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光化学スモッグについて

 このページでは、毎年夏に発生する光化学スモッグの特徴や、神奈川県が毎日発表する「光化学スモッグ情報」、健康被害を防止するために神奈川県が発令する「光化学スモッグ注意報」、パソコンや携帯電話向けの光化学スモッグ注意報に関する情報についてのほか、健康被害が発生した場合にとっていただきたい措置などについて述べています。


 1960年代までの代表的な大気汚染物質は、工場などで使われる燃料(重油や石炭など)に含まれている硫黄が燃えてできる二酸化硫黄(SO2)でしたが、1970年代に入り一躍注目された大気汚染物質が、ロサンゼルス市で問題となっていた光化学スモッグを引き起こす光化学オキシダント(OX)でした。
 光化学スモッグが日本で注目されるようになったきっかけは、1970年(昭和45年)7月18日に、東京都杉並区で多数の女子高校生がグランドで運動中に原因不明の健康被害を受けた事件があり、東京都公害研究所の調査によって光化学スモッグが原因であると判明したことでした。
 この事件を契機に、各自治体は健康被害を防止するため、テレメータシステムを用いた光化学スモッグの監視体制を整備しました。

1 光化学スモッグとは...

 工場や事業場あるいは自動車などから大気中に排出された窒素酸化物(NOx)と揮発性有機化合物(VOC)は、太陽光線に含まれる紫外線を受けて化学反応(光化学反応)を起こして変質し、「光化学オキシダント」と総称されるオゾン(O3)、アルデヒド、パーオキシ・アセチル・ナイトレート(PAN)などの酸化性物質が二次的に生成されます。
 夏、日射が強く、気温が高く、風が弱いなどの気象条件が重なった場合には、光化学反応によって生成されたこれらの物質が、大気中で拡散されずに(薄まらずに)滞留します。その結果、空が霞んで、白いモヤがかかったような状態になることがあり、遠くの山や建物などが霞んで見えにくくなることがあります。この状態のことを「光化学スモッグ」が発生しているといいます。

 光化学オキシダントが高濃度となる場合には、目や呼吸器などの粘膜を刺激して、健康被害が発生することがあります。
 神奈川県における光化学スモッグによる最初の健康被害は、東京都で最初の健康被害が確認されてから1か月後の1970年(昭和45年)8月15日に川崎市で発生したものとされています。
 横浜市でも、1975年(昭和50年)には6,000名を超える健康被害の届け出がありました。なお、これまでに届け出があった被害者の多くは、屋外でクラブ活動中などの小学生や中学生でした。
 このほか、植物の葉が枯れるなどの影響がでることもあります。

2 光化学スモッグの特徴

 光化学スモッグには、他の大気汚染現象とは異なる次のような特徴があります。
  1.  光化学スモッグは、大気中に排出された窒素酸化物と炭化水素が、太陽の強い紫外線を浴びて高濃度の光化学オキシダントに変質した結果発生するもので、風が弱く紫外線の強い夏の日中に発生することが特徴です。したがって、紫外線の弱い冬あるいは太陽の出ていない夜間には発生しません。
     一方、二酸化窒素(NO2)など他の大気汚染物質は、大気が「安定」(汚染物質が大気中に拡散しにくい気象条件)状態となりやすい11月〜1月の冬に濃度が高くなります。

  2.  風とともに汚染物質を含んだ空気が移動するので、特に大きな発生源がなく、二酸化窒素など他の汚染物質の濃度が低い地域でも光化学オキシダントが高濃度となることがあります。

3 光化学スモッグ情報の提供

 神奈川県では、光化学スモッグによる健康被害を防止するため、テレホンサービス、インターネット(パソコン版、携帯電話版)、電子メール配信により、光化学スモッグの発生の有無などについて情報提供を行っています。
  1.  テレホンサービス
     神奈川県では、県内で光化学スモッグが発生しているかどうかの情報を下記のテレホンサービスにより、4月〜10月までの毎日提供しています。
     情報の内容は、原則として、10時(当日予報)と17時(翌日予報)に変わります。
     また、注意報が発令されたときには、注意報が解除されるまで、逐次最新の情報が提供されます。

