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ナイジェリアのこどもの定期予防接種について

こどもの定期予防接種のナイジェリアと日本との違いについて

 本稿では、ナイジェリア連邦共和国(The Federal Republic of Nigeria)のこどもの定期予防接種について触れます。まず、ナイジェリアのこどもの定期予防接種と日本のこどもの定期予防接種との違いを見てみましょう。

 両国で定期予防接種として実施している予防接種もありますが、一方の国でしか定期予防接種として実施していない予防接種もあります。表にまとめると、下の表1のとおりです。

表1. こどもの定期予防接種のナイジェリアと日本との違い
  ナイジェリアのこどもの定期予防接種
実施 実施せず
日本のこどもの定期予防接種 実施 ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)感染症
結核(BCG)、
ジフテリア・破傷風百日咳
ポリオ
麻疹
肺炎球菌感染症
日本脳炎
風疹
水痘
ヒトパピローマウイルス16型・18型による子宮頸部癌、外陰癌、膣癌、肛門癌および
6型・11型による尖圭コンジローマ
(*)
実施せず B型肝炎、
黄熱
流行性耳下腺炎(ムンプス)
髄膜炎菌感染症
A型肝炎
インフルエンザ
腸チフス
コレラ
ロタウイルスによる感染性胃腸炎
*: HPVワクチンについて、日本では女子のみ対象。

 こどもの定期予防接種として、ナイジェリアで実施されず日本で実施されているものとしては、日本脳炎風疹水痘ヒトパピローマウイルス16型・18型による子宮頸部癌、外陰癌、膣癌、肛門癌および6型・11型による尖圭コンジローマがあります。反対に、こどもの定期予防接種として、日本で実施されずナイジェリアで実施されているものとしては、B型肝炎、黄熱があります。

 日本国外務省では、日本からのナイジェリアへの長期滞在者に対して、黄熱A型肝炎、B型肝炎、破傷風狂犬病髄膜炎菌(4価)、ポリオ麻疹腸チフスの免疫の保持を勧めています(参考文献1)。

 多数のワクチンを混合したワクチン製剤がナイジェリアでは見られます。たとえば、ジフテリア・破傷風・百日咳のワクチン(DTwP)、B型肝炎のワクチン(HepB)、ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)のワクチン(Hib)を混合したワクチン(DTwP-HepB-Hib)があります。このような三つのワクチンが混合されたワクチンがあれば、個々のワクチンではそれぞれ1回ずつだと3回の接種が必要なところ、三つのワクチンが混合されたワクチンでは1回の接種で済むことになります。接種回数が少なくなれば、こどもが注射で痛い思いをする回数も少なくなります。また、接種スケジュールの設定も容易になります。

 日本でも混合ワクチンが使われてきました。ジフテリア・破傷風・百日咳の三種混合ワクチン(DTaP)、麻疹・風疹のMRワクチンなどです。ポリオの不活化ワクチン(IPV)についても、ジフテリア・破傷風・百日咳・ポリオの、四種混合ワクチン(DTaP-IPV)が2012年11月から日本でも新たに使われるようになりました。

ナイジェリアのこどもの定期予防接種スケジュールについて

 ナイジェリアのこどもの定期予防接種の標準的なスケジュール(2014年)は、下の表2のとおりです。なお、ワクチンではありませんが、ビタミンAが、乳幼児のビタミンA欠乏症対策としてワクチンに準じて乳幼児に投与されることがあります。
 また、ナイジェリアの北部は、髄膜炎ベルト地帯に含まれていて、髄膜炎菌性髄膜炎の流行が起こることがあるため、北部を中心に髄膜炎菌ワクチンの一斉接種(キャンペーン)が行われることがあります。

