表紙 きらっとあさひプラン 第4期旭区地域福祉保健計画 令和3年10月 横浜市旭区役所・社会福祉法人 横浜市旭区社会福祉協議会 旭区連合自治会町内会連絡協議会・各地区別計画策定・推進組織 ごあいさつ 旭区長 権藤 由紀子 「地域で支え合い 安心して自分らしく暮らせるまち 旭区」の実現に向けて、区民の皆さま、関係機関・事業者の皆さまと行政が協働して、どのような取組を推進していくのかをお示しした、『きらっとあさひプラン(第4期旭区地域福祉保健計画)』がスタートします。 これまで3期15年にわたり、いかに身近な地域のつながりを育み、見守り・支え合いの関係づくりを進めていくかを共に考え、それぞれの強みを生かした取組を進めてまいりました。第4期の策定にあたっては、今まで以上に地域での見守りや支え合いの重要性が高まるなか、旭区地域福祉保健推進会議並びに策定検討部会の皆さまに熱心にご議論いただきました。さらに、関係団体へのアンケートや区民意見募集などを通じて、多くの貴重なご意見・ご提案をいただきました。心から感謝申し上げます。 きらっとあさひプランの推進を通じて、一人でも多くの方に、身近な地域に関心をお寄せいただき、自分事として、日常の行動や地域での活動につなげていただければと存じます。今後とも、誰もが安心して自分らしく暮らせるまちづくりに取り組んでまいりますので、引き続きのご支援ご協力をお願いいたします。 社会福祉法人 横浜市旭区社会福祉協議会会長 池田 宏史 第4期旭区地域福祉保健計画の策定にあたり、地域のみなさまと共に議論を重ね、検討してまいりました。心より感謝申し上げます。 旭区社会福祉協議会では、第3期旭区地域福祉保健計画において、交流や緩やかな見守りを通して、身近な地域におけるつながりや支えあい活動の充実に取り組んでまいりました。 地域では、少子高齢化や世帯の小規模化等、状況も大きく変化してきています。また、誰ともつながりがない「社会的孤立」や、関係性の貧困等を背景とした複合的・多様化する課題にも対応していくことが求められています。 こうした状況の中で、誰もが住み慣れた地域で生きがいをもって暮らし、共に支えあう「地域共生社会」の実現に向け、地域住民の皆さまや関係機関・団体の皆さまと一体となって取り組んでいくことが重要と考えています。 第4期計画は、これまでの取組による成果も大切にしながら、あらゆる区民の地域生活課題や、潜在化している課題に気づき、誰もが安心して自分らしく暮らせる旭区を目指しています。旭区社会福祉協議会も皆様と協力・協働しながら共に推進してまいります。引き続き地域の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。 旭区連合自治会町内会連絡協議会会長 山岸 弘樹 この度、第4期旭区地域福祉保健計画(きらっとあさひプラン)がまとまりました。これまでの第3期計画が複雑で難しく、区民には身近な計画と感じられず、区民意識調査での認知度も2割に満たないため、第4期の計画策定には、旭区連合自治会町内会連絡協議会や自治会町内会も新たに加わり、地域の方々の声を多く反映し、わかりやすい計画を目指しました。策定期間中に新型コロナウイルス感染症が流行し、地区別計画につきましても、地域のメンバーが集まることが難しい中でも話し合いの方法等を工夫し策定してきました。策定にご協力いただいた皆さまに厚くお礼申し上げます。 高齢化がますます進み、また、感染防止により地域での交流もままならない中で、これまで以上に住民同士の支え合いの必要性は高まっています。「地域を良くしていこう」という活動の一つ一つが、お互いに支え合える地域づくりに発展するものと確信しています。 自治会町内会は地域の声を一番近くで聞くことのできる組織です。第4期旭区地域福祉保健計画の推進につきましても、引き続き、各自治会町内会、地区社会福祉協議会、地域ケアプラザ、行政がそれぞれの強みを生かしながら連携・協働し、計画の推進に取り組んでまいります。 引き続き、皆さまのご理解、ご支援、ご協力をよろしくお願いいたします。 第4期旭区地域福祉保健計画 目次 第1章 第4期計画策定の背景 (1)地域福祉保健計画とは…1ページ (2)旭区の福祉保健を取り巻く状況…3ページ (3)第3期計画(平成28年度~令和2年度)の振り返り…12ページ 第2章 計画の基本的な考え方 (1)大切にしたい視点…14ページ (2)目指すまちの姿…15ページ (3)区計画について…16ページ 第3章 区全域計画 (1)区全域計画とは…17ページ (2)目指すまちの姿…17ページ 目指す姿1 誰もが、ともに生きるまち…17ページ 目指す姿2 みんなが、声をかけあえるまち…21ページ 目指す姿3 ひとりひとりが、自分らしくいられるまち…23ページ 第4章 地区別計画 (1)地区別計画とは…25ページ (2)19地区の地区別計画…25ページ 鶴ヶ峰地区…26ページ 白根(しらね)地区…30ページ 旭北地区…34ページ 上白根(かみしらね)地区 …38ページ 今宿地区…42ページ 川井地区…46ページ 若葉台地区…50ページ 笹野台地区…54ページ 希望が丘地区…58ページ 希望が丘東地区…62ページ 希望が丘南地区…66ページ さちが丘地区…70ページ 万騎が原(まきがはら)地区…74ページ 二俣川地区…78ページ 二俣川ニュータウン地区…82ページ 旭中央地区…86ページ 旭南部地区…90ページ 左近山(さこんやま)地区…94ページ 市沢地区…98ページ 第5章 計画の推進 (1)区全域計画推進の体制…102ページ (2)地区別計画策定・推進組織の体制…103ページ (3)地区別支援チームとその役割…103ページ (4)振り返り…104ページ 第6章 資料編 (1)第4期計画の策定経過…105ページ (2)策定にあたっていただいた区民の皆さまからのご意見…106ページ (3)推進委員及び策定検討部会委員の名簿…108ページ (4)用語集…109ページ 第4期旭区地域福祉保健計画(きらっとあさひプラン)の策定期間中には、新型コロナウイルス感染症の拡大により、「新しい生活様式」に基づく活動が求められるようになりました。 私たちにとって今までにない経験であり、これまでの地域活動をそのままの形で継続することは難しい状況です。そこで、三密を回避するために活動の進め方を工夫したり、ICT(情報通信技術)などの新たな手法を活用したりすることもあると思います。 しかし、本計画で目指す姿が変わるものではなく、これまで以上に住民同士の支え合い活動が必要不可欠なことは言うまでもありません。区民の皆さまとともに地域のつながりについて考え、寄り添いながら、「誰もが安心して自分らしく暮らせるまち」を目指して取り組んでいきます。 1ページ 第1章 第4期計画策定の背景 旭区地域福祉保健計画(きらっとあさひプラン)は、旭区に住むすべての方が地域で支え合い安心して自分らしく暮らせるようにするための計画です。 