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ポリオ(小児麻痺・急性灰白髄炎)について

始めに

 ポリオ(小児麻痺・急性灰白髄炎)は、予防接種(ワクチン)で防ぐことができる病気(VPD:vaccine-preventable diseases)の一つと考えられています。日本でもアメリカ合衆国でもポリオの予防接種が行われていますが、2012年8月までは、日本は生ワクチンを、アメリカ合衆国は不活化ワクチンを用いているという違いがありました。しかし、ワクチン由来のポリオ様麻痺患者の発生の予防のために、日本の定期予防接種においては、生ワクチンから不活化ワクチンへの切り替えが2012(平成24)年9月1日に行われました。ここでは、このポリオ(小児麻痺・急性灰白髄炎)を話題とします。

 ポリオ(polio )は、英語の病名のpoliomyelitis(ポリオミエリィティス:灰白髄炎)を省略したものです。poliomyelitis のうちの polio は、ギリシア語で灰色を意味する polios に由来し、脊髄などの中枢神経系の灰白質を示します。myelは、ギリシア語で髄(marrow)を意味するmyelosに由来し脊髄を示します。itis は炎症あるいは病気を示します。また、「小児麻痺」は「脊髄性小児麻痺」を省略したものです。

 ポリオの流行地では、5歳未満の小児の脊髄性の麻痺がよく見られたことにより、「小児麻痺(infantile paralysis)」がポリオの代名詞となったようです。しかし、大人のポリオもありえるので「小児麻痺」の病名は、適切とは言えないようです。
 例えば、第32代アメリカ大統領(1933年-1945年)のフランクリン・デラノ・ルーズベルト(Franklin Delano Roosevelt、 略称FDR、 1882年1月30日生まれ-1945年4月12日死亡)はポリオの後遺症で体の不自由がありましたが、ポリオに罹患したのは、1921年の39歳のことであり、小児期ではありませんでした。また、2006年の5-6月にアフリカのナミビアでポリオの流行がありましたが、確定された19人のポリオ患者は、14-51歳で、19人中14人(74%)は15-29歳でした(参考文献8)。ナミビアでは、乳幼児は近年のポリオ予防接種の徹底により免疫を持つものが多く、高齢者はポリオが蔓延していた過去の時代に感染して免疫を持つものが多いことから、免疫を持たないものが比較的多い若年の大人を中心とした流行になったものと考えられます。

流行は?

 1840年、ドイツの整形外科医Jacob von Heine(1800年4月16日生まれ-1879年11月12日死亡)が、ポリオを他の麻痺を起こす病気から区別して「脊髄性小児麻痺(infantile spinal paralysis)」と呼びました。また、1890年には、スウェーデンの内科医Oskar Medin(1847年-1928年)がポリオの流行性について報告しています。Medinの弟子のOtto Wickmanは、1905年のスウェーデンでのポリオの大流行を踏まえ、人から人への伝染性を示しました。Jacob von HeineとOskar Medinの名に因み、ポリオはハイネ・メディン病( Heine-Medin disease )と呼ばれることもあります(参考文献6)。

 アメリカ合衆国でポリオの流行がピークに達したのは、1952年のことです。21000人以上の麻痺患者が見られました。しかし、1955年にソークワクチン(Salk vaccine : 1914年10月28日ニューヨーク市に生まれ、1995年6月23日80歳で死亡したアメリカ合衆国のウイルス学者Dr. Jonas E. Salkに因む。)とも呼ばれる不活化ワクチンが認可されて使用され始めたことにより、ポリオの罹患率は、急速に低下しました。野生株のポリオウイルスの流行によるアメリカ合衆国の最後の患者は、1979年に発生しました。このときは、アメリカ合衆国中西部(ペンシルバニア州・ミズーリ州・アイオワ州・ウイスコンシン州)のアーミッシュ派の人たちの間でポリオの発生がありました。10人の麻痺型の患者と、5人の非麻痺型の患者とが見られました。この野生株は欧州のオランダから来たものと考えられました。

 なお、2005年4月12日はポリオワクチンの50周年の記念日でした。さかのぼる事50年前の1955年(昭和30年)4月12日、アメリカ合衆国ミシガン州アナーバー(Ann Arbor)のミシガン大学で疫学者のトーマス・フランシス博士が大規模な実地試験の結果、ソークワクチンが安全で有効なことを発表し、ポリオワクチンが初めて認可されることとなりました。インフルエンザワクチン開発の研究をしていたソークは、その経験を活用してソークワクチンを開発しました。

 日本でポリオの流行がピークに達したのは、1960年のことです。5606人の患者の発生が見られました。しかし、翌1961年に生ワクチンがソ連とカナダから緊急輸入されて使用され始めたことにより、ポリオの患者の発生は、急速に低下しました。1961年には2436人、1962年には289人の患者発生でした。なお、ポリオの不活化ワクチンがソークワクチンと呼ばれることがあるのに対し、ポリオの生ワクチンはセービンワクチン(Sabin vaccine)と呼ばれることがあります。セービンは、アメリカ合衆国のウイルス学者Dr. Albert B. Sabin(1906-1993)に因みます。ソークワクチンが最初に普及したのですが、腸管での免疫が期待できること、注射でなく飲み込むことで投与できること、生産コストが安いことなどの点でセービンワクチンが勝り、セービンワクチンがソークワクチンに取って代わって普及することになりました。英国のポリオの定期予防接種ではまずソークワクチンが1956年に導入されましたが、1962年にセービンワクチンに変更されました。英国におけるポリオの予防接種の導入にあたっては、40歳未満の人々が対象とされました。

