図書館の本棚から・今月の1冊

〜毎月23日は「市民の読書の日」、毎年11月は「市民の読書活動推進月間」 です〜

横浜市立図書館が所蔵する本を、各図書館の司書がご紹介
します。

 

掲載月 タイトル 著者
出版社
出版年
紹介文 紹介した館
4月  考えの整頓

考えの整頓 表紙
佐藤雅彦/著 
暮しの手帖社
2011年

 著者の名前を御存じなくても、ヒット曲「だんご三兄弟」や、NHK・Eテレの番組「ピタゴラスイッチ」「0655」「2355」と聞けば、ああ、あの!と思われる方も多いのではないでしょうか。
 この本は、それらを世に送り出した佐藤さんのエッセイ集です。暮らしの中で、他の誰も気に留めないようなことに着目しそれについての考えを「整頓」した一冊です。

「おまわりさん10人に聞きました」の章。おまわりさんに道を尋ねる人を見ていた佐藤さんは、大判の地図がある場所から出てきたことに驚き、他の警官のかたもそこに入れているんですか?とつい聞いてしまいます。
おまわりさんの答えは「ひとによります…」。
 この答えをそのまま流さないのが、佐藤さん。章のタイトルにあるとおり、10人のおまわりさんに聞き取り調査をしたのです。
 その結果考察も単純に面白いですが、ひとびとの暮らしと創意工夫についての佐藤さんの考えを、うんうんと共感しながら、興味深く読みました。

 日々の何気ないシーンに、面白いこと、きらりと輝くものがある。読者にとっては、考えに「刺激」を与えてくれる本です。

港北 図書館

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5月 宇宙を撮りたい、風船で。

宇宙を撮りたい、風船で。表紙
岩谷圭介/著 
キノブックス
2015 年刊

  「ふうせん宇宙撮影」――それは誰もが1度は触れたことがある風船を使った、世界一小さな宇宙開発です。分からないことばかりの中で、何度失敗しても諦めずに挑戦し続け、遠くて手が届かない場所と思われていた宇宙に近づいていった若者の姿を記録した本です。

旭図書館

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6月 ダニ・マニア チーズをつくるダニから巨大ダニまで 増補改訂版
 dani

島野 智之/著
八坂書房
2015年刊

  「ダニ」と聞いて良いイメージを浮かべる方はほとんどいらっしゃらないのではないでしょうか。寝室に、絨毯に、小麦粉に。あなたがイメージするであろう、身の周りのダニは人体に‘負’の影響を与えるものが多いからでしょう。しかし、日本国内だけでも確認されたダニの種類は1800種を超えているのです。この本であなたの知らなかったダニの世界を覗いてみてはいかがでしょう。正しい駆除方法なども学べる一冊となっています。

緑図書館

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7月  自然の力で夏をのりきる暮らし術

自然の力で夏をのりきるくらし術。
表紙

 農山漁村文化協会/編
農山漁村文化協会
2012年刊

 暑い夏を健康で快適に過ごすために工夫していることがありますか。 この本では、「涼しさ」の原理の説明や、自然の力を利用して、少しでも涼しく過ごすコツが紹介されています。家の中を涼しくすることでよく知られている「緑のカーテン」と言えばゴーヤですが、他のおいしく食べられる野菜のカーテンの紹介や、健康ドリンクの作り方など、夏を乗り切るためのヒントが満載です。

戸塚図書館
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8月 あたり 魚信

あたり 魚信 表紙
山本甲士/著 文藝春秋

 「奇跡を信じたければ、釣りをするがいい」。昔、隠れキリシタンが釣りを通じて村人と親しくなり、かくまってもらう事ができた・・そんな言い伝えと、昔ながらの清流が残る、現代の地方都市が舞台の短編集です。全6編収録。失業中の主人公が、偶然出会ったオイカワ釣りの老人に誘われて釣りを始めると、なぜか周りに人が集まり、彼自身にも変化が起きる「おいかわ 追河」など、釣りを通じて何かが変わり、何かがつながります。

金沢図書館
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9月 日本の素朴絵

日本の素朴絵
矢島新/著
ピエ・ブックス

 古来より日本の絵画表現には、朴訥かつ生き生きとした描写が見受けられます。これでいいの?と思ってしまうくらい単純な絵たち。庶民の親しみやすい絵柄は、現代の私たちの心も掴むのです。「カワイイ」の源流ですね。

南図書館
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10月 蜃気楼のすべて!

