さくっ!とわかる横浜の歴史

分厚い歴史書を読むのはどうにも大変、というあなたに、とにかく簡単に、そして様々な視点から横浜の歴史を知ることができる本をご紹介します。番外編として、英語で書かれた横浜の歴史の本もご紹介します。

横浜の歴史

ある都市のれきし 横浜・330年 』 北沢猛/文 内山正/絵 福音館書店(たくさんのふしぎ傑作集) 1992

江戸時代の横浜村から今日の横浜への変化を描いた絵本です。時代ごとに描かれた鳥瞰図を比較することによってその変化が体感できるようになっています。物語のスタートは1656(明暦2)年、「二つの丘と、細長い砂州にかこまれた入江。しろい砂浜、松林、美しい自然のなかに人びとはすんでいました。ここから、都市のれきしがはじまります。」

『横浜の歴史 [平成18年度版]・中学生用』 」 横浜市教育委員会学校教育部小中学校教育課 2006

横浜で中学校に通っていたことのある方なら必ず手にしたはずの副読本です。いまさらと思われるかもしれませんが、難解すぎず簡潔すぎず、古代から現代に至るまで偏りなく、これさえ知っていればということはすべて盛り込まれている基本図書といえるでしょう。

港町・横浜の都市形成史 』 横浜市企画調整局/編 横浜市企画調整局 1981

都市計画という視点から当時の横浜市企画調整局が編集したこの本は、都市横浜の発展を知るためには今もって最良の資料といえるのではないでしょうか。地図や古写真などの図版を多用し、その時々の横浜の姿を的確に切り取る構成になっています。背景や因果関係が章ごとに図示されているのも特徴で、時代ごとの問題点が把握できるようになっています。たとえば明治後期の横浜、もともと貿易港としての機能を中心に形成されたため、日清日露戦争後の工業化に相対的に立ち遅れることになり、それがかえって貿易額の減少を生むという悪循環…。開港から50年の節目の時期、横浜は大きな転換期を迎えていたのでした。

横浜もののはじめ考 』 横浜開港資料館、横浜開港資料普及協会/編 横浜開港資料館 2000

ホテル、ビール、ガス灯、競馬、マッチ、石鹸、クリーニング、義足…。横浜が発祥とされる事象61項目について、その諸説や出典などを詳細に解説したのが本書です。「もののはじめ」は外国文化の摂取に対する先人たちの努力を知ることであり、横浜の歴史を知るための一つの切り口であるといえます。他方で「一面」に過ぎないという本書の立場も見逃せないと思います。日本最大の居留地があった横浜は、同時に最も日本文化を海外に発信した町であったはず、「文明開化」という言葉の使用を避けたという前書きには意味深いものがあります。

横浜散歩24コース 』 神奈川県高等学校教科研究会社会科部会歴史分科会/編 山川出版社 1999

第1部横浜散歩24コースは、各コースにはっきりとしたテーマが設定されているのが特徴です。たとえば「近代医学の歴史」、京急仲木戸駅からJR石川町駅までの約4時間のコース。ヘボン夫妻、シモンズ、ウィリスなど近代医学史に重要な足跡を残した人物の名を知ることができます。この本の第2部は、第1部散歩コース紹介文中の史跡や人名などを50音順に並べて解説した歴史事典になっていますので、あわせて利用すれば、横浜の近代医学史の概要を知ることができます。1冊で歴史散歩のコースガイドと歴史の概説書を兼ね備えた便利な本、といえるでしょう。

横浜 交流と発展のまちガイド カラー版 』 南学/編著 岩波書店(岩波ジュニア新書) 2004

本書ではまず横浜の歴史を語るために博物館めぐりからはじめます。開港を知るために横浜開港資料館、横浜港に賑わいをもたらした生糸貿易についてはシルク博物館で、といった具合に。つぎに街を訪れます。中華街、山下町、山手などをめぐりながら都市が形成されてゆく過程を追い、最後に現在の横浜の都市計画にたどり着きます。今の横浜を意識した構成がかえって歴史を親しみやすいものにしています。

横浜・歴史の街かど 』 横浜開港資料館/編 神奈川新聞社 2002

横浜開港資料館の収蔵品50点を取り上げ、それにまつわる逸話をまとめたもの。明治大正期の絵葉書、横浜近郊の村々に回覧されたという安政の五か国条約の写しなどどれも興味深いものです。たとえば「東京横浜電話交換加入者名簿」、明治25年の電話帳です。電話交換業務開始が明治23年ですから、まさに草創期の電話帳といえますが、巻末にある「電話使用者心得」がそのことを彷彿とさせます。「決して大声なればとて能く通ずるものに非ず、反て談話を混乱せしむべし…」

