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市民局

広報よこはま 市版 2013年6月号 NO.772 ミニコラム

アッとヨコハマロゴ

横浜を感じるミニコラム
アッとヨコハマ
『ハーバーテイルな日々』伊藤有壱(アニメーションディレクター)


私のスタジオI.TOON(アイトゥーン)はクレイや人形のコマ撮りに最新技術をミックスしたアニメーション作品を創り続けています。活動拠点を横浜に移したのは7年前。築50年の物流倉庫万国橋SOKOは改修工事により、一線のクリエイターが集まる建物として生まれ変わりました。海から荷揚げで使われたクレーンが昔のまま残った建物からの眺めは最高です。

移転したばかりの年の夏、赤レンガ倉庫1号館で2か月間開催された「I.TOON CAFé」は私の20年におよぶ創作の大回顧展となりました。目が回るような忙しさから開放された秋のある日、海辺でぼーっとしていたら赤レンガ倉庫の2棟の建物が会話しているように見えて無意識にスケッチしました。その時感じた「港」の生命感のようなものがずっと気になっていて、5年間かけて探るように創り上げたのが18分のアニメーション作品「ハーバーテイル」です。

100年以上の間港町を眺め続けてきた一片のレンガは時が満ちたある日建物から脱走し、ずっと気になっていた「海」を観に行く…そんな作品の舞台はもちろん「横浜」。私は5歳の頃から実家はずっと市内で、高校時代は放課後よく歩いて今の新港エリアまで来たものです。東京を仕事の拠点にして20年、本当の居場所を考えた時、やはり世界の中でこの港町と共に生きて創作したいという思いが育ち、市の創造都市政策からの支援もいただいて今に至りました。主役のレンガは約40年この街を眺め続けた私自身なのかもしれません。パペットアニメーションの聖地チェコ共和国ZLIN FILM FESTIVALで最高賞と観客賞を頂くなど、「ハーバーテイル」を通して横浜の港の景色が世界の人々に広がっています。横浜から世界へ、そんな想いで今日も海沿いのスタジオで創作にはげんでいます。


ハーバーテイル

コラムのタイトルの由来…「@ヨコハマ」のロゴは伊藤さんのデザイン。伊藤さん「住み慣れていても「アッ」な発見と魅力にあふれた町、それが横浜。そんな親しみやすくイキイキしたイメージをタイトルロゴに込めました。」

プロフィール
伊藤有壱さん   伊藤有壱さん:中区在住。主な作品はNHK Eテレプチプチ・アニメ「ニャッキ!」、宇多田ヒカル「traveling」MVほか。東京藝術大学大学院映像研究科アニメーション専攻教授。