住民や連合自治会町内会などの住民自治組織・事業者・公的機関(旭区役所・旭区社会福祉協議会、地域ケアプラザ等)が協働し、身近な地域の支え合いの仕組みづくりを進め、地域の福祉保健課題を解決するために策定・推進しています。「きらっとあさひプラン」は、旭区地域福祉保健計画の愛称です。 (1)地域福祉保健計画とは 社会福祉法第107条では、市町村は地域福祉の推進に関する事項を定める「市町村地域福祉計画」を策定することとされています。横浜市では、第2期計画より、「地域福祉」に健康づくりなどの「地域保健」の視点も取り入れて、「横浜市地域福祉保健計画(よこはま笑顔プラン)」として、福祉と保健の取組を一体的に推進しています。また、旭区では第2期計画より、区社会福祉協議会の「旭区地域福祉活動計画」と一体的に推進しています。 [計画の構成] 市全体の基本理念と方向性を示し、区計画の推進を支援する「市計画」、18区ごとの特性に応じた区民に身近な中心計画である「区全域計画」、より身近な地区の課題に対応するために住民が主体となり策定・推進する「地区別計画」で構成されています。 [計画期間] 第4期計画は、令和3年度から令和7年度までの5か年計画です。 2ページ コラム 地域福祉保健計画の推進における「自助(じじょ)」「共助(きょうじょ)」「公助(こうじょ)」の連携 より良い地域づくりを進めていくには、住民ひとりひとりが「私たちのまち」に関心をもつこと、住民・事業者・公的機関(旭区役所・旭区社会福祉協議会・地域ケアプラザ等)が協力して取り組むことが重要です。さらに、地域の福祉保健課題においては、 ・個人でできることは自分や家族で取り組む「自助(じじょ)」 ・一人では解決できないことを地域や仲間同士でお互いに助け合う「共助(きょうじょ)」 ・行政でなければ解決できない問題に取り組む「公助(こうじょ)」 それぞれが相互に連携して進められることが重要です。 地域福祉保健計画でも、生活課題や地域課題の解決に向けて「自助(じじょ)」、「共助(きょうじょ)」、「公助(こうじょ)」を組み合わせ、連携しながら総合的に進めていきます。 社会状況の変化と「地域共生社会」づくり 少子高齢化や人口減少の進展、世帯の小規模化、住民同士のつながりの希薄化、非正規雇用の拡大等、私たちを取り巻く社会の状況は大きく変化しています。これらを背景に、家族・友人・地域社会等との接点がなく、困ったときに支援につながりにくい「社会的孤立」や、長期にひきこもっている中高年の子どもの生活を高齢の親が支える「ハチマルゴーマル問題」、介護と育児の問題を同時に抱える「ダブルケア」等、複合的な課題や既存の制度では支援が難しい課題が増えています。 こうした中で、これまで対象ごとに整備が進められてきた公的支援が、今後、様々な課題に包括的に対応していくことが求められています。また、改めて地域を基盤にした支え合いが注目され、福祉保健分野を問わず、様々な主体が協力して課題を解決する力を高めていくことが必要とされています。 国では、このような状況を踏まえ「地域共生社会の実現」に向けた体制整備が進められています。 「地域共生社会」 制度・分野ごとの『縦割り』や「支え手」「受け手」という関係を超えて、地域住民や地域の多様な主体が参画し、人と人、人と資源が世代や分野を超えつながることで、住民一人ひとりの暮らしと生きがい、地域をともに創っていく社会 3ページ (2)旭区の福祉保健を取り巻く状況 旭区では、すでに人口は減少に転じており、出生数も減少傾向にある一方で、65歳以上の人口は今後も増加が見込まれます。第4期計画の最終年度となる令和7年度(2025年)には団塊の世代が75歳以上の後期高齢者に達する、いわゆる「2025年問題」に直面することとなります。 また、各種障害者手帳の所持者数は、市内他区と比べても多い状況となっています。区民意識調査によると、住民同士が取り組む課題として「住民同士の交流や助け合いの促進」を多くの人が挙げる等、ご近所同士の見守り・支え合いが望まれています。 このような状況を踏まえて、「第4期旭区地域福祉保健計画(きらっとあさひプラン)」では、分野を超えて横断的につながり、ひとりひとりが様々な課題を我が事として受け止め、支え合う地域づくりを進めます。 人口及び世帯数の推移 人口は緩やかに減少、一世帯当たりの人員も減少 ・令和元年10月1日現在、旭区の人口は245,169人(市内第5位)、世帯数は106,092世帯(市内第6位)となっています。 ・人口は緩やかな減少傾向が続き、世帯数は年々増加しています。 ・人口 昭和45年:161,187人 昭和55年:210,887人 昭和60年:234,544人 平成2年:248,882人 平成7年:251,052人 平成12年;252,828人 平成17年;249,708人 平成22年:251,086人 平成27年:247,234人 令和元年:245,169人 ・世帯数 昭和45年:44,057世帯 昭和55年:64,792世帯 昭和60年:73,961世帯 平成2年:83,415世帯 平成7年:89,096世帯 平成12年;94,596世帯 平成17年;96,519世帯 平成22年:100,980世帯 平成27年:102,683世帯 令和元年:106,092世帯 ・一世帯当たりの人員 昭和45年:3.66人 昭和55年:3.25人 昭和60年:3.17人 平成2年:2.98人 平成7年:2.82人 平成12年;2.67人 平成17年;2.59人 平成22年:2.49人 平成27年:2.41人 令和元年:2.31人 出典:データでみるあさひ2020[資料:昭和45~平成27年は国勢調査、令和元年は横浜市人口ニュース(各年10月1日現在)] 年齢5歳別人口の推移 5歳別人口数のピークは45~49歳へ ・平成22年には35〜39歳であった5歳別人口数のピークは、令和2年には45~49歳となっています。 ・0~40歳の人口が、10年前に比べて大きく減少し、70歳以上は顕著に増加しています。 4ページ 年齢別(4区分)人口の構成 大規模団地などを中心に高い高齢化率 ・旭区の高齢化率(65歳以上の人口割合)は29.2%で、横浜市の24.5%を大きく上回っています。 ・上白根(かみしらね)、若葉台、左近山(さこんやま)地区など計画的に開発が進んだ地域の高齢化率は、40~50%台と高くなっています。 ・鶴ヶ峰地区 0〜14歳:11.4% 15〜64歳:61.9% 65〜74歳:12.0% 75歳以上:14.7% ・白根(しらね)地区 0〜14歳:11.7% 15〜64歳:62.2% 65〜74歳:13.2% 75歳以上:12.9% ・旭北地区 0〜14歳:12.0% 15〜64歳:57.8% 65〜74歳:13.1% 75歳以上:17.1% ・上白根(かみしらね)地区 0〜14歳:7.2% 15〜64歳:47.2% 65〜74歳:18.4% 75歳以上:27.1% ・今宿地区 0〜14歳:13.4% 15〜64歳:59.0% 65〜74歳:13.1% 75歳以上:14.5% ・川井地区 0〜14歳:13.0% 15〜64歳:59.3% 65〜74歳:12.6% 75歳以上:15.0% ・若葉台地区 0〜14歳:6.4% 15〜64歳:42.6% 65〜74歳:25.8% 75歳以上:25.3% ・笹野台地区 0〜14歳:11.6% 15〜64歳:58.1% 65〜74歳:12.6% 75歳以上:17.6% ・希望が丘地区 0〜14歳:11.4% 15〜64歳:62.0% 65〜74歳:12.5% 75歳以上:14.1% ・希望が丘東地区 0〜14歳:12.8% 15〜64歳:60.5% 65〜74歳:11.6% 75歳以上:15.1% ・希望が丘南地区 0〜14歳:13.3% 15〜64歳:62.3% 65〜74歳:11.1% 75歳以上:13.3% ・さちが丘地区 0〜14歳:13.2% 15〜64歳:69.1% 65〜74歳:8.9% 75歳以上:8.8% ・万騎が原(まきがはら)地区 0〜14歳:11.3% 15〜64歳:58.4% 65〜74歳:12.5% 75歳以上:17.7% ・二俣川地区 0〜14歳:10.9% 15〜64歳:67.7% 65〜74歳:11.1% 75歳以上:10.3% ・二俣川ニュータウン地区 0〜14歳:10.4% 15〜64歳:55.1% 65〜74歳:13.3% 75歳以上:21.1% ・旭中央地区 0〜14歳:13.2% 15〜64歳:60.4% 65〜74歳:12.5% 75歳以上:13.9% ・旭南部地区 0〜14歳:14.4% 15〜64歳:65.0% 65〜74歳:10.1% 75歳以上:10.5% ・左近山(さこんやま)地区 0〜14歳:6.0% 15〜64歳:47.0% 65〜74歳:19.1% 75歳以上:27.9% ・市沢地区 0〜14歳:15.3% 15〜64歳:59.9% 65〜74歳:11.0% 75歳以上:13.8% ・旭区 0〜14歳:11.6% 15〜64歳:59.2% 65〜74歳:13.2% 75歳以上:16.0% ・横浜市 0〜14歳:12.1% 15〜64歳:63.4% 65〜74歳:11.8% 75歳以上:12.7% 出典:横浜市統計ポータルサイト(令和2年3月末現在) 5ページ 将来人口推計 少子高齢化はさらに進展 ・0~14歳の人口比率は徐々に低下していく見込みに対し、75歳以上の人口比率は今後も増加する見込みで少子高齢化がさらに進展します。 ・15~64歳の生産年齢人口比率は市内第17位(令和元年9月末現在)です。今後も、生産年齢人口については、減少していく見込みです。 ・2025年には、団塊の世代の全員が75歳以上に到達し、人口比率は20%を超えると推測されます。 ・0〜14歳以下人口 平成27年:30,835人 令和2年:28,679人 令和7年:26,471人 令和12年:24,393人 令和17年:23,173人 ・15〜64歳人口 平成27年:150,906人 令和2年:146,119人 令和7年:140,854人 令和12年:133,751人 令和17年:123,695人 ・65歳以上 平成27年:67,657人 令和2年:72,186人 令和7年:73,592人 令和12年:75,280人 令和17年:78,415人 ・75歳以上人口比率 平成27年:13.0% 令和2年:16.0% 令和7年:19.1% 令和12年:20.5% 令和17年:20.8% ・0〜14歳以下人口比率 平成27年:12.4% 令和2年:11.6% 令和7年:11.0% 令和12年:10.5% 令和17年:10.3% 出典:令和2年まで:横浜市統計ポータルサイト(各年3月末現在) 令和7年以降:横浜市将来人口推計 高齢化率の推移 高齢化率は年々増加 ・昭和45年には33人に1人であった高齢者人口は、令和元年には3~4人に1人となっています。 ・旭区では、横浜市に比べ、平成の時代に急速に高齢化率が進展しました。 ・旭区 昭和45年:3.1% 昭和55年:5.1% 昭和60年:6.1% 平成2年:8.1% 平成7年:11.2% 平成12年:15.0% 平成17年:19.3% 平成22年:23.4% 平成27年:27.4% 令和元年:29.1% ・横浜市 昭和45年:4.5% 昭和55年:6.2% 昭和60年:7.3% 平成2年:8.6% 平成7年:11.0% 平成12年:13.8% 平成17年:16.9% 平成22年:19.7% 平成27年:23.1% 令和元年:24.4% 出典:データでみるあさひ2020[資料:昭和45~平成7年までは国勢調査、平成12年以降は登録人口(各年10月1日現在)] 65歳以上の人がいる世帯数の推移 65歳以上の単身世帯は5年間で約30%増加 ・65歳以上の人がいる世帯は、平成22年から平成27年までの5年間で、5,574世帯増えています。高齢夫婦のみの世帯や単身世帯も増えています。 ・高齢単身世帯 平成22年:9,828世帯 平成27年:12,728世帯 ・高齢夫婦のみ 平成22年:13,076世帯 平成27年:14,696世帯 ・その他の世帯 平成22年:15,985世帯 平成27年:17,039世帯 出典:横浜市報告書(横浜市統計ポータルサイト・国勢調査から抜粋) 6ページ 要介護認定者数の推移(1・2号被保険者) 要介護認定者数が年々増加 ・平成27年から平成31年までに要支援・要介護認定者数は、2,249人増えています。 ・要介護認定者数は、横浜市内で1番多くなっています。 ・要介護者数 平成27年:8,676人 平成28年:9,119人 平成29年:9,492人 平成30年:9,648人 平成31年:9,926人 ・要支援者数 平成27年:2,785人 平成28年:2,945人 平成29年:3,127人 平成30年:3,336人 平成31年:3,784人 出典:データでみるあさひ2020[資料:旭区役所高齢・障害支援課(各年3月31日現在)] 認知症高齢者の推移 認知症高齢者は年々増加 ・認知症日常生活自立度2a以上の人数は、平成29年から令和元年までに494人増加しています。また、65歳以上人口に対する比率も微増しています。 ・認知症日常生活自立度2a以上の人数 平成29年:7,233人 平成30年:7,502人 令和元年:7,727人 ・65歳以上人口に対する比率 平成29年:10.22% 平成30年:10.50% 令和元年:10.74% 出典:健康福祉局地域包括ケア推進課、旭区高齢・障害支援課資料(各年9月現在) 「認知症日常生活自立度2a以上の人数」は、要介護認定を受けている方の内、認知症日常生活自立度が2a以上と判定された方の人数です。 「認知症日常生活自立度2a」に該当する行動や症状の例としては、「たびたび道に迷う、買い物や事務、金銭管理などそれまでできていたことにミスが目立つ」などがあげられます。 少子高齢化の進行とともに、高齢単身世帯や高齢夫婦のみ世帯も増加しています。また、高齢者人口に加え、要介護認定者数も市内で最も多く、今後も増加していくことが見込まれます。 