広報よこはま4ページ 2018(平成30)年12月号 ■改めて同和問題について考える  同和問題は、「同和地区」または「被差別部落」ともいわれる特定の地域での出生や、その地域の出身であることなどを理由として続いている差別問題です。  2016年12月に施行された「部落差別の解消の推進に関する法律」において、「現在もなお部落差別が存在する」と規定されているように、出身を理由に就職や結婚を断られる、インターネット上に差別的な書き込みをされるなどの差別が続いています。しかし、こうした差別は、同和問題に対する誤った認識や偏見によるものです。仮にあなたが出身を理由として、周りから否定的に見られ、不当な扱いを受けたら、どのように感じるでしょうか。  人は、誰もがかけがえのない存在であり、多様な個性と豊かな可能性を有しています。「一人ひとりの市民が互いに人権を尊重しあい、ともに生きる社会」の実現に向けて、今一度、自分の心の内にある誤った認識や偏見を見つめ直すことから始めてみませんか。 【この記事に関する問合せは】市民局人権課へ 電話045-671-2718 ファクス045-681-5453 ■当たり前のこと、自分の心に向き合う 〜職業差別を考える〜  私たちは、昔からさまざまな形で生き物を利用して生活してきました。かわいがるためのペットとして、人の運搬や介助をする労働力として、食料や革製品として、新薬開発のための実験動物として、狩猟や釣りなど遊びとして。これらは、人が豊かに暮らしていくための自然な営みです。  そして、このような人と生き物との関わりは、多くの人の支えによって成り立っています。例えば、牛や豚など私たちが食べる肉は、と畜・解体する食肉処理という仕事が欠かせません。しかし、もしあなたがと畜・解体する仕事に対して「動物を殺すかわいそうなこと」とマイナスイメージを持っているとしたら、そこで働く人々や家族を傷つけることになるのです。  生き物を利用することは当たり前で自然なことであるにも関わらず、そこに偏見や差別が生じていることはないでしょうか。少し立ち止まって、人を傷つけてしまう自分がいないか、自らの心に向き合ってみましょう。 【この記事に関する問合せは】市民局人権課へ 電話045-671-2379 ファクス045-681-5453 ■子どもを健やかに育むために 〜叩かない怒鳴らない育児〜  子育てをしていると、子どもが言うことを聞いてくれず、つい怒鳴ったり叩いたりしてしまうことはありませんか。  一見、叩いたりすることで親の思いどおりになったように見えることもありますが、それは叩かれた恐怖によるものです。体罰や暴言は、しつけではありません。最近の研究では、体罰や暴言は、子どもの脳の発達に深刻な影響を及ぼすことが報告されています。  子育てに悩んだり、イライラすることは誰にでもあることです。イライラが爆発する前に、クールダウンするための、自分なりの方法(深呼吸する、数を数えるなど)を見つけておきましょう。  子育ての悩みがあるときは、一人で抱え込まず、最寄りの区役所または児童相談所へ相談してください。 ※厚生労働省「子どもを健やかに育むために 〜愛の鞭(むち)ゼロ作戦〜」から一部抜粋しています。 【この記事に関する問合せは】こども青少年局こども家庭課へ 電話045-671-4288 ファクス045-681-0925 ■思い込みで判断していませんか?  「電車で優先席に座っていると、なぜあなたがそこに座っているのかと言われたりすることがあります。」  これは、内部障害(心臓や腎臓、呼吸器など体の内部の障害)のある人が、実際に日常生活の中で感じた困り事の一例です。  内部障害の人は、外見からは分かりづらいものの、体調が悪いために座らなければならないことがあります。  また内部障害のある人だけではなく、義足や人工関節を使用している人、難病の人など、外見から分からなくても援助や配慮を必要としている人たちはたくさんいます。  見た目や思い込みによらず、こうした障害を知り、一人ひとり異なる生活上のさまざまな不便さがあることを理解することが大切です。 ヘルプマークを知っていますか?  ヘルプマークとは、外見から分からなくても援助や配慮が必要な人たちが、周囲の人に配慮を必要としていることを知らせるためのものです。  ヘルプマークは各区役所の高齢・障害支援課、横浜市総合リハビリテーションセンターで配布しています。 【この記事に関する問合せは】健康福祉局障害企画課へ 電話045-671-3601 ファクス045-671-3566 ■感染症の正しい知識と理解を  感染症は、誰もがかかりうる病気です。誤った知識や思い込みによる、感染した人への偏見や差別をなくしていくためには、私たち一人ひとりが、感染症に対する正しい知識を持つことが必要です。 【HIV/エイズ】  HIV(ヒト免疫不全ウイルス)とは、エイズを引き起こすウイルスのことです。このHIVによって免疫力が低下し、普段なら問題にならない弱い菌などに感染することや、悪性腫瘍ができることによって発症するのがエイズです。 【ハンセン病】  ハンセン病は、らい菌により、皮疹や末梢神経の障害を呈する感染症で、早期治療により治癒します。国が誤った隔離政策を行ったことにより間違った考えが広がり、偏見が大きくなりました。  これらの感染症は感染力が弱く、日常生活で感染する可能性はほとんどありません。 ※レッドリボンはHIV/エイズと共に生きる人々を差別しないというメッセージです。 【この記事に関する問合せは】健康福祉局健康安全課へ 電話045-671-2729 ファクス045-664-7296 ■自殺・自死遺族について  自殺はその多くが、個人の意思や選択の結果ではなく、健康問題、経済・生活問題、人間関係の悩みなどのさまざまなことが原因となり、自殺以外考えられない状態に陥るなど、「心理的に追い込まれた末の死」です。一人ひとりが身近な人の変化に気付き、必要な支援につなげ、見守る「ゲートキーパー」になることが、大切ないのちを支えることにつながります。自殺で身近な人を失った自死遺族の中には、自責の念や周囲からの偏見のため、自らの思いを長く心の中に閉じ込めている人が多くいます。遺族が心の傷を癒すためには、自らの思いを安心して話せるなど、孤立させない環境づくりが大切です。自殺の現状や、自死遺族の思いへの理解を進めることが、誰もが生きやすい社会に繋がっていくと言えるのではないでしょうか。 【こころの悩み相談窓口】 ●居住区の福祉保健センター(月〜金曜8時45分〜17時) ●こころの電話相談  電話045-662-3522(月〜金曜17時〜21時30分、土・日曜・祝休日8時45分〜21時30分) 【身近な人を自死で亡くされた人の相談窓口】 ●自死遺族ホットライン  電話045-226-5151(毎月第1・3水曜日10時〜15時<祝休日、1月2日(水)を除く>) 【この記事に関する問合せは】健康福祉局障害企画課へ 電話045-671-4134 ファクス045-671-3566