター協議会」が、省エネや3Rをテーマとした講座を地区センターなどの身近な会場を巡回して開催するなど、エコ活動のネットワークが地域で広がっています。さらに、環境未来都市である北海道下川町との交流を通した学び合いを続けています。 ✦指標 指標 直近の現状値 目標値 (33年度末) 所管 1 環境に対して関心があり、行動に結びついている人の割合 52.8% (29年度) 60% 環境創造局 2 食品ロス発生量※ 111,000トン/年 (27年度) 20%削減 (27年度比) 資源循環局 3 横浜市と連携して温暖化対策を進める 企業・市民等の団体数 426団体 (29年度) 500団体 温暖化対策 統括本部 ※家庭から出される食品ロスの発生量 ✦主な施策(事業) 1 環境にやさしいライフスタイルの広報・啓発 所管 温暖化対策統括本部、 環境創造局、資源循環局、区 市民・企業等による生物多様性の保全、地球温暖化対策、3R行動等の環境行動の実践につながるよう、資源循環を支える様々な施設の活用や、環境・地球温暖化に関する講座やイベント等を通じた広報、普及啓発を行います。 想定 事業量 出前講座等の実施回数 1,440回(4か年) 【直近の現状値】29年度:381回/年 計画上の 見込額 3億円 2 【新規】「食」を大切にするライフスタイルの推進 所管 資源循環局、国際局、 健康福祉局等、区 食品ロス削減に向けて、新たな推進母体の設立や国際機関とも連携した「食」を考えるシンポジウム等の開催、フードバンク・フードドライブ活動の支援、食べきり協力店事業の推進、食品ロス発生量の調査、食育の推進など、多分野連携のもと、様々な視点から活動を展開します。また、土壌混合法の普及や食品廃棄物のリサイクル促進に取り組みます。 想定 事業量 食品ロス削減に向けたシンポジウム・講演会等の実施回数:230回(4か年) 【直近の現状値】29年度:58回/年 計画上の 見込額 2億円 3 市民・企業等との協働による温暖化対策の促進 所管 温暖化対策統括本部、 環境創造局、区 COOL CHOICE YOKOHAMAをはじめとする温暖化対策の普及啓発や、大規模イベントを契機としたカーボン・オフセットプロジェクト、区と連携した地域の取組等を進めることで、市民や事業者の自発的な温暖化対策を促進します。 地球温暖化対策計画書制度等の充実を図るとともに、制度対象外の中小事業者に対しても積極的に啓発・支援を実施することで事業者の温暖化対策を推進します。 想定 事業量 ①温暖化対策の取組に参加した人数 160,000人(4か年) ②地球温暖化対策計画書及び報告書提出数 1,590件(4か年) 【直近の現状値】29年度:①約34,000人/年 ②340件/年 計画上の 見込額 5億円 4 生物多様性の保全のための調査・研究、普及啓発 所管 環境創造局、道路局 市民参加による調査等を含めた定期的な生き物調査を進めるとともに、地域や国内に生息する希少動物の繁殖・研究に取り組みます。また、生物多様性への理解を深め、市民生活や企業活動において生物多様性に配慮した行動を進めるため、市民、事業者への活動助成や表彰などによる環境活動支援等を行います。 想定 事業量 ①陸域・水域生物多様性に関する調査 114地点(4か年) ②国内産希少動物の繁殖技術の研究・確立 ③環境活動賞受賞団体 48団体(4か年) 【直近の現状値】29年度: ①13地点/年 ②希少動物の繁殖技術の確立等 ③10団体/年 計画上の 見込額 35億円 5 多様な生き物を育む場づくり・豊かな海づくり 所管 港湾局、環境創造局、 道路局 生物多様性を保全する機能等を十分に発揮するための緑を保全・創出する取組やアユが遡上する川づくりなどの河川環境整備を進めます。