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MDMA(通称:エクスタシー)について

MDMAとは?

MDMAとは、3,4-methylenedioxymethamphetamine という化学物質です。化学構造は、図1の通りです。化学的に合成される合成麻薬の一種です。「麻薬及び向精神薬取締法」の規制対象となっています。日本でも、「エクスタシー(Ecstasy)」という通称で、近年、若者たちの間で服用する者が増加していて、問題となっています。下のグラフ1のように、日本においては近年、MDMA等の錠剤型合成麻薬は押収量が年々増加しています。また、MDMA等合成麻薬事犯の検挙人員も、平成14年117人、平成15年256人、平成16年417人、平成17 年403人と近年、増加してきています。日本における他の薬物事犯の検挙人員との比較については、当・横浜市衛生研究所ホームページ「大麻(マリファナ)について」をご覧ください。

MDMA等の錠剤型合成麻薬の押収量(錠)の推移

米国における米国司法省麻薬取締局(Drug Enforcement Administration:DEA)によるMDMAの押収量は、1993年に196錠、1998年に174,278錠、1999年に100万錠以上、 2000年に300万錠以上、2001年に550万錠以上と増加しています。米国税関によるMDMAの押収量も、1999年に350万錠、2000年に 930万錠と増加しています。ただし、2002年の概算では、米国では、12歳以上の676000人が1ヶ月以内にMDMAを使っていたのが、2003年の概算では470000人に減ったと考えられています。2002年の米国における調査( National Survey on Drug Use and Health )では、生涯に少なくとも1回MDMAを使ったことのある人の割合は、12-17歳で3.3%、18-25歳で15.1%、26歳以上で2.6%と若者で多いです。また、米国では、MDMAを初めて使った人は1993年には168,000人だったのが、2001年には180万人と増加しています。欧米では、XTC, X, E, Empathy, Essence, Adam, Clarity, Lover's Speed, hug, beans, love drug, B-bombs, Bens, Cristal, Decadence, Dex, Disco biscuit, Eve, Go, Hug drug, Iboga, Morning shot, Pollutants, Speed for lovers, Sweeties, Wheels 等の呼称もあります。MDEA(methylenedioxyethylamphetamine)や、MDA(3,4- methylenedioxyamphetamine)も、同系統の化学物質です。
世界的には、MDMAは、西ヨーロッパのベルギーやオランダなどでひそかに製造されているものが多いと考えられています。これらの国で全世界の消費量の 80%は製造されていると考えられています。前駆物質や必要な化学薬品が入手しやすいことや国際的な交易の中心であることが要因として考えられています。
国際刑事警察機構(インターポール:Interpol:International Criminal Police Organization:I.C.P.O.;本部はパリ)によれば、ヨーロッパで押収されたMDMAは1998年に500万錠、1999年に1410万錠と増加しています。全世界で押収されたMDMAも、1998年に560万錠、1999年に2200万錠と増加しています。

MDMA分子

「エクスタシー(Ecstasy)」と呼ばれる錠剤はMDMA、MDEA、MDA以外の薬物も含んでいることがあります。それは、メタンフェタミン、カフェイン、エフェドリン、コカイン、ケタミン、コデイン、DXM( dextromethorphan )、PMA( paramethoxyamphetamine )などの薬物だったりします。MDMAと他の薬物との組み合わせにより、さらに危険性が増す可能性があります。
また、MDMAでない薬物がMDMAとして偽られて与えられることがありえます。例えば、PMA( paramethoxyamphetamine )は、違法な合成薬物で幻覚作用や覚醒作用があります。PMAがMDMAとして偽られて与えられ服用した場合には、PMAの作用発現がMDMAより遅いため、実際にはPMAを服用しているのに弱いMDMAを服用したと思い込み、より強くハイな気分を感じようとPMAの作用がまだ充分に発現していない時点で追加して服用することでPMAの過剰な摂取となり死に至るような可能性がありえます。

