横浜市トップページ > 健康福祉局 > 横浜市衛生研究所 > 横浜市感染症情報センター > 疾患別情報 > ぎょう虫(蟯虫)症について
アメリカ合衆国では、ぎょう虫症は、寄生虫による病気として、よく見られるもので、約4000万人が感染していると推計されています。保育園・幼稚園の園児や小学校の学童などでよく見られます。家族の中でも感染し、患児とよく接する兄弟姉妹や母親も感染していることがよくあります。
ぎょう虫の成虫(おとな)は、人の大腸・直腸で生活しています。このうち、メスが夜間に肛門から体外に出てきて肛門周囲の皮膚に卵を産み付けます。卵は粘着性の物質により皮膚に付着していますが、この粘着性の物質およびメスが肛門周囲を動き回ることにより、かゆみが生じます。夜間のかゆみにより寝不足となり、落ち着きがなくなったり、短気となることもあります。ボリボリ掻き続けることにより、肛門周囲にかき傷が多数見られる場合もあります。しかし、大部分の場合、それらの症状は軽く、何の症状も見られない人が多いです。
肛門周囲に産み落とされた卵は4時間で感染可能な状態になります。衣類やベッドや他の物に付着して、卵は2週間生きています。この間に人の口の中に入ると、その人が感染することになります。
ぎょう虫症が疑われるときには、肛門周囲に産み落とされた卵を見つける検査を行います。スコッチテープ法、あるいはセロハンテープ法とも呼ばれることがある検査がよく行われます。トイレの後やお風呂の後では、ぎょう虫の卵が落ちてなくなってしまっている可能性があります。朝起きて一番に行う検査です。粘着性の透明なテープを肛門周囲にしっかりと貼り付けることにより、粘着性の透明なテープに肛門周囲に産み落とされた卵をはりつけて、この粘着性の透明なテープを顕微鏡で見てぎょう虫の卵を見つける検査法です。専用のセットがありますので、そのセットをもらってから行う検査です。横浜市の福祉保健センターでも行っている検査ですが、検査の日が決まっていますので各福祉保健センターにお問い合わせください。
治療としては、1回の服薬でぎょう虫を駆除する薬がよく使われます。この薬はしかし、肛門周囲に産み落とされた卵を殺すことができません。肛門周囲に産み落とされた卵で再び感染してしまう可能性を考えて、2週間後にもう1回服薬することがあります。また、患児に親しい家族も一緒に治療した方が良いでしょう。
ぎょう虫症の病原体は、白い小さな寄生虫であるぎょう虫( Enterobius vermicularis )です。成虫(おとな)の体長は、メスで8-13ミリメートル、オスで2-5ミリメートルです。肉眼で見ると白糸の短い切れ端のような感じです。メスの成虫(おとな)を捕獲して小児科医療機関に持ち込む観察熱心なおかあさんもいます。
ぎょう虫の卵が口の中に入ってから、成虫となってメスが卵を産み始めるまでの期間は、約1か月です。ぎょう虫の成虫の寿命は、約2か月です。
爪を噛んだり、肛門のあたりを直接に手でかいたりするのは、やめましょう。これらの行動は、自分が感染している場合には、自分でぎょう虫の卵を自分の口に運んでいることになります。また、手にぎょう虫の卵が付着してしまうと、いろいろなものにぎょう虫の卵を貼り付けてしまうことになります。さらに、直接に手でかいたときに、のびた爪の部分にぎょう虫の卵が付着したり、のびた爪が皮膚を傷つけることにもなるので、爪はよく切っておきましょう。
トイレの後、食事や調理の前、オシメを替えた後などには、手をよく洗いましょう。
ぎょう虫の卵は、日光に弱いです。寝室に日光を取り入れましょう。ふとんを日向に干しましょう。下着はこまめに替えて洗濯し日向に干しましょう。
朝起きてすぐの入浴は、きょう虫の卵の広がりを少なくする効果が期待できます。
2001年5月11日掲載