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学校感染症について

学校感染症とは?

 学校は、感染症が流行しやすい、幼児・児童・生徒・学生の集団生活の場です。そこで、旧・伝染病予防法の下、特に、学校での健康管理について旧「学校保健法」が、昭和33年(1958年)に制定されています。この旧・学校保健法によって管理を受ける「学校において予防すべき伝染病」(旧・学校保健法施行規則第19条)のことを学校伝染病と言いました。

 平成11年(1999年)4月からの新・感染症法の施行に合わせ、旧・文部省は、旧・学校保健法施行規則の一部改正を行いました。そのため、平成11年(1999年)4月を境に学校伝染病の中身はかなり変わりました。また、一方で、旧・伝染病予防法の中で使われていた「伝染病」という言葉は、患者・感染者の人権擁護の立場から新・感染症法の中では使われなくなったのですが、学校保健法の大きな改定は行われなかったので、旧・学校保健法の中に残り、「学校伝染病」は「学校感染症」というふうには名前が変わりませんでした。「伝染病」という言葉は、旧・学校保健法の中だけでなく、公衆浴場法・鉄道営業法などの中にも、同様に残りました。
 公衆浴場法第四条では、「営業者は伝染性の疾病にかかつている者と認められる者に対しては、その入浴を拒まなければならない。但し、省令の定めるところにより、療養のために利用される公衆浴場で、都道府県知事の許可を受けたものについては、この限りでない。」とされています。
 鉄道営業法第四条では、「伝染病患者ハ国土交通大臣ノ定ムル規程ニ依ルニ非サレハ乗車セシムルコトヲ得ス
2 附添人ナキ重病者ノ乗車ハ之ヲ拒絶スルコトヲ得」とされています。

 この旧「学校保健法」に大きな改正がありました。法律の題名が「学校保健法」から「学校保健安全法」へと変わりました。平成20年6月18日に公布され、平成21年4月1日から施行されました。学校給食法の一部改正も同時に行われた今回の改正は、メンタルヘルスに関する問題やアレルギー疾患を抱える児童生徒等の増加、児童生徒等が被害者となる事件・事故・災害等の発生、さらには、学校における食育の推進の観点から「生きた教材」としての学校給食の重要性の高まりなど、近年の児童生徒等の健康・安全を取り巻く状況の変化にかんがみ、学校保健及び学校安全に関して、地域の実情や児童生徒等の実態を踏まえつつ、各学校において共通して取り組まれるべき事項について規定の整備を図るとともに、学校の設置者並びに国及び地方公共団体の責務を定め、また、学校給食を活用した食に関する指導の充実を図る等の措置を講ずるものです。学校保健安全法第1条は「 この法律は、学校における児童生徒等及び職員の健康の保持増進を図るため、学校における保健管理に関し必要な事項を定めるとともに、学校における教育活動が安全な環境において実施され、児童生徒等の安全の確保が図られるよう、学校における安全管理に関し必要な事項を定め、もつて学校教育の円滑な実施とその成果の確保に資することを目的とする。」 としています。 「学校保健法」から「学校保健安全法」への改正に伴い、政令の「学校保健法施行令」は「学校保健安全法施行令」へと、文部科学省の省令の「学校保健法施行規則」は「学校保健安全法施行規則」へと改められました。「学校保健安全法施行令」は平成21年3月25日に公布され、「学校保健安全法施行規則」は平成21年3月31日に公布され、いずれも平成21年4月1日から施行されました。

 「学校保健法」から「学校保健安全法」への改正により、旧「学校保健法」中の「伝染病」という言葉は、新「学校保健安全法」中では「感染症」という言葉にようやく改められました。本項についても題名を「学校伝染病について」から「学校感染症について」と改めることとしました。本項では、学校保健安全法によって管理を受ける「学校において予防すべき感染症」(学校保健安全法施行規則第18条)のことを学校感染症と呼びます。
 なお、学校保健安全法第二条では、「この法律において「学校」とは、学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第一条に規定する学校をいう。」とされていて、学校教育法第一条では、「この法律で、学校とは、幼稚園、小学校、中学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、大学及び高等専門学校とする。」とされています。

