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職員インタビュー バス乗務員
最終更新日 2022年1月14日
横浜市営バス乗務員 T.O.
民間企業の営業マン等を経て2015年入局。
現在は浅間町営業所のバス乗務員として活躍する。趣味は登山で神奈川県内の山を制覇中。
バス乗務員としての背中を押してくれた家族。
あの日の祖母の後ろ姿は、今も目に焼き付いています。私がバス乗務員になって間もない頃のこと。
祖母が家族に連れられ、私の運転するバスに乗ってきたんです。私はミラー越しにすぐに気づきましたが、祖母にはそんな素振りもない。
降り際にようやく家族が祖母に「その運転手さんは、あなたの孫だよ」と伝えると、祖母は驚いたように「全然わからなかった。本当の運転手さんみたいだった」と。
気付かれなかったのは少し寂しかったのですが、一番身近な人にプロとして見てもらえた喜びの方が大きかった。
今でもあの腰を屈めた祖母の姿は「頑張ろう」という私の支えになっています。
マンツーマンの空車訓練が大きな自信に。
もともと営業でトラックを運転する機会があってバスに興味を持ち、乗務員になった私。
当初は大きな車体を目の当たりにし、「本当に自分に運転できるのか」と不安でした。しかし、空車訓練をご指導くださった指導員の先輩が、私の不安やせっかちな性格も見抜いた上で常に助言をくれたんです。例えば「遅延で焦っている時こそ、車内案内はゆっくりと」「周囲や乗客の確認もいつもの2倍行うように」と。先輩のこうした助言の一つ一つは財産で、営業所のロッカーに貼ったり、スマホの待受けにしたりして毎朝必ず見ています。
おかげで少しは運転技術が上達したのか、先日、通院で利用される常連の高齢者の方に「今までの運転で一番よかったよ」と言われた時は嬉しかったですね。
休日も優れた方の運転技術を盗むべく様々なバスに乗り、あえて重力のかかる最後部席に座って「カーブ時の揺れをどう防いでいるのか」「この人の車内案内はうまいな」と学んでいるところです。
非常時にこそ感じる、乗務員の使命。
中でもやりがいを感じるのは非常時で、昨年の記録的大雪の日のことは印象に残っています。
フロントガラスを雪が叩きつけ視界が狭まる中、30分以上も遅れてバス停留所に到着すると、傘を差したお客様が凍えながら列をなして待っていた。そして「運休だと思ってた。走ってきてくれてありがとう」と安堵の表情を浮かべながら喜んでくれたんです。
あの時は「自分の仕事は市民の皆さんの力になれているんだ」と改めて実感しましたね。震災や災害で電車が止まった時なども、市民の生活に寄り添い広範囲に動けるのがバスなので、今後も運転技術と思いやりの心で使命を全うするつもりです。
おばあちゃん、毎日こうして頑張ってるからね。高齢の方が乗車された時は、足腰の不自由なおばあちゃんの姿を重ね、接するようにしているよ。いつか誰からも信頼される乗務員になるよう努めるから、どうか見ていてください。
一問一答
Q:健康管理法は?
A:職業柄、腰が疲れるので、定期的に整骨院に通っています。
Q:職場の雰囲気は?
A:上下の隔てがなく、先日は一緒に趣味の登山に行ってきました。
Q:登山と仕事の共通点は?
A:自分の足で目的地まで進む点と、辛い時は仲間と助け合える点。
Q:仕事で嬉しかったことは?
A:お客様がわざわざ後部座席から運転席に来て、お礼を言ってくれたこと。
T.O.さんよりひとこと
山下公園や桜木町など観光エリアも回れるので、運転好きな方にはとても魅力的な仕事です。
遠足など学校行事の貸切運行も楽しいですよ。
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