 1988年、WHO(世界保健機関)により世界ポリオ根絶計画が提唱されて以来、ポリオ症例数および流行地域は着実に減少し、1988年には推計35万人以上のポリオ患者が発生していましたが、2007年には1315人にまで減少しました。また、ポリオの野生株(1型、3型)が常在する国は、アフガニスタン、インド、ナイジェリア、パキスタンの4か国へと減少しました。2008年には北ナイジェリアで1型野生株ポリオウイルスの再流行がおこり、同国南部、近隣8か国に伝播し 1655人まで増加しました。ポリオ常在国からの野生株ポリオ輸出が、きわめて大きな問題となっています。 WHO(世界保健機関)によれば、2008年における全世界のポリオ患者の報告(1655人)は、流行4か国が1509人で全体の9割を占め(ナイジェリア801人、インド559人、パキスタン118人、アフガニスタン31人)、輸入14か国(ベナン、ブルキナファソ、コートジボワール、ガーナ、マリ、トーゴ、チャド、ニジェール、スーダン、アンゴラ、コンゴ民主共和国、ネパール)では146人が確認されました。
 WHO(世界保健機関)によれば、2009年における全世界のポリオ患者の報告は、23か国からなされました。ポリオウイルスが排除されたことがないポリオ常在国は、アフガニスタン、インド、ナイジェリア、パキスタンの4か国でした。以前にポリオウイルスが排除されたことがあるが、新たにポリオウイルスが侵入した国が19か国でした。内、アンゴラとチャドについては、新たにポリオウイルスが侵入してから12か月を超えて感染が継続しました。
 2012年2月の時点で、インドにおけるポリオの流行は、終息しました(参考文献13)。インドにおけるポリオウイルス野生株によるポリオ患者発生報告は、2010年に42人でしたが、2011年に1人の患者発生報告(2011年1月13日に麻痺を発症)があって以来、2012年2月の時点では新たな患者発生報告がありません。ポリオウイルスが排除されたことがないポリオウイルス野生株の常在国は、アフガニスタン、ナイジェリア、パキスタンの3か国となりました。2010-2011年に、以前にポリオウイルスが排除されたことがあるが、新たにポリオウイルスが侵入して感染が継続している国は、アンゴラ、チャド、コンゴ民主共和国(DRC: Democratic Republic of the Congo)でした。

 現在、WHO(世界保健機関)が中心になって全世界でポリオの予防接種を進めていますので、近い将来、全世界でポリオ患者の発生は見られなくなるかもしれません。1歳未満の乳児の間に総計4回のポリオの生ワクチンの接種をすることがWHO(世界保健機関)が中心になって進めているポリオ根絶のための対策の一つです。なお、ポリオの生ワクチンの接種時にビタミンAを与えることも行われています。発展途上国では、こどもたちのビタミンA欠乏症がよく見られます。ビタミンA欠乏症は目の障害や免疫力の低下を起こしますが、これらは発展途上国では、死亡に結びつきやすいです。2001年には、60か国以上でビタミンAが与えられ、25万人のこどもの命を救ったと推計されています。ビタミンAは、食品では、肝臓、卵、パパイア、マンゴなどに多く含まれています。

 なお、厚生労働省の流行予測調査事業において、日本でのポリオに対する免疫を持っている人の割合(抗体保有率)は、昭和50年(1975)から昭和52年(1977)生まれの方については、大部分の人がポリオワクチン接種を受けているにもかかわらず1型のウイルスに対する抗体保有率がやや低くなっている(昭和50年生まれは56.8%、昭和51年生まれは37.0%、昭和52年生まれは63.8%)ことが明らかになっています。昭和50年(1975)から昭和52年(1977)に生まれた方では、小さいころポリオワクチン接種を受けていたとしても、ポリオウイルス常在国(パキスタン、アフガニスタン、ナイジェリア)に渡航される時については、ポリオワクチン接種について考えておくことが望ましいと思われます。最寄の保健所(横浜市では福祉保健センター)などにご相談下さい。

 ポリオ(小児麻痺・急性灰白髄炎)は、日本の感染症法では、2類の感染症となっています。ポリオ(小児麻痺・急性灰白髄炎)が疑わしい患者を診療した際には、早急に保健所(横浜市の場合は各区の福祉保健センター)までご相談ください。

どんな病気?

 ポリオ(小児麻痺・急性灰白髄炎)の病原体であるポリオウイルスは、人の体の中には、口から入ります。ポリオウイルスが飲食物や手などに付着して口の中に入るようなことが考えられます。口の中に入ったポリオウイルスは、のどに定着したり、あるいは飲み込まれて、腸管に定着したりします。そして、その定着した場所で増殖します。発病前の段階で、ポリオウイルスは、のどや便の中に検出されます。ポリオウイルスは、のど(唾液)から1-2週間、便の中には3-6週間にわたって検出されることがあります。ポリオウイルスは、さらに付近のリンパ組織へと侵入し、血液の流れに乗ります。そして、血液の流れに乗って中枢神経にたどり着き、中枢神経を侵すことがあります。脊髄の前角や脳幹の運動神経細胞でのポリオウイルスの増殖が、その部位の運動神経細胞を減らし、麻痺の症状を起こします。

 ポリオウイルスに感染しても、何の症状も出なかったり、はっきりとした症状が出ない場合が90-95%程度を占めると考えられています。何の症状も出なくても、便の中にはウイルスが排出され、他の人への感染源となりえます。