    【光化学大気汚染情報】  050−5893−9342 及び 9343 

      表1 テレホンサービスによる光化学スモッグ情報の概要 (神奈川県大気汚染緊急時措置要綱による)
    情報の区分 内容
    なし ただいまは、光化学スモッグに関するお知らせはありません。
    B型 今後の気象条件によって、今日(明日)は、県下に光化学スモッグの発生する恐れがある。
    緊急時
    措置
    A型(予報) 今日(明日)は、県下に光化学スモッグの発生する恐れが大きい。
    注意報 現在、○○地域に光化学スモッグ注意報が発令されている。
    自動車の使用、外出、学童・生徒の過激な運動を自粛する。
    警報 又は
    重大緊急時警報
    現在、○○地域に光化学スモッグ警報(重大緊急時警報)が発令されている。
    自動車の使用、外出の自粛及び学童・生徒の過激な運動を中止する。

                        ※ 「○○地域」は、表2に示す8地域の注意報発令区分です。

  2.  インターネットによる情報提供
     神奈川県では、光化学スモッグが発生しているかどうか(上記の表1の内容)や、光化学スモッグ注意報等が発令された場合の発令地域や発令時刻・解除時刻などの情報を、次のWebサイトでお知らせしています。
    パソコン版
        ・光化学注意報発令状況
    http://www.pref.kanagawa.jp/sys/taikikanshi/haturei/index.html

  3.  光化学オキシダントの濃度
     光化学オキシダント濃度の最新の測定結果は、次のWebサイトで見ることができます。
    項目別時系列報(オキシダント) http://www.pref.kanagawa.jp/sys/taikikanshi/ItemizeDailyReport/ItemizedDailyReport0100601.htm
    そらまめ君(環境省) http://soramame.taiki.go.jp/

  4.  電子メールによる情報提供
     (1) 神奈川県では、光化学スモッグ注意報等が発令された場合は、注意報等の発令・解除に関する情報(発令地域、発令時刻、発令時の光化学オキシダント濃度)を、電子メールで配信するサービスを実施しています(詳細は、こちら)。
       2009年度からは、従来の神奈川県内全域を対象とした発令情報に加えて、新たに、下記の表2に示す発令地域(8地域)別の発令情報の配信も実施しています。

     (2) 横浜市では、携帯電話や自宅のパソコン向けに配信している「防災情報Eメール」に、「光化学スモッグ情報」を追加しました。
       横浜市に光化学スモッグ注意報等が発令された場合は、電子メールが配信されます(登録方法は、こちら)。

4 光化学スモッグ注意報

 神奈川県は、光化学スモッグによる健康被害を防止するため、光化学スモッグに関する予報や注意報を発表します。
  1. 発令地域の区分
     神奈川県は、県内の地形や気象等の条件を考慮して、県内を表2に示す8地域に区分して、地域ごとに光化学スモッグ注意報等を発令します。
     この区分は2007年4月1日から適用されます。(2006年度までの区分はこちらです。)
     なお、第8番目の「相模原」は、2009年度までの「北相」の名称から変更されたものです。

      表2 緊急時措置の発令地域の区分 (神奈川県大気汚染緊急時措置要綱による)
    地域 地域に含まれる市町村
    横浜 1市 横浜市
    川崎 1市 川崎市
    横須賀 1市 横須賀市
    三浦 1市 三浦市
    湘南 5市4町 平塚市、鎌倉市、藤沢市、茅ヶ崎市、逗子市、葉山町、寒川町、大磯町、二宮町
    西湘 2市8町 小田原市、南足柄市、中井町、大井町、松田町、山北町、開成町、箱根町、真鶴町、湯河原町
    県央 6市 秦野市、厚木市、大和市、伊勢原市、海老名市、綾瀬市
    相模原 2市1町1村 相模原市、座間市、愛川町、清川村

