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ニューデリー・メタロ-β-ラクタマーゼ1(NDM-1)産生多剤耐性菌について

流行は?

 近年、インド、パキスタンで、ニューデリー・メタロ-β-ラクタマーゼ1(New Delhi Metallo-β-Lactamase-1: NDM-1)産生耐性菌による感染症患者の発生が増加しています。英国、ベルギー、フランス、オランダ、スウェーデン、アメリカ合衆国、カナダ、オーストラリア、香港などにおいても、主に、インド、パキスタンで医療行為を受けて帰国した者に感染が確認されています。
 日本でも、関東地方の大学病院から、日本における第一例の報告が2010年9月にありました。インドから帰国した50代の男性患者で2009年5月に多剤耐性大腸菌が検出されました。この多剤耐性大腸菌を2010年8月に再び精査したところニューデリー・メタロ-β-ラクタマーゼ1(NDM-1)産生多剤耐性大腸菌と確定したとのことです。患者はインドで医療機関を受診していました。多剤耐性大腸菌が検出されたことから患者は個室で隔離状態とされ、他の患者に感染が広がることもなかったとのことです。
 さらに、日本における第二例の報告の発表が2010(平成22)年10月4日、厚生労働省からありました(参考文献13)。2010(平成22)年8月下旬に埼玉県のさいたま市民医療センターに肺炎のため入居型介護施設から入院した高齢(90代)の女性患者の、入院時に採取した尿の検体から、多剤耐性の肺炎桿菌(クレブシエラ-ニューモニエ:Klebsiella pneumoniae )が検出されました。さいたま市民医療センターから、さいたま市健康科学研究センターを通じて、国立感染症研究所にこの多剤耐性肺炎桿菌の菌株の提供がありました。国立感染症研究所におけるPCR検査結果はNDM-1型で既知のNDM-1型β-ラクタマーゼ遺伝子塩基配列と完全に一致しました。肺炎については誤嚥性のもので、多剤耐性肺炎桿菌が原因ではありませんでした。患者は、8月30日から個室で隔離状態とされ、10月4日現在も入院中ですが、症状は軽快しています。10月2日の検査では患者から多剤耐性肺炎桿菌は検出されていません。10月4日現在、入院中の他の患者からも、多剤耐性肺炎桿菌は検出されていません。患者の家族や入院まで入所していた高齢者施設、6月に入院していた他の病院などでも、多剤耐性肺炎桿菌は確認されていないとのことです。この患者には、最近の海外への渡航歴はありませんので、NDM-1産生多剤耐性菌の国内での感染が考えられますが、感染経路は明らかではありません。後記の、2010(平成22)年9月15日から始まった「我が国における新たな多剤耐性菌の実態調査」において、2010年10月1日までに菌株を受領し、検査を実施した7件のうちの1件です。国内での報告例としては第二例ですが、同調査におけるNDM−1産生菌の報告としては、これが第一例となります。

 なお、日本におけるNDM−1産生菌の第三例の報告の発表が2011(平成23)年1月21日、厚生労働省からありました(参考文献25)。後記の、2010(平成22)年9月15日から始まった「我が国における新たな多剤耐性菌の実態調査」における第二例となります。菌種は肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae )です。埼玉県内の医療機関に、消化管出血の治療のため入院した80代女性患者の、2010年10月中旬に採取した尿の検体から検出されました。尿には白血球増加がみられ、膀胱炎等の尿路感染症を併発していたものと考えられます。患者の症状は軽快し、2010年10月下旬に退院となりました(なお、その後、別の疾患に罹患され、お亡くなりになりました)。患者には、最近の海外渡航歴はありません。入院中の他の患者からは、同様の多剤耐性肺炎桿菌は検出されていません。

 「我が国における新たな多剤耐性菌の実態調査」では、2010(平成22)年9月15日から12月28日までを調査期間として、すべての医療機関を対象として、腸内細菌科の細菌(大腸菌、肺炎桿菌、セラチア、エンテロバクター等)であって、かつ、カルバペネム系、フルオロキノロン系、アミノ配糖体系の3系統すべての抗菌薬(各1剤以上)に「R(耐性あり)」と判定されたもの(※) について、報告及び菌株の送付を厚生労働省が求めました(※ なお、カルバペネム系に対して「R(耐性あり)」と判定されないものの、セフタジジムに耐性を示す菌が検出された場合にも、「ご連絡をいただければ、同様に検査します。」とのことでした)。詳しくは、厚生労働省ホームページ「『我が国における新たな多剤耐性菌の実態調査』への御協力のお願い」をご覧ください。
 なお、腸内細菌科(the Enterobacteriaceae family)の細菌とは、大腸菌、肺炎桿菌(クレブシエラ-ニューモニエ:Klebsiella pneumoniae )、セラチア、エンテロバクター、サルモネラ(チフス菌等)、赤痢菌、エルシニア(ペスト菌等)、等です。緑膿菌、アシネトバクター等は腸内細菌科の細菌ではありません。
 調査結果については、厚生労働省健康局結核感染症課「『我が国における新たな多剤耐性菌の実態調査』の結果について」(参考文献25)によれば、国立感染症研究所で受理した153株について、NDM-1、KPC、IMP-1、IMP-2、VIM-2の5種類のカルバペネマーゼを調べて、NDM-1産生株が2株(肺炎桿菌:2株)、IMP-1産生株が72株(大腸菌:23株、Enterobacter cloacae [エンテロバクター・クロアカ]:22株、肺炎桿菌:19株、Providencia spp.[プロビデンシア属] :3株、Serratia marcescens [セラチア・マルセセンス]:3株、Citrobacter spp.[シトロバクター属] :2株)、KPC-2産生株が2株(肺炎桿菌:2株)、5種類のカルバペネマーゼのいずれも産生しない株が77株でした。