 学校保健安全法については、当・横浜市衛生研究所ホームページ「学校保健安全法について」もご参照してください(下線部をクリックしてください)。条文をご紹介しています。

出席停止及び臨時休業

 学校での感染症の流行を防ぐために、患者となった生徒の出席を停止させたり、クラス・学校を臨時休業としたりすることがあります。これらの出席停止や臨時休業は学校保健安全法に基づいて行われるものです。学校保健安全法第19条「校長は、感染症にかかつており、かかつている疑いがあり、又はかかるおそれのある児童生徒等があるときは、政令で定めるところにより、出席を停止させることができる。」は出席停止を、学校保健安全法第20条「学校の設置者は、感染症の予防上必要があるときは、臨時に、学校の全部又は一部の休業を行うことができる。」は臨時休業を規定しています。

 校長による出席停止の指示については、学校保健安全法施行令第6条(出席停止の指示)において、「校長は、法第19条の規定により出席を停止させようとするときは、その理由及び期間を明らかにして、幼児、児童又は生徒(高等学校(中等教育学校の後期課程及び特別支援学校の高等部を含む。以下同じ。)の生徒を除く。)にあつてはその保護者に、高等学校の生徒又は学生にあつては当該生徒又は学生にこれを指示しなければならない。
2 出席停止の期間は、感染症の種類等に応じて、文部科学省令で定める基準による。」とされています。

保健所(福祉保健センター)と学校との協力

 学校保健安全法第18条(保健所との連絡)で「学校の設置者は、この法律の規定による健康診断を行おうとする場合その他政令で定める場合においては、保健所と連絡するものとする。」とあるのに対し、学校保健安全法施行令第5条(保健所と連絡すべき場合)では「法第18条の政令で定める場合は、次に掲げる場合とする。

 一 法第19条の規定による出席停止が行われた場合。

 二 法第20条の規定による学校の休業を行つた場合。」となっています。ですから、感染症の流行時には、保健所は学校から出席停止・臨時休業等の情報を得ることとなり、地域の公衆衛生のために、保健所と学校とが協力して行くことになります。

 一つの協力の例が、毎冬、インフルエンザの流行期に行われる、流行しているインフルエンザウイルスの型の分析です。横浜市各区でその冬最初に学級閉鎖(クラスの臨時休業)が出た学校の患者生徒5名にお願いして、うがい液や血液の検査などを行い、その冬の流行しているインフルエンザウイルスの型を明らかにするものです。各区5名で18区ありますので、横浜市全体で総計90名の生徒さんに学校と保健所(福祉保健センター)とからお願いすることになります。生徒・学校・保健所(福祉保健センター)の協力によって集められたうがい液や血液などの分析は、当・横浜市衛生研究所で行っています。

学校感染症の分類

 学校感染症は、第一種、第二種、第三種の三つに分類されています。第一種、第二種、第三種の疾患名については、学校保健安全法施行規則第18条に明記されています。

第一種の学校感染症

 エボラ出血熱、クリミア・コンゴ出血熱、痘そう、南米出血熱、ペスト、マールブルグ病、ラッサ熱、急性灰白髄炎(ポリオ)、ジフテリア、、重症急性呼吸器症候群(病原体がコロナウイルス属SARS[サーズ]コロナウイルスであるものに限る。)鳥インフルエンザ(病原体がインフルエンザウイルスA属インフルエンザAウイルスであってその血清亜型がH5N1型であるものに限る。)、新型インフルエンザ等感染症、指定感染症及び新感染症です。出席停止の期間の基準は、いずれも、「治癒するまで」です。

