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御霊神社と怨霊信仰

早くから住宅地として開けた中田地区

1.御霊(ごりょう)神社と怨霊(おんりょう)信仰

 御霊神社の社殿
御霊神社の社殿

 長後街道の中田交番前から北に入る広い道を行くと、この地域の鎮守である御霊神社がある。
 祭神は、旧鎌倉郡内御霊神社共通の主神である鎌倉権五郎景政(ごんごろうかげまさ)と日本武尊(やまとたけるのみこと)の二柱である。

 由緒等について詳しい事は分からないが、旧鎌倉郡内の御霊神社の総本社といわれている藤沢市宮前の御霊神社に伝わる仁安(じんあん)二年(一一六七)記の「御霊宮来由(ごりょうぐうらいゆ)」という古文書に、中田の古名と思われる「葛乃(くずの)」が記され、分社したと書かれている。このことから新編相模風土記稿に記されている「天正年中勧請(かんじょう)」よりも、分社の時期が幾分さかのぼると思われる。何れにしてもこの地域の開発とその時を一にすることはいうまでもない。

 御霊神社というと「怨霊信仰によって祀られた神社」と百科事典風に解釈してしまうが、旧鎌倉郡内の御霊神社が鎮座している地域には、京都風の怨霊信仰の形態や習俗は伝わっていない。ごく単純に「権五郎(ごんごろう)さま」が「ごりょうさま」になり、やがて表記する段階で御霊神社となった、とする説の方が最近では多いようである。

 今でも年配の人たちは「中田のごりょうさま」「汲沢のごりょうさま」などと呼んでおり、下に神社を付けて呼ぶようになったのは明治以降のことであろう。

 明治六年(一八七三)に、その当時の鎌倉郡中田村の村社となり、更に大正十年(一九二一)からは、中和田地域唯一の「指定村社」となった。指定村社とは、国家神道時代に入り、国家が神様へお供えする供物代の一部や、弊帛料(へいはくりょう)(御進物料)を負担する地域代表の神社に指定したという意味である。

 この「指定村社」の制度は、終戦の昭和二十年まで続いた。またこのような国家機関の神社への関与が、昔から地域住民によって護持運営されてきた全国の小さな神社にまで行われたのは、時代の重要な国策の一つだったからである。

 御霊神社の建物は、享保(きょうほう)十一年(一七二六)に再興されたが関東大震災で倒壊した。現在の本殿は柱、桁(けた)、梁(はり)などの主要部分を活かして、震災翌年の大正十三年九月に再建したものである。また拝殿、弊殿(へいでん)、渡り殿は、昭和七年二月に新築された。

 神社の敷地は、山林まで含めると約七、二六〇平米(二千二百余坪)あり、泉区内では広い境内地と社有山林を持つ神社である。

 特に社有山林は、明治四十二年以来、神奈川県の風致保安林に指定され、楠(くす)や椎(しい)等の照葉樹林(しょうようじゅりん)が保存されている。戦前までは参道にも老松老杉が繁り、鳥居をくぐると夏でもひんやりとする程だったが、終戦直後、進駐軍とともに人ってきたといわれる松喰虫や、その後の排気ガス公害などで、これらの老木が次々と枯死したために、むかしに比べると境内が明るくなった。しかし山林内には、檜(ひのき)や椹(さわら)に混じって、自然に生え、繁茂した藪(やぶ)ニッケイ、楠、タブ、椎、樫(かし)が育っている。

 社殿の右うしろにある神楽殿は、昭和二十二年にその枯死用材を利用して新築したもので、正面間口五間の幕吊りは、樹齢二八〇年余りの神木(しんぼく)の松を用いたものである。皇国地誌に、社地中に老松が二株あって四百年余のもの、と記されているが、神社周辺の松はむかしから「宮台(みやんでえ)の松」として知られ、質も良く引手数多(ひきてあまた)であった。

 また社殿右側にある瓦葺きの小さな建物は、終戦時まで中和田小学校の奉安殿(ほうあんでん)であったものを、木造建造物部分のみを移築保存したものである。大正十五年六月に現在の中和田小学校校地に建てられて以来十九年間、天皇皇后両陛下の御真影(ごしんえい)(写真)を納めて置く建物であった。泉区内の各小学校校舎が建替えられた現在、学校建築物としてはこの地域で最古のものとなった。現在はお神輿(みこし)をしまって置く「神輿庫(みこしこ)」になっている。

 境内には、区内でも最も古い寛文(かんぶん)六年建立の笠付角柱(かさつきかくちゅう)庚申塔や、古式消防器具保存庫、宮本湊先生頌徳碑、村岡川(宇田川)の象徴的源流である弁天地がある。

 

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冊子いずみいまむかしの写真  平成8年11月3日発行
 泉区制十周年記念出版
  いずみ いまむかし
    −泉区小史−  より



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