 英国において、2010年10月末までに、ニューデリー・メタロ-β-ラクタマーゼ1(NDM-1)産生耐性菌が検出された患者の累積総数は64人です。年間では2008年に6人、2009年に29人、2010年(10月末まで)に29人と増加傾向にあります。インドあるいはパキスタンで治療を受けた患者が大部分ですが、英国国内での感染事例が3件ありました。その3件の内、2件については最初の感染源はインドから来た患者と考えられました。
 英国からは、毎年約五万人が医療目的で海外渡航しています。トルコ・ハンガリー・その他の東欧の国々とともにインドはそのような渡航先の一つです。英国での手術に比べて、形成外科・美容外科の手術など、インドでは多くの手術が安価です。英国では、渡航・手術・(浜辺での)静養等をセットにした「太陽と手術」と言ったようなインド等へのパッケージ・ツアーが大手旅行業者により催行されています。医療目的での海外渡航によりインド等からNDM-1産生多剤耐性菌が自国に持ち帰られるような事態を英国等は懸念しています。

 アメリカ合衆国におけるニューデリー・メタロ-β-ラクタマーゼ1(NDM-1)産生耐性菌の分離の初めての報告は、2010年6月のことです(参考文献4)。2010年1-6月にアメリカ合衆国内の3州で腸内細菌科(the Enterobacteriaceae family)の菌種で計3株がニューデリー・メタロ-β-ラクタマーゼ1(NDM-1)産生耐性菌として分離されました。菌種は、クレブシエラ-ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae :肺炎桿菌)が1株、大腸菌(Escherichia coli )が1株、Enterobacter cloacae が1株でした。検体を採取した3人の患者はいずれとも、最近インドで医療を受けていました。

 2012年8月16日、アメリカ合衆国コロラド州公衆衛生環境局は、デンバー市内のある急性期病院から、カルバペネム(carbapenem)耐性肺炎桿菌(CRKP)が2人の患者から2012年7-8月に呼吸器系の検体で分離されたとの報告を受けました(参考文献28)。2人の検体からの分離株はいずれもニューデリー・メタロ-β-ラクタマーゼ(NDM)産生株でした。病院の以前の微生物検査の記録を振り返り精査することで、ニューデリー・メタロ-β-ラクタマーゼ(NDM)産生肺炎桿菌が3人目の患者から呼吸器系の検体で分離されましたが、2012年5月に入院した患者でした。2012年9月に病院で積極的に培養検査を行って精査したところ、2012年1-10月に入院した患者中、さらに5人の患者からニューデリー・メタロ-β-ラクタマーゼ(NDM)産生肺炎桿菌が分離されました。病院とコロラド州公衆衛生環境局とにより感染拡大の防止が図られました。総計8人の患者について、年齢は23-75歳で、病院の11の病棟の一つ以上に入院していました。3人はカルバペネム(carbapenem)耐性肺炎桿菌(CRKP)感染の治療を受けましたが、5人はカルバペネム(carbapenem)耐性肺炎桿菌(CRKP)感染の症状はありませんでした。死亡例はありませんでした。チゲサイクリン(tigecycline)以外の抗生物質には耐性を認めました。すべての分離株はPFGE法での分析では遺伝子的にもたいへん近いものでした。同じ病棟に同じ時期に患者が居合わせたこともあり、三つの病棟で患者から患者への感染が起こった可能性があります。しかし、入院時期に重なりのない患者も居て、他にも把握されていない保菌患者が居て感染の仲立ちをした可能性もあります。この病院にどのようにしてカルバペネム(carbapenem)耐性肺炎桿菌(CRKP)が入って来たかについては、よく分かりません。
 アメリカ合衆国において、この多発事例までに、ニューデリー・メタロ-β-ラクタマーゼ(NDM)産生菌が16人の患者から分離されましたが、内14人については南アジアの流行地で医療を受けていました。この多発事例は、アメリカ合衆国国内で医療を受けた人たちの間でもニューデリー・メタロ-β-ラクタマーゼ(NDM)産生菌の感染が広がる危険性があることを示しています。

 カナダにおいては、2010年2月にインドからカナダに帰国した患者から、NDM-1産生多剤耐性肺炎桿菌・大腸菌が分離されました(参考文献20)。患者は76歳の女性で、元気でインドに旅行にでかけました。旅先のインドで具合が悪くなり、インドの病院で入院治療を受けた後、カナダのバンクーバーの病院に転院したものです。バンクーバーの病院の入院翌日に尿からNDM-1産生多剤耐性肺炎桿菌が検出されています。
 また、カナダにおいては、2010年8月にインドからカナダに帰国した患者から、NDM-1産生多剤耐性肺炎桿菌が分離されました(参考文献26)。2010年8月、カナダのオンタリオ州Bramptonの病院で36歳の女性が尿路感染症の診断を受けました。中間尿の検体から、多くの抗生物質に感受性がある大腸菌が分離されました。ciprofloxacinという抗生物質で治療に成功しました。治療終了後1週間で何の症状もなかったですが、中間尿の検査をしたところ、カルバペネム(carbapenem)耐性肺炎桿菌が分離されました。NDM-1産生多剤耐性肺炎桿菌でした。患者はインドから帰国したばかりでした。2010年7月中旬に患者はインドで流産し、ムンバイで2日間入院していました。インドで抗生物質の治療は受けていません。
 さらに、カナダにおいては、2010年中にインドからカナダに帰国した患者から、NDM-1産生多剤耐性大腸菌が分離されました(参考文献27)。2010年、32歳の男性が、インド南西部のMysoreの病院の内科病棟に高血糖と上部尿路感染症とで入院しました。入院後、持病の糖尿病は落ち着きましたが、上部尿路感染症は抗生物質のciprofloxacinの5日間の投与では良くなりませんでした。患者はインドの病院からカナダのAlbertaの病院に転院しました。Albertaの病院では、前立腺炎・腎盂腎炎と診断され、抗生物質のertapanem(2g/日)で治療しました。ertapanemによる治療前には尿中に大腸菌を認めましたが、7日の治療後は認められなくなりました。この大腸菌がNDM-1産生多剤耐性大腸菌でした。