こうした現状から、健康づくりや介護予防の取組と併せて、元気なうちから支援が必要となったときに備え、隣近所との関係づくりや困ったときの相談先を探しておくなど準備をしておくことが有効です。 現役世代も我が事として捉え、離れて暮らす親子の間でも将来について話をする機会を作りましょう。 7ページ 出生数と合計特殊出生率の推移 出生数は減少傾向 ・平成29年の出生数は、1,611人でした。 ・平成29年の旭区の合計特殊出生率(一人の女性が一生の間に産む子どもの数)は、1.29で、全国や横浜市に比べて、少ない傾向にあります。 ・出生数 平成25年:1,803人 平成26年:1,710人 平成27年:1,678人 平成28年:1,606人 平成29年:1,611人 ・全国 平成25年:1.43合計特殊出生率 平成26年:1.42合計特殊出生率 平成27年:1.45合計特殊出生率 平成28年:1.44合計特殊出生率 平成29年:1.43合計特殊出生率 ・横浜市 平成25年:1.31合計特殊出生率 平成26年:1.34合計特殊出生率 平成27年:1.37合計特殊出生率 平成28年:1.35合計特殊出生率 平成29年:1.32合計特殊出生率 ・旭区 平成25年:1.28合計特殊出生率 平成26年:1.26合計特殊出生率 平成27年:1.27合計特殊出生率 平成28年:1.25合計特殊出生率 平成29年:1.29合計特殊出生率 全国数値は厚生労働省公表数値 母親の年齢階級は5歳階級別、年齢別人口は住民基本台帳人口を使用 出典:健康福祉局資料 各種障害者手帳所持者数の推移 精神障害者保健福祉手帳と「愛の手帳」(療育手帳)所持者数は増加 ・身体障害者手帳の所持者数はほぼ横ばいに推移していますが、知的障害者の「愛の手帳」(療育手帳)と精神障害者保健福祉手帳の所持者数は増加しています。 ・市内他区と比べて各種手帳の所持者数は多い状況となっています。(身体障害者手帳市内第2位、知的障害者「愛の手帳」(療育手帳)市内第3位、精神障害者保健福祉手帳市内第3位) ・身体障害者手帳 平成27年:7,503人 平成28年:7,521人 平成29年:7,592人 平成30年:7,544人 平成31年:7,512人 ・知的障害者「愛の手帳」 平成27年:1,955人 平成28年:2,056人 平成29年:2,135人 平成30年:2,225人 平成31年:2,304人 ・精神障害者保健福祉手帳 平成27年:2,025人 平成28年:2,199人 平成29年:2,320人 平成30年:2,459人 平成31年:2,621人 出典:データでみるあさひ2020[資料:旭区役所高齢・障害支援課(各年3月31日現在)] 8ページ 生活保護受給者数の推移 生活保護受給者数は減少傾向 ・生活保護受給者数は、平成26年から緩やかに減少しており、平成30年は4,765人となっています。 ・今後の生活保護受給者数は、新型コロナウイルスによる経済不安の影響を受け、増加する可能性があると考えられます。 ・旭区 平成26年:4,992人 平成27年:4,932人 平成28年:4,881人 平成29年:4,828人 平成30年:4,765人 ・横浜市 平成26年:71,370人 平成27年:71,289人 平成28年:71,008人 平成29年:70,537人 平成30年:69,633人 出典:横浜市統計ポータルサイト「健康福祉局資料」(各年3月末現在) 外国人住民数の推移 外国人住民数は緩やかに増加傾向 ・外国人住民数は、平成28年から増加し、令和2年は3,248人(市内第13位)となっています。 ・旭区 平成28年:2,336人 平成29年:2,538人 平成30年:2,739人 平成31年:2,975人 令和2年:3,248人 ・横浜市 平成28年:82,489人 平成29年:87,563人 平成30年:92,139人 平成31年:98,760人 令和2年:105,287人 出典:横浜市統計ポータルサイト(各年3月末現在) 9ページ 旭区の区民意識(平成30年度旭区区民意識調査より) 近隣との関係 実際の隣近所との付き合い方は、「困ったとき、相談したり助け合ったりする」割合は12.0%ですが、望んでいる隣近所との付き合い方は、21.6%の方が「困ったとき、相談や助け合いができる」付き合いを望んでいます。実際の近隣との付き合い方よりも、深い関係を望んでいる傾向がみられます。 隣近所との付き合い方 区全体の回答数は1,694 困ったとき、相談したり助け合ったりする:12.0% 一緒に買い物に行ったり、気のあった人と親しくしている:6.0% たまに立ち話をする:30.0% 道で会えば挨拶ぐらいする:39.0% 顔もよく知らない:6.1% 無回答:6.9% 望んでいる隣近所との付き合い方 区全体の回答数は1,694 困った時に相談や助け合いができる:21.6% 常から簡単な頼みごとができる:7.2% 助け合うまではしなくても、立ち話や世間話ができる:37.2% 顔をあわせたら挨拶する程度:27.5% その他:0.6% 隣近所でのつき合いは必要ない:1.3% 無回答:4.5% 住民同士が取り組むべきと思う課題(複数回答) 住民同士が取り組むべき課題は、「防災・減災や災害時への備え」が最も多く、次いで「住民同士の交流や助け合いの促進」や「高齢者や障害者などへのサポートや見守り、介護をしている人への支援」となっています。 防災・減災や災害時への備え:48.0% 住民同士の交流や助け合いの促進:41.9% 高齢者や障害者などへのサポートや見守り、介護をしている人への支援:40.6% 子どもの見守りや子育て中の人への支援:39.3% 交通安全や防犯:39.1% 身近な道路や公園の清掃などの美化:25.1% スポーツや健康づくりなどを楽しむ場やイベントの開催など:16.5% 花壇づくりなどの緑化や身近な自然環境の保全:13.7% 文化・芸術などを楽しむ場やイベントの開催など:13.6% 青少年の居場所づくりや健全育成:13.5% まちなみや景観の創出や維持:10.3% 区全体の回答数は1,694 10ページ 孤立する高齢者等に必要と思う見守り(複数回答) 孤立する高齢者等に必要と思う見守りは、「区役所・地域ケアプラザ・民生委員等の公的な訪問による見守り」と同程度に、「ご近所の顔見知り関係による声掛け見守り」が多くなっています。 区役所・地域ケアプラザ・民生委員等の公的な訪問による見守り:53.2% ご近所の顔見知り関係による声掛け見守り:53.1% 地域住民による定期的な訪問見守り:39.2% ライフライン事業者(水道、電気、ガス)や食品等の配達による見守り:36.5% センサーなど機器装置を設置しての見守り:22.0% 定期的な電話連絡による見守り:13.6% 定期的に地域で開催される行事(サロンなど)に参加した人を見守る:8.6% 区全体の回答数は1,694 健康で自分らしい生活・生きがいを感じる生活のために必要な場と機会(複数回答) 多くの方は、健康で自分らしい生活・生きがいを感じる生活のためには、「からだを自由に動かせる」ことや「仲間と趣味を楽しめる」ことが必要と感じています。 