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カザフスタンのこどもの定期予防接種について

こどもの定期予防接種のカザフスタンと日本との違いについて

 本稿では、カザフスタン共和国のこどもの定期予防接種について触れます。まず、カザフスタン(香佐富斯坦)のこどもの定期予防接種と日本のこどもの定期予防接種との違いを見てみましょう。

 日香両国で定期予防接種として実施している予防接種もありますが、一方の国でしか定期予防接種として実施していない予防接種もあります。表にまとめると、下の表1のとおりです。

表1. こどもの定期予防接種のカザフスタンと日本との違い
  カザフスタンのこどもの定期予防接種
実施 実施せず
日本のこどもの定期予防接種 実施 ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)感染症
結核(BCG)、
ジフテリア・破傷風百日咳
ポリオ
麻疹風疹
肺炎球菌感染症
日本脳炎
ヒトパピローマウイルス16型・18型による子宮頸部癌、外陰癌、膣癌、肛門癌および
6型・11型による尖圭コンジローマ(*)
実施せず 流行性耳下腺炎(ムンプス)
B型肝炎
髄膜炎菌感染症
ロタウイルスによる感染性胃腸炎
水痘
A型肝炎
インフルエンザ
*: HPVワクチンについて、日本では女子のみ対象。

 こどもの定期予防接種として、カザフスタンで実施されず日本で実施されているものとしては、日本脳炎ヒトパピローマウイルス16型・18型による子宮頸部癌、外陰癌、膣癌、肛門癌および6型・11型による尖圭コンジローマがあります。反対に、こどもの定期予防接種として、日本で実施されずカザフスタンで実施されているものとしては、流行性耳下腺炎(ムンプス)、B型肝炎があります。

 なお、日本国外務省は、日本からのカザフスタン長期滞在予定者にA型肝炎(小児も)、B型肝炎、破傷風狂犬病(特に動物と直接接触する機会のある方)、腸チフス(特に地方へ行く機会のある方)、ダニ媒介脳炎(特にゴルフやハイキングなどで山に行く機会のある方)の予防接種を勧めています(参考文献4)。

 多数のワクチンを混合したワクチン製剤がカザフスタンでは見られます。たとえば、ジフテリア・破傷風・百日咳のワクチン(DTaP)、ポリオの不活化ワクチン(IPV)、ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)のワクチン(Hib)、B型肝炎のワクチン(HepB)を混合したワクチン(DTaP-IPV-Hib-HepB)があります。四つのワクチンが混合されたワクチンがあれば、個々のワクチンではそれぞれ1回ずつだと 4回の接種が必要なところ、四つのワクチンが混合されたワクチンでは1回の接種で済むことになります。接種回数が少なくなれば、こどもが注射で痛い思いをする回数も少なくなります。また、接種スケジュールの設定も容易になります。

 日本でも混合ワクチンが使われてきました。ジフテリア・破傷風・百日咳の三種混合ワクチン(DTaP)、麻疹・風疹のMRワクチンなどです。ポリオの不活化ワクチン(IPV)についても、ジフテリア・破傷風・百日咳・ポリオの、四種混合ワクチン(DTaP/IPV)が2012年11月から日本でも新たに使われるようになりました。

カザフスタンのこどもの定期予防接種スケジュールについて

 カザフスタンのこどもの定期予防接種の標準的なスケジュール(2014年)は、下の表2のとおりです。

表2. カザフスタンのこどもの定期予防接種の標準的なスケジュール(2014年)
接種時期 予防する感染症 接種するワクチン(英字略語表記等)
生後1-4日 B型肝炎 HepB(1回目)
結核 BCG(1回目)
生後2ヶ月 ジフテリア・破傷風百日咳 DTaP(1回目)**
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib) Hib(1回目)**
ポリオ不活化ワクチン IPV(1回目)**
B型肝炎 HepB(2回目)**
肺炎球菌結合型ワクチン PCV(1回目)
生後3ヶ月 ジフテリア・破傷風百日咳 DTaP(2回目)*
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib) Hib(2回目)*
ポリオ不活化ワクチン IPV(2回目)*
生後4ヶ月 ジフテリア・破傷風百日咳 DTaP(3回目)**
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib) Hib(3回目)**
ポリオ不活化ワクチン IPV(3回目)**
B型肝炎 HepB(3回目)**
肺炎球菌結合型ワクチン PCV(2回目)
生後12-15ヶ月 麻疹流行性耳下腺炎(ムンプス)風疹 MMR(1回目)
肺炎球菌結合型ワクチン PCV(3回目)
ポリオ経口・生ワクチン OPV (1回接種)
生後18ヶ月 ジフテリア・破傷風百日咳 DTaP(4回目)*
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib) Hib(4回目)*
ポリオ不活化ワクチン IPV (4回目)*
6歳(小学校1年生) ジフテリア・破傷風百日咳 DTaP(5回目)
麻疹流行性耳下腺炎(ムンプス)風疹 MMR(2回目)
結核 BCG(2回目:ツベルクリン反応検査陰性の児に接種)
16歳 ジフテリア・破傷風 dT(1回接種:後は10年毎に1回接種繰り返し)
*:カザフスタンでは、DTaP-Hib-IPVという5種混合ワクチンで接種されます。
**:カザフスタンでは、DTaP-Hib-IPV-HepBという6種混合ワクチンで接種されます。

 複数のワクチン製剤を同じ日に接種する場合には、複数のワクチン製剤を同じ注射器に吸い上げて混合して用いるようなことをしては、いけません。それぞれのワクチン製剤を別々の注射器に吸い上げて、できるだけ離れた部位に接種します。たとえば、一方のワクチンを右腕に接種したら、もう一方のワクチンを左腕に接種するというように接種します。限られた部位に接種しなければならない場合でも、接種部位は2.5cm以上離します。複数のワクチン製剤を同じ日に接種する場合には、接種部位が区別できるように、それぞれの接種部位について、接種の記録に、より詳細な記述が必要です。

カザフスタンにおけるカザフスタン語によるワクチン等の表記について

 カザフスタンは、ユーラシア大陸の中央部に位置し、北をロシア、西をカスピ海、南をトルクメニスタン、ウズベキスタン、キルギス、中華人民共和国とに囲まれた国です。このカザフスタンにおける公用語は、カザフスタン語(カザフ語)及びロシア語です。カザフスタン語(カザフ語)はカザフスタンの国家語でもあります。カザフスタンのこどもの定期予防接種のワクチン等のカザフスタン語(カザフ語)による表記については、下の表3、表4のとおりです。日本語の表記も併記しました。

表3 カザフスタンのこどもの定期予防接種のワクチン等(カザフスタン語・日本語対照表記)

表4 カザフスタンのこどもの定期予防接種のワクチン等(カザフスタン語・日本語対照表記)

参考文献

  1. WHO Vaccine-Preventable Diseases: Monitoring System. global summary.
     全世界の国々の予防接種(WHO):(英語)。
  2. 欧州CDC(ECDC)Vaccine schedule platform(欧州各国の定期予防接種スケジュール) :(英語).
  3. カザフスタン公衆衛生省;
    定期予防接種スケジュール:(カザフスタン語).
    定期予防接種スケジュール:(ロシア語).
  4. 外務省;渡航関連情報在外公館医務官情報カザフスタン共和国」:(日本語).

2014年4月23日初掲載

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横浜市衛生研究所 感染症・疫学情報課 - 2014年4月23日作成
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