 カナダのオンタリオ州の、トロントの北東のBramptonのある地域病院(500床)において、2011年10-11月に、流行地への近年の渡航歴のない患者5人からNDM-1産生多剤耐性肺炎桿菌が分離されました(参考文献30)。患者5人の間に疫学的関連を認め、5人の間で感染したと考えられました。このNDM-1産生多剤耐性肺炎桿菌がどこから来たかは、よくわかりません。血液からNDM-1産生多剤耐性大腸菌が分離されたある患者の直腸部からの採取検体からは、NDM-1産生多剤耐性大腸菌とNDM-1産生多剤耐性肺炎桿菌とが分離されました。違う菌種のこの両方の菌株に、NDM-1を産生する耐性遺伝子を持つプラスミドを認めました。この患者において、NDM-1を産生する耐性遺伝子が肺炎桿菌から大腸菌へと伝達されたと推察されました。なお、Bramptonの人口は50万人を超えますが、人口の約36%が南アジア系です。

 カナダのオンタリオ州の、トロントのある研究病院(1100床)において、2011年1月から2012年2月までに、患者9人からNDM-1産生多剤耐性肺炎桿菌が分離されました(参考文献29)。患者9人について、NDM-1産生多剤耐性肺炎桿菌による菌血症2人、NDM-1産生多剤耐性肺炎桿菌による尿路感染症2人、NDM-1産生多剤耐性肺炎桿菌の保菌者5人でした。患者2人が病院にNDM-1産生多剤耐性肺炎桿菌を持ち込み、この2人から他の7人に感染したと考えられました。持ち込んだ2人について、一人はインドで医療を受けた者でしたが、もう一人は流行地のインド亜大陸への渡航歴がない者でした。病室が同室の患者が4人いて、病室内の共同の手洗い場の流しを介しての感染も考えられました。流しのパイプ内に菌の定着が見られ、消毒によっても排除できなかったため、流しとパイプとを新品に交換しました。

 香港においては、2009年に採取された、インドから帰国した64歳の男性インド人患者の尿から、NDM-1産生大腸菌が分離されました(参考文献22)。患者は2009年3月の3週間、インドに滞在しました。インド滞在中には、医療機関を受診していません。香港で高血圧・糖尿病・尿路感染症で外来受診し、尿路感染症は抗生物質のciprofloxacinにより治りました。

 オーストリアからは、2人の患者からNDM-1産生肺炎桿菌が分離されたことが報告されました(参考文献24)。
 一人目は、2009年11月にオーストリア南東部の大学都市グラーツの大学病院に入院した30歳の男性患者です。パキスタンでオートバイ事故により多発開放骨折を起こし、パキスタン・インドで外科治療を受けた後、帰国して入院したものです。仙骨部の褥瘡(じょくそう)と便から分離されました。
 二人目は、2010年8月に、南東ヨーロッパのコソボ(Kosovo)の病院からオーストリアのグラーツの大学病院の小児科病棟に転入院した14歳のコソボの少年です。腹膜炎と腹腔内の多発膿瘍とが認められました。少年は2010年4月にコソボのPristinaで虫垂除去手術を受けた後、化膿したものです。大学病院への入院時に腹部の傷、腹部の傷口からの分泌物、咽喉、便から分離されました。少年には特に旅行歴がなく、南東ヨーロッパのコソボでのNDM-1産生菌の広がりが心配されます。

どんな病気?

 ニューデリー・メタロ-β-ラクタマーゼ1(NDM-1)は、抗生物質の内、カルバペネム(carbapenem)を含む各種の広域β-ラクタム薬を分解する酵素であるカルバペネマーゼ[カルバペネム分解酵素]の一つです。本来は抗生物質が有効な菌種であっても、その抗生物質を分解する酵素を産生する菌株については抗生物質は無効となります。ニューデリー・メタロ-β-ラクタマーゼ1(NDM-1)を産生する菌株は、主に大腸菌(Escherichia coli )やクレブシエラ-ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae :肺炎桿菌)などの腸内細菌科(the Enterobacteriaceae family)の菌種で確認されています。カルバペネムを含むほぼ全ての広域β-ラクタム系抗生物質とともに、フルオロキノロン系、アミノ配糖体系など広範囲の抗生物質に耐性を示す菌株(多剤耐性菌)が大半を占めます。 抗生物質の内、日本国内では承認されていないチゲサイクリン(tigecycline)やコリスチン(colistin)に感受性を示す株が多いとされています。ただし、チゲサイクリンは、投与時の尿中濃度が低いため尿路感染症の治療には適しません。また、コリスチンは、神経や腎臓に対する毒性があります。

 大腸菌やクレブシエラ-ニューモニエ(肺炎桿菌)は、健康な人の腸内にも存在する菌であり、たとえNDM-1 を産生する株であっても、健康な人の腸管粘膜や体表面に付着しているだけでは、原則的に無害です。

 大腸菌による膀胱炎などの尿路感染症やクレブシエラ-ニューモニエ(肺炎桿菌)による肺炎などの感染症が起こったときに、その感染症を引き起こした起炎菌がNDM-1 を産生する株であると抗生物質による治療が難しくなります。

 インドのムンバイの三次医療センターでのニューデリー・メタロ-β-ラクタマーゼ1(NDM-1)産生耐性菌についての報告があります(参考文献3)。2009年8月から11月にかけての3か月間に採取された検体での集計です。22株のニューデリー・メタロ-β-ラクタマーゼ1(NDM-1)産生耐性菌が検出されました。その内、クレブシエラ-ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae :肺炎桿菌)が10株、大腸菌(Escherichia coli )が9株、Enterobacter cloacae が1株、Enterobacter aerogenes が1株、Morganella morganii が1株でした。尿からの検出が多く、痰や血液からも検出されています。ICU(集中治療室)での検出が多いです。

病原体は?