また、市民に開かれた漁港施設の改修、多様な主体と連携しながら海域での浅場・藻場などの形成、生物共生型護岸の整備などにより豊かな海づくりを進めます。 想定 事業量 漁港施設の改修、海域での浅場・藻場などの形成等 着手(31年度) 【直近の現状値】29年度:- 計画上の 見込額 26億円 政策13 活力ある都市農業の展開 ✦政策の目標・方向性 ・大都市でありながら市民の身近な場所で農業が営まれ、新鮮で安心な農畜産物を生産・販売している横浜の農業を次世代に引き継ぐため、景観形成やグリーンインフラとしての多様な機能を持つ都市農地の保全・活用を進め、都市と農との共生を図ることで、持続可能な都市農業を展開します。 ・先進技術導入や6次産業化による高付加価値化等の展開、農に関わる人材の育成や企業等との連携強化による農のプラットフォーム※の充実、「横浜農場」の積極的なプロモーションによる地産地消の推進などにより、都市農業の活性化を図ります。 ・市民が身近に農を感じる場づくりや観光や食育との連携を進め、都市の魅力向上を図ります。 ※農のプラットフォーム:生産者・事業者・消費者など地産地消に関わる様々な主体のネットワーク、つながる場 ✦現状と課題 ・横浜では多様な農業が展開され、農業産出額は県内トップクラスであり、住宅(消費者)の近くに農地(生産者)があるため、約1,000か所に及ぶ直売所で旬の新鮮な農畜産物を購入できるなど、横浜の特徴をいかした地産地消をはじめとした様々な取組を進めています。 ・これまで以上に持続可能な都市農業を推進していくため、生産施設や基盤等の整備・改修、地域の中心的な担い手の育成・支援や、規模拡大を図る農家や法人の利用希望への対応、農地の貸借や集約化を進め、多様な主体による農地の適正利用を促進するとともに、特定生産緑地指定などを通じ、良好な営農環境の保全を図る必要があります。 ・市民農園などの農とふれあう場の提供のほか、農畜産物を購入できる場や味わえる場を増やすことで地産地消をさらに進め、農が身近にある暮らしを定着させることが重要です。 ・生産緑地法の改正や都市農業振興基本法の制定など、都市農業を取り巻く状況が大きく変化しており、農家の高齢化や後継者不足、生産基盤や設備の老朽化、相続による農地の小規模・分散化、周辺の宅地化等による営農環境の悪化などの様々な課題があります。 ・「横浜農場」の展開にあたっては、食や農に関わる人材の育成や、生産者・事業者・消費者等の多様な主体との連携を進めてきました。今後はさらなる展開に向けて、都心臨海部を中心としたプロモーション強化などが必要です。 さかえの食と農を育む事業(栄区) 栄区では、地元で採れた旬の野菜を味わい、楽しみながら身近な「農」に触れるイベントとして、「本郷台アオソラマルシェ」や東京ガス(株)と連携した料理教室等を実施しています。 また、小学校と連携した食育リーフレット「さかえの野菜を知って・食べて・元気に!」の作成や、JA横浜の協力のもと、区内農家産の野菜を使った給食を通して地元の農や野菜の美味しさを伝えるなど、区民が豊かな食生活を送るための取組を推進しています。 ✦指標 指標 直近の現状値 目標値 (33年度末) 所管 1 市内産農畜産物の購入機会の拡大 57件/年 (29年度) 220件 (4か年) 環境創造局 2 市民・企業等と連携した地産地消の取組数 40件/年 (29年度) 170件 (4か年) 環境創造局 3 様々なニーズに合わせた農園面積 76.7ha (29年度) 95ha 環境創造局 ✦主な施策(事業) 1 付加価値の高い農畜産物等の生産振興 所管 環境創造局 先進的な栽培技術や6次産業化による農畜産物の付加価値向上、効率的な農業生産に必要な施設・設備の導入等の支援により、多様な消費ニーズに対応した市内産農畜産物の安定供給を進め、活力ある農業経営につながる取組を展開します。 