表2. ナイジェリアのこどもの定期予防接種の標準的なスケジュール(2014年)
接種時期 予防する感染症 接種するワクチン(英字略語表記等)
出生時または出生後できるだけ早く 結核 BCG(1回接種)
ポリオ経口生ワクチン OPV(1回目)
B型肝炎 HepB(1回目)
生後6週 ジフテリア・破傷風百日咳 DTwP(1回目)*
B型肝炎 HepB(2回目)*
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib) Hib(1回目)*
10価肺炎球菌結合型ワクチン PCV10(1回目)
ポリオ経口生ワクチン OPV(2回目)
生後10週 ジフテリア・破傷風百日咳 DTwP(2回目)*
B型肝炎 HepB(3回目)*
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib) Hib(2回目)*
10価肺炎球菌結合型ワクチン PCV10(2回目)
ポリオ経口生ワクチン OPV(3回目)
生後14週 ジフテリア・破傷風百日咳 DTwP(3回目)*
B型肝炎 HepB(4回目)*
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib) Hib(3回目)*
10価肺炎球菌結合型ワクチン PCV10(3回目)
ポリオ経口生ワクチン OPV(4回目)
生後6-9ヶ月 ビタミンA Vitamin A(1回目)**
生後9ヶ月 麻疹 Measles(1回接種)
黄熱 YFV(1回接種)
生後12-15ヶ月 ビタミンA Vitamin A(2回目)**
妊婦、15-45歳の女性 破傷風トキソイド TT(5回接種。1回目の4週間後に2回目。2回目の6ヶ月後に3回目。3回目の1年後に4回目。4回目の1年後に5回目)
*:ナイジェリアでは、DTwP-HepB-Hibという5種混合ワクチンで接種されます。
**:生後6-59ヶ月で6ヶ月以上の間隔で2回投与できます。

 複数のワクチン製剤を同じ日に接種する場合には、複数のワクチン製剤を同じ注射器に吸い上げて混合して用いるようなことをしては、いけません。それぞれのワクチン製剤を別々の注射器に吸い上げて、できるだけ離れた部位に接種します。たとえば、一方のワクチンを右腕に接種したら、もう一方のワクチンを左腕に接種するというように接種します。限られた部位に接種しなければならない場合でも、接種部位は2.5cm以上離します。複数のワクチン製剤を同じ日に接種する場合には、接種部位が区別できるように、それぞれの接種部位について、接種の記録に、より詳細な記述が必要です。

ナイジェリアにおけるワクチン等の英語表記について

 ナイジェリアは、アフリカの中西部に位置し、東をカメルーン、北東をチャド、北をニジェール、西をベナン、南を大西洋(ギニア湾)に囲まれた国です。このナイジェリアにおける公用語は、英語です。ナイジェリア政府のウェブページは、英語表示です。ナイジェリアにおけるワクチン等については、後記の参考文献に示すようなホームページ等から、英語表記の情報を得ることができます。

参考文献

  1. 外務省;渡航関連情報世界の医療事情ナイジェリア」:(日本語).
  2. 欧州CDCVaccine schedule platform(欧州各国の定期予防接種スケジュール) :(英語).
  3. WHO vaccine-preventable diseases: monitoring system. 2014 global summary.
     全世界の国々の予防接種(WHO):(英語)。
  4. 世界保健機関(WHO)ナイジェリア国事務所
    世界保健機関(WHO)ナイジェリア国事務所の計画
    記者発表資料:(英語).
  5. ユニセフ「ナイジェリア」メディア センター: (英語).
  6. 日本ユニセフ協会(ユニセフ日本委員会) ; 世界のこどもたち「ナイジェリア」: (日本語).
  7. GAVI Alliance(ワクチンと予防接種のための世界同盟[The Global Alliance for Vaccines and Immunization])
    ナイジェリア: (英語).
  8. 予防接種活動提携(Immunization Action Coalition: IAC)
    言語別米国ワクチン情報(PDF版): (英語).
  9. ナイジェリア国連邦保健省(Federal Ministry of Health: FMOH): 週間疫学情報: Weekly Epidemiology Report (Epid News).
    ; ナイジェリア国一次保健医療推進局:National Primary Health Care Development Agency (NPHCDA)
       定期予防接種
       海外からナイジェリアへの渡航者にお勧めの予防接種
       出版物
    ナイジェリア(国立)医学研究所:The Nigerian(National) Institute of Medical Research (NIMR) :(英語).
  10. Advisory Committee on Immunisation, Paediatric Association of Nigeria(PAN: ナイジェリア小児科学会); Paediatric Association of Nigeria (PAN) recommended routine immunization schedule for Nigerian children; Nigerian Journal of Paediatrics, Vol 39, No 4 (2012), p. 152-158.

2014年10月15日初掲載

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横浜市衛生研究所 感染症・疫学情報課 - 2014年10月15日作成
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