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【多文化が交流する暮らし】

ハートフルンルンたまごの輪 〜外国にルーツを持つ子どもたちの支援〜

 1859年の開港当時からこれまで、世界のさまざまな文化を吸収しながら発展してきた横浜。横浜市の外国人登録者数は現在7万人を超え、アジア各国の成長を目指す経済フォーラム「APEC(アジア太平洋経済協力)」首脳会議も今年11月に開催されるなど、横浜の街は国際都市としてますます文化交流の拠点となっています。

 しかし、外国につながりのある子どもたちが日本で生活をしていく中で、文化や国籍の違いに葛藤を抱え、学校生活に馴染むことができず不登校になってしまうこともあります。今回は、外国につながる子どもたちの支援をしている、不登校の親子の居場所「ハートフルンルンたまごの輪」の活動をレポートします。

子どもたちが何かを作り上げて思い出にする居場所

 ハートフルンルンたまごの輪(通称「ハトたま」)は、国籍や文化に関係なく、子どもたち自身が言葉や身体を使ったコミュニケーションを通じてさまざまな活動を行っているグループです。現在、毎週土曜日の13〜17時に、桜木町にある青少年サポートプラザで主に活動しています。

 ハトたまに参加しているのは、小学生から高校生までの子どもたちをはじめ、その家族や、ボランティアの大学生などです。ブラジルやインドなど外国にルーツを持つ子どもたちと日本人の子どもたちが、国籍や年齢を超えていっしょに活動しています。

 スポーツや料理、パソコン教室、アニメ制作など、子どもたちがやりたいことを自分たちで考えながら行い、「友だちができること」「あこがれる先輩と出会うこと」「じっくり取り組むプロジェクトと出会うこと」「とにかくおもしろくて、ワクワクすること」「保護者たちが心おきなく話し合えること」をテーマに活動を展開しています。

>>不登校の親子の居場所 「ハトたま!」


子どもたちとラップを通じたワークショップ

 ハトたまの活動は、横浜市教育委員会が行っている適応指導教室ハートフルスペースに参加していた親子が集まり、子どもたちがゆっくり時間を過ごし何かを作り上げて思い出にする居場所としてスタートしました。

 フリースペースとしての活動だけでなく地域との交流も実施しており、2009年8月には、横浜黄金町周辺で行われた、タイ、韓国、中国、インド、フィリピンなど多国籍文化の交流イベント「横浜下町パラダイス祭り」にも参加をしました。

 横浜下町パラダイス祭りでは、学生や社会人の青年が中心となり多文化共生社会を目指して活動している団体「Ethnic JAPAN」と協力し、ラップライブを開催。その時の交流がきっかけとなり、、Ethnic JAPANの事務局長でラッパー「Fizz」こと橋本豊さんと、大学生ラッパー「ゆうま」こと勝亦佑磨さんにによる、ハトたまに参加している子どもたちとのラップを通じたワークショップがスタートしました。

>>Ethnic JAPAN


入学したことがスタートじゃないし 卒業することがゴールでもない

 ラッパーの橋本さんと勝亦さんはハトたまの活動に半年間参加しながら、子どもたちと語り合って感じたことを元に、ラップユニット「飛ぶ教室」としてオリジナル曲を作成。そして、ジャケット制作などを子どもたちとも協力しながらCDを作り、ハトたまとの交流の集大成となる発表会ライブを3月27日に行いました。

 ライブでは「曲がったり 迷ったり 間違ったり 繰り返し それぞれの足跡が人生を描く だから入学したことがスタートじゃないし 卒業することがゴールでもないんだ 自分の道を見つけられた瞬間に初めて 人生って言葉の意味が始まるんだ」と歌い、子どもたちが抱えるさまざまな葛藤を表現。

 気持ちを込めてひとつひとつの言葉を歌っていく2人の姿に、ハトたまの子どもたちも真剣な眼差しでライブを見ていました。ライブ終了後にひとりひとりが記した言葉にも、ラップを通じて育んだ想いやコミュニケーションの様子が表れているように感じました。

 橋本さんと勝亦さんは「ハトたまのみんなと半年間いっしょに過ごした中で、インスピレーションを受けた言葉を元に作曲しました。世間から外れてしまっていても、何かを作り上げることができる。みんながいろんな可能性を秘めていることを伝えたい」と話します。

>>Fizzライブ(YouTube)

>>ゆうまOfficial Homepage


成長するうちに、自分の中に外国人のルーツがあることを意識することがある

 ハトたまの活動を中心となって始めたワスナニ・モニカ・孝子さんは、インド人の男性と国際結婚し、自身の息子さんが不登校になった経験を持ちます。ワスナニさんは、外国の文化をルーツに持つ子どもたちについて「今までいつか自国に帰ると思っていたために子どもを日本の学校に入れてなくて、いざ日本に長期滞在することになった時に子どもたちが日本の生活になかなか馴染めないということがあります。不登校以前に、不就学でどこにも行っていない子が増えているんです」と話します。

 ワスナニさんは、多文化を大切にした子育ての支え合いを目的に、メーリングリストによる情報交換などに取り組む「マジカルチャイルドクラブ」というグループも行っており、外国とつながる家族のための支援を広げようと活動しています。

 「日本で暮らしていて言葉や単語が使えても、それを実際のコミュニケーションに使うのは子どもたちにとって難しいことです。でも成長するうちに、自分の中に外国人のルーツがあることを意識することがあると思います。ハトたまでは年長と年少の子が出会って、子どもたちが異年齢で交流して成長していく様子があるんです」(ワスナニさん)

 国際結婚家族、外国籍家族、帰国子女家族など、外国につながりのある家族が抱える文化の違いは、子どもが若者へと成長する過程でさまざまな葛藤を生むと思います。その中で、外国人支援と日本人支援は関わりのないことではなく、まずはそれぞれが抱える困難さを知ることで、互いの文化を共有するきっかけにもなるのではないでしょうか。

 この連載では今後も、ひとりひとりの国籍や文化を尊重しながら生活していくための「多文化共生」をテーマに、国籍や文化を超えて子どもや若者をサポートしている活動を紹介していきます。

(2010.04.24)

横浜市こども青少年局 | 作成: 2012年04月18日 | 更新: 2012年04月18日

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