ページの先頭

本文へジャンプ - トップメニュー|検索

こどもの受動喫煙について

こどもの受動喫煙と健康

小さなこどもたちは、自分でタバコを吸うようなことは、通常ありません。また、小さなこどもたちは、家庭内にいる時間が多いです。そこで、同居する家族内に喫煙者がいる場合に、家庭という環境内で喫煙者が喫煙して生じた環境中のタバコの煙(環境タバコ煙 : ETS : environmental tobacco smoke )を受動的に吸ってしまう受動喫煙( passive smoking )が、小さなこどもたちにとって問題となります。
環境タバコ煙 ( ETS )中には、4000種類以上の化学物質が含まれているとされます。そのうち40種類以上が人や動物に癌を生じることがある物質として知られています。また、粒子径が2.5マイクロメーター未満の肺の奥まで吸い込まれうる浮遊粒子状物質( SPM : suspended particulate matter )の空気中濃度は、だれも喫煙者がいない家庭と比較して喫煙者がいる家庭では2倍から3倍の濃度になりえるとされています。喫煙によって生じるこれらの化学物質や浮遊粒子状物質( SPM : suspended particulate matter )などが、こどもたちの健康にいろいろな影響を与えている可能性があります。

こどもの受動喫煙と下気道炎(気管支炎、肺炎)

1歳未満の赤ちゃんの肺炎・気管支炎について、両親とも喫煙しない家庭の赤ちゃんに比べると、両親とも喫煙する家庭の赤ちゃんは、2倍の確率で、肺炎・気管支炎になりやすいとする研究があります(参考文献3)。
1歳未満の赤ちゃんの入院と母親の喫煙との関係を調べた研究があります(参考文献4)。母親が喫煙する場合の方が、母親が喫煙しない場合よりも、1歳未満の赤ちゃんが入院する確率が高かったのは、肺炎・気管支炎(p<0.001)、および損傷・中毒(p<0.01)でした。月齢では6-9ヶ月の赤ちゃんで、母親が喫煙する場合の方が、肺炎・気管支炎により入院する確率が高かったです。上気道炎、胃腸炎などでは、母親が喫煙する場合と、母親が喫煙しない場合とでは、1歳未満の赤ちゃんが入院する確率に有意差が見られませんでした。肺炎・気管支炎による1歳未満の赤ちゃんの入院は、冬季に多いのですが、母親が喫煙する場合と、母親が喫煙しない場合とにおける入院の確率の差も冬季に大きくなります。他の季節に比べ、冬季は居室の換気が少なくタバコの煙による影響も強いようです。母親が一日に吸う本数が多いほど肺炎・気管支炎による1歳未満の赤ちゃんの入院の確率は高かったです。

こどもの受動喫煙と滲出性中耳炎

受動喫煙があるこどもでは、受動喫煙がないこどもに比較して、滲出性中耳炎になりやすいと考えられています。

こどもの受動喫煙と気管支喘息

気管支喘息のこどもたちについては、親が喫煙する場合には、発作の頻度がより多く、喘鳴・咳・痰・呼吸困難といった症状がより重くなる傾向があることが知られています。

こどもの受動喫煙と乳幼児突然死症候群

乳幼児の環境タバコ煙 ( ETS )への曝露は、乳幼児突然死症候群( SIDS : sudden infant death syndrome )の危険因子の一つだと考えられています。但し、子宮内の胎児の時期における母親の喫煙が、より主要な危険因子だと考えられています。予防のためには妊娠前から禁煙することが大切です。当・横浜市衛生研究所ホームページ「妊娠と喫煙について」参照。

こどもの受動喫煙と血液中のコレステロール

思春期の生徒たちを対象とした研究(参考文献5)では、受動喫煙があるこどもでは、受動喫煙がないこどもに比較して、HDLコレステロール(善玉コレステロール)が低く、動脈硬化指数(総コレステロール/HDLコレステロール)が高くなる傾向が見られました。このような血液中の脂質の変化は、動脈硬化を進行させ、将来、狭心症や心筋梗塞のような心臓病となる危険性が高まります。

こどもの受動喫煙と癌

こども時代だけに家庭内で受動喫煙のあった人たちと、大人時代にだけ家庭内で受動喫煙のあった人たちとは、こども時代・大人時代とも受動喫煙のなかった人たちに比較すると癌になりやすく、こども時代・大人時代とも受動喫煙のあった人たちに比較すると癌になりにくいとする研究があります(参考文献2)。10歳未満で受動喫煙がなかった人たちよりも、10歳未満で受動喫煙があった人たちの方が、白血病になりやすいようです。

こどもの受動喫煙による健康への悪影響の予防のためには・・・

こどもの受動喫煙によって起こる可能性のある健康への悪影響について、親は知るようにしましょう。そして、こどもたちのためにも、タバコを吸うのは止めましょう。
タバコを吸う場合には、家庭においては、屋内ではなく、屋外で吸いましょう。屋内で吸った場合には、よく換気するようにしましょう。

参考ウェブ・・・

参考文献・・・

  1. Committee on Environmental Health, AMERICAN ACADEMY OF PEDIATRICS. ; Environmental Tobacco Smoke: A Hazard to Children. ; PEDIATRICS Vol. 99 No. 4 April 1997, p. 639-642.
  2. DALE P. SANDLER, ALLEN J. WILCOX, RICHARD B. EVERSON ; CUMULATIVE EFFECTS OF LIFETIME PASSIVE SMOKING ON CANCER RISK ; Lancet, 1985;1:p.312-315.
  3. J.R.T. COLLEY, W.W. HOLLAND, R.T. CORKHILL ; INFLUENCE OF PASSIVE SMOKING AND PARENTAL PHLEGM ON PNEUMONIA AND BRONCHITIS IN EARY CHILDHOOD ;Lancet, 1974;2:p.1031-1034.
  4. SUSAN HARLAP, A. MICHAEL DAVIES ; INFANT ADMISSIONS TO HOSPITAL AND MATERNAL SMOKING ;Lancet, 1974;1:p.529-532.
  5. Feldman J, Shenker IR, Etzel RA, Spierto FW, Lilienfield DE, Nussbaum M, Jacobson MS ; Passive smoking alters lipid profiles in adolescents. ; PEDIATRICS Vol. 88 No. 2 Aug 1991, p. 259-264.
  6. Tobacco Free Initiative, Division of Noncommunicable Diseases, WHO ; Consultation Report: International Consultation on Environmental Tobacco Smoke (ETS) and Child Health. 11-14 January 1999. Geneva, Switzerland. ; WHO, 1999.

2004年9月3日掲載

先頭へ戻る

感染症・疫学情報課 - 2014年10月17日作成
ご意見・問合せ:kf-eiken@city.yokohama.jp - 電話:045-370-9237 - FAX:045-370-8462
©City of Yokohama. All rights reserved.