 ニューデリー・メタロ-β-ラクタマーゼ1(NDM-1)産生耐性菌が世界で初めて分離されたのは、スウェーデンの59歳の男性の尿からでした(参考文献2)。この男性は、もともとインド出身で、スウェーデンに長年住んでいますが、ときどきインドに帰っていました。糖尿病(2型)の患者で、脳卒中発作を起こしたことがあります。2007年11月にも、この男性は、インドに行きました。2007年12月5日には臀部(でんぶ)の大きな膿瘍でインド北西部のパンジャーブ(Punjab)州ルディヤーナー(Ludhiana)県の病院に入院しました。さらに、2007年12月にニューデリー(New Delhi)の病院で再度の手術を受けました。ニューデリー(New Delhi)ではamoxicillin (amoxicilline)-clavulanic acid、metronidazole、amikacinおよび gatifloxacinなどの多種の抗生物質の非経口的な投与を受けていました。また、ニューデリー(New Delhi)では新たに褥瘡(じょくそう:床擦れ)ができたため、2008年1月8日にスウェーデンの病院に移りました。2008年1月9日のスウェーデンのOerebroの病院でのこの男性の尿からニューデリー・メタロ-β-ラクタマーゼ1(NDM-1)産生耐性クレブシエラ-ニューモニエが分離されました。このとき、はっきりとした尿路感染症の症状はありませんでした。この男性は2008年3月6日にはスウェーデンの病院を退院し介護ホームに移りました。2008年4月1日にも尿検体が採取されましたが、ニューデリー・メタロ-β-ラクタマーゼ1(NDM-1)産生耐性クレブシエラ-ニューモニエは分離されませんでした。尿以外の検体も採取して検査されましたが、ニューデリー・メタロ-β-ラクタマーゼ1(NDM-1)産生耐性クレブシエラ-ニューモニエは分離されませんでした。ただし、介護ホーム滞在中に採取した便から、ニューデリー・メタロ-β-ラクタマーゼ1(NDM-1)産生耐性大腸菌が分離されました。

 ニューデリー・メタロ-β-ラクタマーゼ1(NDM-1)のニューデリーについては、ニューデリー・メタロ-β-ラクタマーゼ1(NDM-1)産生耐性菌の最初の患者発生の報告(参考文献2)において、患者がニューデリーで感染したのではないかと考えられることに由来します。このニューデリーの命名については、インドの保健省が強く反対しているとのことです。
 メタロ-β-ラクタマーゼ(metallo-β-lactamase:MBL)は、抗生物質の内、カルバペネム(carbapenem)を含む各種の広域β-ラクタム薬を分解する酵素であるカルバペネマーゼ[カルバペネム分解酵素]です。このメタロ-β-ラクタマーゼ(metallo-β-lactamase:MBL)については、NDM-1以外にも多く存在し、その中には、NDM-1と同様に関係する地名が名前の一部になっているものもあります。
 SPM-1産生耐性菌のメタロ-β-ラクタマーゼであるSPM-1については、Sao Paulo(ブラジルのサンパウロ) Metallo-β-lactamase-1の略です(参考文献7)。SPM-1は、2001年初めにブラジルのサンパウロの病院で敗血症で亡くなった白血病の少女の尿から分離された緑膿菌から発見されました。
 1999年にイタリアから報告されたVIM産生耐性菌のメタロ-β-ラクタマーゼであるVIMについては、Verona(北イタリアのヴェローナ) imipenemase(イミペネマーゼ:イミペネム[imipenem]分解酵素)の略です(参考文献9)。VIMは、Verona大学病院の患者の検体から分離された緑膿菌から発見されました。VIMについては、Verona Integron-encoded(インテグロン[integron]に遺伝子が含まれている;インテグロンは抗生物質の耐性に関わる遺伝子の単位で菌株・菌種の間で伝達されることがあります) Metallo-β-lactamaseの略(参考文献5)ともされます。VIMにはVIM-1からVIM-19までのバリアント(異型)の存在が報告されてます。
 また、VIMについて、アメリカ合衆国国内で腸内細菌科(the Enterobacteriaceae family)の菌種で初めてVIM産生耐性菌がCDCに報告されたのは、2010年7月のことです(参考文献5)。患者はアメリカ合衆国からの旅行者の女性です。地中海クルーズで下痢となりギリシアで入院しました。敗血症・クロストリジウム-ディフィシル感染症の診断でギリシア内の二つの病院に12日間入院後、敗血症・急性腎不全のためアメリカ合衆国国内の病院へ移送・入院となりました。アメリカ合衆国国内の病院への入院時、ギリシアの病院で留置された中心静脈のカテーテルからの血液の培養検査で、VIM産生耐性クレブシエラ-ニューモニエが検出されました。アメリカ合衆国国内の病院への26日間の入院後、患者は軽快して退院しました。入院中における他の入院患者へのVIM産生耐性クレブシエラ-ニューモニエの広がりは認められませんでした。なお、ギリシアにおいてはVIM-1産生耐性クレブシエラ-ニューモニエの報告が多く、英国では、ギリシアへの渡航者がギリシアで医療行為を受けるなどしてVIM-1産生耐性クレブシエラ-ニューモニエを英国国内に持ち帰ることを警戒しています。
 2004年にドイツから報告されたGIM-1産生耐性菌のメタロ-β-ラクタマーゼであるGIM-1については、German([英語]ドイツの) imipenemase(イミペネマーゼ:イミペネム[imipenem]分解酵素)-1の略です(参考文献6)。GIM-1は、2002年にドイツのDusseldorfの医療センターで患者から分離された緑膿菌から発見されました。
 1991年に日本から報告されたIMP-1産生耐性菌のメタロ-β-ラクタマーゼであるIMP-1については、imipenemase(イミペネマーゼ:イミペネム[imipenem]分解酵素)-1の略です(参考文献9)。IMPにはIMP-1からIMP-22までのバリアント(異型)の存在が報告されてます。

 

 韓国のソウルのある病院で2003-2004年に分離された1234株のカルバペネム耐性のPseudomonas spp. (シュードモナス属:緑膿菌の仲間)及び Acinetobacter spp. (アシネトバクター属)についてメタロ-β-ラクタマーゼが211株(17%)で検出されました(参考文献10)。この211株の内、204株についてはIMP-1産生(47株、22%)かVIM-2産生(157株、74%)の遺伝子を持っていましたが、残りの7株(4%、いずれもアシネトバクター-バウマニ[Acinetobacter baumannii ])については新種のメタロ-β-ラクタマーゼ産生の遺伝子が見つかり、この新種のメタロ-β-ラクタマーゼについては、SIM(Seoul imipenemase:ソウル-イミペネマーゼ)と名付けられました。SIM産生耐性菌(アシネトバクター-バウマニ)が検出された7人の患者の検体は、肺炎患者の痰の1検体以外は尿検体でした。なお、2004年12月に小児科病棟の白血病患者の3人の尿検体からSIM産生耐性菌(アシネトバクター-バウマニ)が検出されていて、遺伝子DNAのPFGEパターンも一致し、集団発生が考えられました。