メタンフェタミン分子

MDMAの作用・・・

アンフェタミン分子

興奮を起こす作用のあるメタンフェタミン(methamphetamine)やアンフェタミン(amphetamine) といった覚せい剤と、幻覚を起こす作用のあるメスカリン(Mescaline : 3,4,5-trimethoxy-β-phenethylamine)といった幻覚剤とに、化学構造的には類似しています。MDMAは、興奮および幻覚を起こすことがあります。MDMAの幻覚を起こす作用については、LSDやメスカリンのような幻覚剤に比べると弱いとされています。MDMAは、通常、錠剤あるいはカプセルとして服用されることが多いです。吸入されたり、注射されたり、座薬で使われることもあります。MDMAの影響は、投与後15分以内に現われて、約2-8時間残ります。しかし、服用時だけでなく、服用してから数週間経過しても、精神錯乱、抑うつ、睡眠障害、強い不安、妄想等が見られることがあります。

アンフェタミン分子

MDMAは、心拍数や血圧を上昇させます。不随意の歯のくいしばりを起こすことがあります。不随意の歯のくいしばりを起こすまいとして、おしゃぶりや棒付きキャンデーを口にくわえる者がいます。筋肉の緊張、吐き気、視野のぼやけ、速い眼球運動、失神、悪寒、発汗などを起こすことがあります。また、興奮作用により長時間激しく踊り続けるなどの過剰な運動に陥ると、大量の発汗から脱水となり、大量に水分摂取したり、高血圧、心臓や腎臓の機能障害へとつながることもあります。心臓発作や脳卒中、けいれん発作などを起こす人もいます。MDMAは、また、体温調節の身体機能に影響し、重篤な悪性高体温症を起こすこともあります。MDMAを服用しての死亡例もあります。

MDMAは、神経に対して毒性があります。MDMAを長期にわたって服用していると、神経伝達物質であるセロトニンを放出する神経細胞に長期にわたる傷害を生じ、記憶障害が見られることがあります。セロトニンは、脳内で、気分、記憶、睡眠、食欲などの調整の役割を果たしていると考えられています。

MDMAには、依存性があります。MDMAを服用したいという渇望にとらわれてしまうことがあります。

薬物乱用防止のために・・・

前項「MDMAの作用」で記したように、MDMAは安全なクスリではなく、違法で有害な麻薬です。MDMAの誘惑に負けないようにしましょう。MDMAも含んだ薬物乱用防止のために、以下の参考ウェブ・サイトを参考にしてください。

参考ウェブ・サイト・・・

  • 薬物乱用防止「ダメ。ゼッタイ。」ホームページ
    麻薬・覚せい剤乱用防止センター運営のページ。
  • 「麻薬取締官」ホームページ
    麻薬取締官は、厚生労働省の地方支分部局である地方厚生局(地方厚生支局を含む。)に設置されている麻薬取締部(沖縄麻薬取締支所を含む。)に所属し、薬物乱用防止のため活動しています。
  • NIDAホームページ
    NIDA(National Institute on Drug Abuse:国立薬物乱用研究所)は、米国の国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)の一機関。英語です。
  • WHO「アルコール・タバコ・薬物等の乱用」ホームページ
    アルコール・タバコ・薬物等の乱用に関するWHO(世界保健機関)の報告書等を読むことができます。英語です。
  • 警察庁(National Police Agency)ホームページ
    * 左上のメニューから「組織犯罪対策」をクリックし、薬物銃器対策から薬物犯罪対策へ進むといろいろな資料が見られます。
    * 右上のメニューから「警察白書」をクリックして、昭和48年からの「警察白書」を読むことができます。「警察白書」ではMDMA、大麻などの薬物問題の記事を読むことができます。

参考文献・・・

  1. NIDA - NIH - U.S. Department of Health & Human Services. ; MDMA (Ecstasy) : NIDA INFO FACTS, March 2005. p.1-3.
  2. Yukiko Makino, et al. ; Profiling of Illegal Amphetamine-type Stimulant tablets in Japan. ; Journal of Health Science, 49(2), 129-137, 2003.
  3. ONDCP( Office of National Drug Control Policy ), Executive Office of the President ; MDMA (Ecstasy) : ONDCP Drug Policy Information Clearinghouse FACT SHEET, February 2004. p.1-5.
  4. 警察庁刑事局組織犯罪対策部薬物銃器対策課;「平成17年中における薬物・銃器情勢」;p.1-71 ; 平成18年2月。

2004年3月3日掲載
2004年3月11日増補
2004年7月15日増補
2005年1月17日増補
2005年2月1日増補改訂
2006年2月22日増補改訂

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感染症・疫学情報課 - 2014年10月17日作成
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