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用語解説 : 長期的評価
1 長期的評価とは...
 「長期的評価」とは、大気の環境基準が定められている6物質のうちで、二酸化硫黄(SO2)、浮遊粒子状物質(SPM)及び一酸化炭素(CO)の3物質について、1年間の測定結果が環境基準に適合したかどうかを判断する際に用いられる評価方法です。
 これら3物質について、ある地点における大気汚染物質の測定結果が環境基準に適合しているかどうかを判断する際は、4月から翌年3月までの1年間で得られたすべての日平均値を用いて評価します。

長期的評価による環境基準に適合するための条件は、次の2つです。
 第一は、1年間で得られたすべての日平均値から算出された日平均値の2%除外値が、日平均値の環境基準値以下であること。
 第二は、日平均値が環境基準値を超えた日が2日以上連続しないこと。

2 2%除外値の算出手順
 長期的評価を行う場合には、事前に「2%除外値」を算出する必要があります。
  1. まず、対象とする年度(4月1日から翌年の3月31日までの1年間)の毎日について、24個の1時間値からその日の日平均値を計算します。
    このとき、その日に5時間以上の欠測がある場合は、その日の日平均値は欠測となり、使用しません(日平均値が存在しない)。
  2. この日平均値を、4月1日を第1番目として、日付の順に並べて日平均値の配列(365個又は366個)に格納していきます。
  3. 1年分(4月1日〜3月31日)の日平均値の配列の中から欠測した日を除外し、実際に得られたデータ数である有効測定日数を計算します。
  4. 欠測日が除外された日平均値の配列は、4月1日を第1番目として日付の順に並んでいますが、この配列を値の高いものから低いものの順に並び替えます(降順ソート)。
    降順ソートされた日平均値の配列は、最高値を第1番目とし、最低値が最後の番号となっています。
  5. したがって、日付の順序はバラバラになりますが、このとき、同一の値が連続する場合は、複数の同一の値を日付の古いものを先に、日付の新しいものを後へと並べることとします。
    ソートの手順としては、第1優先のキーとして日平均値の値を降順に、第2優先のキーとして日付の順番を昇順にソートします。
    これは、1年間の超過日数が、下記の「2%除外される日数」より多く、かつ、2日以上連続して環境基準値を超過している場合には、「2%除外される日平均値」に2日連続超過の該当日が含まれるか否かで、「環境基準の長期的評価による日平均値が○○○を超えた日数」が変わりうることを考慮したルールです。
    したがって、単に「2%除外値」の値を算出したい場合には、この日付の順番に関する処理は必要ありません。
  6. 次に、1年間の有効測定日数(測定値の個数)を100%としたときに、値の高い方から2%の範囲にある日平均値の日数(2%除外される日数)(通常は7日分)を除外します。
  7. 7日分を除外した後の残りの日平均値の配列の中で、最高となった日平均値(これを「2%除外値」といいます。)を算出します。

※ 有効測定日数が325日以上の場合、その2%は7日になります。
  例えば、有効測定日数が365日の場合、365×0.02=7.3日 → 7日

2%除外日数 = INT(0.02 × 有効測定日数 + 0.5)

   ※ INTは小数点以下を切り捨てて整数化する関数

降順ソートで2%除外値を算出する考え方を図示

3 環境基準の評価
 二酸化硫黄等の3物質が環境基準に適合したかどうかを判断するためには、「環境基準の長期的評価による日平均値が○○○を超えた日数」を算出する必要があります。
 この「環境基準の長期的評価による日平均値が○○○を超えた日数」がゼロとなった場合に、長期的評価による環境基準に適合したと評価されます。そしてこの「超えた日数」がゼロとなるためには、次の2つの条件を同時に満足することが必要です。

【適合条件1】
 2%除外値が、日平均値の環境基準値(SO2は 0.04ppm、SPMは 0.10mg/m3、COは 10ppm)以下となった場合に、環境基準に適合したと評価します。

