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「死にたい」と相談されたときに 〜支援者ができること〜

まず、知っておくこと

 内閣府が発行しているリーフレット(*)によると、自殺を図った人が精神科医などの専門家に相談している例は少なく、一方で、家族や職場の人など身近な人は、自殺のサインに気づくことも多いとされています。このなかで『自殺のサイン』として以下の項目があげられています。
  (1) うつ病の症状
  (2) 原因不明の身体の不調が長引く
  (3) 酒量が増す
  (4) 安全や健康が保てない
  (5) 仕事の負担が急に増える、大きな失敗をする、職を失う
  (6) 職場や家庭でサポートが得られない
  (7) 本人にとって価値あるものを失う
  (8) 重症の身体の病気にかかる
  (9) 自殺を口にする
  (10)自殺未遂に及ぶ
 「死ぬ、死ぬという人は実際には死なない」という言葉を聞くことがありますが、これは誤りです。とくに(1) から(8) までの項目を複数満たす人が死をほのめかしたり、はっきりと「死にたい」と言う場合には、自殺の危険が非常に高いと考えられます。
 このような場合、まずは相手の話を真摯に受け止め、真剣に話を聞くことが大切です。安易に話をそらすことや、表面的な励まし(たとえば「だいじょうぶだからかんばって」「死ぬなんて考えちゃだめ」など)は慎むべきです。
(*内閣府自殺対策推進室発行「『生きやすい社会』の実現を目指して」)


具体的な対応

実際に自殺をほのめかしたり、「死にたい」と相談されたときには、次のようなことを心がけてみましょう。
  1. まず、ゆっくり話を聴こうとしていることを伝える
  2. 「死にたい」という気持ちとその背景について聴く
    死にたいくらいに辛い気持ちと、その背景にどんな問題があるのかを尋ね、受け止めます。
  3. 時間の許すかぎり傾聴し、場合によっては他に時間を作る
    相談者の訴えをゆっくり聴きます。無理になにか言葉をかけようとしたり、励ましたりする必要はありません。また、電話の場合やどうしても時間が取れない場合は、改めて時間をとったり、面接の予約を取るなどの対応をします。
  4. 必要な支援を探る
    どのような支援があれば、死ぬことを考えずにすむかを確認します。家族や知人の援助が得られるかを尋ね、困っていることへの有効な社会資源があれば情報提供をします。支援者が知っていて当たり前と思っているような情報や制度も、相談者は知らないことも少なくありません。とくに、うつ病などの精神疾患が疑われる場合や、自殺の危険度が高いと思われるような場合は、神経科や精神科の受診を勧めるか、区役所、こころの健康相談センターなどの相談機関への相談を勧めます。


支援者として心がけること

 自殺を考える人は、多くの場合、自分だけでは解決できない複数の問題を抱えています。また、実際に自殺を試みて未遂に終わった場合、周囲の人々の偏見などから、さらに生きにくくなることも少なくありません。自殺予防を考えるときは、長期的・複合的な視野が必要になります。とりあえず、目の前の相談者がいっとき自殺を思いとどまっても、また死にたくなったり、自殺を企てることを予防しなければなりません。
 そのためには、長期的な視点でその人に必要な支援がなにかを相談者と一緒に考え、できるだけキーパーソンになるような人(家族など)の協力を仰ぐことが必要です。また、支援者が孤立してしまわないためにも、相談者を支えるネットワークを構築していくことが大切です。



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