横浜市長 林 文子
― 共感と信頼の行政をめざして
内容としては、例えば、どのようなことを発表されることになるのでしょうか。
市長:私たち横浜市は環境モデル都市として、つとに海外でも知られているようで、市民の皆さんと協働でG30を達成させたということについて、まずお話をさせていただきます。そして、今、先生からもお話がありましたが、次世代エネルギー社会システム実証地域に選定されていますので、このプロジェクトを市民の皆さん、企業の皆さんと一緒に進展させて、環境と経済を両立させて、雇用創出していくという、この会議のテーマに沿った御報告をしていきたいと考えています。それほど長い時間のプレゼンテーションではありませんが、できるだけ具体的なことをお話したい。理念だけではなく、このように市民の皆さんと協働したというようなお話をしようと考えています。
記者:どのような形でスピーチすることになるのですか。
市長:ラウンドテーブルになっていまして、持ち時間は5分と決められています。ですから、大変短いですが、そこで、横浜市の考え方や例を話してくださいということですので、今、一生懸命、英語の練習をしています。
記者:英語でスピーチされるのですか。
市長:はい。
記者:横浜市の首長が出席するのは、何回目かになるのでしょうか。
市長: 一昨年、北九州市が参加したということですが、横浜市としては初めてです。
OECD(経済協力開発機構)の地域開発政策委員会の日本政府の窓口である国土交通省を通じて、是非、横浜に参加して欲しいという御依頼がありました。
1泊3日という大変なスケジュールで行ってまいります。帰ってきた翌日が市会の第1日目ということで、非常にリスキーなのですが。飛行機が遅れたりしたらアウトです。ただ、私は今まで外資系の会社にいましたので、ヨーロッパの出張が非常に多かったのですが、10数年間通算して、一度も飛行機が遅れたことはありませんでした。ですから、最近はいろいろあるようですが、「ヨーロッパは大丈夫でしょう」と話しています。とにかく1泊3日で行ってまいります。
(APECには)大体、8,000人くらい(の会議関係者が)いらっしゃるということですが、サポーターの募集は200人程度ということでよろしいですか。
市長:(今回募集するのは)60名です。
(事務局):サポーター全体の人数は200名ですが、今回募集するのは60名です。残りの140名は、現在、既に様々なボランティア活動を行っている「2002ワールドカップ横浜ボランティアの会」や横浜観光コンベンション・ビューローのサポーターの方々にお願いしようと思っています。
記者:募集の要件はあるのでしょうか。
(事務局):はい、あります。活動日数が全部で10日間ありますが、そのうち3日間以上活動していただける方、一定の英語能力がある方、オリエンテーションに参加できる方、年齢に関しては18才以上で、住所要件等に関しては横浜に在住・在勤・在学の方といった募集条件があります。
記者:(APEC横浜開催記念キャンペーンの)イベント等の数は、どの程度を想定していますか。
(事務局):数については、まだ具体的に設定はしていません。できるだけ多くの御提案をいただいて、それを広く市民の方に周知していきたいと考えています。
昨日(5月11日)、指定都市市長会議の中で、「特別自治市」を作りたいということを国に提案することが決まりました。改めて、これに対する思いをお聞かせください。
市長: 横浜市は、前市長のときから大都市制度ということを発案して、御提案申し上げ、大阪市と名古屋市、横浜市で取り組んできました。それがいよいよ実現に向けて動いているということです。
昨日は政令指定都市が一堂に集まったわけですが、「特別自治市」創設がはっきりと打ち出されました。これではっきりと歩調を合わせられますので、大変に嬉しく思っています。昨日もかなり活発な議論が行われました。市によって、やはり相当人口も違って、規模が違いますが、基本的には考えていることのベースは一緒だということで、意見が一致しました。今後は、昨日も会議で「もっとスピード感を持ってやらなければならないのではないか」と申し上げましたが、国のいろいろな会議のスケジュールも入ってきていますので、それに合わせて、こぼれることがないように前々から手を打って、いろいろな御提案をしていきたいと考えています。
今日(5月12日)、横浜市独自の大都市制度の基本構想の策定がありましたが、それとの整合性についての市長の考えをお聞かせください。
市長:指定都市市長会議の中に大都市制度を検討する部会が設置されまして、そこには私が参画します。その座長は仙台市の奥山市長ですが、この中でかなり細かいところまで揉んでいくと思います。今、私たちとしては、骨格の部分をお示ししました。これは当然、市会と更に詰めていく必要があります。御承知のように、市会の(特別)委員会でも議論してきたわけですが、これから更に詳細を詰めていくためには、市会との話合いや調整が必要ですし、後は、指定都市市長会議の中の部会で進めていきたいと考えています。