  2. 予報の発表
     神奈川県は、気象条件や各種汚染物質の濃度からみて、光化学スモッグが発生するおそれがあると判断した場合、「神奈川県生活環境の保全等に関する条例」 第112条の規定に基づき、県内全域に(上記の表2の地域別ではありません。)「光化学スモッグ予報」を発表して注意を喚起します。

      表3 光化学スモッグに関する予報及び注意報等の種類 (神奈川県大気汚染緊急時措置要綱 第7条による)
    発令区分 発令基準
    予報 前日予報  翌日の気象状況などからみて、光化学オキシダント濃度が注意報の発令基準程度になると予測したとき (前日午後5時に発令)
    当日予報  気象状況などからみて、光化学オキシダント濃度が注意報の発令基準程度になると予測したとき (午前10時に発令)
    特別予報  当日予報を発令しなかった場合に、その後の気象状況などの変化により注意報発令の可能性がでてきたとき
    緊急時
    措置
    注意報  光化学オキシダント濃度の1時間値が 0.12ppm 以上となり、気象条件からみてその状況が継続すると認められるとき
    警報  光化学オキシダント濃度の1時間値が 0.24ppm 以上となり、気象条件からみてその状況が継続すると認められるとき
    重大緊急時
    警報
     光化学オキシダント濃度の1時間値が 0.4ppm 以上となり、気象条件からみてその状況が継続すると認められるとき

  3. 注意報の発令
     上記の表2に示す発令地域区分に含まれる地域において、光化学オキシダント濃度の1時間値が、「光化学スモッグ注意報」の発令基準である 0.12ppm 以上となる測定局が出現したとき、神奈川県は気象条件からみて高濃度が継続すると判断した場合、大気汚染防止法 第23条の規定に基づき、健康被害を防止するため、その地域に光化学スモッグ注意報を発令し、市町村をはじめとした関係機関に連絡します。

    ※ 横浜市に注意報が発令される場合は、横浜市の全域(すべての区)に発令されます。

  4. 注意報の解除
     その後、光化学オキシダント濃度が低下して、1時間値が注意報の発令基準未満となったとき、神奈川県は気象条件からみてこの状態が継続する(高濃度にならない)と判断した場合、注意報を解除します。
     このように、光化学スモッグ注意報の発令や解除など(緊急時措置)は、市ではなく都道府県が行います。

5 注意報の連絡体制

 光化学スモッグが大きな問題になる理由の一つとして、子供たちの健康被害が多いことがあげられます。
 これは、光化学スモッグが発生する春から初秋にかけては、日差しが強く、子供たちが屋外で運動したり遊ぶ機会が多くなる時期であるからです。
 このため、横浜市は、神奈川県内に光化学スモッグ予報(A型)が発令された場合、あるいは横浜市に光化学スモッグ注意報が発令された場合は、市の危機管理室、消防の指令課、各区役所の福祉保健センター(保健所が再編・統合されました)などの関係機関に連絡するとともに、子供たちの健康被害を防止するため、学校、幼稚園、保育所などに連絡します。また、プールや動物園など人が大勢集まる施設にも連絡します。
 同時に、市内の大規模工場・事業場に対して、予報や注意報が発令されたことを連絡し、大気汚染物質排出量の削減状況を監視します。

6 光化学スモッグの発生状況

  1.  光化学スモッグが発生しているかどうかの指標となる光化学オキシダントの濃度については、「1時間値が 0.06ppm 以下であること」という環境基準が設定されていますが、全国的に見ても環境基準に適合する測定局はほとんどありません。
     全国で光化学オキシダントを測定している測定局は1200局ほどありますが、そのうち環境基準に適合するのは多い年でも6局で、1局だけという年もあります。横浜市においても全測定局とも不適合の状況が長年続いています。