からだを自由に動かせる:53.3% 仲間と趣味を楽しめる:47.8% 知識を得られる:29.4% 自分の経験を活かせる:17.6% 自分の知識や能力を伝えられる:10.6% 区全体の回答数は1,694 「平成30年度旭区区民意識調査」は、旭区の地域特性や地域活動、防災、福祉・健康などについて、区民の皆さまのご意見、ご要望を把握し、今後も住みよいまちをつくるための基礎資料とすることを目的とした調査です。 11ページ コラム 地域福祉保健計画と分野別計画との関係 横浜市では、様々な福祉保健の分野別計画を策定・推進しています。 地域福祉保健計画では、地域の視点から、各分野別計画に共通する理念や方針及び取組推進の方向性を明示し、対象者全体の地域生活の充実を図ることを目指しています。 地域包括ケアシステムと地域福祉保健計画との関係 地域包括ケアシステムは、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らせるよう、介護・医療・介護予防・生活支援・住まいが一体的に提供される包括的な支援・サービスの提供体制のことです。旭区では高齢者を支援する関係機関等が取組の方向性を共有するために「旭区地域包括ケアシステム行動指針」を策定しますが、住民・事業者・公的機関が協働して地域課題を解決するために、旭区地域福祉保健計画(きらっとあさひプラン)における取組との整合性をとりながら進めています。 旭区地域包括ケアシステム行動指針と旭区地域福祉保健計画との関係 名称:旭区地域包括ケアシステム行動指針 目的:介護・医療・介護予防・生活支援・住まいが一体的に提供される仕組みづくり高齢者を支援する関係機関等が取組の方向性を共有するために策定 対象:高齢者 取組分野(共通):介護予防、生活支援、見守り、認知症対策、防災等 取組分野(独自):在宅医療 名称:旭区地域福祉保健計画(きらっとあさひプラン) 目的:住民、事業者、公的機関が福祉保健などの地域の課題解決に協働して取り組む、身近な地域の支えあいの仕組みづくり 対象:高齢者、子ども・若者、障害者も含めた全ての区民 取組分野(共通):介護予防、生活支援、見守り、認知症対策、防災等 取組分野(独自):子ども・若者施策、障害者支援等 出典:横浜型地域包括ケアシステムの構築に向けた旭区行動指針 12ページ (3)第3期計画(平成28年度〜令和2年度)の振り返り 第3期計画の成果 [区全域計画] 柱1 地域の福祉力アップ 地域住民が主役となり地域課題に取り組むための基盤をつくる ・地域の課題について、解決に向けて住民同士で話し合う機会が増え、生活支援ボランティアや移動販売の誘致、地域サロン等、具体的な取組が進んだ。また、団体同士の横のつながりにより、情報や課題を共有する機会がつくられている。 柱2 安心して自分らしい生活ができる地域づくり 支援を必要とする人が的確に支援へつながる仕組みをつくる ・身近な地域での集いの場や生活支援ボランティアの活動等により、交流や緩やかな見守りの実践が進んでいる。 ・認知症サポーター養成講座を企業や事業者等を対象に実施することで、新たな層の理解者、見守りの目を増やしている。 柱3 地域の取組で元気力アップ 幅広い市民参加から地域福祉保健の取組が広がる仕掛けをつくる ・ウォーキングを軸とした健康づくりが広がった。連携・協働による健康づくりの普及啓発が進展した。 ・より身近な地域でのサロン等が増加するとともに、担い手・参加者の区別ない活動の場も増加した。 ・研修や講座、イベント等への参加をきっかけとした新たなボランティアの発掘や育成を行った。活動をコーディネートし、つながりづくりの支援ができた。 ・様々な工夫により、ジュニアボランティア活動が充実し継続されている。区社会福祉協議会、地域ケアプラザ、学校、地域の協力団体等の連携により、福祉体験・福祉教育の拡大など将来のボランティアの担い手を育成する基礎ができた。 [地区別計画] ・従来からの高齢者等の見守りに加え、住民ボランティアによる生活支援や移動支援、買い物支援、多様なサロン活動の実施などにより、身近な地域での見守り・支え合いが進んだ。 ・子どもの頃からの地域活動やボランティア活動への参加促進、子育てサロンの実施、登下校時の見守りなど、地域で子どもを育む機運が高まった。 ・多世代交流イベントや防災訓練などへの参加を通し、多様な方々の日頃から顔の見える関係づくりが進んだ。 ・地域住民向けの障害理解講座の開催、障害事業所利用者との交流事業の実施など、互いの違いを知り、受けとめあえる土壌づくりが進んだ。 ・ウォーキング、ラジオ体操の実施、サロン活動への運動プログラムの導入などにより、健康意識が高まるとともに、住民の参加、交流の機会が増え、つながりづくりが活性化した。 13ページ 第3期計画を踏まえた課題 第4期に向けて [区全域計画] ・第3期計画は複雑で難しく、区民には身近な計画と感じられなかったため、わかりやすく、親しみやすい内容の計画にする。 ・困りごとを抱える人に必要な情報や支援が届くよう、住民と支援機関等が協働し、より積極的な情報の共有や発信を行う。 ・より身近な地域での見守り、支え合いの仕組みづくりをさらに進める。 ・さらなる見守り支援体制の構築に向け、重層的なつながりによるネットワークを充実強化していくことが必要。 ・どの地域においても必要なときにお互いに支え合えるよう、より多くの人、特に若い世代への普及啓発を進める。 ・幅広い世代の区民に向けて、地域のつながりを大切にした健康づくりの推進が必要。 ・誰もが地域で安心して自分らしく暮らせるよう、気軽に参加できる場や機会を増やす。 [地区別計画] ・あいさつや声かけによる顔の見える関係づくりや、日常の生活の中でできる見守りなど、地域住民同士のゆるやかなつながりづくりを一層進める。 ・より小さな単位での多様なサロン活動や生活支援・買い物支援等の取組の充実などにより、見守り・支え合いの仕組みづくりを一層進める。 ・住民アンケートでボランティア希望者を把握する、自治会町内会役員経験者のサポートを得るなどの取組も行われているが、担い手が固定化しており、更なる人材発掘・育成が必要。 ・幅広い年代の住民に向け、健康づくりの取組を通じた地域参加やつながりづくりを一層進める。 ・イベントや様々な取組を行っているが、必要な人に情報が届いていないなど、情報周知の工夫が必要。 ・障害者との交流事業などを行っているが、互いの違いや多様性を認め合い、支え合う意識の啓発をさらに進める。 ・推進組織等、特定のメンバーだけの取組とせず、地域の様々な組織・団体の取組やネットワークを活かし、一人ひとりの住民の参加を広げることが必要。 14ページ 第2章 計画の基本的な考え方 (1)大切にしたい視点 横浜市の地域福祉保健計画は、市計画、18区の区全域計画及び地区別計画で構成されています。市計画は、市としての方向性を示し、区計画の推進を支援する計画として、現在、第4期計画(計画期間:令和元年度~5年度)が推進されています。 