記者:昨日、河村名古屋市長と平松大阪市長と3者で、極秘かどうか分かりませんが、会談されたということですが。
市長:早く3人でお会いしたいということを申し上げていて、やっと時間が取れまして、お会いしました。基本的には3市は考える方向は一緒だということで、一緒にやっていきましょうということです。今回、指定都市市長会議の中で打ち出した「特別自治市」(の考え方)と本当に変わりがありません。こうした形で、3市で提携して取り組んでいきます。先ほど申し上げた「スピード感を持ってやりましょう」ということも、私たちの方からタイムスケジュールを両市長にお見せてして、「こうした順番で、この辺りでいかがですか」というお話をして、賛成いただいき、一緒にやっていこうということになりました。大変良いお話し合いをさせていただきました。
記者:何か、面白い話は出ましたか。
市長:河村市長は、(御承知のように)いろいろと頑張っていらっしゃいますが、お会いするととても気さくで、非常に気持ちの良い方です。ただ、短い時間でしたので、余分なお話はできない状態でした。
記者:先日、上海万博(の開幕式)に御出席されましたが、どうでしたか。御感想の方は。
市長: 1973年に友好都市提携を結ばせていただいているということで、上海市からお招きを受けました。日本では横浜市だけが呼ばれ、開幕式に出席させていただきました。やはり、今の中国の勢いや上海市の意気込みというものが分かるような開幕式でした。私も(北京)オリンピックの開幕式はテレビで観ました。(上海万博の開幕式は)そのミニ版でしたが、それに負けないくらい、スケールの大きな開幕式でした。特に、花火や噴水、船を使った屋外でのイベントは、素晴らしいものがありました。
私にとって何より収穫だったのは、上海市と友好都市提携を結ばれている他の海外の市長の方たちと長時間御一緒させていただき、いろいろなお話をさせていただいたことが嬉しかったことです。
それから、韓正上海市長は、やはり相当、各国の要人がお見えでしたので、残念ながらお目にかかることができませんでした。その代わり、私が主賓でしたが、各国の市長の方たちと御一緒に副市長様を表敬訪問しながら、大変素晴らしい、かなり中身の濃い会談をさせていただきました。特に話題になったのは、これから益々、交流を深めたいということで、私たちは、水のビジネスやIT、環境問題などで強みがありますので、是非そうしたことで提携をいたしましょうと。また、私の方から、人材交流を行いたいというお願いをしました。ただ、上海としてはそうしたいのですが、最近、横浜がしてくれないということでしたので、是非これもやっていこうというようなお話をしました。(人材交流というのは)職員の交流です。横浜市も当然ながらそうですが、あのようにダイナミックに変化していく都市、成長していく都市には、逆に福祉の面や非常に厳しい環境問題もありますので、そうした動いていく都市を若い職員に見てもらいたいという気持ちもあります。1年とか2年といった長期的なものでなくても、スポットとして派遣したいという気持ちになりました。(人材交流とは別のものですが、現在)あちらの大学で(市の職員を)1人、夏休み期間に1か月間、引き受けていただくという話が進んでいます。
パビリオンのお話もしておきましょうか。日本館がなかなかすごい人気でした。私たちは開幕した当日に行ったわけですが、その時からすでに3時間待ちくらいになっていました。限られたお客様だけが入れたそうですが、かなりの行列で日本館は大変な人気でした。また、産業館が大変良かったです。産業館の入口には100面テレビと言いまして、100台のテレビが並んでいます。そこに横浜市の観光など様々な現在の状況等々を映して、横浜のイメージを拡げていただくという取組を行っていますが、それを私も観ましてなかなか良い出来でした。静岡県などの映像も映されています。私は少し驚いたのですが、50インチくらいのモニターが並べられている、100面テレビのようなものは、日本ではどこでもやっていますが、皆さん、立ち止まって、熱心に御覧になっていました。お話を聞いてみると、ハイビジョンのようなものを余り御覧になる機会がないということでしたので、鮮明な画面が大変良かったということだと思います。大変関心を持って、皆さん、見つめていらっしゃいました。また、産業館のトップでいらっしゃる堺屋太一さんと少し御挨拶させていただきました。大変力を入れて頑張っておられるし、(産業館は)人気があるとおっしゃっていました。
私としては、その100面テレビで(多くの方に横浜の映像を)立ち止まって御覧いただきましたので、10月からの羽田空港の再国際化もありますし、(中国では)観光ビザもたくさん発給されるようになったということで、中国の中堅層の方たちに、横浜を中心に神奈川に是非お出でいただきたいと考えています。