目でみる「都市横浜」のあゆみ 』 横浜市ふるさと歴史財団 横浜都市発展記念館 2003

横浜は関東大震災でその古い面影を失い、再出発を余儀なくされました。横浜都市発展記念館はそこから始まる横浜の都市計画の歴史を保存・活用するためにつくられた展示施設で、本書は、その常設展示のテーマに沿って構成されています。都市計画図や古写真などの図版が豊富に使われていますので、都市計画の変遷を目で追うことができるほか、横浜都市発展記念館を訪れる際のガイドとして役立てることもできます。

都市ヨコハマをつくる 実践的まちづくり手法 』 田村明/著 中央公論新社(中公新書) 1983

横浜市の都市プランナーとして六大事業の推進にあたった著者による都市づくりの記録です。“まちづくり”に対する考え方、事業推進の手法、市民や企業との協働など、戦後の横浜がどのような都市計画に基づいて作られたのかを具体的に紹介します。

横浜絵地図 岩壁義光/編 』『横浜浮世絵 横田洋一/編 』『横浜絵葉書 半澤正時/編 』  (Yokohama graficaシリーズ) 有隣堂 1989

幕末から明治・大正にいたる華やかな時代の横浜を色鮮やかに表現しています。横浜市立図書館のホームページ内「都市横浜の記憶 」でも見ることができます。

横浜銅版画 文明開化期の建築 』 神奈川県立博物館/編 有隣堂 1982

1886(明治19)年に出版された、『日本絵入商人録』は横浜と神戸の居留地に立つ建物を描いた銅版画集、『横浜諸会社諸商店之図』はほぼ同じ時期に発行された銅版画集で、横浜の日本人町にある商店・会社などの建物を対象としています。本書はこの2冊を合わせて復刻したもので、建築学的価値はもとより、明治中期の横浜を再現するためには欠かせない資料となっています。中央図書館所蔵『日本絵入商人録』の原本は、横浜市立図書館のホームページ内「都市横浜の記憶 」で公開しています。

F.ベアト写真集 1 幕末日本の風景と人びと 』 『F.ベアト写真集 2 外国人カメラマンが撮った幕末日本 』 F.ベアト/〔著〕、横浜開港資料館/編、明石書店、2006

幕末に来日した写真家ベアトは横浜を始め日本全国で数多くの風俗・風景写真を撮影しました。今日までその多くが現存しているのは、芸術性が高く評価されているためであるとも言われています。その結果、私たちは開港直後の横浜、とりわけ江戸時代の様子を写真で知ることが出来るという恩恵に浴することが出来ました。本書はベアト以外の外国人写真家の業績にも触れられていて、横浜写真史としても読み応えのあるものになっています。

【番外編:英語で語る横浜  英語で書かれた横浜に関する資料をご紹介します。】

A historical guide to Yokohama ヨコハマ歴史ガイド 』 バーリット・セービン/著 有隣堂 2002

著者はアメリカ人ジャーナリストです。元町・山手、中華街、野毛、根岸・本牧など地域ごとに、そこに含まれる公園・建物などのランドマークや近代遺産をとりあげ、開港以降の歴史を記述したものです。図版も古写真や錦絵、銅版画などが多用されています。普通の旅行ガイドブックと同じ体裁になっています。

Yokohama, past and present 100th anniversary of Yokohama’s incorporation 130th anniversary of the Port of Yokohama 』 Kato Yuzo/著 Yokohama City University 1990

市政100周年・開港130年を記念して作られたものです。旧石器時代の遺跡から現在の横浜まで、8つの時代区分に分けて記述されています。開国開港期はもとより、震災や戦災、そして戦後の歩みにも多くのページを割いているのが特徴です。またこの本には『横浜 いま/むかし 』という対訳版も出ています。

Yokohama prints from nineteenth-century Japan 』 Ann Yonemura/著 Arthur M.Sackler Gal 1990

幕末から明治初期にかけて盛んに作られた横浜浮世絵を紹介した洋書で、絵師について非常に詳しく解説されているのが特徴です。絵の中身の解説がそのまま横浜の歴史になっているばかりではなく、絵地図や古写真を使って当時の横浜を解説した部分もあります。

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