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事業紹介

 繁殖センターの主な事業について紹介します。

カンムリシロムクの野生保護事業

  カンムリシロムクは、インドネシアのバリ島にしか生息していない希少なムクドリで、野生での絶滅が危惧されています。この希少な鳥を保護するため、横浜市繁殖センターではこの鳥の繁殖に積極的に取り組み、現在およそ100羽を保有しています。

カンムリシロムク  2003年3月に、横浜市はインドネシア共和国政府林業省と合意文書を取り交わし、7年間で100羽のカンムリシロムクをインドネシア側に提供すると共に、現地での保護活動にも協力していくことになりました。当センターからは、2005年6月、2006年1月と2007年3月の3回に分けて、既に70羽のカンムリシロムクを生息地であるバリ・バラト国立公園の繁殖施設と、ジャワ島のボゴールにある動物園の非公開繁殖施設へ輸出しており、これらを基に現地では飼育下繁殖計画が進められています。また、2004年4月からは国際協力機構(JICA)の草の根技術協力事業の採択を受け、インドネシアにおける個体管理や飼育繁殖、診療などの分野での技術協力や資材提供、および当センターへの研修生の受け入れ等の活動を毎年実施しています。

インドネシアとの技術交流  また、現地での放鳥計画を成功させるため、野生でのモニタリング調査や、保護区周辺での地元の子供たちへの環境教育活動なども積極的に支援しています。

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カグー学術円卓会議

カグー  横浜市政100周年を記念して、平成元年5月に1ペアのカグーがニューカレドニア南部領土政府から横浜市に寄贈されました。また、平成7年度に横浜市とニューカレドニア南部領土政府との間で締結した「横浜市とニューカレドニア南部領土政府の野生動物に関する交流合意書」では、当地の固有種であるカグーやその他の希少動物種の保護に資するため、隔年で学術円卓会議を開催し、交流を行うこととなっています。

第11回カグー学術円卓会議風景  平成20年8月22日には、第11回カグー学術円卓会議がニューカレドニアで開催されました。同国ヌメア市で社会問題となっている環境問題に関連して、先進事例となる横浜市の環境行政について発表を行うとともに、横浜市繁殖センターにおけるニューカレドニアの希少鳥類の飼育・研究の成果を発表しました。また、同会議において、各国の有識者と幅広く討議を重ね、交流の成果を挙げています。
  また、ニューカレドニア現地では現在、カグーの生息数を向上させることを目標に、あらゆる分野の専門家が協力しあい、カグーの生態調査、生息環境の改善等に取り組んでいくことを趣旨とする、2020年までの長期的な計画(カグー・リカバリー・プラン)が立てられています。この計画が順調に進み、カグーの生息数が向上していくことが切望されます。

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配偶子の凍結保存

研究室  繁殖センターでは、神戸大学農学部の楠比呂志准教授と共同で、野生動物の精子や卵子などの配偶子の凍結保存を始めています。この技術は、配偶子を小さなチューブに充填し、マイナス196℃の液体窒素の中に保存して、必要な時にいつでも生きたまま配偶子を復活させるというもので、大きな動物を移動させずに交配することを可能にしたり、絶滅に瀕する野生動物の貴重な遺伝子を長期間生きたまま保存することができる技術として注目されています。また、死亡してしまった動物から精子や卵子を回収し、保存することが出来ると言うのも大きな利点です。

凍結保存  繁殖センターでは、これまで市内3動物園の飼育動物を中心に、アノアやジャガー、ビクーナ、アカシカ、マレーバク、グレビーシマウマ、コアラ、オランウータンなど30種余りの野生動物から精子を採取し保存してきました。しかし、ヒトや家畜では既に実用化されている技術ですが、野生動物に関しては未だ実験段階で、実用化に向けて更なる研究を続けています。

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糞中の性ホルモンの測定

測定風景  繁殖センターでは、岐阜大学応用生物科学部動物繁殖学研究室の協力のもと、動物の糞中の性ホルモンの測定を行っています。飼育動物の繁殖生理が分れば、繁殖計画を立てたり、早期に妊娠を確定し出産に備えることができます。
  一般的には、血液中のホルモンを測定しますが、動物の場合、採血できる動物は限られます。注射針を刺されることは、動物にとって大きなストレスとなります。また大型動物から採血する場合には人間にも危険が伴います。そこで、簡単に手に入れられる動物の糞を利用して性ホルモンを測定しています。

ウェルプレート  性ホルモンは、卵巣や胎盤、精巣などから分泌され、血流に乗り体内を巡り種々の生理作用を引き起こした後、胎盤で代謝され糞や尿として排泄されます。そこで糞を継続的に採取し、集まった糞から性ホルモンを抽出し測定すると、体内で分泌された性ホルモンの変動を予測することができます。

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親子判定

カンガルー  複数の雄がいる群れで飼育されている動物では、父子関係が不明瞭なことがあります。そこで、マイクロサテライトDNA多型を利用して、父子鑑定を試みています。
  マイクロサテライトDNAは、AGやCTなど2塩基の組み合わせ配列が数回から数十回繰り返し並んだDNAで、その繰り返し数は極めて変異に富む配列です。そのため、個人識別や親子判定に良く用いられています。

ペンギン  繁殖センターでは、横浜市立動物園で群れ飼育されているカンガルー類やフンボルトペンギンについて、親子判定を試みています。

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亜種判定

コアラ  飼育動物の外見から亜種や種の判定が困難な場合、DNA解析により検査個体の亜種名を特定できることがあります。
  DDBJ(国立遺伝学研究所)などのDNAデータベースには、動植物のmt(ミトコンドリア)DNAのDNA(塩基)配列が多数登録されているので、検査個体のmtDNA上の遺伝子の塩基配列を解析し、データベース上のDNA配列と比較して、検査個体の亜種を判定します。

ハヤブサ  平成11年度以降、ローランドアノア(金沢動物園)、クィーンズランドコアラ(金沢動物園)、アジアゾウ(ズーラシア)、ハヤブサ(野毛山動物園)、タヌキ(野外採糞)について亜種判定、種判定を行いました。

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鳥類の性判別

泳動結果  鳥類は外見から雌雄の判別が困難な種がいるので、市内の動物園で飼育している鳥類の性判別をPCR法で実施しています。
  PCR法による性判別は、検査結果から性判定が容易であり、更に少量の体組織(羽)しか使用しないため鳥を保定する必要がない等の利点があります。

ウェルプレート  PCR法による性判別では、雌鳥のみに存在するW染色体上の遺伝子をPCR法により増幅し、W染色体の有無を確認することで、検査個体の雌雄を判定します。
  平成11年より、これまでに12種類のPCR法により、コウノトリ(よこはま動物園)、ダーウィンレア(金沢動物園)、フラミンゴ(野毛山動物園)、ペンギン類(全国の動物園・水族館)など117種の鳥類について性判別を行いました。

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横浜市環境創造局公園緑地部 動物園課 繁殖センター - 2009年4月1日 作成 - 2010年03月01日 更新
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