 KHM-1は、Kyorin University School of Health Sciences Metallo-β-Lactamase 1、あるいはKyorin University Hospital MBL-1の略かと思われます。日本の東京、三鷹の杏林大学病院で1997年にカテーテルに関連した尿路感染症の患者の検体から分離されたCitrobacter freundii で見つかった新種のメタロ-β-ラクタマーゼです(参考文献12)。

 AIM-1は、Australian imipenemase(あるいは、Adelaide imipenemase)-1の略です。2006年以来、オーストラリアの南オーストラリア州のアデレード(Adelaide)でPseudomonas aeruginosa (緑膿菌)とPseudomonas putidaとから見つかった新種のメタロ-β-ラクタマーゼです。主にPseudomonas aeruginosa (緑膿菌)から見つかっています。最初の患者は北部準州のAlice Springsから移送されてきました。

 DIM-1は、Dutch imipenemase(オランダのイミペネマーゼ)-1の略です(参考文献11)。オランタ人患者の検体から分離されたPseudomonas stutzeri から見つかりました。

表1. 主な耐性菌のメタロ-β-ラクタマーゼ
酵素名主に検出された国主な耐性菌備考
NDM-1 インド・パキスタン・英国・日本 肺炎桿菌・大腸菌 New Delhi Metallo-β-Lactamase-1
IMP-1 日本・韓国・台湾・シンガポール・ブラジル・レバノン・中国・トルコ 緑膿菌・アシネトバクター-バウマニ・肺炎桿菌・Serratia marcescens ・大腸菌・Enterobacter cloacaeProvidencia rettgeriCitrobacter freundii imipenemase-1
IMP-2 日本・イタリア 緑膿菌・アシネトバクター-バウマニ imipenemase-2
IMP-4 オーストラリア・中国・香港・マレーシア 肺炎桿菌・大腸菌・緑膿菌・Citrobacter freundii ・アシネトバクター-バウマニ imipenemase-4
IMP-6 日本 Serratia marcescens imipenemase-6
IMP-7 カナダ・マレーシア 緑膿菌 imipenemase-7
IMP-8 台湾 肺炎桿菌・Enterobacter cloacae imipenemase-8
IMP-9 中国 緑膿菌 imipenemase-9
IMP-13 イタリア 緑膿菌 imipenemase-13
IMP-15 タイ・メキシコ 緑膿菌 imipenemase-15
IMP-18 プエルトリコ・米国・メキシコ 緑膿菌 imipenemase-18
VIM-1 ギリシア・スペイン・フランス・トルコ・イタリア・英国・日本・カナダ 肺炎桿菌・緑膿菌 Verona imipenemase-1
VIM-2 日本・韓国・台湾・フランス・イタリア・コロンビア・米国・カナダ・サウジアラビア・インド・マレーシア・ギリシア・英国・ポーランド・チリ・チュニジア 緑膿菌・アシネトバクター-バウマニ・Serratia marcescensEnterobacter cloacae Verona imipenemase-2
VIM-3 台湾・韓国 緑膿菌 Verona imipenemase-3
VIM-4 イタリア・チュニジア・ギリシア・英国・スウェーデン 緑膿菌・肺炎桿菌・Enterobacter cloacae Verona imipenemase-4
VIM-5 トルコ・インド 緑膿菌 Verona imipenemase-5
VIM-6 インド・シンガポール 緑膿菌 Verona imipenemase-6
VIM-7 米国 緑膿菌 Verona imipenemase-7
VIM-8 コロンビア 緑膿菌 Verona imipenemase-8
VIM-9 英国 緑膿菌 Verona imipenemase-9
VIM-10 英国 緑膿菌 Verona imipenemase-10
VIM-11 アルゼンチン・インド・マレーシア 緑膿菌 Verona imipenemase-11
VIM-12 ギリシア 肺炎桿菌 Verona imipenemase-12
VIM-15 ブルガリア 緑膿菌 Verona imipenemase-15
VIM-16 ドイツ 緑膿菌 Verona imipenemase-16
VIM-18 インド 緑膿菌 Verona imipenemase-18
VIM-19 アルジェリア 肺炎桿菌・大腸菌 Verona imipenemase-19
KHM-1 日本 Citrobacter freundii Kyorin University Hospital Metallo-β-Lactamase-1
SIM-1 韓国 アシネトバクター-バウマニ Seoul imipenemase-1
SPM-1 ブラジル 緑膿菌 Sao Paulo Metallo-β-Lactamase-1
GIM-1 ドイツ 緑膿菌 German imipenemase-1
AIM-1 オーストラリア 緑膿菌 Australian imipenemase-1
DIM-1 オランダ Pseudomonas stutzeri Dutch imipenemase-1

