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白根不動の龍

そのむかし、まだ白根のお不動様が池に囲まれていたころのお話。

白根不動は今のような公園ではなかった。むかしは池があって、その真ん中に小さな築山があり、それは美しい御所のお庭のような雰囲気をたたえていたところであった。

あるとき、この白根不動に住む神主のところへ、所用があって厚木から大工の弟が訪ねてきた。

用事を終えて帰る途中、白根橋でちょっと一服していると、橋の下からザザーッという大きな音が聞こえてきた。びっくりして橋の下を見ると、そこに大きな龍が音を立てて、中堀川の清流を白根不動に向かって泳いでいくところであった。

不審に思って後をつけていくと、不動様の脇にある清水の中で、ジュンサイ(水草の名前)を見つけ、うまそうにパクパクと食べているところであった。

食べ終わった龍は、また、中堀川を下り帷子川を通って、海へ出て、また大岡川を上り、峯の円海山(磯子区)へと向かっていったそうだ。

むかしから龍は、このように清流を好み、自分の好きなジュンサイをさがして、白根不動と峯の円海山を行き来して、道行く人々を驚かせていたということである。

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