 第一種の学校感染症は、主に感染症法に基づく一類感染症二類感染症(結核を除く。)です。ところが、平成十八年六月九日、第一種、第二種、第三種の学校伝染病(学校感染症)の疾患名を明記していた旧・学校保健法施行規則第十九条に次の一項が加えられました。
 「2 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成十年法律第百十四号)第六条第七項(現在は第八項)に規定する指定感染症は、前項の規定にかかわらず、第一種の伝染病とみなす。」
このことにより、当時は指定感染症とされていた鳥インフルエンザ(病原体がインフルエンザウイルスA属インフルエンザAウイルスであってその血清亜型がH5N1型であるものに限る。)については、第一種の学校伝染病(学校感染症)とみなされるようになりました(なお、鳥インフルエンザ(H5N1)は、現在、感染症法に基づく二類感染症となっています。)。さらに、この項(2)は、平成20年5月12日に、「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成十年法律第百十四号)第六条第七項から第九項までに規定する新型インフルエンザ等感染症、指定感染症及び新感染症は、前項の規定にかかわらず、第一種の伝染病とみなす。」と改正されました。現在の学校保健安全法施行規則第18条の項(2)でも、「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成十年法律第百十四号)第六条第七項から第九項までに規定する新型インフルエンザ等感染症、指定感染症及び新感染症は、前項の規定にかかわらず、第一種の感染症とみなす。」となっています。このことにより、現在では、第一種の学校感染症は、感染症法上の、一類感染症二類感染症(結核を除く。)に加え、新型インフルエンザ等感染症、指定感染症及び新感染症となっています。

 なお、この第一種の学校感染症および次の第二種の学校感染症については、以下の場合も、出席停止とすることができるとされています(学校保健安全法施行規則第19条)。

 #1. 第1種若しくは第2種の学校感染症患者のある家に居住する者またはこれらの感染症にかかっている疑いがある者については、予防処置の施行の状況その他の事情により必要と認めたとき、学校医その他の医師において感染の恐れがないと認めるまで。

 #2. 第1種または第2種の学校感染症が発生した地域から通学する者については、その発生状況により必要と認めたとき、学校医の意見を聞いて適当と認める期間。

 #3. 第1種または第2種の学校感染症の流行地を旅行した者については、その状況により必要と認めたとき、学校医の意見を聞いて適当と認める期間。

第二種の学校感染症

 放置すれば学校で流行が広がってしまう可能性がある飛沫感染する感染症です。すなわち、インフルエンザ(鳥インフルエンザ(H5N1)及び新型インフルエンザ等感染症を除く。)、百日咳、麻疹、流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)、風疹、水痘(みずぼうそう)、咽頭結膜熱、結核および髄膜炎菌性髄膜炎です。出席停止の期間の基準は、以下の通りです(学校保健安全法施行規則第19条)。なお、平成24年3月30日に学校保健安全法施行規則の一部改正があり、平成24年4月1日から、第二種の学校感染症に髄膜炎菌性髄膜炎が追加されました。

インフルエンザ(鳥インフルエンザ(H5N1)及び新型インフルエンザ等感染症を除く。)は、発症した後五日を経過し、かつ、解熱した後二日(幼児にあっては、三日)を経過するまで出席停止とする。ただし、病状により学校医その他の医師において感染のおそれがないと認められたときはこの限りではない。

百日咳は、特有な咳が消失するまで又は五日間の適正な抗菌性物質製剤による治療が終了するまで出席停止とする。ただし、病状により学校医その他の医師において感染のおそれがないと認められたときはこの限りではない。

麻疹は、発疹に伴う発熱が解熱した後三日を経過するまで出席停止とする。ただし、病状により学校医その他の医師において感染のおそれがないと認められたときはこの限りではない。(なお合併症の中で最も警戒すべき脳炎は、解熱した後再び高熱をもって発病することがある。)

流行性耳下腺炎(おたふくかぜ、ムンプス)は、耳下腺、顎下腺又は舌下腺の腫脹が発現した後五日を経過し、かつ、全身状態が良好になるまで出席停止とする。ただし、病状により学校医その他の医師において感染のおそれがないと認められたときはこの限りではない。