想定 事業量 付加価値の高い農畜産物の生産設備導入支援 20件(4か年) 【直近の現状値】29年度:4件/年 計画上の 見込額 1億円 2 農業生産基盤の安定化・効率化に向けた支援、農地の利用促進 所管 環境創造局 農業生産の基礎となる生産環境の整備の支援を進めるとともに、農業生産の基盤となる農地の貸し借りを促進し、農地の集約化を図ります。また、良好な景観形成やグリーンインフラとしての機能の活用など、農地の多面的な機能の有効利用を促進することで、まとまりのある農地の保全を図ります。 想定 事業量 生産環境の整備地区 24地区(4か年) 【直近の現状値】29年度:9地区/年 計画上の 見込額 6億円 3 横浜の農業を支える担い手の支援 所管 環境創造局 認定農業者や「よこはま・ゆめ・ファーマー」※など、意欲的に農業に取り組む担い手や、新たに農業を支える担い手等の育成・支援を進めるとともに、農業金融制度の支援等により農業経営の安定化を図ります。 想定 事業量 農業経営の改善支援(補助事業) 20件(4か年) 【直近の現状値】29年度:7件/年 計画上の 見込額 4億円 ※農業経営や地域活動などに主体的に取り組んでおり、市により認定された女性農業者 4 地産地消の推進 所管 環境創造局 飲食店等における市内産農畜産物の利用促進や直売所等の支援、「横浜農場」による市内産農畜産物のプロモーションなど、地産地消の取組をさらに拡大し都市の魅力向上につなげます。また、地産地消に関わる人材の育成や企業等との連携をさらに進めるとともに、生産者・事業者・市民等のネットワーク作りを促進することにより、多様な主体が連携した農のプラットフォームの充実を図ります。 想定 事業量 ①はまふぅどコンシェルジュ※の活動支援等 110件(4か年) ②直売所等の開設・施設整備等支援 63件(4か年) 【直近の現状値】26-29年度:①86件 ②39件 計画上の 見込額 3億円 ※横浜の「食」と「農」をつなぎ地産地消を広めるための活動を行い、市が主催する講座を修了された方 5 農に親しむ取組の推進 所管 環境創造局 収穫体験から本格的な農作業まで、多様な市民ニーズに対応した農園の開設支援や、良好な水田環境の保全など、市民が農にふれあう場づくりを進めます。 想定 事業量 市民農園の開設面積 18ha(4か年) 【直近の現状値】26-29年度:19.2ha 計画上の 見込額 27億円 政策14 参加と協働による地域福祉保健の推進 ✦政策の目標・方向性 ・身近な地域の支え合いが一層充実するよう、地域住民、事業者、関係機関と協働して取り組む地域福祉保健計画を引き続き推進し、地域福祉保健活動の基盤づくりを進めます。 ・地域住民や様々な団体と地域課題を共有し、協働により課題解決に取り組む支え合いの地域づくりを進めることにより、制度の狭間にある人を含めた社会的孤立の防止を図ります。 ・市民一人ひとりが自分の強みを発揮しながら地域福祉保健活動に関われるよう、コーディネート機能を充実させるとともに、地域の中で人と人とがつながることができる場づくりを進めます。 ・社会福祉法人や企業等、地域の社会資源と地域住民や組織の連携及び協働を支援します。 ✦現状と課題 ・身近な福祉・保健の拠点として様々な取組を行う地域ケアプラザを137か所運営しています。 ・平成28年12月からいわゆる「ごみ屋敷」への必要な対応を盛り込んだ「横浜市建築物等における不良な生活環境の解消及び発生の防止を図るための支援及び措置に関する条例(平成28年9月制定)」を施行し、各区に対策連絡会議を設置するなど、組織的に取り組む体制を整備しました。 ・少子高齢化や世帯の小規模化が進む中で、支える側と支えられる側の区別なく、地域の人々や様々な団体が参加し、連携して地域づくりを進めていくことが求められています。 ・地域には社会的孤立や生活困窮等、潜在化している課題が多く、つながりが希薄化している中で、これらの課題を早期に発見し、対応する体制づくりや、介護予防・子育て支援など多世代が気軽に交流できる居場所づくり、また、高齢化や福祉課題の多様化の中で、より身近な場所で様々な相談を受け、適切な支援につなぐことが必要です。 ・認知症高齢者や障害者等、判断に支援を要する方を、福祉・司法など各分野の専門家や機関と地域が共に支える権利擁護の推進や、消費者被害の未然防止などの消費者行政の推進が必要です。 港南ひまわりプラン(第3期地域福祉保健計画)の推進(港南区) 港南区では、地域福祉保健計画に「港南ひまわりプラン」と愛称をつけ、区民の皆さん、活動団体、行政等が協力して、地域の中でお互いに支えあえる関係の充実を目指し、取組を進めています。 各地区では、あいさつ運動や多世代交流、高齢者の買い物支援、災害時要援護者への支援など、様々な取組が進められています。また、区内9つの地域ケアプラザでは、高齢者の身元確認などにつながる「ひまわりホルダー」を平成28年10月から実施するなど、見守り・支えあいの取組が広まっています。 ✦指標 指標 直近の現状値 目標値 (33年度末) 所管 1 地域ケアプラザ等による地域福祉団体・機関とのネットワーク数 682件 (29年度) 800件 健康福祉局 2 近隣に影響があるいわゆる「ごみ屋敷」の解消件数 73件(累計) (29年度) 200件(4か年) 健康福祉局 資源循環局 ✦主な施策(事業) 1 地域福祉保健推進のための基盤づくり 所管 健康福祉局、区 地域の状況や地域福祉保健計画地区別計画の方向性に合わせて、身近な地域の支え合いが一層充実するよう、社会福祉協議会、地域ケアプラザ等と連携し、地区別計画の策定・推進への支援や課題に応じたネットワークの構築を進めます。 想定 事業量 ①地域福祉保健計画の地区別計画推進組織設置地区数 254地区(累計)※ ②地域ケアプラザ 設置6か所・運営143か所(累計) 【直近の現状値】29年度:①237地区(累計) ②運営137か所(累計) 計画上の 見込額 125億円 ※p.97の政策33の主な施策(事業)1の想定事業量②と同じ 2 身近な地域で支援が届く仕組みづくり 所管 健康福祉局、区 様々な生活課題を抱え、支援が必要な人を早期に把握する取組の充実と、地域住民や様々な団体との協働により的確な支援につなげる仕組みづくりを進めます。 想定 事業量 『ひとり暮らし高齢者「地域で見守り」推進事業』※におけるひとり暮らし 高齢者等の把握数 167,734人 【直近の現状値】29年度:133,136人 計画上の 見込額 1億円 ※ひとり暮らし高齢者「地域で見守り」推進事業:在宅で75歳以上のひとり暮らし高齢者等について、本市が保有する個人情報を民生委員及び地域包括支援センターへ提供し、地域における見守り活動等へつなげる事業 3 地域住民及び関係機関と連携したいわゆる「ごみ屋敷」対策 所管 健康福祉局、資源循環局、区 いわゆる「ごみ屋敷」の背景には、地域社会における孤立等の生活上の諸課題があり得ることを踏まえ、地域住民及び関係機関と連携しながら、当事者に寄り添い福祉的な支援により解消や発生の防止を図ります。 想定 事業量 排出支援回数 120回(4か年) 【直近の現状値】29年度:46回(累計) 計画上の 見込額 1億円 4 【新規】身近な場所での拠点づくり 所管 健康福祉局、市民局、 こども青少年局、建築局、 都市整備局、区 地域につながり、地域で支え合う活動の基盤となるサロン等、身近な生活圏域での居場所づくりを進めるため、既存の制度や枠組をいかした支援や、柔軟な発想により、地域の取組を支援します。 