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泉区を南北に縦断する「和泉川」

第3章 道と川

9.泉区を南北に縦断する「和泉川」

改修前の和泉川
改修前の和泉川
親水広場
親水広場
地蔵原の水辺
地蔵原の水辺

 和泉川は、「瀬谷市民の森」と、周辺の湧水を源流とし、和泉三家から下和泉を流れ、戸塚区俣野町で境川に合流する川である。

 明治十二年の皇国地誌に、「泉川と称す。源は本郡瀬谷村字東野より発し北の方宮沢村宮沢堀の末流にして本村に来り始めて泉川と呼ぶ中央より稍々西方を屈曲して彎流すること一里二十六町にして南の方上俣野村に入る幅広き所四間狭き所九尺最も深き所八尺浅き所三尺水勢緩にして清舟筏通せず」と書かれている。

 泉区を南北に縦断し、総延長約十一kmである。子ども達は「おお川」(大きな川)と呼んでいた。流域の水田を潤し、住民の生活と子どもたちの遊び場としても重要な川であった。

 川に流れ込む支流について、皇国地誌には六条と書かれ、山谷堀、並木堀、打越堀、小橋堀、原田堀、谷堀とあり、長さ、幅、深さ、潅漑水田の面積も記されている。さらに、その堀に注ぐ湧水の流れは数多く、そこには蛍の里あり、蛙の繁殖地ありで貴重な自然であった。

 川には、フナ、ハヤ(ウグイ)、ウナギ、ナマズ、ゲバチ(ギバチ)、手長エビ、モクタガニなどが住み、夏休みになれば、子どもや若者は川端の竹で竿を作り釣りをして楽しんだ。夕方には「下げ針」を掛け、朝胸を躍らせて上げに行く。川に堰(水門)が作られれば水浴び(水泳)の場になった。

 支流に行けばドジョウ、メダカ、オタマジャクシ、水すまし、ゲンゴロウ、ヤゴなどが泳ぎ、砂底の堀には、シジミやカラス貝、水田ではタニシも取れ、湧水の出るような所は水色や茶色の沢蟹(清水蟹)を掘ったりして子ども達の絶好の遊び場であった。また、川や支流は流域住民の色々な農業用具や生活関係の物を洗う場として、設備を工夫した家も数多く見られた。

 川には橋が欠かせない。皇国地誌には、和泉村に十ヵ所有りと記されているが、現在では大小三十ヵ所近く架けられて、生活の便に供している。

 和泉川を中心にして発展した和泉地域は、川に面して数多くの神社、仏閣が建てられ、古くは縄文時代の遺跡や鎌倉、江戸時代の古跡も数多く見られ、川沿いの散策は興味深く大変面白いものである。

 昭和三十年半ばを過ぎると、和泉川の本、支流域に住宅が急増し、また工場もでき始めたため、生活と工場の排水が流入し、水は汚れ悪臭や白い泡が各所に見えるようになった。

 昭和四十五年に中流域で起こった工場排水による水田の有毒汚染事件は、埋立てて畑にしても六十年間は食物栽培はできないといわれ、損害補償決着後、耕作地を断念し住宅地としたり、所有権を手放したりして終結した。

 流域の開発に伴い、雨が降ると一気に水位が上がり水害が出るようになった。そのため四十六年都市小河川改修事業が始まった。護岸改修、遊水池建設によって流路も変わり肥沃な水田も姿を消し、支流の堀もコンクリートで固められ小魚も住めないようになった。昭和十年前後から繁殖したザリガニは生活力が強く水さえあれば生息していたが、小魚類は水田の農薬使用でほとんど死滅した。

 昭和五十一年相鉄いずみ野駅付近の開発により、いずみ野遊水池や、日向山団地の遊水池もでき、六十三年には区役所北に四つの広大な遊水池が完成した。これらは、晴天の時はテニス、ゲートボール、スポーツ広場や交流広場として各種のイベントにも使用され、駐車場は消防出初め式にも使われて、区民の大事な憩いの場にもなっている。

 和泉川の中流中和泉地区に、「和泉川親水広場」がある。これは、昭和六十三年度にふるさとに恵みを与える川として建設省から「手づくりの郷土賞」に選ばれた。約五千平米もある河川敷で、子ども達も楽しく遊べ、川に親しめる憩いの水辺である。

 平成四年、和泉川改修によって、本来の川の周辺はすっかり様相が変わり、元の川は埋め立てられてしまったが、ごく一部は「旧和泉川跡地」として後世に伝えるために、和泉の長福寺の門前より南方に約二〇〇m位、瀟洒(しょうしゃ)な散歩道として残されている。

 平成六年にいずみ中央駅前に完成した「和泉川・地蔵原の水辺」は、子どもとともに水辺で遊び、流れの音に耳をかたむけ、水辺の動植物に身近に接することのできる、流城では貴重な憩いの場所である。水に入って遊べる遊び池とザリガニや蛙等の生き物や水生植物やショウブを配した生物池があり散策にも適している。

 一時は、悪臭と泡で汚水の流れとなった和泉川も、下水道の整備が進むにつれ、徐々にきれいな流れに戻り始めた。所々に置かれている岩は流れを緩やかにし、岩の陰には、鯉などが泳ぎ、秋には稲穂を荒らす鴨が仲良く遊ぶ姿もほほえましい。

 

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冊子いずみいまむかしの写真  平成8年11月3日発行
 泉区制十周年記念出版
  いずみ いまむかし
    −泉区小史−  より



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