 ポリオウイルスに感染した者のうち、4-8%程度は、中枢神経系の症状は見られず、特徴的な症状がない不全型の発病となります。ポリオウイルスが口から入って3-5日後に、のどの痛み・軽い発熱・嘔吐・吐き気・腹痛・便秘・下痢(まれ)などが見られることがありますが、いずれも2-3日の内に良くなるのが通常です。

 ポリオウイルスに感染した者のうち、1-2%程度は、非麻痺型の無菌性髄膜炎となる場合があります。不全型の発病と同様な症状の後、数日後に首・背・脚などの硬さが出現します。知覚過敏や感覚異常が起こることもあります。これらの症状は2-10日続いて軽快します。

 ポリオウイルスに感染した者のうち、1%未満が、弛緩性の麻痺(麻痺型)となります。弛緩性の麻痺(麻痺型)となる確率は、こどもよりも大人の方が高いです。不全型の発病と同様な症状の後、1-7日の良好な状態が見られ、その後、発熱・頭痛・筋肉痛などを伴って発病します。最初に見られる不全型の発病と同様な症状については、大きなこどもや大人などでは見られない場合もあります。最初に見られる不全型の発病と同様な症状を除けば、潜伏期は、通常6-20日ですが、3-35日のこともあります。弛緩性の麻痺は、2、3日間程度進行し数日から数週間は変化がない定常状態の時期に入ります。発熱がおさまり体温が正常に下がると麻痺はそれ以上進行しないのが通常です。弛緩性の麻痺は、右半身と左半身では違いがあり、非対称的に起こります。感覚の消失は見られません。定常状態の時期を過ぎると、筋力の回復が見られることがあります。麻痺から完全に回復する人もいます。一方で筋力がわずかしか回復しない人もいます。発病から1年経っても筋力低下や麻痺の回復がみられない場合には、永続的な後遺症となるかもしれません。

 弛緩性の麻痺(麻痺型)については、脊髄麻痺型、球麻痺型、脊髄麻痺・球麻痺型の三つの型に分類されます。脊髄麻痺型がもっともよく見られ、麻痺患者の79%を占めます。左右が非対称な麻痺で、脚の麻痺が多いです。球麻痺型は、麻痺患者の2%を占めます。脳神経支配の筋肉の筋力低下が見られます。食物を飲み込みにくくなったり、発音しにくくなったり、呼吸不全を起こしたりします。脊髄麻痺・球麻痺型は、19%を占めます。脊髄麻痺と球麻痺とが見られる型です。

 弛緩性の麻痺(麻痺型)を起こした場合の致死率は、こどもでは2-5%ですが、大人では、15-30%とより高くなります。球麻痺の見られる場合にも25-75%と高くなります。

 ポリオウイルスは、家族内では、感染しやすく、家族内に感染者がいれば、感染したことのない家族は、9割以上の確率で感染すると考えられています。特に、こどもは感染しやすく、100%近くの確率で感染すると考えられています。

 こども時代に麻痺型ポリオにかかった人の25-40%で、30-40年後に新たに筋肉痛や筋力低下を生じる場合があります。ポリオ後症候群( post-polio syndrome :ポストポリオ症候群)と言います。ポリオウイルスが新たに病変を作るわけではありません。以前の病変部で加齢により細胞が脱落して起こるのではないかと考えられています。

病原体は?

 ポリオ(小児麻痺)の病原体は、ポリオウイルスです。ポリオウイルスは、ピコルナウイルス(小さなRNAウイルス)科のエンテロウイルスの仲間です。ポリオウイルスには、1型(P1)、2型(P2)、3型(P3)の三つの血清型があります。また、ポリオウイルスが患者の検体から分離された場合には、ワクチン株由来のワクチン型か、その他の野生型かが、必要に応じて調べられます。ポリオウイルスは、酸に強いですが、熱・ホルムアルデヒド・塩素・紫外線によって不活化します。

 ポリオウイルスの2型の野生株については世界から排除されたと考えられています。最後の分離は、インドで1999年10月でした。

予防のためには・・・

 ポリオには、予防接種(ワクチン)があります。ポリオの予防接種(ワクチン)には、不活化ワクチンと生ワクチンとがあります。2012年8月31日まで、日本で正式に認可されているのは生ワクチンのみでした。しかし、日本でも不活化ワクチンが正式に認可されて、2012年9月1日からは、生ワクチンに代わって不活化ワクチンを使用するようになりました。

 毎年、10月24日は、世界ポリオ-デー(World Polio Day)です。ポリオに関して、世界中でイベントが開かれる等して、注意喚起が行われています。

不活化ワクチン(IPV)

 ポリオの不活化ワクチン(IPV :inactivated polio vaccine )には、三つの血清型(1型・2型・3型)のポリオウイルス(ワクチンウイルス:ワクチン株)が含まれていますが、いずれもホルムアルデヒドで不活化されています。皮下あるいは筋肉内に注射されます。三つの血清型のポリオウイルスに対する免疫抗体が、2回接種後には90%以上の人で、3回接種後には99%以上の人で、獲得されます。