蜃気楼のすべて!表紙
日本蜃気楼協議会/著 
草思社

 蜃気楼とは、光の空気の温度変化により、景色が違った形に見える現象のことです。富山県・魚津市は、1698年に上杉謙信が蜃気楼を見たという記録があり、現在も蜃気楼の観察・撮影の第1級スポットになっています。この本では、蜃気楼の魅力を魚津、琵琶湖、小樽等カラー写真で解説・紹介しています。 
 しかし、何と言っても、実際見に行くのが一番。興味を持たれた方は、発生時期・観測地点も参照して、出かけてみてはいかがでしょうか。

都筑図書館
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11月 十二番目の天使

十二番目の天使 表紙画像
オグ・マンディーノ/著 
坂本貢一/訳 
求龍堂/発行

 最愛の妻と息子を交通事故で亡くした男は、絶望し自殺を決意しますが、親友からリトルリーグの野球チームで監督をしてほしいと頼まれます。その子どもたちの中に、息子の面影を残した、体が小さく、運動音痴だけれども、絶対にあきらめない「天使」がいました。あきらめずに思い続ける姿に胸を打たれる一冊です。

鶴見図書館
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12月 JR横浜線・根岸線街と駅の1世紀
JR横浜線・根岸線街と駅の1世紀 表紙画像
生田 誠 /著 彩流社

 52年前の昭和39年(1964年)5月19日、根岸線が開通し、同時にその終着駅として磯子駅が開業しました。この本には、根岸線、横浜線沿線の各駅について、駅や駅周辺の概要、開業当時や現在の駅の写真などが載っています。新旧の写真から、時代の変遷が伝わってきます。

磯子図書館
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1月 ひみつの王国 評伝石井桃子

ひみつの王国 評伝石井桃子
尾崎真理子/著
新潮社

 石井桃子さんをご存じですか。『ノンちゃん雲に乗る』で終戦後の児童文学に颯爽とした風を吹き込み、児童文学や絵本の作家・名編集者・翻訳者として、様々な子どもの本を世に送り出し、書き手や編集者を育て、戦後日本の子どもの本の世界を築いてきた人。『ちいさなうさこちゃん』『くまのプーさん』『ピーターラビットのおはなし』・・・。今もロングセラーとして親しまれている多くの絵本を日本に紹介したのも、彼女の仕事です。
  しかし、彼女が若いころ、戦前の女子大の卒業生としてキャリアウーマンの道を切り開いた一人で、創業まもない文藝春秋社で女性初の編集者として活躍した、“モダンガール”であったことは、案外知られていません。その控えめな人柄と卓越した語学力や事務処理能力により、高名な作家はもちろん、時の首相の犬養毅の家庭でも家庭教師として信頼されるようになります。
しかし、その能力ゆえに心ならずも戦時体制に組み込まれてしまい、戦後そのことから背をむけるように、女性2人で農業に没頭し「ノンちゃん牧場」を経営・・・。この間のことは、石井桃子本人も、あまり発言していないそうです。
  本書の著者の尾崎真理子は、幼いころ石井桃子の手がけた絵本に親しみ、新聞記者として文芸欄などを担当した人ですが、晩年の石井桃子へのインタビューも含めて、丁寧に石井の残した著作や手紙にあたり、石井を巡る人々に取材を重ね、力作ながら読みやすい本にまとめています。
  知られざる石井桃子の若き日の姿も含め、その101年に及ぶ生涯をたどった本書は、一人の女性の魅力的な伝記というだけでなく、20世紀の女性史であり、文壇史であり、子どもの本の歴史であり、そしてなによりその時代を生きたあまたの人びとの声の聞こえる記録として、21世紀を生きる私たちに手渡された、読み終わったとき、そんな感慨を覚える本です。

瀬谷図書館
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2月 地震・台風・土砂災害・洪水から家族を自分で守る防災完全マニュアル
地震・台風・土砂災害・洪水から家族を自分で守る防災完全マニュアル
河野太郎/著 講談社

 泉図書館では、毎年2月は、その前年に出版された本を集めて展示しています。今回はその中から、防災についての一冊をご紹介します。本書は前防災担当大臣による「『防災4.0』未来構想プロジェクト」の成果書で、「地震」「台風」「土砂災害」「洪水」に遭遇した四家族の物語を通して、災害への備えや注意点などを知ることができます。中でも洪水については、一昨年の鬼怒川の反乱が記憶に新しいところですが、対策のための本はあまりないようです。いざという時のため、備えを考える一助となるかもしれません。

泉図書館
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3月 にっぽん家電のはじまり
にっぽん家電のはじまり 表紙
大西正幸/著 技報堂出版

 今でこそ、家電に囲まれた生活ですが、日本では、明治16年に初めて電力会社が設立され、大正末期から昭和初期になって、やっと電気冷蔵庫、電気洗濯機など大物商品が売り出されました。本書は、市民のあこがれだった家電製品が、日本でどのように誕生したのか、そしてどう進化していったのかを構造や性能を交えながら振り返った読み物です。白黒で小さいながらも、写真や図が多数掲載されており、イメージがつかみやすくなっています。誕生して間もない電気製品は、ごっつく、きらびやかな所はありませんが、人間の知恵と工夫を感じさせてくれるおもしろさがあります。

緑図書館

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