第4期区計画は、第4期市計画で示された市としての方向性や、第3期区計画の振り返りをもとに検討しました。検討にあたっては、旭区地域福祉保健推進会議や旭区地域福祉保健計画策定検討部会などを通して、区内の福祉・保健・医療の関係機関・団体の代表や住民の代表の方々から、第4期区計画の方向性についてご意見をいただきました。 また、多くの関係団体の皆様からヒアリング等でいただいた様々なご意見(約700件)を受けて、第4期区計画で目指す旭区の姿や推進していくうえで大切にしたいこと等を積み重ね、計画を策定しました。 区全域計画、地区別計画ともに基本理念と目指す姿を共有し、次のことを大切にし、計画を策定・推進していきます。 第4期区計画策定にあたり大切にしたい視点 ・あらゆる区民の地域生活課題に目を向け、誰もが安心して自分らしく暮らせる旭区にするための計画であること。 ・身近な地域における「見守り・支え合い」の関係や活動と、団体・組織間の横のつながりによるネットワーク構築を充実させる計画であること。 ・地域住民や地域の組織、施設、事業者、地域ケアプラザや区社会福祉協議会、行政等の多様な主体が柔軟に連携・協働して取り組む計画であること。 ・区民にわかりやすく、誰もが自分に関わること(我が事)として捉えられる計画であること。 ・これまでの取組による成果を大切にし、さらに目指す姿に向けて継続の工夫や新たな課題解決に取り組む計画であること。 ・区全域計画が地区別計画推進を支援するための計画であること。 第4期市計画の5つの特徴(参考) 1 より身近な地域での基盤づくり、体制づくりの推進 2 人材の確保・育成 3 包括的な支援体制における早期発見・支える仕組みづくり 4 多様な主体の連携・協働による地域づくりの推進 5 成年後見制度利用促進基本計画との一体的策定及び生活困窮者自立支援方策の推進 15ページ (2)目指すまちの姿 第3期区計画を引き継ぎつつ、旭区の目指す姿について広く区民の皆さまからいただいたご意見を踏まえ検討を重ねた結果、これからの旭区を見据え、皆さまの想いを反映させた新たな基本理念を設定することにしました。 中長期的な考え方として「基本理念」を掲げ、「目指す姿」を示しました。着実に「目指す姿」を実現できるよう、区全域計画や地区別計画の中で具体的目標を設定し、推進していきます。 基本理念 「地域で支え合い安心して自分らしく暮らせるまち旭区をつくろう」 [目指す姿1 誰もが、ともに生きるまち] 地域には子ども、障害者、高齢者、外国籍の方、生活に困りごとを抱える方等、多様な人が生活しています。立場や背景の異なる様々な人が接点を持ち、互いの違いを知り、受けとめ合えるまちを目指します。 ・区民の皆さまからいただいた主なご意見 他者の痛みがわかる、様々な人と接点がある、互いを理解し合える、自分が認められる、失敗してもよい、孤立しないまち、障害のある方が地域にいることが自然、障害者やいろいろな人が表に出て行ける、人の目に触れる [目指す姿2 みんなが、声をかけあえるまち] より身近な地域や場面で交流を持ち、互いを気にかけ見守り合い、困ったときには声を上げ、支え合えるまちを目指します。 ・区民の皆さまからいただいた主なご意見 身近な場所に気軽に参加できる場、発信していける、どこかにつながりがある、安心して声が出せる、知っている人がつなぎ役になれる、話し合える場づくりが大切 [目指す姿3 ひとりひとりが、自分らしくいられるまち] それぞれの存在を尊重し、できることや得意なことで参加しながら、いきいきと暮らせるまちを目指します。 ・区民の皆さまからいただいた主なご意見 誰もが活躍できる、小さな負担で活動、得意なことや経験を活かす、できるときにできることを、高齢者が担い手に、子どもたちが参加できる場 16ページ (3)区計画について [区全域計画と地区別計画] 区計画は、区内の19地区連合ごとに地域の特性や課題に合わせて策定する「地区別計画」と、地区別計画の推進支援や、地域では課題解決や十分な取組が難しいテーマ等について区全域を対象として取り組む「区全域計画」で構成されています。 区計画の基本理念や目指す姿を「区全域計画」と「地区別計画」で共有し、それぞれの役割を果たしながら連動していくことで、旭区全体としての取組を進めていきます。 [区民と支援機関の協働] 地域の地理的特徴や人口・世帯構成、住宅、交通事情等の特徴から見える「地域の困りごと」もあれば、地域全体で考えるべき「一人ひとりの困りごと」もあります。 区役所・区社会福祉協議会・地域ケアプラザは、連合自治会町内会や地区社会福祉協議会等と協働し、これらの困りごとに対して区民の皆さまが課題解決に向けて話し合い、よりよい地域の未来図が描けるよう、支援していきます。 コラム 地域における『発見』『検討』『解決』の仕組みづくり 現在、地域には様々な困りごとを抱える方が増えています。それらの困りごとに早期に気付くことができるのは、身近な地域で暮らす住民の皆さんです。しかし、その気づきを支援につなぐことができる体制がなければ、気になりながらも、その気づきを活かすことができません。 気づいたことを住民同士や支援機関で話し合い、地域社会からの孤立を防ぎ、ともに解決に向かう仕組みづくりを進めていくことが大切です。 参考:個別支援と地域支援の融合「身近な地域のつながり・支えあい活動推進事業」の取組から(平成27年3月 社会福祉法人 横浜市社会福祉協議会) 旭区 ご近助(きんじょ)ほっこり活動てびき(令和3年7月 社会福祉法人 横浜市旭区社会福祉協議会) 17ページ 第3章 区全域計画 (1)区全域計画とは 区役所・区社会福祉協議会・地域ケアプラザは、目指す姿に向けてそれぞれの役割を果たし、強みを活かしながら、連携・協働して取り組みます。また、区民の皆さまや関係機関、事業者などとの連携・協働を大切にし、重層的・持続的な取組を進めます。 (2)目指すまちの姿 [目指す姿1 誰もが、ともに生きるまち] 取組目標1 違いや多様性を認め合い、支え合える意識の醸成を進めます。 [主な取組] 1.違いや個性を知り、認め合うための相互理解に向けた普及啓発・人材育成を進めます。 (認知症サポーター養成講座、障害理解講座、生活困窮者自立支援事業、アウトリーチパートナー養成講座等) 2.地域自立支援協議会等と連携し、障害のある当事者が地域住民に対し、自らの可能性を発信できる機会をつくり、多様性を理解し、支え合える風土づくりを進めます。 3.寄付がそれぞれの立場でできる支え合いの活動の一つであることを広めます。 取組目標2 子どもの頃から思いやりの心を育むとともに、地域の一員としてのつながりづくりを進めます。 [主な取組] 1.地域と学校、区役所、区社会福祉協議会や地域ケアプラザ、ボランティア、福祉施設などが連携し、子どもの頃から思いやりの心を育みます。(ジュニアボランティア体験事業、小・中学校で実施する命の授業、福祉教育等) 2.地域子育て支援拠点「ひなたぼっこ」や親と子のつどいの広場、地域の子育てサロン、区役所、地域ケアプラザ等が連携し、地域のなかで安心して子育てできるつながりづくりを進めます。 