 ニューデリー・メタロ-β-ラクタマーゼ1(NDM-1)のメタロ(Metallo)については、「金属(metal)の」の意味で、酵素活性の中心に亜鉛という金属のイオン(Zn++)を持つことに由来します。メタロ-β-ラクタマーゼを亜鉛-β-ラクタマーゼ(Zn-β-lactamase) 、金属-β-ラクタマーゼなどと呼ぶこともあります。
 β-ラクタム系の抗生物質を分解するβ-ラクタマーゼは、酵素活性の中心にセリン残基を持つセリン(serine)-β-ラクタマーゼとメタロ-β-ラクタマーゼ(クラスB[class B]β-ラクタマーゼ)とに大別されます。セリン(serine)はアミノ酸の一つです。β-ラクタマーゼの分類としてAmblerの分類がありますが、クラスAからクラスDまでの四つに分類されます。セリン(serine)-β-ラクタマーゼには、この内、クラスAのβ-ラクタマーゼ、クラスCのβ-ラクタマーゼ、クラスDのβ-ラクタマーゼ(OXA[oxacillinase:オキサシリナーゼ]。オキサシリン[oxacillin]を分解します)が含まれます。Amblerの分類でクラスBのβ-ラクタマーゼであるメタロ-β-ラクタマーゼはカルバペネマーゼ(カルバペネム分解酵素)ですが、クラスBのβ-ラクタマーゼ以外にも、クラスAのβ-ラクタマーゼやクラスDのβ-ラクタマーゼでもカルバペネマーゼ(カルバペネム分解酵素)があります。
 例えば、クラスAのβ-ラクタマーゼに属するKPC(Klebsiella pneumoniae carbapenemase)もカルバペネマーゼ(カルバペネム分解酵素)です。KPCは、1996年にアメリカ合衆国のノースカロライナ州で初めて検出され、世界中に広がりました。アメリカ合衆国では、KPCを産生する腸内細菌科(the Enterobacteriaceae family)の菌が増えています。アメリカ合衆国では、まず、東海岸を中心に広がりました。アメリカ合衆国では、カルバペネム耐性の腸内細菌科(the Enterobacteriaceae family)の菌(carbapanem-resistant Enterobacteriaceae : CRE)としては、KPCを産生する腸内細菌科(the Enterobacteriaceae family)の菌が最も多いです。KPCにはKPC-2からKPC-8までの7種類のバリアント(異型:variant)の存在が報告されてます。KPC-1については、KPC-2と同じものです。最初のKPC-1の分析に誤りがあったため、後にKPC-1の分析が再度行われるまで、同じものとはされていませんでした。現在では専らKPC-2と呼ばれKPC-1は欠番扱いのようです。アメリカ合衆国では、KPCを産生する細菌としては、クレブシエラ-ニューモニエが一番多いですが、Escherichia coli (大腸菌)、Salmonella cubanaEnterobacter cloacaeProteus mirabilisKlebsiella oxytoca などでもKPCを産生しています。日本国内では、まれですが、日本でもKPCを産生する細菌の報告があります。
 日本国内のKPCを産生する細菌の報告の第一例は、2008年4月に35歳女性の急性骨髄性白血病患者からです(参考文献15)。2008年1月に腫瘤の多発や両下肢の異常感覚などで発病しました。2月1日に滞在先のアメリカ合衆国ニューヨークの病院に入院し、急性骨髄性白血病の診断のもと、2月11日から治療開始しました。4月2日に日本の九州大学病院に転院し、4月3日提出の尿検体から培養検査で多剤耐性クレブシエラ-ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae :肺炎桿菌)が分離されました。後の遺伝子検査でKPC-3産生多剤耐性菌と判明しました。アメリカ合衆国では、KPC-2およびKPC-3の報告が多く、ニューヨークを中心に東海岸の東北部での報告が多いです。クローン型はST258型と同定されました。ST258型は、アメリカ合衆国・イスラエル・英国等で多く分離されている株のクローン型です。このKPC-3産生多剤耐性菌は、アメリカ合衆国ニューヨークから持ち込まれたものと考えられ、他の患者に広がることもありませんでした。患者がアメリカ合衆国での入院時にVRE(vancomycin-resistant Enterococcus:バンコマイシン耐性腸球菌。日本の感染症法での「バンコマイシン耐性腸球菌感染症」の届出基準はこちら)が分離されたこともあることから、九州大学病院では、転院時から個室管理で接触感染予防策を採っていました。多剤耐性クレブシエラ-ニューモニエによる尿路の感染の徴候が認められなかったため、抗菌薬による除菌は行わず、多剤耐性クレブシエラ-ニューモニエがやがて消失するのを待ちました。
 なお、アメリカ合衆国ニューヨークを中心に流行を見せている株のクローン型であるST258型のSTは Sequence Type の略で、MLST(multilocus sequence typing : 複数遺伝子配列型分析)法によるクローン型の分析であることを示します。また、アメリカ合衆国ニューヨークを中心に流行を見せているST258型の株については、KPC-2を産生するものも、KPC-3を産生するものも見られました(参考文献19)。
 日本国内のKPCを産生する細菌の報告の第二例は、前記「我が国における新たな多剤耐性菌の実態調査」においてで、KPC-2産生肺炎桿菌でした(参考文献21)。大阪府の松下記念病院に、外傷の治療のため入院中の40代男性患者の、2010年11月上旬に採取した腹部と尿の検体(合計2検体)から検出されました。肺炎桿菌による感染症の症状はなく、菌を保菌している状態と考えられます。 患者は、海外での入院・手術後、帰国して治療を継続していて、2010年11月18日現在も入院中です。2010年11月18日現在、入院中の他の患者から、多剤耐性肺炎桿菌は検出されていません。

表2. クラスAのβ-ラクタマーゼに属する主なカルバペネマーゼ(カルバペネム分解酵素)
酵素名主に検出された国主な耐性菌備考
SME-1 英国・米国 Serratia marcescens Serratia marcescens enzyme-1
SME-2 米国・カナダ Serratia marcescens Serratia marcescens enzyme-2
SME-3 米国 Serratia marcescens Serratia marcescens enzyme-3
NMC-A フランス・アルゼンチン・米国 Enterobacter cloacae non-metalloenzyme carbapenemase of class A
IMI-1 米国 Enterobacter cloacae imipenemase-1
IMI-2 中国(浙江省杭州市) Enterobacter cloacae imipenemase-2
IMI-3 香港 Enterobacter cloacae imipenemase-3
KPC-2
(KPC-1)
米国・中国(浙江省杭州市)・ブラジル・アルゼンチン・プエルトリコ・イスラエル・ギリシア・フランス・ポーランド・フィンランド・コロンビア・カナダ 肺炎桿菌・Enterobacter cloacae ・緑膿菌 Klebsiella pneumoniae carbapenemase-2
KPC-3 米国・英国・イスラエル・カナダ 肺炎桿菌 Klebsiella pneumoniae carbapenemase-3
KPC-4 英国 Enterobacter cancerogenus Klebsiella pneumoniae carbapenemase-4
KPC-5 プエルトリコ 緑膿菌 Klebsiella pneumoniae carbapenemase-5
KPC-6 プエルトリコ 肺炎桿菌 Klebsiella pneumoniae carbapenemase-6
KPC-8 プエルトリコ 肺炎桿菌 Klebsiella pneumoniae carbapenemase-8
GES-2 南アフリカ 緑膿菌 Guiana extended spectrum-2
GES-4 日本 肺炎桿菌 Guiana extended spectrum-4
GES-5 ギリシア・韓国 大腸菌・肺炎桿菌 Guiana extended spectrum-5
GES-6 ギリシア 肺炎桿菌 Guiana extended spectrum-6

