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大学との共同研究

親世代の投票率に追いつかない、子世代の投票率


 全体的な投票率の低迷も問題であるが、とりわけ若年層の投票状況は、全世代の中で最も低い状況が続いている。さらに、今回の我々の調査で明らかになったことは、若い頃の投票率が、その世代の、その後の投票率推移に影響を与えるということ、そして、世代ごとの投票率の推移水準を比較すると、現在の若い世代ほど、低い水準で推移しているということである。

 図3は、簡易なコーホート分析による、生まれた年次で集団化した世代ごとの、統一地方選挙における投票率である。(データは、各統一地方選時の横浜市選挙管理委員会『投票参加状況調査』の年代別投票率資料からの推定)


図3 簡易コーホート分析

図解グラフ


 19X0年世代というのは、19X0年を中心とする前後5年間に生まれた世代を示している。グラフを垂直方向に見比べると、ある一時点における世代別の投票率が比較でき、若い層ほど投票率が低く、高齢者層ほど投票率が高いことが確認できる。(なお、各世代とも、70歳代になると、健康上の問題もあり、投票率が低くなる。また、最近1,2回の選挙において、最若年層世代である1975年世代、1980年世代の投票率が相対的にあまり低くないように見えるのは、20歳独特の投票率の高さがもたらした影響が大きい。)また、各世代のグラフが右上がりであることから、どの世代も加齢とともに投票率が上昇していることが見て取れる。しかし、世代間で投票率を比較すると、2003年選挙の1950年世代の投票率は、12年前の1991年選挙での1940年世代の投票率を超えていないし、1960年世代の投票率は12年前の1950年世代の投票率を超えていない。

 実はこのことが問題なのである。図4は仮想的に作った推定投票率の図である。現在の20代の投票率が、10年後、30代になったときに、現在の30代の投票率を超えるようだと、将来に明るい展望も見えてくるのだが、推定結果は、図の実線が示すように逆になっている。加齢による投票率の向上が10年で7〜8%程度であるのに対し、10歳差の世代の投票率の差は10%程度になるので、10年後に現在の10歳上の世代の投票率に届かないのである。この傾向が続けば、10年ごとに2〜3%程度の投票率の低下が見込まれることになる。統一地方選挙においても、投票率50%の回復どころか、40%を割る危険性すら垣間見えてくるのである。


図4 推定投票率

図解グラフ

 アメリカでも、10代後半から20代にウォーターゲート事件(1972年)を経験した世代は、その後一貫して投票率が低いと主張する論文(Plutzer(2002))もあり、折れ線グラフの始点である、世代の投票率のスタート地点を決定する20代での投票率向上の工夫がますます必要であると考えられる。以下に若年層に対する日常の啓発活動と、選挙時の啓発活動のそれぞれについて、若干の考察を行いたい。

 

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