想定 事業量 ①住民主体による地域の活動把握数のうち交流・居場所の数 7,470件/年 ②子どもの居場所づくりへの支援により立ち上がった地域の取組数 60件(4か年)※ 【直近の現状値】29年度:①6,723件/年 ②8件/年(モデル2区) 計画上の 見込額 42億円 ※p.89の政策29の主な施策(事業)4の想定事業量と同じ 5 権利擁護の推進 所管 健康福祉局 高齢者や障害者が住み慣れた地域でその人らしい生活を送ることができるよう、福祉・保健・医療・司法等の専門家・機関や地域が連携し、身近な地域で本人に寄り添いながら成年後見制度等の権利擁護を推進します。 想定 事業量 区社協あんしんセンター 権利擁護事業利用者数 1,250人 【直近の現状値】29年度:1,028人 計画上の 見込額 11億円 6 消費者の安全確保のための地域や事業者との協働ネットワークの構築 所管 経済局 横浜市消費生活総合センターと地域ケアプラザ等との連携会議を継続的に開催し、地域や民間事業者等との協働ネットワークを構築することで、高齢者を消費者被害から守ります。 想定 事業量 消費者被害未然防止のための「消費者お助けカード」の配布枚数 550,000枚(累計) 【直近の現状値】29年度:293,300枚(累計) 計画上の 見込額 0.2億円 政策15 健康づくりと健康危機管理などによる市民の安心確保 ✦政策の目標・方向性 ・健康寿命の延伸に向け、若い世代からの生活習慣の改善やがんの早期発見等、生活習慣病の重症化予防・介護予防を進め、市民一人ひとりの健康づくりを推進します。 ・日常生活の中で楽しみながら継続的に取り組める健康づくりのムーブメントを広げ、健康ライフスタイルの浸透を図ります。 ・働き世代の従業員が健康に働き続けられるよう、企業等の健康経営の取組を支援します。 ・感染症や食中毒発生時に迅速な対応を行うことにより、拡大・まん延防止を図るため、医療機関や関係団体との連携体制の一層の推進や、市内発生状況の分析、情報共有及び啓発を行います。 ✦現状と課題 ・「よこはまウォーキングポイント」の参加登録は累計30万人を達成し、楽しみながら健康づくりを行う市民の機運を醸成しました。 ・「横浜健康経営認証制度」を創設し、2か年で80を超える事業所を認証することにより、市内企業における健康経営の取組を後押ししました。 ・誰もがいつまでも活躍し、自立した生活を送るには健康寿命の延伸が必要です。そのためには、生活習慣病、ロコモティブシンドロームなどの予防が不可欠であり、働き・子育て世代からの継続した運動や食事などの生活習慣の改善につなげることが重要です。 ・働き・子育て世代の方の多くは就労しており、企業や事業所が行う健康管理のあり方が健康寿命の鍵を握っています。 ・安全・安心な市民生活を守るため、新型インフルエンザなど感染症への適切な対応、食品関係施設への監視指導やHACCP(ハサップ)※による衛生管理の導入が必要です。 ※HACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point):食品等事業者自らが食中毒菌汚染や異物混入等の危害要因(ハザード) を把握したうえで、原材料の入荷から製品の出荷に至る全工程の中で、それらの危害要因を除去または低減させるために特に重 要な工程を管理し、製品の安全性を確保しようとする衛生管理の手法 子どもの頃からの生活習慣病の予防(戸塚区)  戸塚区では、自分の健康について考えるきっかけとなる親子参加型のイベントを、区内にある医療系大学や関係機関と連携して開催しています。親子で体験できるプログラムを提供することで、子どもと一緒に、働き・子育て世代にも、健康チェックなどの測定や健診の受診勧奨を行っています。 ✦指標 指標 直近の現状値 目標値 (33年度末) 所管 1 がん検診の精密検査受診率※ (胃、肺、大腸、子宮、乳がん検診) 75% (29年度)(見込み) 全て85% 健康福祉局 2 よこはまウォーキングポイント参加者アンケートで「あと1,000歩、歩く」ようになったと回答した割合 41% (29年度) 45% 健康福祉局 3 国民健康保険特定健康診査受診率 21.0% (28年度) 33.0% (32年度) 健康福祉局 ※精密検査受診率:がん検診で精密検査が必要という結果が出た人のうち実際に精密検査を受診した割合 ✦主な施策(事業) 1 生活習慣病予防対策の強化 所管 健康福祉局、医療局、区 「第2期健康横浜21」などに基づき、データを活用して、がん検診や特定健康診査、歯周病検診等の受診率向上を図り、健診結果等に基づく、保健指導を進めることで生活習慣の改善や生活習慣病の重症化予防に取り組みます。また、喫煙の健康への悪影響について啓発し禁煙を促すほか、受動喫煙防止対策を進めていきます。 想定 事業量 がんの予防・受診啓発に関する取組事業数 90事業/年 【直近の現状値】29年度:92事業/年 計画上の 見込額 265億円 2 継続的に取り組める健康づくりの推進♢ 所管 健康福祉局、道路局、 環境創造局、区 日常生活の中で楽しみながら継続的に取り組める仕組みにより、広い世代へ働きかけ、健康行動の習慣化や定着化を図り、介護予防へとつながるよう切れ目のない健康づくりを推進します。また、健康みちづくり(歩行空間等の整備)や健康づくり公園(健康器具や使い方看板等を設置)などによる健康づくりの場の創出に取り組みます。 想定 事業量 よこはまウォーキングポイント新規参加登録者数 15,000人/年 【直近の現状値】29年度:300,306人(累計) 計画上の 見込額 23億円 ◇p.87の政策28主な施策(事業)6に後掲 3 健康経営の取組支援 所管 経済局、健康福祉局、 医療局 健康経営に積極的に取り組む事業所を認証する「横浜健康経営認証制度」等を活用し、関係機関や民間企業等と連携を図りながら、健康経営を幅広く普及させ、従業員の健康づくりや仕事と治療の両立などに積極的に取り組む事業所を増やし、働き世代の健康づくりを推進します。 想定 事業量 横浜健康経営認証制度 新規認証事業所数 160事業所(4か年) 【直近の現状値】29年度:54事業所/年 計画上の 見込額 7億円 4 食の安全・安心の推進 所管 健康福祉局、区 食品関係施設への監視指導や食品の検査により、食中毒の発生や違反食品の流通を防止するとともに、HACCPによる衛生管理の導入を推進して、食の安全を確保します。 想定 事業量 HACCP導入指導件数 9,600件/年 【直近の現状値】29年度:606件/年 計画上の 見込額 6億円 5 感染症対策の強化 所管 健康福祉局、 医療局病院経営本部 エボラ出血熱※や新型インフルエンザ等発生時の感染拡大を防止するため、医療機関などと連携し対応訓練を行うとともに、医療資器材の整備等を進めます。また、市民病院再整備に合わせ、感染症病床の機能強化を図ります。 想定 事業量 エボラ出血熱・新型インフルエンザ等の発生時対応訓練 2回/年 【直近の現状値】29年度:2回/年 計画上の 見込額 14億円 ※エボラ出血熱:感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律で一類感染症に定められている。一類感染症とは、「感染力、罹患した場合の重篤性等に基づく総合的な観点から見た危険性が極めて高く、患者、疑似症患者及び無症状病原体保有者について入院等が必要な感染症」で、法第二十一条及び同施行規則第十二条に基づき、保健所が厳密な感染防護対策のもと患者を第一種感染症指定医療機関に移送しなければならない。