 現在アメリカ合衆国で使用されているポリオの不活化ワクチンは、以前のポリオの不活化ワクチンに比べて効力が増強されたものでアメリカ合衆国で1987年11月に認可されたものです。アメリカ合衆国での乳幼児に対するポリオの不活化ワクチンの標準的な接種スケジュールは、生後2ヶ月、4ヶ月、6-18ヶ月、4-6歳の総計4回の接種となっています。当・横浜市衛生研究所ホームページの「アメリカ合衆国のこどもの定期予防接種について 」をご参照ください。接種間隔については、1回目・2回目間が4週間以上、2回目・3回目間が4週間以上、3回目・4回目間が6か月以上、とされています。スケジュールの最終回(4回目)は4歳以上で接種します。4歳になるまでに4回以上接種を受けていたとしても、4歳以上で、前回から6か月以上の間隔で1回接種します。生後6週間から4週間間隔で接種を開始することもできますが、生後6か月までの時期においては、標準的な接種スケジュールに比べ接種が早ければ早いほど、接種間隔が短ければ短いほど免疫効果が少ないので、一般的には勧められず、ポリオ流行地へ行くなどポリオ感染の危険性が高い場合に限られます。
 アメリカ合衆国では、ポリオの不活化ワクチンは、ポリオ単独のワクチンもありますが、3種混合(ジフテリア・破傷風・百日咳)ワクチン、ヘモフィルス-インフルエンザb型菌ワクチン、B型肝炎ワクチン等と組み合わせた混合ワクチンもあります。ポリオの不活化ワクチンの副反応としては、注射部位に、痛み(14-29%)、しこり(3-11%)、紅斑(0.5-1%)が見られることがあります。
 アメリカ合衆国でのポリオワクチン未接種の成人に対するポリオの不活化ワクチンの接種スケジュールは、1回目の接種の1-2ヶ月後に2回目を接種し、2回目の接種の6-12ヶ月後に3回目を接種する、総計3回の接種となっています。アメリカ合衆国では、以前にこのような接種スケジュールを完了していて、ポリオ流行地への旅行などポリオウイルスへの暴露の危険が考えられる場合には、一回だけ不活化ワクチンの追加接種をすれば良いとされています。

 英国でのポリオの不活化ワクチンの定期予防接種の標準的な接種スケジュールは、生後2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、3歳4ヶ月から5歳まで、13-18歳の総計5回の接種となっています。当・横浜市衛生研究所ホームページの「英国・ニュージーランドのこどもの定期予防接種について 」をご参照ください。第1期、第2期、第3期の三期に分かれます。第1期は三回のシリーズで、一か月間隔で三回の接種をします。第2期は、一回目の追加接種です。第1期を終了してから三年後に接種します。第3期は、二回目の追加接種です。第2期を終了してから十年後に接種します。

日本のポリオの定期予防接種

 日本においては、平成24年(2012年)9月1日から、定期予防接種としてのポリオワクチンが、生ワクチン(oral polio vaccine : OPV )OPVから不活化ワクチン(lnactivate Polio Vaccine : IPV)に変更されました。平成24年9月1日からIPV単独ワクチンであるイモバックス(サノフィパスツール社製)が、平成24年11月1日から[DPT(3種混合)+IPV]の4種混合ワクチン(沈降精製百日せきジフテリア破傷風不活化ポリオ[セービン株]混合ワクチン) であるクアトロバック(クアトロバック皮下注シリンジ:化学及血清療法研究所[化血研]製)及ぴテトラビック(テトラビック皮下注シリンジ:阪大微生物病研究会製)が使用されます。IPVに含まれる1型・2型・3型の抗原刺激によって、3回の接種後にはほぼ100%の被接種者に中和抗体が産生されますが、さらに追加免疫効果を目的として4回目の接種を行います。ポリオの予防接種は、沈降精製百日せきジフテリア破傷風不活化ポリオ混合ワクチン(クアトロバックあるいはテトラビック)を使用した時は、初回接種については生後3月に達した時から生後12月に達するまでの期間を標準的な接種期間として20日から56日までの間隔を置いて3回、追加接種については初回接種終了後12月に達した時から18月に達するまでの期間を標準的な接種期間として1回行います。 なお、IPV単独ワクチンであるイモバックス(サノフィパスツール社製)については、通常、生後3 か月から90か月までの間にある者に行いますが、 初回免疫については、標準として生後3 か月から12か月までの者に3 〜 8 週間の間隔で3 回、追加免疫については、初回免疫後6 か月以上の間隔を おいて( 標準として初回免疫終了後12か月から18か月までの間に) 1 回、 接種します。イモバックスの初回接種については、当面、8 週間(56日)を超えての間隔でも接種して構いませんが、平成24年9月から一定期間(3年程度)経過後は、20日から56日までの間隔をおいて接種することとする予定です。
 不活化ポリオワクチンによる主な副反応としては、イモバックスについては、「国内臨床試験において、本剤接種後7日間の特定反応(注射部位及び全身)は、初回接種 (3回) では74名中64名に見られた。初回接種 (3回) 後の特定注射部位反応の発現率は、疼痛8.1%、紅斑66.2%、腫脹37.8%であった。また、主な特定全身反応の発現率は、発熱 (37.5℃以上) 14.9%、傾眠状態29.7%、易刺激性32.4%であった。
海外臨床試験 (フィリピン) において、本剤接種後7日間の特定反応(注射部位及び全身)は、初回接種 (3回) では117名中91名、追加接種では113名中48名に見られた。初回接種 (3回) 後及び追加接種後の特定注射部位反応の発現率は、疼痛50.4%及び21.2%、紅斑29.1%及び11.5%、腫脹9.4%及び1.8%であった。また、主な特定全身反応の発現率は、発熱 (38.0℃以上) 10.3%及び15.0%、傾眠状態35.0%及び8.0%、易刺激性43.6%及び9.7%であった。」との添付文書の記載があります。
テトラビックについては、「生後3か月以上74か月未満の健康小児を対象にした国内第III相臨床試験において、接種部位及び接種部位以外の副反応の発現率は、1回目接種(247例)で94例(38.1%)及び45例(18.2%)、2回目接種(247例)で165例(66.8%)及び66例(26.7%)、3回目接種(247例)で140例(56.7%)及び41例(16.6%)、4回目接種(244例)で117例(48.0%)及び55例(22.5%)であった。主な副反応は、以下のとおりである。
接種部位の副反応
注射部位紅斑:1回目79例(32.0%)、2回目159例(64.4%)、3回目126例(51.0%)、4回目89例(36.5%)、
注射部位硬結:1回目61例(24.7%)、2回目113例(45.7%)、3回目101例(40.9%)、4回目77例(31.6%)、
注射部位腫脹:1回目20例(8.1%)、2回目66例(26.7%)、3回目38例(15.4%)、4回目37例(15.2%)
接種部位以外の副反応
発熱:1回目23例(9.3%)、2回目50例(20.2%)、3回目28例(11.3%)、4回目39例(16.0%)」との添付文書の記載があります。
クアトロバックについては、「本剤の臨床試験において、生後3か月以上90か月未満の小児259例中235例(90.7%) に副反応が認められた。その主なものは注射部位紅斑(69.1%)、注射部位硬結(52.1%)、発熱(46.7%)、注射部位腫脹(30.9%)、気分変化(28.6%)、下痢(25.5%)、鼻漏(13.5%)、咳嗽(12.7%)、発疹(11.2%)、食欲減退(10.0%)、咽頭紅斑(8.9%)、嘔吐(7.3%)であり、これらの副反応のほとんどは接種3日後までにみられた(承認時)。」との添付文書の記載があります。
 なお、イモバックス(サノフィパスツール社製)については、「本剤はウシ成分(米国産、カナダ産およびオーストラリア産のウシ血清)を製造工程に使用している。本剤接種による伝達性海綿状脳症(TSE)伝播のリスクは理論的に極めて低いものと考えられるが、本剤の使用に当たってはその必要性を考慮の上、接種すること。」(添付文書)とされています。
 また、平成24年9月1日より前に経口生ポリオワクチンを1回接種した者については、平成24年9月1日以降は、ポリオの初回接種を1回受けたものとみなします。平成24年9月1日より前に経口生ポリオワクチンを2回接種した者は、不活化ポリオワクチンの接種を定期の予防接種として受けることはできません。 なお、平成24年9月1日より前に海外等で不活化ポリオワクチンの接種を受けた者は、医師の判断と保護者の同意に基づき、既に接種した回数分のポリオの初回接種を受けたものとしてみなすことができます。