地域ぐるみでの子育て支援「横浜子育てサポートシステム」 地域で安心して子育てができるよう、仕事と育児を両立できる環境づくりを目的とした会員制の有償のささえあい活動、「子育てサポートシステム」があります。 地域の中で子どもを預けたり、預かったりすることで人と人のつながりを広げ、地域ぐるみでの子育て支援を目指しています。 18ページ コラム 認知症サポーター養成講座…取組目標1 認知症サポーター養成講座は、認知症を正しく理解することで偏見や誤解をなくし、認知症のある方やそのご家族を温かく見守り、自分のできる範囲でそっと手助けする応援者を養成する講座です。学校や銀行・郵便局などの民間企業でも講座を開催し、受講した証として「認知症サポーターカード」を配布しています。 認知症サポーターが増えることで、より多くの人が認知症について正しい知識をもち、温かく見守ることができれば、身近な家族や友人、ご自身が認知症になっても今まで通り住み慣れた地域で安心して自分らしく暮らすことができます。 障害児者と家族への理解と支援を深める取組…取組目標1 旭南部地区では、地区別計画の取組の一つとして、『障害児者への地域の理解と支援』を位置づけており、平成27年から「知的障害者と地域との関わり方」をテーマとした講演会を毎年開催しています。講演会は、制度・サービスの紹介から日頃の接し方の説明、障害児者の家族の体験談などを通じて、地域住民が障害への理解を深める機会となっているとともに、障害児者の家族にとっては、日頃の不安や悩みなどを相談・共有する場にもなっており、毎年参加を心待ちにしているという人も少なくありません。 令和2年には、新たに発達障害についての寸劇などを交えた講座を開催し、地域の方からは「認識が大分違っていたので参考になった」、「関わり方についてもっと知りたい」等の意見も寄せられました。 障害児者の家族も参加し、当事者の声を聴きながら地域ぐるみで取組を進めることで、多様性の理解を深め、支え合う風土づくりを進めています。 豊かな心を育むジュニアボランティア…取組目標2 ジュニアボランティア体験事業は、旭区内の市立小に通う5、6年生から参加者を募集し、地域の福祉活動や施設の見学、赤い羽根共同募金の募金活動などに取り組む、民生委員児童委員協議会が実施する旭区独自の事業です。20年にわたる取組の中で、卒業後もボランティア活動に参加する、福祉の仕事に就くなど、ジュニアボランティアの経験が豊かな心を育み、未来の福祉人材の育成にもつながっています。 地域と学校、区役所や区社会福祉協議会、地域ケアプラザ、ボランティア、福祉施設等が連携し、子どもの頃から思いやりの心を育み、地域とのつながりづくりを進めています。 19ページ 取組目標3 世代や分野を超えたつながりづくりを進め、受け手・支え手を区別することなく、自然な交流から生まれる対等な関係性を大切にします。 [主な取組] 1.住民同士が支え手・受け手を区別せず、つながり、支え合う、地域共生社会の実現に向けて普及啓発・人材育成を進めます。 2.いざというときに助け合える地域を目指し、自治会町内会への加入促進など、日頃から住民同士の顔の見える関係づくりを進めます。 3.世代や分野を超えたネットワークの活用により、地区社会福祉協議会の活動が充実・強化されるよう支援します。 取組目標4 誰もが人権をはじめとした権利を守られ、尊重されるべき存在であるという権利擁護の取組を進めます。 [主な取組] 1.普段の生活に支援が必要な人も地域で安心して暮らせるよう、区役所や相談支援機関が連携して必要な制度や支援につなぎ、家族支援も含めた環境整備に取り組みます。(あんしんセンター、成年後見制度利用促進、生活困窮者自立支援事業、虐待防止等) 2.区役所や相談支援機関は相談分析や課題検討、研修等を通して支援の質の向上に努めます。(成年後見サポートネット、セーフティネット会議、要保護児童対策協議会等) 3.地域住民やユースプラザ等の関係機関・団体と連携しながら、生活に困難を抱える青少年を地域でサポートする体制を整えます。(青少年の学習支援、就労支援、学習支援ボランティア等) 障害のある人とともに地域を考える『旭区地域自立支援協議会』 旭区地域自立支援協議会では、障害のある方が住み慣れた地域で暮らし続けるために『必要なもの』は何かを、当事者をはじめ、保健・医療・福祉・教育・就労・行政機関の関係者、地域で関わる方が一緒に考え、活動しています。毎年開催している啓発イベント『旭区地域生活支援フォーラム』は、障害のある方が地域で生活するうえでの課題を知り、考える機会になっています。 20ページ コラム 障がい者事業所との“つながり”から生まれた地域交流の場…取組目標1・3 鶴ヶ峰自治会では、障がい者地域作業所「まどか工房」と協力して、誰でも気軽に立ち寄れる、地域の集いの場として『おしゃべりカフェ つるがみね』を開催しています。 地域の取組に、まどか工房が得意とする出張喫茶店で協力してもらうことで、集いの場が充実するとともに、障がいのある方が地域で活躍したり、住民と交流する機会にもなっています。 無理せずできる範囲で、得意なことを活かして、お互いに楽しみながら、人と人とのつながりと相互理解を大切にし、垣根のない地域を目指しています。 鶴ヶ峰地区では「障害」(漢字表記)を「障がい」(がいをひらがな表記)と表記しています。 地域で行う生活困窮者等への見守り支援「アウトリーチパートナー」…取組目標1・4 旭区では、様々な事情で経済的にお困りの方へ、それぞれの状況に応じた支援を行っています。さらに、困りごとを抱える人が早期に相談や支援につながり、地域で孤立せずに課題解決していけるための仕組みづくりにも取り組んでいます。 地域で困りごとを抱える人に気づき、相談先につないだり、見守り役になってくれる相談協力者を「アウトリーチパートナー」と位置づけ、その養成をしていくことで支援の輪を広げていきます。また、アウトリーチパートナー養成研修等を通じて、生活困窮が他人ごとではなく、年代を問わず、誰にでも起こりうる身近な課題であるということの理解も広まります。 「研修受講者にはアウトリーチパートナーのピンバッジをお渡ししています。また、気軽に学んでいただけるDVDの貸出しもしています。関心のある方は旭区役所生活支援課へお問い合わせください。」 21ページ [目指す姿2 みんなが、声をかけあえるまち] 取組目標1 より身近な地域での見守りや支え合い・つながりづくりの取組を一層進めます。 [主な取組] 1.地域の多様な主体が連携・協働し、自治会町内会単位やより身近な地域の中に誰もが気軽に参加できる地域カフェやサロン等の居場所を増やし、住民同士の見守り・支え合いの関係づくり「ご近所福祉」を進めます。 2.災害発生時も地域で助け合って乗り越えられるよう、平時から防災訓練やその他の地域行事に多様な方々の参加を促し、地域での支え合い・つながりづくりを進めます。 取組目標2 みんなで話し合い、考えるプロセスを大切にし、地域課題の解決に向けた取組を進めます。 [主な取組] 1.