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41.高速横浜環状北線環境影響評価準備書に対する市長意見(平成11年9月3日)

最終更新日 2019年3月18日

市長意見

環保環審第93号
平成11年9月3日
神奈川県知事 岡崎 洋 様
横浜市長 高秀 秀信

「高速横浜環状北線環境影響評価準備書」に対する意見について(回答)


平成11年6月14日環計第5号で意見の求めがありました標記について、別添のとおり回答します。

担当 横浜市環境保全局環境影響審査課

TEL 045‐671‐2495,2479


別添

1 基本的事項

(1) 高速横浜環状北線(横浜市都筑区川向町~鶴見区生麦二丁目)(以下「本事業」という。)の計画されている地域(以下「計画地域」という。)周辺は、二酸化窒素、浮遊粒子状物質濃度の環境基準が未達成の状況にあり、大気環境の改善が求められている。未達成の大きな要因として、自動車からの排出ガスがあげられる。
平成22年の二酸化窒素の予測については、不確定な要素もあり、また、浮遊粒子状物質については、予測・評価がなされていない。
以上のことから本事業の供用に伴う大気汚染物質の排出量をより一層低減する必要がある。
特に、主要幹線道路が輻輳している生麦地区は、特別な配慮が必要である。

(2) 既存の高速道路と接続するため、大規模なジャンクションが計画されている生麦地区には住宅が多数存在することから、これらの住宅への日照障害等の影響が懸念される。この問題の解決のため、関係する住民の理解を得ながら、本事業に適した総合的な街づくりを関係機関とともに検討し、関係機関に協力して対策を講じていく必要がある。

(3) 鶴見川、入江川周辺や新横浜地区は沖積層が厚く堆積しており、これまでにも地盤沈下が生じている地域なので、工法の選定にあたっては特別の配慮が必要である。

(4) 予測に用いた平成22年の計画交通量は、平成2年度全国交通情勢調査結果を基に、四段階推定法により推定している。この20年間の社会経済情勢の変化等が不確定な要素をもつことから、計画交通量についても不確定要素を含むものであり、この観点からも事後調査の充実を図る必要がある。

2 個別的事項

(1) 工事計画

ア トンネル部の施工方法及び補助工法を検討し、評価書に記載する必要がある。

イ 工事車両の出入口や発生土の搬出箇所については、大気汚染、騒音、地域社会等の影響を考慮して選定し、具体的に評価書に記載する必要がある。

ウ 工事車両の走行に伴う大気汚染、騒音等を軽減するため、工事車両の延べ走行台数を削減する必要がある。

(2) 大気汚染

ア 平成22年には二酸化窒素の環境基準を達成できるとしているが、その削減効果については不確定な面もあるので、安全面から先行した環境保全対策を実施する必要がある。

イ 供用時の自動車走行に伴う浮遊粒子状物質については、予測・評価を行い、評価書に記載する必要がある。
特に、ディーゼル自動車から排出される微粒子状物質(DEP)について考察を加えること。

ウ 本事業は全線の約7割をトンネル構造としており、沿道の大気汚染対策として評価できるが、トンネルの排気ガスが3箇所のトンネル換気所から集中的に排出されることになる。この換気所で窒素酸化物及び浮遊粒子状物質を捕捉することは、これらの排出総量を削減するための効果的な手段と考えられる。このため、換気所に脱硝装置、及びサブミクロンレベルの粒子も高効率で捕捉できる集塵装置の設置を計画する必要がある。

エ 主要幹線道路が輻輳している生麦地区は高架構造となっている。また、掘割構造から高架構造となる新羽地区は、本事業の供用に伴う窒素酸化物の影響が大きくなっている。これらの明かり部においても、窒素酸化物の排出量を低減する観点から、光触媒などを用いた窒素酸化物除去対策を検討する必要がある。