風疹は、紅斑性の発疹が消失するまで出席停止とする。ただし、病状により学校医その他の医師において感染のおそれがないと認められたときはこの限りではない。なお、まれに色素沈着することがあるが出席停止の必要はない。

水痘(みずぼうそう)は、すべての発疹が痂皮化するまで出席停止とする。ただし、病状により学校医その他の医師において感染のおそれがないと認められたときはこの限りではない。

咽頭結膜熱は、主要症状が消退した後二日を経過するまで出席停止とする。ただし、病状により学校医その他の医師において感染のおそれがないと認められたときはこの限りではない。

結核および髄膜炎菌性髄膜炎は、病状により学校医その他の医師において感染のおそれがないと認められるまで出席停止とする。

第三種の学校感染症

 飛沫感染が主体ではないが、放置すれば学校で流行が広がってしまう可能性がある感染症です。すなわち、コレラ、細菌性赤痢、腸管出血性大腸菌感染症、腸チフス、パラチフス、流行性角結膜炎、急性出血性結膜炎およびその他の感染症です。出席停止の期間の基準は、「病状により学校医その他の医師において感染のおそれがないと認めるまで」です。

 腸管出血性大腸菌感染症は、有症状者の場合には、医師によって感染のおそれがないと認められるまで出席停止とする。無症状病原体保有者の場合には出席停止の必要はなく、手洗いの励行等の一般的な予防方法の励行で二次感染は防止できる。

 流行性角結膜炎は、眼症状が軽減してからも感染力の残る場合があり、医師により感染のおそれがないと認められるまで出席停止とする。

 急性出血性結膜炎は、眼症状が軽減してからも感染力の残る場合があり、医師により感染のおそれがないと認められるまで出席停止とする。

 その他の感染症とは、学校で流行が起こった場合にその流行を防ぐため、必要があれば、校長が学校医の意見を聞き、第三種の学校感染症としての措置を講じることができる疾患です。特に明示されているわけではないので、主治医・学校に相談して下さい。

<参考> 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成十年法律第百十四号)第六条の抜粋

第六条 この法律において「感染症」とは、一類感染症、二類感染症、三類感染症、四類感染症、五類感染症、指定感染症及び新感染症をいう。
2-6 (略)
7 この法律において「新型インフルエンザ等感染症」とは、次に掲げる感染性の疾病をいう。
 一 新型インフルエンザ(新たに人から人に伝染する能力を有することとなったウイルスを病原体とするインフルエンザであって、一般に国民が当該感染症に対する免疫を獲得していないことから、当該感染症の全国的かつ急速なまん延により国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがあると認められるものをいう。)
 二 再興型インフルエンザ(かつて世界的規模で流行したインフルエンザであってその後流行することなく長期間が経過しているものとして厚生労働大臣が定めるものが再興したものであって、一般に現在の国民の大部分が当該感染症に対する免疫を獲得していないことから、当該感染症の全国的かつ急速なまん延により国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがあると認められるものをいう。)
8 この法律において「指定感染症」とは、既に知られている感染性の疾病(一類感染症、二類感染症、三類感染症及び新型インフルエンザ等感染症を除く。)であって、第三章から第六章までの規定の全部又は一部を準用しなければ、当該疾病のまん延により国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがあるものとして政令で定めるものをいう。
9 この法律において「新感染症」とは、人から人に伝染すると認められる疾病であって、既に知られている感染性の疾病とその病状又は治療の結果が明らかに異なるもので、当該疾病にかかった場合の病状の程度が重篤であり、かつ、当該疾病のまん延により国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがあると認められるものをいう。
10-23 (略)

2000年8月25日初掲載
2005年1月28日改訂
2005年2月28日改訂増補
2006年7月12日改訂増補
2007年5月31日改訂増補
2009年3月27日改訂増補
2009年4月1日改訂増補
2012年4月2日改訂増補

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横浜市衛生研究所 感染症・疫学情報課 - 2008年4月1日作成 - 2012年4月2日更新
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