 横浜市のポリオの定期予防接種については、横浜市保健所ウェブページ「予防接種について」をご覧ください。

生ワクチン(OPV)

 2012年8月31日まで日本の定期予防接種で用いられていたポリオの生ワクチン(OPV : oral polio vaccine )は、三価であり、生きている弱毒の三つの血清型(1型・2型・3型)のポリオウイルス(ワクチンウイルス:ワクチン株)が含まれています。ポリオの生ワクチンは飲み込むワクチンです。生きている弱毒のポリオウイルス(ワクチンウイルス)は、腸の粘膜で増殖します。ワクチンウイルスは、ワクチン接種を受けた人の便の中に、接種後6週間にわたって出てくることがあります。ウイルスの便中への排出量は、接種後1-2週間が多いです。特に一回目の接種において多いです。
 2型のポリオウイルスの野生株による患者発生が見られなくなったことから、生きている弱毒の一つの血清型のポリオウイルスのみを含む単価ポリオ生ワクチンが開発され、海外で用いられています。1型のもの(mOPV1: monovalent type 1 OPV)と3型のもの(mOPV3: monovalent type 3 OPV)とがあります。

 不活化ワクチンでは見られないことですが、生ワクチンの接種を受けた人の便をとおして、接触者がワクチンウイルスに感染することがあります。また、たいへんまれなことですが、免疫不全の人のなかには、長期にわたってワクチン由来のポリオウイルス(vaccine-derived polioviruses : VDPV)を排出し続ける人もいるとされています。そのような例で排出されるウイルスを、免疫不全関連のワクチン由来のポリオウイルス(immunodeficiency-associated vaccine-derived polioviruses : iVDPV)と呼びます。WHOによれば、そのような例は今までに19例知られていますが現在も排出し続けているのは、2例であり、接触者の感染例も報告されていないとのことです(参考文献5)。
 免疫異常のある人や家族に免疫異常のある人がいる人は、ポリオの生ワクチンの接種を受けてはいけません。

 また、まれなことですが、ワクチンウイルスが人から人への感染を繰り返すうちに毒性をもったワクチン由来のポリオウイルス(VDPV)に変化し、ポリオの流行を起こすことがあります。そのような流行性のワクチン由来のポリオウイルス(circulating VDPV :cVDPV)によるポリオの流行の第1回目は、2000年にカリブ海のヒスパニオラ島(西部はハイチ、東部はドミニカ共和国の島)で21人のこどもに麻痺を起こしました。第2回目は、2001年にフィリピンで3人のこどもに麻痺を起こしました。第3回目は、2002年にマダガスカルで5人のこどもに麻痺を起こしました。その後、2004年には中国で2人に麻痺を起こし、2005年にはマダガスカルで4人、インドネシアで31人に麻痺を起こしました。また、ポリオ患者の検体をさかのぼって調べたところ、エジプトでも1988年から1993年の間に流行性のワクチン由来のポリオウイルス(cVDPV)によるポリオの流行があり、30人のポリオ患者が発生していたとのことです。
 2012年2月の時点では、ナイジェリアで流行性のワクチン由来の2型ポリオウイルスによるポリオの流行が見られています。
 なお、日本ではワクチン由来のポリオウイルス(VDPV)による患者は報告されていますが、流行には至っていません。