 KPC(Klebsiella pneumoniae carbapenemase)以外にもクラスAのβ-ラクタマーゼに属するカルバペネマーゼ(カルバペネム分解酵素)が存在します。産生する耐性遺伝子が、染色体上にあるものとして、SME(Serratia marcescens enzyme の略)、IMI-1(imipenemase-1の略。イミペネマーゼ:イミペネム[imipenem]分解酵素)、NMC-A(non-metalloenzyme-carbapenemase of class A: クラスAの非金属酵素カルバペネマーゼの略)があります。産生する耐性遺伝子がプラスミド上にあるものとして、KPC(Klebsiella pneumoniae carbapenemase)、GES(Guiana extended spectrum : 「ギアナの広域の」の略)、IMI-2(imipenemase-2の略。イミペネマーゼ:イミペネム[imipenem]分解酵素)があります。SMEは、Serratia marcescens が産生し、SME-1からSME-3まで3種類あり、英国・アメリカ合衆国で検出されています。NMC-A、IMI-1、IMI-2、IMI-3は、Enterobacter cloacae が産生しています。GESは、GES-1からGES-9まで9種類あります。GES-1は、南アメリカ北東部のフランス領ギアナで分離されたクレブシエラ-ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae :肺炎桿菌)から発見されました。GES-1はイミペネム(imipenem)をほとんど分解せず、カルバペネマーゼ(カルバペネム分解酵素)とは認められませんが、GES-1以外のGESの仲間はカルバペネマーゼが多いです。GES産生クレブシエラ-ニューモニエが、ギリシア・韓国から報告されています。
 酵素の阻害剤としては、メタロ-β-ラクタマーゼではEDTA(ethylenediaminetetraacetic acid : エチレンジアミン四酢酸 ; 金属イオンを捕集するキレート剤)、クラスAのβ-ラクタマーゼに属するカルバペネマーゼではクラブラン酸(clavulanic acid)という違いがあります。

表3. クラスDのβ-ラクタマーゼに属する主なカルバペネマーゼ(カルバペネム分解酵素)
表3. クラスDのβ-ラクタマーゼに属する主なカルバペネマーゼ(カルバペネム分解酵素)
酵素名主に検出された国主な耐性菌備考
OXA-23
(ARI-1)
英国・ブラジル・韓国・タヒチ・米国・フランス・ブルガリア・イラン・アラブ首長国連邦・チュニジア・オーストラリア・コロンビア・トルコ・中国 アシネトバクター-バウマニ・Proteus mirabilis oxacillinase-23
(acinetobacter resistant to imipenem-1[イミペネム耐性アシネトバクター])
OXA-27 シンガポール アシネトバクター-バウマニ oxacillinase-27
OXA-40
(OXA-24)
スペイン・ポルトガル・米国 アシネトバクター-バウマニ・緑膿菌 oxacillinase-40(24)
OXA-48 トルコ・ベルギー・レバノン・エジプト・フランス・英国・インド・アルゼンチン・セネガル 肺炎桿菌・大腸菌・Citrobacter freundii Enterobacter cloacaeProvidencia rettgeri Enterobacter sakazakii oxacillinase-48
OXA-58 フランス・アルゼンチン・オーストラリア・ベルギー・イタリア・トルコ・ギリシア・米国 アシネトバクター-バウマニ oxacillinase-58
OXA-72 中国・韓国・台湾・バーレーン アシネトバクター-バウマニ oxacillinase-72
OXA-96 シンガポール アシネトバクター-バウマニ oxacillinase-96
OXA-97 チュニジア アシネトバクター-バウマニ oxacillinase-97
OXA-143 ブラジル アシネトバクター-バウマニ oxacillinase-143

 また、クラスDのβ-ラクタマーゼ(OXA[oxacillinase:オキサシリナーゼ]。オキサシリン[oxacillin]を分解します)では、例えば、OXA-48がカルバペネマーゼ(カルバペネム分解酵素)です。OXA-48カルバペネマーゼ産生クレブシエラ-ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae :肺炎桿菌)が多く検出されているトルコで入院していた患者が英国にOXA-48カルバペネマーゼ産生クレブシエラ-ニューモニエを持ち込んだ例が英国では知られています。英国では、国外からカルバペネマーゼ産生耐性菌が持ち込まれることを警戒していて、特に警戒すべきカルバペネマーゼとして、NDM-1・VIM等のメタロ-β-ラクタマーゼ、KPC(Klebsiella pneumoniae carbapenemase)、OXA-48カルバペネマーゼを挙げています。OXA-48カルバペネマーゼは、最初にトルコから報告されましたが、ベルギー、レバノン、英国、インド、アルゼンチンからも報告されています。
 OXA-48以外にもクラスDのβ-ラクタマーゼ(OXA[oxacillinase:オキサシリナーゼ])には、カルバペネマーゼ(カルバペネム分解酵素)が存在します。OXA[oxacillinase:オキサシリナーゼ]には、102種類ありますが、その内、少なくとも37種類がカルバペネマーゼと考えられていて(参考文献14)、CHDL(carbapenem-hydrolyzing class D β-Lactamase)とも呼ばれます(参考文献16)。アシネトバクター-バウマニにより産生されるものが多いです。
 ウォルター-リード陸軍医療センター(the Walter Reed Army Medical Center : WRAMC)は、イラク・クウェート及びアフガニスタンにおける戦闘等で受傷した米軍関係の傷病者の米国国内における主要な受け入れ病院です。これらの傷病者における多剤耐性アシネトバクター感染症の蔓延が問題となったことから、同病院において、これらの傷病者から分離された多剤耐性アシネトバクターの調査研究が行われています(参考文献18)。カルバペネム耐性を示す耐性アシネトバクターの90%は、OXA-23あるいはOXA-58カルバペネマーゼ(カルバペネム分解酵素)を産生するアシネトバクターでした。