オ 生麦地区周辺及び新羽地区はトンネルの坑口となるので、大気汚染物質の漏れ出しを抑制する対策を実施する必要がある。

カ 出入口周辺における、自動車からの大気汚染物質の排出を低減するため、関係機関と協議し、出入口周辺の交差点等における交通流の円滑化を図る必要がある。

(3) 水質汚濁

ア 薬液注入工法は、建設省の「薬液注入工法による建設工事の施工に関する暫定指針」に基づいて行うとしているが、施工にあたっては、その時点における最新の基準・知見に基づき、水質汚濁や土壌汚染等が生じないようにする必要がある。

イ 工事中の改変区域内の雨水排水は、適切な濁水防止対策を実施し、濁水の発生を防止する必要がある。

ウ トンネルの洗浄排水は、関係機関と協議のうえ、適正な処理を行い排出する必要がある。

(4) 騒音・振動

ア 工事区域の出入口付近は、工事車両等の走行に伴う騒音の影響が大きいと想定されるので、予測・評価を行い、評価書に記載する必要がある。

イ 子安台公園周辺は文教施設が多く存在しているので、工事に伴う騒音・振動の影響を低減するため、建設機械と校舎等との離隔をできるだけ確保するとともに、運転時間帯にも配慮する必要がある。

ウ 供用時の自動車の走行に伴う騒音は、等価騒音レベルによる予測・評価を行い、評価書に記載する必要がある。

エ 供用時の騒音は、高架構造物等の反射音について考慮していないので、構造物の反射音対策を検討し、実施する必要がある。

オ 計画地域に近接してマンションなどの高層建築物が存在するので、供用時の高さ方向の騒音について、予測・評価を行い、評価書に記載する必要がある。

カ 換気所の騒音予測地点を官民境界としているが、その予測地点を明確にし、計算例を評価書に記載する必要がある。

キ 自動車の出入等で防音壁が設置できない箇所は、低騒音舗装等の対策を実施し、目詰まり等で防音効果が低減しないよう、適切な管理を行う必要がある。

ク 計画交通量の不確実性等を考慮すると、供用時の環境保全目標を達成できなくなる恐れがあるので、供用後における追加対策についても検討しておく必要がある。

ケ 高架構造物の継ぎ目部分は、自動車の走行による振動が大きくなる恐れがあるので、接合部に段差が生じないよう適正な施工を行う必要がある。

(5) 地盤沈下

ア 計画地域は軟弱な地盤が分布しているので、トンネル工事に先立ち詳細な土質調査を実施し、設計施工に反映する必要がある。

イ トンネル部の施工方法は、鶴見川及び入江川流域の沖積層の地下水位を低下させない工法を採用する必要がある。

ウ トンネル工事着手前のできるだけ早い段階から、地盤及び地下水の変動を計測し、計測結果を施工管理に反映させること。また、調査地点は、トンネルの位置及び深さのほか、沖積層の分布状況を考慮して選定する必要がある。

エ 工事着手前、工事中及び工事完了後に家屋及び工作物の調査を行い、その結果を施工管理及び工事着手後の調査に反映させること。また、調査範囲は、トンネルの位置及び深さのほか、沖積層の分布状況を考慮して選定する必要がある。

(6) 電波障害

本事業に伴う電波障害は、新たに設置する共同受信施設等を有効に活用し、積極的に受信状況の改善をする必要がある。

(7) 日照障害

「居住環境に著しい影響を及ぼさないこと」という環境保全目標を設定し、「公共施設の設置に起因する日陰により生ずる損害等に係る費用負担について」(建設省事務次官通知昭和51年)に基づき、適切な措置を講ずることを環境保全対策にあげ評価しているが、評価としては適切ではない。
このため、高架構造物による日影の影響は、事業の具体化の際、詳細な設計に基づく実日影図により時刻別日影図、等時間日影図を作成し、その影響を明らかにしたうえで関係住民に示し、住民意向に配慮しながら適切に対応する必要がある。
なお、住宅が密集している生麦地区は、用途地域は商業系となっているが、土地利用は住宅が主体となっていることを考慮する必要がある。