 ポリオの生ワクチンを構成成分の一つとする混合ワクチンは、存在しません。しかし、先進国では、BCG、三種混合(DTP:ジフテリア・破傷風百日咳)、B型肝炎、ヘモフィルス-インフルエンザb型菌(Hib)ロタウイルスといった他のワクチンと同時に接種されることが多いです。これらのワクチンとの同時接種やビタミンAの同時投与によって、ポリオの生ワクチンの免疫効果が干渉されることはありません。

生ワクチンによる免疫獲得率

 日本では、ポリオの生ワクチンは、6週間以上間隔をあけての2回の接種となっていました。日本での調査では、1回の接種により、1型で92%、2型で99%、3型で66%の人たちで免疫抗体が獲得されるとされています。日本での調査では、2回の接種により、1型で98%、2型で99%、3型で87%の人たちで免疫抗体が獲得されるとされています。
 なお、アメリカ合衆国では、ポリオの生ワクチンの1回の接種により約50%の人たちで三つの血清型のすべてに免疫抗体が獲得されるとされています。また、アメリカ合衆国では、ポリオの生ワクチンの3回の接種により95%以上の人たちで三つの血清型のすべてに免疫抗体が獲得されるとされています。

ワクチン関連の麻痺型ポリオ

 生ワクチンでは、ワクチン関連の麻痺型ポリオ(vaccine-associated paralytic polio: VAPP)をまれに発症することがあります。
 ワクチン関連の麻痺型ポリオについては、ワクチンウイルスが増殖を繰り返す内にウイルス遺伝子に変異を生じ、神経への攻撃性の高いウイルスが生じて起こると考えられています。このようして神経への攻撃性の高いウイルスが生じることを、ワクチンウイルス(ワクチン株)が先祖のウイルス(野生株)の毒性を取り戻したとみなして、「先祖返り(reversion)」ということがあります。「先祖返り」については、ウイルスが増殖を重ねれば重ねるほど起こりやすいと考えられています。ワクチン関連の麻痺型ポリオについては、第1回目の接種でなる危険性が第2回目以降でなる危険性の7-21倍高いとされています。これは、今までポリオウイルスに対する免疫がなかったために、第1回目の接種を受けたこどもがポリオウイルス(ワクチン株)を排除するのに時間がかかり、そのため増殖を重ねる回数が多くなり「先祖返り」が起こりやすいためと考えられます。
 生ワクチンを接種する前に、不活化ワクチンによりある程度免疫をつけることで、生ワクチンによるワクチン関連の麻痺型ポリオ(VAPP)の発生の確率を下げることが期待されました。1996年、アメリカ合衆国では、ACIP(Advisory Committee on Immunization Practices;ワクチン接種に関する諮問委員会)が、それまで4回全部が生ワクチン接種のポリオ定期予防接種スケジュールだったものを、前半2回を不活化ワクチン、後半2回を生ワクチンの接種とするスケジュールに改めるよう勧奨しました。アメリカ合衆国では、このスケジュールを、1996-1999年に実施しました。しかし、このスケジュールはワクチン関連の麻痺型ポリオ(VAPP)の確率を下げることはできても、ゼロにするものではありません。
 なお、ワクチン関連の麻痺型ポリオについては、こどもたちよりは、18歳以上の大人の方がなりやすいと言われています。また、免疫が正常なこどもより、免疫異常があるこども(特に無ガンマグロブリン血症や低ガンマグロブリン血症などのBリンパ球の異常のある場合7000倍の確率で)の方がなりやすいとされています。
 ワクチン関連の麻痺型ポリオの発生については、ワクチンウイルスの型で差が見られます。3型が60%を占めて多く、2型、1型が続きます。
 免疫異常のある人や家族に免疫異常のある人がいる人は、ポリオの生ワクチンの接種を受けてはいけません。

 1980-1994年にアメリカ合衆国で生ワクチンが3億3百万回投与され、125人の生ワクチン接種に関連した麻痺型ポリオ(VAPP)患者発生が報告されています。240万回の生ワクチン接種に対して麻痺型ポリオ(VAPP)患者1人発生です。免疫が正常な接種を受けた人での生ワクチン接種に関連した麻痺型ポリオ(VAPP)患者発生は49人です。接種を受けた免疫が正常な人での生ワクチン接種に関連した麻痺型ポリオ(VAPP)患者発生に限ると、620万回の生ワクチン接種に対して麻痺型ポリオ(VAPP)患者1人発生です。この免疫が正常な生ワクチン接種に関連した麻痺型ポリオ(VAPP)患者49人の内、40人(82%)が、第1回目の生ワクチン接種でした。接種を受けた免疫が正常な人での第1回目の生ワクチン接種に限ると、140万回の生ワクチン接種に対して麻痺型ポリオ(VAPP)患者1人発生です。接種を受けた免疫が正常な人での第1回目以外の生ワクチン接種に限ると、2720万回の生ワクチン接種に対して麻痺型ポリオ(VAPP)患者1人発生です。免疫が正常な人において、第1回目の生ワクチン接種の方が第1回目以外の生ワクチン接種よりも、生ワクチン接種に関連した麻痺型ポリオ(VAPP)となる危険性が高いです。