地域の組織・団体、区役所、支援機関、学校等が、地域課題の解決に向け協議・協働し、地域での見守りや支え合いの取組を一層進めます。(地域ケア会議、生活支援体制整備事業、セーフティネット会議等) 2.誰もが地域福祉保健計画の趣旨や地域の目指す姿を共有し、みんなで取り組む機運の醸成を図ります。 3.住民の話し合いによる課題解決を支援するとともに、区役所は「地域と向き合う体制」で横断的に連携し、より効果的に地域支援を行います。 取組目標3 地域での見守り・支え合いの取組を多面的に支援します。 [主な取組] 1.地域課題の解決に取り組む団体の活動の立ち上げや継続的な運営について、助成金・資金確保の手法・活動拠点の整備など、多面的に支援します。 2.地域の居場所づくり、仲間づくり、お互いさまの助け合いの取組を、いろいろなかたちで発信し、必要な人に情報を届けます。 3.学校や企業、社会福祉法人、NPO法人等の多様な活動を行う団体との連携を通じ、資源やノウハウを活かした取組につなげるとともに、それらの取組事例を発信し、連携・協働の広がりを促進します。 22ページ コラム ラジオ体操仲間同士の見守り…取組目標1 二俣川ニュータウン地区では、高齢者がいくつかの公園に定期的に集まり、ラジオ体操をしています。この活動は、歩いて行ける身近な場所で行われており、地域住民であれば誰でも参加することができます。続けて欠席している方を気にかけ連絡を取り合ったり、持ち回りでお茶飲み会を開いたりするなど、楽しみながら自然な見守り合いにもなっています。 参加者それぞれに特別な役割があるわけではありませんが、より身近な地域の中で、誰もが気軽に参加でき、住民同士がお互いを見守り、支え合う場となっています。 地域ぐるみで困りごとを解決…取組目標2 地域では、より身近な困りごとを受けとめ、支援機関と住民等が連携して解決していけるよう、様々な立場の方々が一緒に考える「地域ケア会議」などを開催しています。ここでは、その一例を紹介します。 ・認知症の方が住み慣れた地域で自分らしく生活していくために 認知症のお母さんと息子さんの2人暮らし。お母さんはデイサービスを利用していましたが、息子さんが帰宅するまでの間に外に出てしまい、警察に保護されることもしばしばありました。 このような状況のなかで、息子さんは地域の皆さんに現状を打ち明けることを決意。そこから、息子さん、地域ケアプラザ等の支援機関、自治会等でどうやってお母さんを見守っていくか話し合い検討しました。現在は、お母さんが好きなグラウンドゴルフや草木の手入れなどに、地域で見守るなか参加し、趣味を楽しみながら安心して自分らしく暮らすことができています。 空き家を活用したコミュニティカフェ…取組目標1・3 希望が丘の住宅街にある空き家となった実家を改装し、令和元年6月にパン屋カフェとしてオープンした「ブルーベル」(現在(令和3年3月末時点)はパンの販売は行っておりません)。 孤立しがちな子育て世代や高齢者、障害者など誰でも気軽に立ち寄り、交流できる居場所となっています。最近は音楽部を立ち上げ音楽を楽しみながら動画配信も行うなど、イベントやカフェでの交流を通じ、地域住民同士のつながりづくりの場にもなっています。 区役所が地域課題解決を支援する「きらっとあさひ地域支援補助金」を活用して立ち上げ、エスディージーズの啓発活動も行っています。地域に根ざした居場所として定着してきています。 エスディージーズは、2015年に国連サミットで採択された持続可能な世界を表現するための開発目標です。17の目標で構成され、誰一人として取り残さないことを目標としています。 23ページ [目指す姿3 ひとりひとりが、自分らしくいられるまち] 取組目標1 ひとりひとりの思いや力が大切にされ、自分のペースで参加できる場・機会を増やします。 [主な取組] 1.誰もが気軽に参加でき、できることや得意なことを活かせる機会づくりを進めます。 2.地域活動に関心のある人が、自分にあった参加方法を見つけられるよう、相談場所のPRやコーディネートを進め、より多くの区民の地域参加につなげます。 取組目標2 健康づくりをきっかけに、つながりが増え、支え合える地域づくりを進めます。 [主な取組] 1.趣味やサークル活動などでの健康づくりをきっかけとした仲間づくりや、自分らしく楽しみながら居られる場づくりを行います。 2.ひとりひとりがいつまでも自分らしく元気に暮らせるよう、様々な世代に対し気軽に取り組める健康づくりを展開するなど、健康寿命を延ばすための取組を進めます。 取組目標3 地域活動を活発にするための人材づくりを進めます。 [主な取組] 1.地域課題解決に取り組むために、地域で次世代のリーダーの役割を担える人材を育成します。 2.地域で活躍する活動者の取組を、より多くの区民に知ってもらえるよう広報啓発に取り組みます。 3.地域活動の楽しさを発信し、広く区民の地域参加を促す取組を展開します。(ジュニアボランティア、次世代育成、ボランティア養成講座、生涯学習支援等) 24ページ コラム 精神障害者の地域活動の場…取組目標1 左近山(さこんやま)地域ケアプラザでは、近隣の精神障害者の方が所属する団体から「地域での活動の場を探している」との相談を受けたことがきっかけで、ケアプラザ周辺の清掃や花壇整備、軽作業などのボランティア活動の場を提供しています。 ボランティア活動による社会参加を通して『はたらく』ことを最終目標としており、外出の機会や人との関わりが少なくなりがちな精神障害者にとって、社会参加の貴重な場となっています。 また、今後の活動内容を自身で提案していくなど、ひとりひとりができることや得意なことを活かしながら、自分のペースで地域活動に参加できる場となっています。 ウォーキングフレンズ講座 地域でのウォーキング・運動習慣の普及…取組目標2 運動習慣の大切さや忙しくてもできる効果的なウォーキングを学び、身近な地域の方や友人にちょっとしたアドバイスができる人材を育てる旭区独自の健康づくりの事業です。地域ケアプラザと連携し、その地域の健康課題や新たな人材発掘、仲間づくりの支援などを協力しながら行っています。 講座を受講した方は、地域のサロンやイベントなどの場で、若い世代を中心とした幅広い世代の方に、運動習慣の普及啓発に取り組んでいます。 ひとりひとりの健康意識が高まるだけでなく、楽しみながら地域での仲間づくりができるきっかけにもなっています。 新あさひみらい塾卒業生による居場所づくり…取組目標3 先駆的な地域活動の視察やグループワークなどを通して受講生同士が互いに学び合う「新あさひみらい塾」。 卒業生の旭北地区社会福祉協議会副会長さんは、視察を通して、プログラムがなく誰でも参加でき、自由に過ごせるサロンに共感。自宅ガレージを開放し、サロン活動を始めました。参加者が手作りのお菓子を持ち寄ったり、参加の声かけをし合うなど、参加者と担い手が分かれることなく、みんなで作り上げる居場所になっています。 新あさひみらい塾は、平成31年度~令和2年度まで旭区役所・旭区社協の協働により実施しました。