  2.  1年間に発生する光化学スモッグの回数は、夏の気象条件(猛暑、冷夏、長雨、から梅雨など)に大きく左右され、猛暑の年には多く、冷夏の年には少ない傾向があります。
     このため、横浜市域に発令される光化学スモッグ注意報の回数は、下の棒グラフに示すように、一年間に2回〜十数回程度と年により変動があります。

  3.  光化学スモッグが発生する時期は、4月から10月にかけて、季節としては春から初秋にかけて(夏期)ですが、この期間で日射(紫外線)が強く、気温が高く、風が弱いという気象条件が重なった日に発生するおそれがあります。
     特に、梅雨が明けた7月から8月にかけては、南の太平洋高気圧に覆われて晴天の日が続くことが多くなります。このような日には、日射が強く気温も高くなり、光化学スモッグが発生しやすい気象条件となります。

  4.  横浜市に届け出があった健康被害者の数は、近年では被害者の大半を占めていた学校での被害発生が少なくなり、下の折れ線グラフに示すようにゼロあるいは数人の年が続いていましたが、2005年は226人、2006年は166人、2008年と2009年は2人あり、2013年は59人です。

  5.  横浜市には、光化学スモッグ警報が今までに2回(1975年と1978年)発令されましたが、1979年(昭和54年)からはありません。
     また、重大緊急時警報は神奈川県内にはいままで一度も発令されたことがありません。

横浜市に光化学スモッグ注意報が発令された回数及び届出があった健康被害者数の経年推移グラフ

7 健康被害の防止

 神奈川県は、子供たちを光化学スモッグの被害から守るため、県内の学校に下記のパンフレットを配付して注意を呼びかけていますが、このパンフレットが神奈川県のWebサイトで見ることができます。
   「光化学スモッグから子供たちを守るために」
     − 光化学スモッグによる被害の防止について−
  1. 健康被害の症状は...
    (1) 目の症状(目がチカチカする目が痛い涙が出る等)
    (2) 呼吸器の症状(喉が痛いせきが出る息苦しい等)
    (3) その他の症状(吐き気頭痛等)
     これらの症状の大部分は比較的軽症の一過性のものであり、被害の発生場所は屋外がほとんどです。
     重い症状を訴えるのは、多くの場合、屋外での運動中の被害ですが、同じ状況にあっても症状がでない人もあり、個人差があります。

  2. 光化学スモッグが発生したときは...
     光化学スモッグの健康被害者は、子供たちに多いのが特徴です。子供たちの健康被害を未然に防ぐため、次のことを実行してください。
    (1) 病弱な子供及び当日体の調子が悪い子供は屋内で休ませてください。
    (2) 過激な運動はなるべく避けてください。
    (3) なるべく窓を閉めてください。

  3. 健康被害が発生したときは...
     健康被害が発生した場合は、次の事項に留意して、速やかに適切な措置をとってください。
    (1) 屋外での運動をすべて中止し、屋内に避難し、水で洗眼、うがいをしてください。
      また、屋内ではなるべく窓を閉めてください。
    (2) 手足のしびれ、呼吸困難、失神等の症状が発生した場合は、医師の手当を受けてください。
    (3) 眼疾患、呼吸器疾患、甲状腺機能亢進症、アレルギー体質等の子供は、特に健康被害を受けやすいといわれていますので、異常を感じた場合は、医師の手当を受けてください。
    (4) 被害を受けた子供が、被害について心理的な影響を受けることも考えられますので、動揺を与えないように配慮してください。

  4. 健康被害の届出
     健康被害が発生した場合は、次の事項について環境監視センターあるいは各区役所の福祉保健センターまでお知らせください。
    (1) 被害発生の時間
    (2) 被害発生の住所又は施設名(例:○○○公園)
    (3) 被害を受けた人の氏名、年齢、学年、性別、連絡先、人数等
    (4) 被害の状況及び症状(目・喉などの刺激、めまい、しびれ、呼吸困難など)
    (5) 処置の状況

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横浜市環境創造局環境保全部環境管理課監視センター - 1998年3月26日作成 - 2015年6月1日更新
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