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スロバキア共和国のこどもの定期予防接種について

こどもの定期予防接種のスロバキア共和国と日本との違いについて

 本稿では、スロバキア共和国のこどもの定期予防接種について触れます。まず、スロバキア共和国のこどもの定期予防接種と日本のこどもの定期予防接種との違いを見てみましょう。

 両国で定期予防接種として実施している予防接種もありますが、一方の国でしか定期予防接種として実施していない予防接種もあります。表にまとめると、下の表1のとおりです。

表1. こどもの定期予防接種のスロバキア共和国と日本との違い
  スロバキア共和国のこどもの定期予防接種
実施 実施せず
日本のこどもの定期予防接種 実施 ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)感染症
ジフテリア・破傷風百日咳
ポリオ
麻疹風疹
肺炎球菌感染症
日本脳炎
結核(BCG)、
ヒトパピローマウイルス16型・18型による子宮頸部癌、外陰癌、膣癌、肛門癌および
6型・11型による尖圭コンジローマ(*)
実施せず
流行性耳下腺炎(ムンプス)
B型肝炎
髄膜炎菌感染症
水痘
A型肝炎
インフルエンザ
ロタウイルスによる感染性胃腸炎
ダニ媒介脳炎
*: HPVワクチンについて、日本では女子のみ対象。

 こどもの定期予防接種として、スロバキア共和国で実施されず日本で実施されているものとしては、日本脳炎、結核(BCG)、ヒトパピローマウイルス16型・18型による子宮頸部癌、外陰癌、膣癌、肛門癌および6型・11型による尖圭コンジローマ(*)があります。反対に、こどもの定期予防接種として、日本で実施されずスロバキア共和国で実施されているものとしては、流行性耳下腺炎(ムンプス)、B型肝炎があります。

 結核については、以前は新生児に対してBCG接種が行われていましたが、2012年1月に廃止となりました。

 多数のワクチンを混合したワクチン製剤がスロバキア共和国では見られます。たとえば、ジフテリア・破傷風・百日咳のワクチン(DTaP)、ポリオの不活化ワクチン(IPV)、ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)のワクチン(Hib)、B型肝炎のワクチン(HepB)を混合したワクチン(DTaP-IPV-Hib-HepB)があります。四つのワクチンが混合されたワクチンがあれば、個々のワクチンではそれぞれ1回ずつだと4回の接種が必要なところ、四つのワクチンが混合されたワクチンでは1回の接種で済むことになります。接種回数が少なくなれば、こどもが注射で痛い思いをする回数も少なくなります。また、接種スケジュールの設定も容易になります。

 日本でも混合ワクチンが使われてきました。ジフテリア・破傷風・百日咳の三種混合ワクチン(DTaP)、麻疹・風疹のMRワクチンなどです。ポリオの不活化ワクチン(IPV)についても、ジフテリア・破傷風・百日咳・ポリオの、四種混合ワクチン(DTaP/IPV)が2012年11月から日本でも新たに使われるようになりました。同様の四種混合ワクチン(DTaP/IPV)がスロバキア共和国でも使われています。

 なお、日本国外務省では、日本国からのスロバキア共和国赴任者に対して、ダニ媒介脳炎の予防接種を推奨しています(参考文献4)。日本国内ではダニ媒介脳炎ワクチンが入手困難として、スロバキア共和国現地でのダニ媒介脳炎ワクチン接種を勧めています[合計3回(2回目:初回接種の1-3ヶ月後,3回目:2回目接種の9-12ヶ月後)。