図1.プラスミド上の耐性遺伝子の広がり方(模式図)

 抗生物質を分解するNDM-1などを産生する耐性遺伝子が、染色体上ではなく、プラスミド上にある場合が知られています。耐性遺伝子がプラスミド上にある場合に、上の図(模式図)のように、腸内細菌科(the Enterobacteriaceae family)の菌においては、同種あるいは異種の菌株の間で、接合により、耐性遺伝子が耐性株から非耐性株に伝達され、非耐性株が耐性株に変わってしまう可能性がありえます。腸内細菌科の菌における異種の菌株の間では、大腸菌への伝達が比較的起こりやすいです。NDM-1については、健康な人の腸内でも認められる大腸菌(Escherichia coli )やクレブシエラ-ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae :肺炎桿菌)などで多く認められるため、NDM-1産生耐性菌が、市中で広がり、院内感染に限らず、市中で発生する感染症の原因と成って行く可能性が心配されています。
 腸内細菌科(the Enterobacteriaceae family)の菌において、NDM-1に限らず、カルバペネマーゼを産生する耐性遺伝子が、染色体上ではなく、プラスミド上にある場合には、同様の脅威があります。英国では、そのようなカルバペネマーゼとして、NDM-1・VIM等のメタロ-β-ラクタマーゼ、KPC(Klebsiella pneumoniae carbapenemase)、OXA-48カルバペネマーゼを挙げて警戒しています。
 なお、英国国内の検査施設において、カルバペネマーゼを産生する腸内細菌科(the Enterobacteriaceae family)の菌の分離数は、2010年一年間では、NDM-1が44件、VIMが26件、IMPが9件、KPCが229件、OXA-48が29件、IMIが2件となっています。また、2011年にはVIMとKPCとを産生する腸内細菌科(the Enterobacteriaceae family)の菌も1件分離されています。
 カナダのオンタリオ州においては、2008年1月から2011年12月までの4年間に、カルバペネマーゼを産生する腸内細菌科(the Enterobacteriaceae family)の菌の分離数は、73です(参考文献31)。2008年に4、2009年に4、2010年に20、2011年に45と増加してきています。KPC、NDM-1、VIM、OXA-48が分離されています。2011年に45分離されていて、その内訳は、NDM-1が22(49%)、KPC-2・KPC-3が14(31%)、OXA-48が7(15.6%)、VIM-1が2(4.4%)となっています。73のカルバペネマーゼを産生する腸内細菌科(the Enterobacteriaceae family)の菌の分離株は、64人の患者から分離されています。男が36人、女が26人でした。分離検体は、尿31人、尿カテーテル3人、腹水(腹腔内液)2人、皮膚1人、傷4人、痰2人、血液2人、骨1人、不明3人、直腸部からの採取24人でした。大部分が入院患者からの採取です。73の菌種の内訳は、Klebsiella pneumoniae(肺炎桿菌)が48、大腸菌が12、Enterobacter cloacaeが7、M. morganiiが3、Providencia rettgeri が1、Citrobacter freundii が1、P. stuartii が1でした。すべてのKPC産生肺炎桿菌(27株)は、ST258型あるいはST258型に近い型でした。

予防のためには・・・

 NDM-1産生多剤耐性菌の菌種に応じた対応が必要になります。その上で、たとえば、当・横浜市衛生研究所ホームページ「アシネトバクター感染症について」の「表2. 多剤耐性アシネトバクターの発生および蔓延に対する対策」のような対応となります。

 NDM-1産生株が検出された場合の対応については、以下のような対応となります(参考文献1)。
(1) NDM-1 を産生する株が検出された患者は、個室管理とし、標準予防策、接触感染予防策を励行し、他の患者に伝播しないよう感染予防対策を実施します。
(2) NDM-1 産生株が便や喀痰などから検出されたものの、感染徴候が認められない無症状病原体保有者の場合は、抗菌薬による除菌は行わず、標準予防策、接触感染予防策を励行しつつ、やがて消失するのを待ちます。
(3) NDM-1 産生株による感染症を発症した患者の場合は、患者の病状を考慮して、抗菌薬療法を含む積極的な治療を実施してください。
(4) 患者の海外渡航歴及び渡航先での医療機関の受診歴を詳細に聴取してください。

 さて、WHO(世界保健機関)が設定する2011年の世界保健デー(2011年4月7日)のテーマは、「抗生物質耐性とその世界的広がり(Antimicrobial resistance and its global spread)」でした。抗生物質は、生命を脅かす微生物による感染症と戦う重要な手段です。抗生物質に対する耐性の広がりは、この重要な手段を役立たないものとしかねません。NDM-1産生多剤耐性菌を含む耐性菌の蔓延等、抗生物質に対する耐性の広がりを世界的に抑え込む必要があります。WHO(世界保健機関)は、以下の四つの分野での管理・予防の努力を各国政府に強く勧奨しています。
(1) 抗生物質に対する耐性の監視(サーベランス)。
(2) 抗生物質の適正な使用に関する医療従事者や公衆への教育を含む、合理的な抗生物質の使用。
(3) 処方箋なしでの抗生物質の販売を禁止する法律の制定・強化。
(4) 医療施設等での、手洗いを含む感染症予防・管理対策の厳守。

 

参考文献

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2010年10月21日初掲載
2010年11月15日改訂増補
2010年11月24日改訂増補
2010年12月8日増補
2010年12月28日増補
2011年2月9日改訂増補
2013年2月22日改訂増補

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