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性器クラミジア感染症について

流行は?

 性器クラミジア感染症については、無症状の場合がかなりあり、そのため性器クラミジア感染症に感染しても性器クラミジア感染症の検査を受けている人の割合はかなり少ないと考えられます。ですから感染者の実数を把握することは困難です。

 わが国では、感染症法における5類感染症として、性感染症定点からの毎月の報告が義務付けられています。

 1.性器クラミジア感染症 届出基準
 2.横浜市の最近の動向 (2000〜2006年 横浜市発生動向調査より)

 アメリカ合衆国では、年間280万人の人が、性器クラミジア感染症に感染していると推計されています。アメリカ合衆国の性器クラミジア感染症の報告(2006年)によると、女性の場合、15-19歳の感染が最も多く、次いで20-24歳に多く報告されています。日本でも、10代の女性が、もっと性器クラミジア感染症の検査を受けるようになれば、同様になる可能性があります。

どんな病気?

 性器クラミジア感染症は、クラミジア( Chlamydia trachomatis )という細菌によって起こされる性感染症(性的接触によって感染する病気:STD:sexually transmitted disease)です。性器クラミジア感染症は、あらゆる性行為が感染源となります。

 性器クラミジア感染症に感染しても、女性の約75%、男性の約50%で何の症状も起こしません。そのため、クラミジアに感染した人の大部分は、自分が感染したことに気づかず、医療機関も受診しないことが多いので、長期感染が持続して、感染源となる場合が多いです。

 男性では、感染のきっかけとなった性交渉後1-3週間で、排尿痛、尿道不快感、掻痒感など、尿道炎の症状が起きることがあります。尿道が赤くなり、分泌物が下着に付着していることがあります。

 女性では、感染のきっかけとなった性交渉後1-3週間で、膣の分泌物、頻尿、排尿時や性交時の痛み、骨盤痛が起きることがありますが、症状に気づかない場合が多いです。

 早く診断がつけば、性器クラミジア感染症は、抗生物質できちんと治療ができます。しかし、診断されず、治療も受けずに、放置すると、女性では、子宮頚管炎から骨盤炎を起こし、不妊や子宮外妊娠の原因となる可能性があります。女性の場合、治療されない性器クラミジア感染症の40%が骨盤炎となります。この骨盤炎が気づかれないことは珍しくありません。骨盤炎は、不妊症や慢性的な子宮・骨盤部の痛み、子宮外妊娠を引き起こす要因になります。子宮外妊娠は妊婦の死因ともなりえます。また、最近の研究によれば、クラミジアに感染している女性は、感染していない女性に比べて、HIV感染者との性交渉において5倍以上の確率でHIVに感染してしまうことが、分かっています。

 また、オーラルセックスなどにより、咽頭にクラミジアが感染することがあります。慢性の扁桃腺炎や咽頭炎の中にもクラミジアによるものがあり、性器に感染したものに比べ、治療に時間がかかると言われています。

 妊娠中の母親が性器クラミジア感染症で、未治療のまま出産すると、生まれてくる新生児に、クラミジアによる結膜炎や肺炎を起こすことがあります。

病原体は?

 病原体は、Chlamydia trachomatis というクラミジア属の一つの種です。Chlamydia trachomatis には、15の血清型が区別されています。Chlamydia trachomatis は、性器クラミジア感染症以外でも、封入体結膜炎やトラコーマといった眼疾患やトラコーマ・クラミジア肺炎を起こすことがあることが知られています。

 クラミジアは細菌に属しますが、一般細菌と異なり無細胞培地では増殖できず、動物細胞内でのみ増殖する偏性細胞内寄生生物です。クラミジア属で人に感染するのは、Chlamydia trachomatis (クラミジア-トラコマチス)と、Chlamydophila psittaci (クラミドフィラ-シッタシ オウム病を起こす)とChlamydophila pneumoniae (クラミドフィラ-ニューモニエ クラミジア肺炎を起こす)です。

予防のためには・・・

 性器クラミジア感染症は、性交渉において、コンドームを最初から最後まできちんと使用すれば、防ぎえる病気です。

 性器クラミジア感染症は、女性の場合、放置すると、不妊や命にかかわる子宮外妊娠などに結びつくこともあるこわい病気です。そのため、女性に対してアメリカ合衆国のCDC(疾病管理センター)は、無症状でも性器クラミジア感染症の検査を受けることを勧めています。まず、妊婦は全員、クラミジア感染検査を受けることを勧めています。さらに、25歳以下の性的に活発な女性の場合、少なくとも年1回の検査、また、25歳以上でも性器クラミジア感染症になる危険因子を持っている女性の場合、年1回の検査を勧めています。性器クラミジア感染症になる危険因子としては、次のようなことがあります。

 1.新しい性交渉の相手ができた。
 2.多くの性交渉の相手がいる。
 3.性交渉においてコンドームを最初から最後まできちんと使用していない。

 性器クラミジア感染症の患者に決まった性交渉の相手がいる場合、その相手も性器クラミジア感染症の患者である可能性があります。ですから、決まった性交渉の相手も性器クラミジア感染症の検査を受ける必要があります。そうでなければ、決まった性交渉の相手も性器クラミジア感染症の患者であった場合には、せっかく性器クラミジア感染症の治療をして治っても、決まった性交渉の相手から再び性器クラミジア感染症に感染してしまうことになります。

 性器クラミジア感染症の治療を受けた人は、治療終了後3-4か月後にもう一度性器クラミジア感染症の検査を受けて、感染が続いていないか、再発していないか、確認した方が、安心です。

治療は?

 クラミジアに効果のあるマクロライド系、ニューキノロン系、テトラサイクリン系の抗生物質を服用します。劇症症例においては、ミノサイクリンを3〜5日点滴投与します。

 セックスパートナーも同時に治療を行うことが重要です。

 投薬開始2週間後に核酸増幅法(PCR法)などの抗原検査を行い、陰転化を確認して、治癒の判定を行います。ただし、薬の服用が正しく行われないと不完全治癒の可能性も少なくないので、治療後2〜3週間目に、再度抗原検査を行い、確認することが望ましいとされています。

 アジスロマイシン(ジスロマック)が、2004年より適応拡大となりました。1回の服用で約10日間効果が持続します。そのため、患者本人の負担も軽減され、飲み忘れや自己中止がなくなると期待されています。

参考文献

  1. CDC(アメリカ疾病予防管理センター)性器クラミジア感染症に関するページ
  2. 国立感染症研究所感染症情報 感染症の話 ◆性器クラミジア感染症
  3. 性器クラミジア感染症 1999〜2003年 2004年8月号「<特集>性器クラミジア感染症1999〜2003年」
  4. クラミジア咽頭感染の実情 2004年8月号「病原体微生物検出情報月報」
  5. 日本性感染症学会誌 性感染症 診断・治療ガイドライン 2006

関連情報

  1. 横浜市感染症発生動向調査委員会報告 2005年6月期「8 性感染症」
  2. 横浜市感染症発生動向調査委員会報告 2006年9月期「6 性感染症」

2001年4月16日初掲載
2005年7月7日増補改訂
2008年1月17日更新

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横浜市衛生研究所 感染症・疫学情報課 - 2008年4月1日作成 - 2008年4月16日更新
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