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日本脳炎について

流行は?

 東および東南アジア、南アジアに広く分布し、東は日本、ロシア東部海岸、西は中国、インド、南はシンガポール、インドネシア、パプアニューギニア、さらにオーストラリア北部に患者発生が見られています。世界的には年間5万人程度の患者数と推察されています。日本では、1967年までは年間1000人以上の患者報告があり、韓国、台湾とともに流行地とされていましたが、1966年の2017人をピークに減少し、近年は10人以下の発生にとどまっています。

 流行は、日本、韓国、中国のような温帯地域では、夏を中心とする2〜4か月に限られ、熱帯地域では雨期に見られています。

どんな病気?

 感染しても発病するのは100〜1000人に1人程度で、大多数は無症状に終わります。しかし、脳炎を発病したときの死亡率は約15%で、神経の後遺症を残す人が約50%あり、完全治癒は全患者の1/3といわれています。

 潜伏期は6〜16日間とされます。典型的な症例では、数日間の高い発熱(38〜40℃あるいはそれ以上)、頭痛、吐き気、嘔吐などで発病し、髄膜刺激症状としての項部硬直が現れ、意識障害とともに、痙攣、異常運動がしばしば見られます。日本脳炎は、症状が現れた時点ですでにウイルスが脳に達し、脳細胞を破壊しているため、一度破壊された脳細胞の修復は困難であり、予防が大切な疾患です。

病原体は?

 フラビウイルス科フラビウイルス属に属する日本脳炎ウイルスです。日本などの温帯では水田で発生するコガタアカイエカが媒介します、熱帯ではその他数種類の蚊が媒介しています。自然界では、日本脳炎ウイルスの感染環は蚊とブタ(またはトリ)によって形成され、ヒトからヒトへの感染はなく、ブタの中で増えたウイルスを吸血した蚊が、ヒトを刺して感染します。

予防のためには・・・

 予防としては、不活化ワクチンによるヒトへの予防接種、蚊の感染源となるブタの対策、蚊に刺されない工夫などが考えられますが、予防接種も有効な方法です。  
 横浜市における日本脳炎ワクチンの接種の詳細については、横浜市健康福祉局のホームページをご覧下さい。

日本での流行状況

 日本脳炎は、感染症の予防および感染症の患者に対する医療に関する法律において、第4類感染症に指定されており、診断した医師は直ちに保健所に届け出なければなりません。表に、平成元年からの全国と横浜市における患者報告数を示します。

 厚生労働省は、日本脳炎流行予測事業として、全国各地の前年の秋以降に生まれたブタの日本脳炎抗体検査を実施しています。神奈川県でも、毎年7月から9月の期間に合計140〜160頭のブタについて測定しています。平成14年〜16年は、抗体は検出されませんでした。平成17年は8月に検査をした豚60頭のうち2頭に抗体が検出され、平成18年は9月に検査した60頭のうち12頭に抗体が検出されました。平成21年は8月18日の検体20頭のうち1頭から抗体が検出されました。詳しくは、ブタの日本脳炎HI抗体保有状況調査−2009年速報第8報−(国立感染症研究所ホームページ)をご覧ください。

横浜市では、平成15年からウエストナイルウイルスのサーベイランス事業の一環として日本脳炎ウイルスの調査もしています。リアルタイムPCR法を用いたウイルス遺伝子の検査を行っていますが、平成15年から検出されていません。

表 全国と横浜市における日本脳炎の患者報告数(人)


全国横浜市
1989年 (平成元年) 32 0
1990年 (平成2年) 55 2
1991年 (平成3年) 14 0
1992年 (平成4年) 4 0
1993年 (平成5年) 6 0
1994年 (平成6年) 32 0
1995年 (平成7年) 4 0
1996年 (平成8年) 6 0
1997年 (平成9年) 6 0
1998年 (平成10年) 4 0
1999年 (平成11年) 5 0
2000年 (平成12年) 7 0
2001年 (平成13年) 5 0
2002年 (平成14年) 8 0
2003年 (平成15年) 1 0
2004年 (平成16年) 5 0
2005年 (平成17年) 7 0
2006年 (平成18年) 7 0
2007年 (平成19年) 10 0
2008年 (平成20年) 3 0

2009年10月2日改訂
2007年9月5日改訂
2005年6月14日初掲載

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横浜市衛生研究所 感染症・疫学情報課 - 2008年4月1日作成 - 2010年9月8日更新
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