 平年で欠測日がなかった場合(有効測定日数=365日)を例にとると....
  1.  まず、365日分の日平均値の配列を、最高値が1番目、最低値が最後(365番目)となるように、測定値の高いものから低いものへと並び替えます。
  2.  評価から除外する2%分の日数を求めます(7日)。
  3.  測定値の高い方から7日分に該当する第1番目〜第7番目の測定値を除外します。
  4.  7日分を除外した後に残った358日(閏年の場合は359日)分の日平均値の配列の中で、日平均値の環境基準を超えた日数(環境基準の長期的評価による日平均値が○○○を超えた日数)を求めます。
  5.  この「超えた日数」がゼロならば、長期的評価による環境基準に適合します。
 わかりやすく言い換えると、1年間で環境基準値を超過した日が7日以内なら適合となります。
【適合条件2】
 ただし、日平均値が環境基準値を超えた日が2日以上連続した場合は、日平均値が環境基準値を超えた日が2日以上連続した延べ日数のうちで、2%除外該当日に入っている日数分の測定値については除外しません。
 したがって、2%除外値が環境基準値以下(環境基準値の超過日数が年間で7日以内)であっても、2日連続」の環境基準値超過があった場合は、この環境基準の長期的評価による超過日数はゼロとはならず、不適合と評価されます。

4 その他の3物質の環境基準の評価は...
(1) 二酸化窒素(NO2)も、日平均値を対象に評価しますが、長期的評価ではなく、2日連続超過の条件がない「98%値評価」で判断します。
(2) 微小粒子状物質(PM2.5)は、日平均値を対象に二酸化窒素と同様な98%値による評価を行ってうとともに、年平均値が環境基準値(15µg/m3)以下である場合に環境基準に適合したと評価します。
(3) 光化学オキシダント(OX)は、昼間の1時間値がすべて環境基準値(0.06ppm)以下である場合に環境基準に適合したと評価します。

5 長期的評価と98%値評価の違い
 長期的評価も98%値評価も、1年間で得られた日平均値から作成した累積頻度分布の98%タイル値(2%除外値あるいは98%値)が日平均値の環境基準値を超えたかどうかで環境基準の適否を判断しているため、この点では両者に基本的な差はありません。
 ただし、長期的評価では、この条件に加えて、「日平均値が2以上連続して環境基準値を超えないこと」が適合するための必須条件となります。

6 注意事項
 上記の【適合条件2】によると、対象年度の第1日目である4月1日が環境基準値を超過している場合、4月1日が2日連続超過に該当するかどうかを調べるためには、前年度の最終日である3月31日の日平均値が必要になります。
 4月1日が環境基準値を超過していて、かつ、かつ、前年度の3月31日も超過している場合は、対象年度は2日連続超過に該当するので、不適合となります。
 なお、この場合、前年度については、3月31日を2日連続超過として扱いません。
 したがって、厳密に言うと、長期的評価を行う3物質については、対象年度の1年分のみの測定値では、環境基準の適否が判断できません。

【長期的評価による環境基準の適合条件】

 長期的評価による環境基準の適否を、日平均値が環境基準値を超過した1年間の日数に基づいて判定すると、次の6つのケースに分類されます(有効測定日数が325日以上で2%除外日数が7日の場合)。

(1) 超過日数が、0日の場合は、適合
(6) 超過日数が、8日以上の場合は、不適合

 超過日数が、1日〜7日の場合は、適合条件1の「超過日数が7日以内」だけでみると適合となりますが、適合条件2の「2日連続超過の有無」により、適合/不適合に分かれます。

 超過日数が1日の場合は、
(2) 超過日が4月1日以外の場合は、適合
(3) やや特殊なケースとして、4月1日と前年度の3月31日が超過していて、4月2日以降は超過していない場合は、4月1日は2日連続超過の該当日となるので、年間の超日数が1日ですが、不適合

 超過日数が2日以上の場合は、例えば、超過日数が2日の場合は、超過した日付が、
(4) 1月1日と1月3日の場合は、2日連続していないので 適合
(5) 1月1日と1月2日の場合は、2日連続しているので 不適合
 と評価されます。上記の6つのケースをまとめると次表になります。
1年間の
超過日数
2日連続超過の
有無
環境基準の
適合・不適合
0日 なし 適合
1日 なし 適合
あり(4月1日) 不適合
2日〜7日 なし 適合
あり 不適合
8日以上 不適合

 下の図に、SPMの場合の長期的評価を示します。(SO2 及び CO の場合は別ページを参照)

(例)長期的評価の計算方法(SPMの場合)
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横浜市環境創造局環境保全部環境管理課監視センター - 2001年9月18日作成 - 2015年10月29日更新
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