(8) 水象

道路面の雨水排水は、河川に著しい負荷を与えないよう検討する必要がある。

(9) 植物・動物

ア 植物相目録の記載内容及び貴重な植物種に一部誤認や不適切な表現があるので、評価書で訂正する必要がある。

イ 鳥獣保護区の指定を受けている地域に隣接する子安台公園、及び馬場換気所予定地の樹林地の改変区域を評価書に記載する必要がある。

ウ 工事帯、工事用道路、資材置き場等を最小限とし、可能な限り自然への影響をを低減する必要がある。

エ 改変区域の復元にあたっては、専門家の意見を聞く必要がある。

オ 鶴見川の自然環境を保全する観点から、専門家の意見を聞き、生態系に及ぼす影響を極力回避する必要がある。

(10) 地域社会

ア 工事車両の走行ルートや、工事・供用に伴い既存道路が分断される箇所についいては、評価書に記載する必要がある。

イ 工事車両等による交通混雑等を抑制する観点から、関連街路については、工事工程を考慮して、計画的に整備する予定であるので、これに協力する必要がある。

ウ 本事業の供用に伴う代替道路は、地元住民と十分な協議を行ったうえで決定する必要がある。

エ 生麦一丁目地先の旧東海道のうち、環境施設帯と重複する部分は、植樹帯を確保する観点から当該道路の付替えを検討する必要がある。

(11) 景観

ア 高架構造物の存在による圧迫感が懸念されるため、環境施設帯の質的向上を図る必要がある。

イ 高架構造物などの明かり部は、周辺環境との調和はもちろん新たな環境を創造していく観点から、桁や橋脚のデザインなどを構造設計の段階から検討する必要がある。

ウ 新横浜、新羽町の鶴見川周辺は、横浜国際総合競技場や新横浜公園等があり、多くの人が散策する場所で高架構造物が眺望できることから、デザインの決定にあたっては関係機関と調整を図る必要がある。

(12) 災害

ア 子安台公園の斜面の土工事は、斜面の崩壊等を防止するため、安全について十分配慮した工法とする必要がある。

イ トンネルの中で火災が発生した場合の避難方法、火災の拡大防止策などについて、評価書に記載する必要がある。

3 事後調査

(1) 工事着手に際しては、その時点での最新の交通量調査を基に計画交通量の推計の検証を行い、適切な対応を図る必要がある。

(2) 供用後に交通量、大気汚染、騒音等の調査を行い、その結果をもとに必要な環境保全対策を講ずる必要がある。

(3) 地盤及び地下水の変動の計測は、供用後、地盤沈下の状況が安定するまでの一定期間継続して行う必要がある。

(4) モニタリング等の事後調査計画を作成し、評価書に記載する必要がある。

付記

本事業では、平成22年の二酸化窒素のバックグラウンド濃度は「神奈川県自動車排出窒素酸化物総量削減計画」を基本に推計しており、環境保全目標の達成には本計画が確実に実行されることが重要である。
また、自動車から排出される窒素酸化物及び浮遊粒子状物質のうち、ディーゼル自動車によるものの構成比が依然として高い現状を考慮すると、ディーゼル自動車からの排出ガス対策の一層の促進が急務となっている。さらに、本事業のような高速道路は、大型ディーゼル自動車の混入率が比較的高いため、ディーゼル自動車対策は本事業の環境対策として特に効果があると考える。
これらの観点からも、平成10年12月の中央環境審議会のディーゼル自動車の排出ガスにかかる答申(第三次答申)に示された施策が確実に実行されることが必要である。

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環境創造局政策調整部環境影響評価課

電話:045-671-2495

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ファクス:045-663-7831

メールアドレス:ks-eikyohyoka@city.yokohama.jp

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