横浜市トップページ > 健康福祉局 > 横浜市衛生研究所 > 食品衛生情報 > よくある苦情事例集 > 苦情事例集 チョウセンアサガオの誤食による食中毒
平成10年5月、横浜市内でチョウセンアサガオをハーブと誤食し、食中毒が発生しました。これは販売店において「チョウセンアサガオ」の苗を「ハーブ」の苗として販売したために起こったものです。食中毒の発現状況は以下のとおりです。市内在住の2名(夫婦)が、ハーブと誤認したまま葉約30枚をゆでた後、オリーブ油で炒めてゴマ和えにして喫食したところ、約30分で脱力感が現れ、平衡感覚がなくなり、言語障害、意識混濁状態となりました。一般にチョウセンアサガオは根をゴボウと誤認し喫食した結果、食中毒になるケースが多く見られます。昭和58年から平成4年まで全国でチョウセンアサガオにより発生した食中毒は、患者数22名で死者は出ていません。

紫

黄色
当所において中毒を起こしたチョウセンアサガオの葉についてアトロピン、スコポラミン含有量の検査を行った結果は、次のとおりでした。
|
アトロピン濃度
|
スコポラミン濃度
|
|
|
A株の葉
|
15
|
54
|
|
B株の葉
|
nd
|
98
|
|
C株の葉
|
31
|
90
|
| 単位:ppm、nd:10ppm未満 | ||
例えば毒性の強いスコポラミンで換算すると、大人の人(体重50kg)がこのチョウセンアサガオの葉を食べて中毒症状があらわれるには、スコポラミンの中毒量は14μg/kgであるので、スコポラミン濃度80ppmの葉(1枚2g)では、(14×50)÷(80×2)=4.4 となり、葉を約5枚摂取すると症状があらわれると推定されます。
チョウセンアサガオとは…ナス科の一年生植物で、曼陀羅華(マンダラゲ)とも呼ばれ、アサガオに似た花が咲くことに由来します。草丈は1m以上になり、全体に特異な臭いを呈します。中毒になると、のどの渇き、おう吐、瞳孔散大、呼吸の乱れ、けいれん、幻覚などの症状が顕れ、通常は一過性で回復しますが、大量に摂取すると脱力、けいれん、昏睡を経て死に至ることもあります。有毒成分は、アトロピン(ヒヨスチアミン)やスコポラミンなどの有毒アルカロイドで、含有量は一般に葉の部分に多く、季節的変動も大きいようです。また、アトロピン、スコポラミンの含有量の比はチョウセンアサガオの種類により異なります。なお、人に対する最低中毒量は、アトロピン70μg/kg、スコポラミン14μg/kgといわれています。
日本薬草全書、化学物質毒性データ総覧
2007年3月8日掲載