 1980-1998年にアメリカ合衆国で発生した麻痺型ポリオ152例のうち、95%を占める144例が生ワクチン接種に関連した麻痺型ポリオ(VAPP)であると報告されています。144例の内、59例(41%)が生ワクチン接種を受けた健康な人(平均月齢3か月)であり、44例(31%)が生ワクチン接種を受けた人と接触した健康な人(平均年齢26歳)であり、7例(5%)が生ワクチン接種を受けた人と接触が確認できないがワクチンウイルスによる感染を受けた人であり、34例(24%)が免疫異常のある人[その内、27例(19%)が生ワクチン接種を受けた人であり、7例(5%)が生ワクチン接種を受けた人と接触した人でした]でした。
 アメリカ合衆国では、1999年にACIP(Advisory Committee on Immunization Practices;ワクチン接種に関する諮問委員会)より、2000年からの不活化ワクチン(IPV)への全面的切り替えが勧奨され、生ワクチンは使用されなくなりました。アメリカ合衆国において、ワクチン関連の麻痺型ポリオ患者は1999年以来、みられていません。

 日本でも、ワクチン由来のポリオ様麻痺患者は報告されています。2000年にポリオの生ワクチンの定期予防接種が全国で一時見合わせとなったときには、ポリオの予防接種を受けたお子さんの父親に、ポリオと同じ様な麻痺の症状があらわれたという報告が新聞報道などで話題となりました。ワクチン由来のポリオ様麻痺患者の発生の予防のために、日本の定期予防接種においても、生ワクチンから不活化ワクチンへの切り替えが平成24年(2012年)9月1日に行われました

 不活化ワクチンに比べ生ワクチンの方が安価で簡便な投与法なのですが、近年、ワクチン関連の麻痺型ポリオの可能性を排除するために、ポリオの定期予防接種を生ワクチンから不活化ワクチンに変更する国が多くなってきています。WHOによれば、1988年には不活化ワクチンだけを使用している国が5か国(フィンランド、フランス、アイスランド、オランダ、スウェーデン)、不活化ワクチンと生ワクチンを組み合わせたスケジュールとしている国が1か国(デンマーク)でしたが、2002年末では、不活化ワクチンだけを使用している国と地域が22、不活化ワクチンと生ワクチンを組み合わせたスケジュール(前半で不活化ワクチン、後半は生ワクチン)としている国と地域が8となっています(参考文献5)。
  不活化ワクチンと生ワクチンを組み合わせたスケジュールについては、不活化ワクチンを1-2回接種し、その後に生ワクチンを2回以上接種する国が多いです。不活化ワクチンには、生ワクチン関連の麻痺型ポリオ(VAPP)の可能性を減らすことを期待し、生ワクチンには、腸管などの粘膜における免疫強化を期待しています。

 生ワクチンのみでも、不活化ワクチンのみでも3回の接種で100%近くの人で免疫が獲得されると考えられています。ところが、生ワクチンと不活化ワクチンを取り混ぜて3回では、特に3型のウイルスに対する免疫の獲得で劣る(85%とする研究あり)とされています。ポリオの生ワクチンと不活化ワクチンを取り混ぜて全部で3回接種したというような場合には、4回目の接種(生ワクチンを使った研究が多い)を行うことで、同一のワクチンを3回接種した場合と同等の免疫が獲得されます。

WHO(世界保健機関)が推奨するポリオワクチンの選択

 ポリオウイルスが常在するようなポリオの流行国に対しては、生ワクチンのみの接種をWHO(世界保健機関)は、推奨しています。そのような国では、誕生時における新生児への生ワクチンの接種も推奨されます。誕生時にできるだけ早く生ワクチンを一回投与します。この投与により、後に投与されるポリオワクチンの免疫効果を高めます。また、母親からのポリオに対する免疫を赤ちゃんが保持している内に投与することで、生ワクチン接種に関連した麻痺型ポリオ(VAPP)患者発生を防ぐ効果も期待されます。周産期のHIV感染の場合でもこの投与は問題なく、投与された赤ちゃんに生ワクチン接種に関連した麻痺型ポリオ(VAPP)が増えたとの報告もありません。なお、誕生時における新生児への生ワクチンの接種は、第0期とされ、最初のポリオワクチンのシリーズ(第1期)に含めて数えることはありません。

 それぞれの国の状況により、WHO(世界保健機関)が推奨するポリオワクチンの選択は違います。国の状況を観る二つの観点があります。一つの観点は、国内でポリオウイルスが常在して流行しているか、あるいはポリオウイルスが侵入する可能性はどうか、です。また、もう一つの観点は、国内にポリオウイルスが侵入した場合に国内で広がる可能性はどうか、です。国の状況によるWHO(世界保健機関)が推奨するポリオワクチンの選択は下の表1のとおりです(参考文献12)。なお、下の表1でウイルス侵入の可能性が大変高い国とは、例えば、ウイルスが定着して流行している国に隣接する国です。
 WHO(世界保健機関)が全回不活化ポリオワクチンのみの接種を推奨する国は、ポリオウイルス侵入の可能性が高くなく、万一、侵入しても感染が広がる可能性の低い国だけです。

