猫実態調査の結果を踏まえ,区民参加による猫問題に関する検討会を開催し,これを基に猫の飼い方や世話の仕方についてのあるべき姿をガイドラインとして作成しました。
のら猫については,人が繁殖制限をし,その生活を改善させていくことで「街の嫌われもの」から「街の人に好かれる猫」へ,さらに新しい飼い主を探し,「飼い猫」として新たな姿へ生まれ変わらせ,その数の減少を図ります。そのためには,自らの楽しみや一時的な感情で,見かける「のら猫」にエサを与えるのみの人を無くし,責任を持って「のら猫」の生活改善を行う人(キャットメイト)を育成する必要があります。 飼い猫については,飼い主に対し,誤解の多い猫の習性について正しい知識を啓発し,併せて近隣への配慮や猫自身の健康管理,また事故を防止するためにも,都市部で適している「屋内飼育」の普及を図ります。
のら猫 : エサは人に依存する(ゴミをあさる等を含む)が,その他の生活全般については人に管理されていない状態の猫そと猫 : 生活のほとんどを屋外で過ごし,飼い主によってエサや繁殖等はある程度管理されているが,排泄・病気予防等は放任されている場合が多い猫
うち猫 : 生活のほとんどを屋内で過ごし,繁殖制限,病気予防や,排泄等の生活面まで,すべて人の管理下にある猫
キャットメイト(のら猫生活改善支援者): 自己所有地内など,周辺住民から了承が得られる場所で,定期的に猫の世話を行い,かつ,猫の行動範囲周辺の環境整備を行う者。このガイドラインに従って,繁殖制限・健康管理など「のら猫」の生活改善を推進し,地域での保護者となるよう努め,飼い主に準じた管理責任を負う。
◆ 猫の本能・習性について正確で詳しい知識を持つこと。
◆ 猫の世話(エサ・排泄・爪とぎ・被毛の手入れ・遊び)は屋内で行うこと。
○家具の配置に段差をつける等を工夫しましょう。○トイレは毎日清掃し,排泄物の量や状態を観察する。また,設置場所やトイレ容器の深さ,大きさを変えたり,容器に敷くトイレ砂の素材も他の物を試すなど上手に排泄できるよう配慮しましょう。
○被毛の手入れは屋内で行い,毛は飛散しないようにしてゴミとしてまとめて捨てましょう。
○屋内飼育でも,逃げて迷子になった時のために,連絡先を書いた首輪や迷子札等をつけ,飼い猫であることを明確にしましょう。
○完全屋内飼育の場合,住環境に応じて複数(2〜3頭)の猫を飼えば,猫同士で一緒に遊んだり,運動したり出来るので,ストレスのない暮らしとなるでしょう。
◆ 繁殖制限・病気予防(特にワクチンで防止できる伝染病)・寄生虫(ノミ・ダニ・回虫等)駆除等健康管理を行いましょう。
○完全屋内飼育でも,繁殖制限の手術を行うことによって,オス,メスともに鳴き声やスプレーなどの発情期特有の行動を防止できます。泌尿生殖器に関連する病気も予防でき,健康管理面でも有効です。
◆ 猫の本能・習性について正確で詳しい知識を持つこと。
◆ 猫の生活について責任を持って世話をすること。エサと排泄については必ず管理をすること。
<エサやり>○エサ場は周辺住民の理解が得られる場所で,一定の決めた時間(例えば生ゴミの収集時間前等)に与え,その時間に現れない猫には決して置きエサをしないこと。
○洗浄が容易な容器に,世話している猫が食べきれる量のエサを入れて与えましょう。
○猫が食べ終わったら,容器を片づけ,周辺清掃を行い,衛生管理に気をつけましょう。
○置きエサはハエ・ゴキブリなどの害虫発生や悪臭の原因となったり,猫のエサを食べる動物種が増えすぎて野生生物の生態系バランスを崩すこともあります。また,猫と野生生物との間で病気がうつる危険性もあります。
<排泄>
○エサ場周辺で周辺住民の理解が得られ,管理できる自宅などに,猫の排泄場所を設置し,そこで排泄を行うよう仕向けること。
○排泄場所は常に清潔に保ち,排泄物の片づけは頻繁に行うこと。
○排泄場所以外で排泄した糞についても広い範囲を点検し,糞以外の汚物も併せて積極的に片づけ,猫の生活周辺地域の環境美化に配慮すること。
<識別>
○世話をしている猫は,首輪・名札等を装着し,誰が見てもすぐ判別できるようにすること。
○個々の猫の状態(性別・年齢・病歴・不妊去勢・寝床の場所・エサとトイレの場所)などを細かく把握し,定期的に記録をつけましょう。
◆ 猫がその地域で生活することについて周辺住民の理解を得ること。
○1人で地域の数匹もの「のら猫」を世話するのは,肉体的にも精神的にも限界があります。地域で協力者を探すなどグループをつくり役割分担を上手にし,孤立しないようにしましょう。○活動は代表者を決めて,地域の代表者(自治会等)や,行政・応援組織等の他機関と連絡を密にし,積極的に活動への理解・協力を求めながら,実践しましょう。
○猫が生活している周辺の住民には,猫の世話をしていることや,面倒を見ている猫の数,識別方法,健康状態などを具体的に説明しましょう。
○キャットメイト連絡先等責任の所在を明確にしておきましょう。
◆ 繁殖制限・病気予防(特にワクチンで防止できる伝染病)・寄生虫(ノミ・ダニ・回虫等)駆除等健康管理は協力機関と相談しながら,適切な時期に実施すること。
○繁殖制限は生後6ヶ月までには,オス,メスともに必ず行うこと。
◆ 「うち猫」として飼養してもらえる新しい飼い主を探す努力をすること。