logo

Yokohama's Memory5 【尾崎富五郎の仕事】
chain_aqua.gif

Yokohama's Memory Vol.5は、
時代の必要性が生んだ尾崎富五郎の仕事の一端をご紹介します。


 幕末・明治初期の横浜は、開港地としての性格上、海外情報の受信地であるとともに日本情報の発信地でもあり、さらに、横浜で見聞された異文化は、横浜浮世絵や案内記などを通じて、国内に伝えられました。こうした時代背景のもと、横浜の野毛において、特徴的な出版・販売活動を行った人物が尾崎富五郎です。「五葉舎万寿老人」を名乗った絵地図を作製し、書肆錦誠堂として、英語の手引書や往来ものと称される教科書などを発行するとともに、絵双紙などの販売も手がけました。

 当時の横浜を記録した尾崎富五郎の絵地図は、市街を切絵図ふうに表現し、その一方で野毛や本牧周辺を絵図的に描くところに特色があります。代表作『新鐫横浜全図 随時改刻 MAP OF YOKOHAMA』中に、校正として「儘世吟香逸人」、売弘所として「小林屋銀次」と記されています。いずれも明治文化の先駆者、岸田吟香です。

 一枚刷りとしては、絵地図のほかに、双六や横浜浮世絵、番付、そして名鑑を発行しています。今日に残されたこれらの資料群は、横浜の外観や横浜商人の活動内容など、明治前期の横浜の文化を雄弁に語ります。

 絵地図中にアルファベットの表記が散見できますが、尾崎は外国文化の受容に欠くことのできない語学書も刊行しています。尾崎が作製した綴り字書、単語集、単語短文集などの手引書を通じて、当時の横浜の人びとは外国人とコミュニケーションを図ったことでしょう。


《参考文献》
  • 横浜市中央図書館開館記念誌編集委員会編『横浜の本と文化』(横浜市中央図書館,1994年3月)
  • 石橋正子「錦誠堂尾崎冨五郎出版目録(稿)」(『出版研究』第23号,日本出版学会,1993年3月)
  • 組合史編纂委員会編『神奈川古書組合三十五年史』(神奈川県古書籍商業協同組合,1992年10月)



新鐫横浜全図
横浜絵地図
【五葉舎万寿老人製図,
新鐫横浜全図
随時改刻 MAP OF YOKOHAMA,
[明治3年(1870)10月]】

拡大図へ(198KB)
改良横浜全図
横浜絵地図
【改良横浜全図,尾崎富五郎,
明治23年(1890)7月】

拡大図へ(226KB)



横浜真景一覧図絵
横浜絵地図
【尾崎富五郎編,
横浜真景一覧図絵,
尾崎富五郎,
明治24年(1891)7月】

拡大図へ(238KB)
横浜案内絵図
絵地図の袋
【横浜案内絵図 再版
mapu , yokohama,
佐野屋富五郎,
明治7年(1874)】

拡大図へ(154KB)



新板東京横浜道中雙六
双六
【芳政,新板東京横浜道中雙六,
佐野屋富五郎】

拡大図へ(197KB)
横浜纏頭取附
名鑑
【新版改正横浜纏頭取附,
佐野屋富五郎,
(『横浜市史稿 風俗編』所収)】

拡大図へ(148KB)



諸品商業取組評
名鑑
【尾崎富五郎編,
諸品商業取組評,
錦誠堂,
明治12年(1879)3月】

拡大図へ(141KB)
新鐫横文字独稽古
語学書
【新鐫横文字独稽古,錦誠堂】
拡大図へ(186KB)