スロバキア共和国のこどもの定期予防接種スケジュールについて

 スロバキア共和国のこどもの定期予防接種の標準的なスケジュール(2014年1月1日から)は、下の表2のとおりです。

表2. スロバキア共和国のこどもの定期予防接種の標準的なスケジュール(2014年1月1日から)
接種時期 予防する感染症 接種するワクチン(英字略語表記等)
生後2-3ヶ月 ジフテリア・破傷風百日咳 DTaP(1回目)*
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib) Hib(1回目)*
ポリオ不活化ワクチン IPV(1回目)*
B型肝炎 HepB(1回目)*
13価肺炎球菌結合型ワクチン PCV13(1回目)****
生後4-5ヶ月 ジフテリア・破傷風百日咳 DTaP(2回目)*
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib) Hib(2回目)*
ポリオ不活化ワクチン IPV(2回目)*
B型肝炎 HepB(2回目)*
13価肺炎球菌結合型ワクチン PCV13(2回目)****
生後10-11ヶ月 ジフテリア・破傷風百日咳 DTaP(3回目)*
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib) Hib(3回目)*
ポリオ不活化ワクチン IPV(3回目)*
B型肝炎 HepB(3回目)*
13価肺炎球菌結合型ワクチン PCV13(3回目)****
生後14-18ヶ月 麻疹流行性耳下腺炎(ムンプス)風疹 MMR(1回目)
5歳 ジフテリア・破傷風百日咳 DTaP(4回目)**
ポリオ不活化ワクチン IPV (4回目)**
10歳 麻疹流行性耳下腺炎(ムンプス)風疹 MMR(2回目)
12歳 ジフテリア・破傷風百日咳 dTap(1回接種)***
ポリオ不活化ワクチン IPV (5回目)***
30歳 ジフテリア・破傷風 dT(1回接種。後は15年毎に1回接種繰り返し)
*:スロバキア共和国では、DTaP-Hib-IPV-HepBという6種混合ワクチンで接種されます。
**:スロバキア共和国では、DTaP-IPVという4種混合ワクチンで接種されます。
***:スロバキア共和国では、dTap-IPVという4種混合ワクチンで接種されます。
****:スロバキア共和国では、PCV13ではなく、10価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV10)が接種される場合もあります。

 複数のワクチン製剤を同じ日に接種する場合には、複数のワクチン製剤を同じ注射器に吸い上げて混合して用いるようなことをしては、いけません。それぞれのワクチン製剤を別々の注射器に吸い上げて、できるだけ離れた部位に接種します。たとえば、一方のワクチンを右腕に接種したら、もう一方のワクチンを左腕に接種するというように接種します。限られた部位に接種しなければならない場合でも、接種部位は2.5cm以上離します。複数のワクチン製剤を同じ日に接種する場合には、接種部位が区別できるように、それぞれの接種部位について、接種の記録に、より詳細な記述が必要です。

スロバキア共和国におけるスロバキア語によるワクチン等の表記について

 スロバキア共和国は、ヨーロッパにおいて、北西をチェコ共和国、南西をオーストリア、南をハンガリー、東をウクライナ、北をポーランドに囲まれた内陸の国です。このスロバキア共和国における公用語は、スロバキア語です。スロバキア共和国のこどもの定期予防接種のワクチン等のスロバキア語による表記については、下の表3、表4、表5のとおりです。日本語の表記も併記しました。

表3 スロバキア共和国のこどもの定期予防接種のワクチン等(スロバキア語・日本語対照表記)

表4 スロバキア共和国のこどもの定期予防接種のワクチン等(スロバキア語・日本語対照表記)

表5 スロバキア共和国のこどもの定期予防接種のワクチン等(スロバキア語・日本語対照表記)

参考文献

  1. WHO Vaccine-Preventable Diseases: Monitoring System. global summary.
     全世界の国々の予防接種(WHO):(英語)。
  2. 欧州CDCVaccine schedule platform(欧州各国の定期予防接種スケジュール) :(英語).
  3. スロバキア共和国公衆衛生院[Public Health Authority of the Slovak Republic ]
    予防接種のページ及び疫学のページ
    スロバキア共和国の定期予防接種スケジュール(2014年):(スロバキア語).
  4. 外務省;渡航関連情報;在外公館医務官情報「スロバキア共和国」:(日本語).

2014年3月5日初掲載

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横浜市衛生研究所 感染症・疫学情報課 - 2014年3月5日作成
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