表1. 国の状況によるWHO(世界保健機関)が推奨するポリオワクチンの選択(参考文献12)
国の状況感染広がる可能性高い
[例えば・・・低い社会経済状態。三種混合(DTP)ワクチン三回接種率90%未満。大部分が下水をそのまま放流。]
感染広がる可能性中等度
[例えば・・・中等度の社会経済状態。三種混合(DTP)ワクチン三回接種率90%未満。下水処理施設による二次下水処理。]
感染広がる可能性低い
[例えば・・・高い社会経済状態。三種混合(DTP)ワクチン三回接種率90%以上95%程度。下水処理施設による三次(高次)下水処理(窒素・りん除去など)。]
ウイルスが定着して流行している 全回OPV接種(誕生時OPV接種あり)
ウイルス侵入の可能性大変高い 全回OPV接種(誕生時OPV接種あり) 全回OPV接種、あるいは、1回のIPV接種先行後OPV接種2回以上
ウイルス侵入の可能性高い 全回OPV接種(誕生時OPV接種なくても良い) 全回OPV接種、あるいは、1-2回のIPV接種先行後OPV接種2回以上
ウイルス侵入の可能性高くない 全回OPV接種(誕生時OPV接種なくても良い) 全回OPV接種、あるいは、2回のIPV接種先行後OPV接種2回以上、あるいは、全回IPV接種
備考OPV:経口ポリオワクチン(生ワクチン)
IPV:不活化ポリオワクチン(注射)

パンフレット

参考文献

  1. CDC ; Poliomyelitis Prevention in the United States : Updated Recommendations of the Advisory Committee on Immunization Practices ( ACIP ) ; MMWR. Recommendations and Reports. / May 19, 2000/Vol.49/No.RR-5/p.1-22.
  2. Epidemiology and Prevention of Vaccine-Preventable Diseases ( The Pink Book ) Course Textbook , 12th Edition (April 2011), NIP(National Immunization Program ), CDC.
    URL=http://www.cdc.gov/vaccines/pubs/pinkbook/index.html
  3. 「ポリオ予防接種検討小委員会報告書」公衆衛生審議会感染症部会ポリオ予防接種検討小委員会、平成12(2000)年8月31日
    URL=http://www1.mhlw.go.jp/topics/polio/tp0831-1_11.html
  4. Bulletin of the World Health Organization, 2000, vol.78 (no.3), Special Theme: Polio Eradication
  5. Introduction of inactivated poliovirus vaccine into oral poliovirus vaccine-using countries. ; Weekly Epidemiological Record, No. 28, 11 July 2003, 78th year, p.241-250.
  6. J M S Pearce ; Poliomyelitis (Heine-Medin disease) ; Journal of Neurology, Neurosurgery, and Psychiatry 2005;76;p. 128.
  7. WORLD HEALTH ORGANIZATION ; PERFORMANCE OF ACUTE FLACCID PARALYSIS (AFP) SURVEILLANCE AND INCIDENCE OF POLIOMYELITIS, 2005‐2006 (DATA RECEIVED IN WHO HEADQUARTERS AS OF 22 AUGUST 2006) ; WEEKLY EPIDEMIOLOGICAL RECORD, NO. 36, 8 SEPTEMBER 2006, 81st YEAR, p. 346-348.
  8. CDC ; Outbreak of Polio in Adults --- Namibia, 2006 ; MMWR. / November 10, 2006/Vol.55/No.44/p.1198-1201.
  9. ポリオ2009年現在;病原微生物検出情報(IASR)Vol.30 No.7(No.353) July 2009
  10. CDC ; Updated Recommendations of the Advisory Committee on Immunization Practices ( ACIP )Regarding Routine Poliovirus Vaccination ; MMWR. / August 7, 2009/Vol.58/No.30/p.829-830.
  11. Immunisation against infectious disease - 'The Green Book'(英国の予防接種の解説書)
    URL=
    http://www.dh.gov.uk/en/Publicationsandstatistics/Publications/PublicationsPolicyAndGuidance/DH_079917
    Chapter 26 : Poliomyelitis : updated 19 November 2009.
  12. Polio vaccines and polio immunization in the pre-eradication era: WHO position paper. ; Weekly Epidemiological Record, No. 23, 4 June 2010, 85th year, p.213-228.
  13. CDC ; Tracking Progress Toward Global Polio Eradication, 2010-2011 ; MMWR. / April 20, 2012/Vol.61/No.15/p.265-269.
  14. 厚生労働省健康局結核感染症課;平成24年度予防接種従事者研修会資料「予防接種制度の概要等について」2012-09-21.
  15. 厚生労働省;「定期(一類疾病)の予防接種実施要領」2012-09-28.
  16. サノフィパスツール株式会社;「イモバックスポリオ皮下注」添付文書;2012年10月改訂(第3版).
  17. 化学及血清療法研究所;「クアトロバック皮下注シリンジ」添付文書;2012年7月作成(第1版).
  18. 阪大微生物病研究会;「テトラビック皮下注シリンジ」添付文書;2012年7月作成(第1版).
  19. 厚生労働省「使用上の注意の改訂指示」:【医薬品名】不活化ポリオワクチン: イモバックスポリオ皮下注:平成24年10月23日 薬食安発1023 第1号 別紙 1.

2002年5月24日初掲載
2002年6月10日増補
2003年7月23日増補
2005年3月25日改訂増補
2007年1月18日改訂増補
2010年3月17日改訂増補
2012年4月20日改訂増補
2012年10月4日改訂増補
2012年10月25日改訂増補

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横浜市衛生研究所 感染症・疫学情報課 - 2008年4月1日作成
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