市長のゴールデンウィークは公務中心でしたが、何か、来週(休暇を)取られるという話を聞きましたが、御予定は。
市長: 市長になってから、これだけ休まない人生というのは初めてでした。ほとんど土日も仕事ですので。24時間市長職ですから当然ですが。ただ、余りにも家族と離れ過ぎましたので、少し家族孝行をしたいと思っています。家族孝行というのは、どこかに行くわけではなく、一緒にいるだけで孝行になりますので、ずっと自宅にいます。少し庭の手入れなどをしようかと思っています。ですから、何かありましたら、いつでもお電話をいただければ、役所の方に飛んできます。
また、その休み明けすぐに、(先ほどのOECDの)1泊3日の弾丸ツアーに行かなければなりませんので、少し体力を養っておこうかと思っています。
海外出張の機会が多くなっているようですが、出張の際はどのエアラインを使っていらっしゃるのですか。
市長:今まで(利用したの)は日本航空と全日空でしたが、どこかを指定しているということはありません。本当にタイトな日程で行きますので、その時間に合った飛行機を探していると思います。
記者:上海に行かれて、向こうの空港やアクセスなどで特にお感じになったことはありますか。
市長: 特にはありませんでした。空港からホテルまで30分程度かかりましたが、万博(の開幕)に合わせて、要人の方が来る日ということあって、混乱を避けるために上海市は公休日にしていたので、道路は少し空いていました。
余談ですが、サカタのタネという横浜市の企業がありますが、新しく売り出しているサンパチェンスという花があります。その花が万博会場を彩っていて、感動しました。話には伺っていたのですが、本当に素晴らしかったです。
日本館や産業館などがかなり注目されているようですが、日本のどのような部分が中国人に興味を持たれていると思われますか。
市長:やはり、ITを使った映像の進化などが、大変関心を持たれていた感じがします。
記者:普天間基地の問題で、鳩山首相が沖縄に行ったり、徳之島に行ったり、迷走しているような感もあります。また、他の自治体の首長の方も結構厳しい意見を言われている方もいらっしゃいますが、林市長としてはどうお考えですか。
市長:本当に非常に残念です。とにかく、地元との話し合いも大事にして、是非やっていただきたい。私自身も整理できないくらい、毎日、新聞などにいろいろなお話が次々出てきて、ここで少し進むのかと思うとそうではないというような感じがあります。鳩山首相御自身も迷われたり、苦しんだりなさっているのかと思いますし、何らかの形で決着を願いたいと思います。
記者:市内にも返還が決まっている基地があって、それでもなかなか返ってきませんが、(普天間問題の)影響があるというお考えはありますか。
市長:いいえ、私はそのように考えていません。(市内米軍施設の大半については)平成16年に返還(の方針)が合意されていますので、この普天間の影響はないと思いますし、あってはなりません。
この会議自体、第2回ということですが、第1回目はどちらでいつ開かれたのでしょうか。
黒川 浩助 再生可能エネルギー2010国際会議共同組織委員長(東京工業大学ソリューション研究機構特任教授):2006年10月に幕張で第1回目を行い、約1,000人の会議参加と2万数千人の展示会への参加がありました。その時はスポットで開催したのですが、要するに1回限りということで行ったのですが、皆さんから継続するようにという御要望が非常に強く出ましたので、新しく持続的な組織として、再生可能エネルギー協議会というものを作りました。2007年からは毎年展示会を行うということで、あちこちの場所で行いました。(会議としては)国内で2回目が今回の2010年ということです。なお、国際会議ですので、間の年の2008年には、海外で開催していますので、実際、正確には2回目(の会議)は韓国の釜山市で行いました。2012年には、まだ正式には決定していませんが、中国の上海市で行う予定です。
記者:今回、横浜で開かれるということで、これは、市の方から誘致したのか。それとも、主催者側、会議側の方から横浜でやりたいということで来たのか。どちらでしょうか。
市長:20年6月に横浜で開催されることに決まったわけですが、これは(主催者様から)お話も受けていましたし、もちろん市としては積極的に是非お願いしたいということで、やらせていただきます。
黒川教授:我々サイドでも、横浜市からの非常に積極的な誘致があって、今回、横浜市側のイベントもいろいろと提案していただきまして、そうしたことを考えて、絶対に横浜でやりたいというのが私の気持ちでした。
市長:私たちの考え方にも、ぴったりと合ったということです。
記者:市内中学生を対象としたポスターコンテストは、コンテストというくらいですから、何か、順位付けのようなことをするのですか。
(事務局):優秀なものは表彰するようなことを考えたいと思っています。
黒川教授:優勝者のお名前は我々の(国際会議の)閉会式で発表されますが、実際の表彰式は、御本人たちをお集めして、市の方で行うと伺っています。
