広報よこはま16ページ 2017(平成29)年12月号 人権特集 12月4日〜10日は人権週間です 同和問題 〜部落差別解消推進法の制定に寄せて〜  同和問題は、「同和地区」または「被差別部落」ともいわれる特定の地域での出生など、その地域の出身であることなどを理由として続いている、日本固有の差別問題です。  この問題に対し、国は2016年12月に「部落差別の解消の推進に関する法律」を施行しました。そこでは「現在もなお部落差別が存在する」と規定したうえで、「部落差別は許されないものであるとの認識の下にこれを解消することが重要な課題である」と示しています。  日本国憲法で、全ての国民に基本的人権が保障されてから70年が経過した現在でも、特定の地域の出身であるという理由だけで、就職・結婚における差別やインターネットへの書き込みなどによる差別に傷ついている人がいます。  もしもあなたが自身の出身だけを理由に、周りから不当な扱いをされたら、どのように感じますか。  相手の立場に立ち、相手の気持ちに寄り添う心がけが、差別のない社会への第一歩なのではないでしょうか。 問合せ 市民局人権課 電話045-671-2379 ファクス045-681-5453 当たり前のこと、自然なこと 〜職業差別を考える〜  私たちは、生命を保ち、豊かに生活するため、さまざまな形で生き物を利用しています。  肉や魚、卵や野菜を食べることはもちろん、犬や猫などのペットをかわいがることや、革の靴やバッグを身に付けたり、狩猟や釣りを楽しむこともそうです。  普段意識することは少ないですが、このような人と生き物との関わりは、多くの人の支えによって成り立っています。  例えば、牛や豚などの肉が私たちの口に入るまでには、と畜・解体する食肉処理という仕事が欠かせません。それなのに、「動物を殺すからかわいそうなこと」と、マイナスイメージを持っていませんか。その意識が職業に対する差別となり、働く人や家族を傷つけています。  生き物をかわいがること、楽しむこと、食べること。すべて、人が生きていくうえで、当たり前で、自然なことです。  そのことを、改めて自分の心に問い直してみませんか。 問合せ 市民局人権課 電話045-671-2379 ファクス045-681-5453 STOP!子ども虐待 よこはま子ども虐待ホットライン 電話0120-805-240(24時間・365日)  虐待かどうかは、子どもがどのように感じ、どのように傷ついているか、「子どもの立場」から判断されるもので、保護者(親)の意図とは無関係です。子どもにとって有害な行為、発言であれば「虐待」とみなされます。 ●身体的虐待…「殴る・蹴る」「激しく揺さぶる」など ●心理的虐待…「子どもの目の前で配偶者などに暴力をふるう」「言葉による脅し」など ●ネグレクト…「食事を与えない」「ひどく不衛生にする」など ●性的虐待……「子どもへの性的行為」「性的行為を見せる」など  虐待を受けると、集中力や落ち着きがない、感情の起伏が激しい、人を信用することができないなど、良好な対人関係が築けなくなる場合があります。虐待は、子どもの心身の成長や人格形成に重大な影響を与えたり、次の世代に引き継がれるおそれもあり、子どもに対する最も重大な権利侵害です。「もしかしたら、虐待かな…」そう思ったら一人で悩まずに相談してください。一緒に考えましょう。 問合せ こども青少年局こども家庭課 電話045-671-4288 ファクス045-681-0925 障害のある人とない人の対話による共生社会を目指して  2016年4月に施行した障害者差別解消法では、「不当な差別的取扱いの禁止」と「合理的配慮を提供すること」が求められています。皆さんは気付かないうちに差別をしてしまっていませんか。イベントなどで、障害のある人に対して一人ではなく家族と来るよう求めたり、本人を無視して介助者や支援者、付き添いの人だけに話しかけたり…。  このような対応は、不当な差別的取扱いに当たります。それでは、合理的配慮とは何でしょうか。  聴覚障害のある人に手話で対応することでしょうか?  視覚障害のある人に点字の資料を準備することでしょうか?  誰に聞けば、分かるのでしょう。その答えは、「配慮を必要としている人(障害のある人)」です。障害のある人が必要としている配慮は一人ひとり違います。  そして、どのような配慮を必要としているかはその人にしか分かりません。まずは、障害のある人と対話をすることから始めてみませんか? 問合せ 健康福祉局障害企画課 電話045-671-3601 ファクス045-671-3566 正しい知識と理解をもって 〜感染症〜  感染症は、人から人へうつる病気です。そのため、誤った知識や思い込みで、感染した人に偏見を持ち、差別をしてしまうことがあります。  差別や偏見をなくしていくためには、私たち一人ひとりが、感染症に対する正しい知識を持つことが必要です。 【HIV/エイズ】  HIV(ヒト免疫不全ウイルス)とは、エイズを引き起こすウイルスのことです。このHIVによって免疫力が低下し、本来なら自分の力で抑えることのできる病気や悪性腫瘍を引き起こすことによって発症するのがエイズです。 【ハンセン病】  ハンセン病は、国が誤った隔離政策を行ったことにより間違った考えが広がり、偏見が大きくなりました。  これらの感染症は、感染力が弱く、日常生活で感染する可能性はほとんどありません。 レッドリボンは、エイズに関して偏見をもっていない、エイズと共に生きる人々を差別しないというメッセージです。 問合せ 健康福祉局健康安全課 電話045-671-2729 ファクス045-664-7296 自殺・自死遺族について  自殺は、個人の自由な意思や選択の結果ではなく、実際には、健康問題、経済・生活問題、労働問題、人間関係などさまざまな原因により、その多くが心理的に「追い込まれた末の死」なのです。  大切ないのちを「つなぐ」ためには、一人ひとりが、身近な人の変化に気付き、見守る「ゲートキーパー」になることが必要です。  自殺で大切な人を失った「自死遺族」には、自責の念や周囲からの偏見のため、そのことについて話すことがためらわれ、自らの思いを長く心の中に閉じ込めている人が多くいます。遺族が心の傷を癒やすためには、自らの思いを安心して話せる環境をつくることが大切です。そのためには、誰もが自殺の現状や自死遺族の苦痛を理解する必要があるのではないでしょうか。 【こころの悩み相談窓口】 ●居住区の福祉保健センター(月〜金曜8時45分〜17時) ●こころの電話相談 電話045-662-3522(月〜金曜17時〜21時30分、土・日曜、祝休日8時45分〜21時30分) 【大切な家族や友人を自死で亡くした人の相談窓口】 ●自死遺族ホットライン 電話045-226-5151 (毎月第1・3水曜10時〜15時<祝休日、1月3日は休み>) 問合せ 健康福祉局障害企画課 電話045-671-4134 ファクス045-671-3566 広報よこはま11月号、12月号に掲載した人権特集は、市民局人権課のホームページでも読むことができます