記者:これは、どのような形で選考されるのでしょうか。
(事務局):市の内部でこれからメンバーを揃えて(選考したい)と思っています。詳細については、これから決めたいと思っています。
記者:専門の方がいらっしゃっているので伺いますが、今年の特に展示の部分での見所はどの辺りでしょうか。
黒川教授:展示の数はかなり多いですが、まず、絶対的なマジョリティはやはり太陽光発電、太陽電池になります。主催環境を正確に申し上げますと、PVジャパンという、毎年我々と一緒に行っている展示会がありますが、それが同じ会場で同一の展示に見えるような形で開催しますので、太陽光発電(の展示)はかなり大きなものになります。それから、(新エネルギーをはじめとした)12の分野をカバーするものとして、我々サイドで企画している展示が入ってきます。去年と比べても、再生可能エネルギー(の展示)が非常に増えてきています。例えば、ここ横浜は三菱重工様の地元ですので、大型の風車関係の展示などがあります。皆さん、ぎりぎりにならないと手の内をお示しにならないものですから、新しい考案など、そうしたものが出てくると思いますが、後ほど事務局の方から2、3紹介させていただきます。
(事務局):なお、2006年当時には、再生可能エネルギーと言うと、皆さんから「再生可能エネルギーって何だ」という質問が来ました。今は再生可能エネルギーと言っても、皆さん、何の御質問もされない。これは、我々がこの再生可能エネルギー(という言葉)を最初に使い出したという自負があります。
今、黒川先生がおっしゃられたことに付け加えますと、今回、非常に特徴的なのは、三菱重工様や日立製作所様等々、日本を代表する大きな企業が、地球との絆ということをテーマに、21世紀に向けて取り組んでいる低炭素社会の取組が12分野ありますので、それをひとまとめにして、一つの企業のコンパートメント(出展ブース)の中で、すべて展示するという取組が行われています。
柏木 孝夫 再生可能エネルギー2010国際会議 組織委員会委員長(東京工業大学ソリューション研究機構教授):皆さん、御存知だと思いますが、現政権では、再生可能エネルギーからの電力をベースにして、全種全量買取制度を作りたいということで、私もその中の一人として関わっています。旧政権で既に太陽電池に関しては、余剰電力だけは48円/1キロワットアワーという固定価格で買取り始めています。一挙に太陽電池のマーケットが伸びており、既に黎明期は終わって、コスト競争に入りつつあります。我々としては(これから)3年から5年で約半額になるのではないかと考えています。半額になりますと、家庭用売電は24円/1キロワットアワーになりますので、新築の一般家庭の屋根には、(太陽光発電が)標準装備されていく可能性が出てきています。この10年間はかなり大きな変化が出てきます。そのトリガーになるのが、太陽電池です。それに蓄電池として電気自動車が入ってきます。これがうまくセットで入ってきますと、一挙に太陽電池が蓄電池としてではなく、車として機能していく。そういった姿がこの展示場でも見られるのではないかということを期待しています。
記者:(記者発表資料には)「新エネルギー世界展示会で市内事業者の取組が紹介される」とありますが、今の段階で、どのような分野の方々がどのような展示をするという内容は分かりますか。
(事務局):この内容については、私たち市の方にまだ詳しい情報が入ってきていません。
黒川教授:具体的には、先ほど説明させていただいた、三菱重工様や日立様のお話だと思います。それから、可能性としては、確認はできていませんが、横浜市が次世代ネットワークの指定都市に選ばれて、それに絡んでいる会社さんがたくさんいらっしゃいますので、その方たちが出展していただけると思います。そこは当日、非常にスポットライトが当たるのではないかと思います。
柏木教授:その件は御存知ですか。次世代エネルギー社会システム協議会で4市が選ばれました。これは要するに、100V系のデマンドサイドに、天候で変化する不安定性電源がたくさん入ってくると、スマートコミュニティやスマートグリッドといった次世代型の送配電源システムを設備しなければいけなくなります。それをこの横浜市では、電力、ガス、その他のいろいろな関連企業でコンソーシアムを組んで、市がオーガナイズして進めていくということで、20自治体から(提案が)出てきた中で、選定された4市の中でもトップランキングで選定を受けました。こうした政策をこの中で紹介したいということだと思います。
(事務局):また、その他に、私たちが今、「ハマウィング」(風車)に取り組んでいる中で、Yグリーンパートナーという、キリンビール様をはじめとした協賛いただいている企業の方がいらっしゃいますので、そういった方々の、横浜市での再生可能エネルギーの取組(を紹介すること)も考えていますが、まだ最終の詰めをやっているところです。